4回
2017/07 訪問
関西人DNAを刺激する江戸前寿司
初夏の大阪は蒸し暑く、
冷えた瓶ビールで喉を潤すと
薄ハリのビールグラスが、
この後の繊細な味を予感させる。
ここは昨年のクリスマスに「恋に落ちた店」。
店内が全面的に改装され、
質感が高まった。
毛蟹に出汁ジュレと雲丹を乗せた前菜が
実に素晴らしい。
単独で食べても美味しい素材の
まさかのマリアージュ。
冷えた日本酒がどんどん進む。
夏の定番、明石の蛸と煮鮑。
鮑は、築地の最高級品を仕入れたそうで、
香りが立ち、むっちりとした食感。
これはエロい。
明石の蛸も素晴らしかった。
湘南の佐島の蛸とは一味も二味も違う。
そして、夏の握りがスタート。
シャリには江戸前の赤酢が使われているが、
今回、親方は、タネによって赤、ロゼ、白と
3種類を使い分けていた。
「魚によって、
赤酢の量を変えることにしたんですわ。」
そして、旬の極上タネと、煮切り醤油は、
旨みとコクに満ち、
「美味しい」と感じる関西人DNAが
刺激される。
改装されたスタイリッシュな
カウンター席で交わす
親方・大畑さんとの会話が楽しい。
研究熱心な親方の心意気を味わえた。
店内は、日曜の夜ということもあり、
若いカップルが多かった。
女性が皆、美しい。
私の隣は香港から単身来日した40歳代の男性。
日本の鮨が大好きとのことで
「東京ではどこの店が美味しいのか?」
と英語で私に聞いてきた。
他店の話をするのは、
ルール違反だとは思ったが、
インバウンドへの貢献だと考えて
私が3店舗、名前を挙げると
「やっぱりA!!
行きたいけれど、Aは予約が取れなくて、、
Bは私も大好き。次はCにも行ってみる。」
恐るべし、香港の富裕層、、
親方曰く
「実はCのお客さまは、
ウチにもよくいらっしゃるのですよ。
何か相通じるものがあるのですかね?」
鮨は、実に奥が深い。
2017/08/16 更新
2016/12 訪問
恋に落ちて・・
最初に出された白子を口に含んだ瞬間
恋に落ちてしまった。
25年余りの東京暮らしで忘れていたものが
鮮明に蘇ったのだ。
冬の握りを食べると、
それは確信へと変わった。
真昆布の出汁、土佐醤油の甘さ。
瀬戸内の白身。
煮切り醤油の旨みとコク。
あぁ、これなのだ。
私が求めていたものは。
思い切って、初対面の親方・大畑雅達さんに、
上記の感想を伝えると、
「うちは江戸前の鮨やけど、
関西のお客さんは、旨みとコクを
求めはるからね。
煮切り醤油やシャリを工夫せなあきません。
例えば、この車海老の煮ツメは、
ボタン海老の殻で作る。
そこまでするのは、うちだけちゃうかな。」
と語り、優しい笑顔を浮かべた。
次はどんな味覚を堪能できるのだろうか。
楽しみでならない。
2017/08/16 更新
あれは一年前のこと。
最初に出された白子を口に含んだ瞬間
恋に落ちてしまった。
25年余りの東京暮らしで忘れていたものが
鮮明に蘇ったのだ。
冬の握りを食べると、
それは確信へと変わった。
真昆布の出汁、土佐醤油の甘さ。
瀬戸内の白身。
煮切り醤油の旨みとコク。
あぁ、これなのだ。
私が求めていたものは。
思い切って、初対面の親方・大畑雅達さんに、
上記の感想を伝えると、
「うちは江戸前の鮨やけど、
関西のお客さんは、旨みとコクを
求めはるからね。
煮切り醤油やシャリを工夫せなあきません。
例えば、この車海老の煮ツメは、
ボタン海老の殻で作る。
そこまでするのは、うちだけちゃうかな。」
と語り、優しい笑顔を浮かべた。
関西人DNAを刺激する「鮨 おおはた」。
研究熱心な親方の進化が止まらない。
今年の夏に訪問すると、店は全面的に改装され、
極めて質感の高いカウンター席に。
シャリは、赤、ロゼ、白の3種類になり、
タネに合わせて使い分けるようになっていた。
そして、師走には
温度が1度で冷蔵し、タネを熟成できるよう、
特注の冷蔵庫まで設置されていた。
これにより、タネが一段階、上質になったのだ。
さらに大間の良い鮪を仕入れるルートを確立されたそうで、
熟成の赤味、熟成の中トロ、熟成の大トロの握りを
堪能することができた。
鮪と赤酢が効いた「赤」のシャリとのマリアージュが
実に素晴らしいのだが、東京で食べる鮨よりも
旨みとコクを感じるのだ。
親方曰く
「赤酢のシャリといえば、新橋のしみづさんで、
今年も食べに行ったけど、キリッとした味の印象やね。
あれはあれで美味しいけれど、
うちは、おおはた流で(笑)。」
親方は「しみず」のみならず、
タネの質が高い銀座の「鈴木」も研究されたそうだ。
それは、つまみの一品目の「蛸」の仕事で感じられた。
東京の鮨店が使う佐島の蛸に対抗するために、
明石の蛸に切り目を入れて柔らかさを出し、
コクと旨みを追加していた。
握りは、とにかくタネの良さが際立っていた。
コハダは旨みが抜群、
馬糞雲丹は、溢れんばかりに積み上げられ、
口の中で蕩けた。
車海老は、専用のツメが塗られ、コクに満ちている。
玉子の作り方も変えたそうで、
こちらも濃厚な仕上げに。
「大阪に帰省したら、必ず食べに行きます。」
親方に再訪を誓い、店を出ると
口福の余韻にいつまでも浸ることができた。