2回
2017/07 訪問
魔女が創造した「小宇宙」
シェフの優子さんは食材に魔法をかけている。
欧州修行で得た魔力で西麻布に人々を誘う。
キノコのマリネ、蛸のマリネは定番。
夏はガスパッチョが絶品だ。
鮮烈な野菜の刺激。
飲むと力が漲る。
十数種類あるピンチョスは、
地中海の国々の料理のエッセンスが
表現されていて、口に入れると、
そこに「小宇宙」が広がる。
「ミルフィーユ」と呼ばれる
蜂蜜とブルーチーズのピンチョスは
毎回、その味と食材が変わるが、
いずれもバランスが絶妙だ。
牡蠣のピンチョスもたまらない。
一口食べると、心は地中海へ。
南仏の陽射しを浴びたグルナッシュ種の
ワインを飲めば、魔界から抜け出せなくなる。
そして、料理好きの面々が
「絶対にコピーできない」と唸る肉料理を
食べると魂を抜かれてしまうのだ。
シェフの虜にされてしまうこと、
ゆめゆめ忘るることなかれ。
2017/08/19 更新
「西麻布の魔女」シェフの優子さんが、
約1ヶ月間の夏の“イタリア修行”を終え、
店を再開すると、常連さんが殺到する。
シェフが気に入った料理の味が
日本流にアレンジされることなく
そのまま再現されているからだ。
今回はシチリア。
ニンニクとアーモンドに
ミニトマトとイタリアンパセリを
細かく刻んで作る、シチリア伝統のソース
「ペストトラパネーゼ」が楽しめた。
前菜は6種類。
「ニシンとオレンジのサラダ」
「キノコのマリネ」
「シチリアのパスタのサラダ」
「カポナータ」
「蛸のマリネ」
「ガスパッチョ」
ニシンとオレンジのサラダは、
シェフが現地で食べた料理。
爽やかなオレンジの甘みと酸味が
ニシンの酢漬けとよく合い、食欲が刺激される。
シチリアのパスタのサラダには、
ペストトラパネーゼが使われ、
隠し味のアーモンドや
夏野菜の食感が素晴らしい。
カポナータは、濃厚な旨みが楽しめた。
ピンチョスは12種類。
ブルーチーズと蜂蜜の「ミルフィーユ」は
安定の美味しさ。
南仏の赤ワインが進む。
メインの肉料理と魚料理は16種類。
「渡り蟹の詰め物」
「プエブラ風モエソースのエンチテーダ」
「トマトのフェンネルの
コーニュチーズグラタン詰め」
「ポテトとトリッフとラルドと
オニオングラタンのティンバル型仕上げ」
「カジキマグロのドライトマトの
アーモンド包みと野菜のソース」
「トリッパの煮込み」
「海老のムケカ」
「渡り蟹のカレー」
「牛肉とポルチーニ茸とコーニュチーズの
ミートボール」
「ファールソ マーグロ」
「牛肉の煮込み コーニュ風」
「ラム肉のケバブとオクラとトマトの
ザクロのソース煮込み」
などなど、
書ききれないほどある。
シェフ一押しは
「シーフードのトリコローレ」。
金目鯛とサーモンと帆立、ムール貝、
ほうれん草、パプリカが焼かれ、
切り口がイタリア国旗の三色に。
ソースはもちろん、ペストトラパネーゼ。
魚介のスフレに
アーモンドやオリーブが効いている。
「ラム肉のケバブ」には、
イタリア米のカルナローリが付く。
「牛肉の煮込み」も深い味わいだった。
舌の上で繰り広げられる
複数の食材の旨みと食感と、
添えられるソースとの
複雑なマリアージュ。
これを表現するのは難しく、
「とにかく美味しい」と言うしかない。
自らのボキャ貧ぶりを嘆き、
そして、今宵食べられなかった料理を求めて
次回の予約を入れるのだ。