The うまいさんが投稿したSECRETO(東京/牛込神楽坂)の口コミ詳細

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SECRETO牛込神楽坂、牛込柳町、神楽坂/イノベーティブ

1

  • 夜の点数:4.0

    • ¥20,000~¥29,999 / 1人
      • 料理・味 4.0
      • |サービス 4.0
      • |雰囲気 4.0
      • |CP 4.0
      • |酒・ドリンク 4.0
1回目

2025/03 訪問

  • 夜の点数:4.0

    • [ 料理・味4.0
    • | サービス4.0
    • | 雰囲気4.0
    • | CP4.0
    • | 酒・ドリンク4.0
    ¥20,000~¥29,999
    / 1人

石川への愛。食を通じた特別な体験ができる場所。【1,000投稿目】

★4.00

都営大江戸線牛込神楽坂駅から徒歩7分程度の場所にある進化系創作料理のお店。同店は完全予約制であるのでフラッと入ることはできない。さらに、超人気店のため予約が非常に難しい。

営業は、19時に一斉スタート。お店には18時40分から入ることができる。
18時45分に入店。同店のメニューはSECRETOディナーコース(27,500円)のみであるので、迷うことはない。なお、ドリンクもコース料金に含まれており、アルコールまたはノンアルコールのどちらかを選択する。当然アルコールをセレクト。

入店するとバーカウンターがあり、そこがウェイティングルームになっている。ウエルカムドリンクは、スパークリングワイン。1杯飲みながら開始時間を待つ。この待ち時間が本日の食事の期待がより増してくる。

19時にダイニングルームに案内される。カウンターのみで席数は12。カウンターを囲むようにしてセンターキッチンがある。ここでも期待を高まらす演出もある。それは、光の演出と音楽である。

19時3分にショーがスタート。オーナーシェフが登場する。
食材はオーナーシェフの地元である石川県能登の中心に仕入れていること、季節感を忘れないようにしていること、能登地震のこと、そして、今日を楽しんで欲しいということ。かなり、テンション高く語られると、その世界に吸い込まれる。

提供された料理は以下の通り。
1.秘密のハート
ジュース入りのチョコである。手で掴んで一口で口を閉じて食べる。中からは液体が出てくるという不思議な感覚である。中身はみかんといちごのジュースで、外側部分はカカオバターで作られているとのこと。面白い。

2.SECRETO風昆布巻き
NOTO 高農園のころ柿と、モッツァレラチーズが昆布で巻かれていてその上にキャビアが乗せられている。和洋の融合を極めた一品である。ころ柿の濃厚な甘みとそれを包み込むようにモッツァレラのミルキーでなめらかなコクが追いかけてくる。この2つだけでも相性抜群ではあるが、そこに昆布の旨みが加わることで、ほんのり塩気と奥深い旨みがプラスされ、味の層が一気に厚くなる。そして、仕上げに乗せられたキャビア。プチッと弾ける食感と、海のミネラルを感じる塩味が全体の味を引き締め、甘さ、塩気、旨みの絶妙なバランスとなっている。
この料理に合わせるのは、ジントニック。ドイツのMonkey47が使われている。ボタニカルの層が次々と感じられ、ハーブの芳香や、ドライフルーツのような甘みも感じられる。後味はすっきりしているが、スタンダードなジントニックとは一線を画す、贅沢で奥行きのある味わいである。

3.能登牛のコロッケ風とイワシの酢漬けとNOTO 高農園のトマトのピンチョス
それぞれが個性的ながら、共通して素材の良さを最大限に引き出した一皿である。まずは能登牛のコロッケ風。衣はサクッと軽やかで、中はトロッとした食感が楽しめる仕上がり。中に詰まっているのはジューシーな能登牛であり、肉の甘みとコクが。そして、トリュフバターの香りも良く、かつ、塩加減も絶妙でシンプル絶妙の仕上がりである。
今回のピンチョスは、イワシの脂がしっかり乗っているので、酢の酸味とのバランスが良い。程よく〆られていて、魚の旨みをしっかり感じつつ、さっぱりと食べられる。トマトはフレッシュで甘みが強く、その下にパンが敷かれており、どれも喧嘩せず一体となっている。シンプルにもかかわらず、素材のポテンシャルの高さをしっかり感じる仕上がりであった。

4.イカ飯イエローカレー風味
富山のホタルイカが使用されている。この時期から市場に出回ってきているそうだ。イエローカレーのスパイスの香りがあり、普通のイカ飯とは一味違うエキゾチックな風味が楽しめる。さらにパクチーも乗っているので、一気にエスニックに。

5.能登阿岸の七面鳥のワンタンメン
ここでラーメンがくる。想像を超えてきた。麺は同店近くの食べログ百名店の「ラーメン厳哲」から調達しているとのこと。また、七面鳥は能登の地震で一旦事業を停止した生産者が再興したことによって、そこから仕入れることができるようになった思い入れのある食材とのこと。なお、ラーメンのスープは、七面鳥の出汁を濃縮工程を繰り返し、相当濃くし、鯖のいしると合わせている。七面鳥の旨みがじんわりと染み出した優しくも奥深い味わいで、鶏よりもコクがありながら、豚骨や牛骨ほど重くない、バランスのとれたスープである。脂のくどさがなく、スッキリとした飲み口にも関わらず、旨みの余韻が長く続くのが印象的である。麺はスープとよく絡む中細麺で、ツルッとしたのどごしが心地良い。小麦の風味がほんのり広がるタイプで、スープの繊細な味わいを邪魔しない。ワンタンも入っている。これは七面鳥ワンタンか。ワンタンの皮はトゥルンと滑らかで、噛むと中からジューシーな餡がじゅわっと溢れ出る。ワンタンの餡に少し生姜が効いているので、それがまたアクセントになっている。
これに合わせるのは、生姜の入ったフェイクビールという名のジンバック。超かわいいグラスで出てくる。すっきり爽快な優しいアルコールである。

6.フォアグラフレンチトースト
同店のオーナーシャフはエンターテイナーである。凍らせたフォアグラを液体窒素にくぐらせることでカッチカチに。カッチカチにしたうえで、それを削ることで最もフワフワなフォアグラの食感を楽しませてくれるようだ。また、客に液体窒素を触らせてくれる楽しい演出も。1秒な程度なら低温火傷にはならないらしい。そして、カッチカチになったフォアグラをフレンチトーストに目の前で削ってくれる。そして、オーナーシェフのお母さんが作った柚子ジャムを付けて食べる。フォアグラの濃厚なコクと、バターの香ばしさ、卵の優しさ、そして、塩気もちょうどよく、フレンチの高級感とスイーツの遊び心が融合した一皿であった。これに合わせるお酒は、富山県の満寿泉貴醸酒。センスが良い。

7.シストロン産仔羊のグリル
これは今まで食べてきた羊の中で圧倒的に一番。オーナー曰く、ヤギのミルクでマリネすることで最高の仕上がりにあるとのこと(まだ完成形とは思っていないとのこと)。中はほんのりピンク色を残した仕上がりは絶妙な火入れであることは言うまでもない。仔羊特有の上品な香りと、肉の柔らかさ、そしてシストロン産の仔羊はクセが少なく、肉質がきめ細かいのが特徴であり、しっとりとしていて驚くほど滑らかな食感である。脂身はサラッとしていてくどさがなく、肉の甘みと旨みをしっかりと感じることができる。写真では黒トリュフが目立ってしまいがちだが、その下にあるじゃがいものガレット、つぼみ菜の存在もこの料理を引き立てている。これはがっつりフレンチである。
そして、この料理に合わせるのはBODEGA CUEVEというスペイン産のオレンジワインである。琥珀がかった美しいオレンジ色が印象的で、熟した柑橘系の香りと、ほのかなスパイス感を感じることができ、どことなく紅茶を思わせる複雑な香りが広がる。果実の凝縮感とタンニンの渋みのバランスが良く、白ワインとも赤ワインとも違う独特のテクスチャー。じんわりと奥行きを感じる味わいであった。

8.能登さわらのポワレ
能登産のさわらを炭火でじっくり焼いたうえで、「2.昆布巻き」の出汁を使った和を意識したスープで仕上げられている。その下には、春キャベツと、カブが添えられている。炭火で火入れされたさわらの皮目は、綺麗な焼き色がついており、香ばしさある。そして、身はふっくらしていていしっとり柔らかく上品な脂の甘みが広がる。クセが少なく、淡白ながらも旨みがしっかり感じられる。見にくいかもしれないが、昆布を切り抜いて「SECRET」との文字もある。キャベツはクタクタに煮込まれており、めちゃくちゃ甘い。カブもしっとり。
この料理に合わせるのは、イタリアトスカーナ地方のSan Jacopo Toscana Biancoである。淡い麦わら色 で、ほんのり緑がかっており爽やかな印象。香りを嗅ぐと、柑橘系のレモンやグレープフルーツ、ほんのり青リンゴのようなフレッシュさもある。トスカーナらしい明るくフルーティーな香りが心地よかった。

9.シェイク・エルダーフラワー
客一人一人にシェーカーが渡される。そして、なんと客にシェーカーをレクチャーし始める。これは、客自身でシェイクして飲むドリンクの一つである。それにしても、大の大人がシェーカーを振っているのはなかなか滑稽である。しかも12人一列になって。ただ、このドリンクも美味い。りんごベースのスッキリしたノンアルコールカクテルである。

10.能登牛プレミアムイチボのグリル
メイン料理である。これもシェフの故郷である石川県産の牛肉が使われている。イチボは西京味噌でマリネしてあら焼かれている。ソースは豆麹と麦麹をしょうゆに漬けて発酵させた醤(ひしお)とフォンドボーが合わさったもの。上品な旨みと、しっとりとした食感、そして、イチボならではの程よいサシが肉の甘みを引き立て、ジューシーに仕上がっている。火入れも最高で、肉の柔らかさと香ばしさが表現できており、シンプルながらも奥深い美味しさを感じることができた。柔らかすぎて歯がいらないとはこのことだ。ソースは、醤の発酵由来のまろやかなコクとほのかな甘み、そして、フォンドボーの上品なコクが重なり、より濃厚でリッチな味わいに仕上がっていた。ソース自体が決して主張しすぎることなく、肉の美味しさを最大限に活かす絶妙なバランスが取れているのも素晴らしいとしか言いようがない。
この料理に合わせるのは、スペインのMARIO。果実味の豊かさとエレガントなバランスが印象的で、芳醇な香りは、熟したベリーやプラムのような甘さの中に、スパイスや樽由来のほのかなバニラのニュアンスを感じさせる。滑らかなタンニン、酸味は穏やかで、ボディはしっかりしつつも重すぎず、飲み心地が良い。

11.パン&トリュフバター
気泡が大きいフランスパンである。外はカリッと香ばしく、中はふんわりとした食感で、小麦の香りが強い。トリュフバターは、クリーミーでコクがありながら、トリュフの芳醇な香りもしっかりと感じることができる。やはりトリュフは華やかである。

12.タケノコご飯と鯛の胡麻和え
春の香りを存分に楽しめる一品である。土鍋で炊きあげられたご飯からふわっと立ち上るタケノコの優しい香りが食欲をそそる。タケノコはシャキシャキとした食感で、ほんのり甘みがある。上品なだしの風味がご飯に染み込んでおり、木の芽の爽やかなアクセントもまた格別である。春の訪れを感じさせる、ほっとする味わいの一品である。
そして、鯛の胡麻和え。新鮮な鯛の身はしっとりとなめらかで、ほのかな甘みと旨みが広がる。そこに絡む胡麻ダレは、濃厚ながらもくどさがなく、胡麻の香ばしさとコクが鯛の繊細な味わいを引き立てている。これを2杯目のタケノコご飯に乗せお茶漬けに。かけるお茶は水筒に入れられた能登紅茶である。このまま飲んでもすっきり系で美味しいが、煎茶であれば味が濃く、鯛の味を消してしまう可能性があるこの紅茶だとそれはない。計算しつくされている。

13.シャーベット
デザートである。これもシェフが液体窒素を使い、客の前で仕上げる、見ているだけで楽しめる一品である。柚子風味のシャーベットに苺ベースのソース、そして苺等のフルーツがジェル状になり添えられている。
これに合わせるは、シェフのオカンが漬けた梅酒である。長期熟成なのかまったくトゲがない、まろやかな美味しい梅酒である。

14.シガータイム
煙草をダイニングルームで吸うのか?と思いきや、そういうわけではない。シガーの形をしたお菓子である。味は塩キャラメルで、面白い演出である。
これに合わせるのは、能登のハーブティー。スッキリした味わいで、これだけ食べてもデトックス効果ですべて排出されることであろう。

「SECRETO」での食事は、まさに特別な体験であった。ただの食事ではなく、一つひとつの料理が演出の一部となり、まるでショーを見ているかのようなエンターテイメント性が高い。しかし、その華やかさにとどまらず、料理自体にも一切の妥協がなく、細部までこだわり抜かれたクオリティの高さも補償されている。特に印象的だったのは、料理の随所に感じられる石川県への深い愛情。能登牛のプレミアムイチボ、発酵を活かした伝統的な調味料、そして厳選された素材の数々、すべてに石川の魅力が凝縮されており、その土地の豊かさを味わうことができた。単なる“ご当地食材を使った料理”ではなく、石川の風土や文化を体感させるような、そんな一皿が次々と登場する。

料理のクオリティ、演出の楽しさ、そして石川への愛。これらが見事に融合した「SECRETO」は、ただのレストランではなく、食を通じた特別な体験ができる場所である。

(参考)評価について
★3.20 普通。つきあい上いく可能性がゼロではない
★3.30 普通。今後行く可能性がゼロではない
★3.40 普通。誘われれば今後行く可能性がゼロではない
★3.50 普通に食べれる、誘われれば行く
★3.60 その土地にいく機会があれば多分行く
★3.70 その土地にいく機会があれば、また行くと思う
★3.80 その土地にいく機会があれば、また是非行きたい
★3.90 また是非行きたい。身近な人に食べさせたい
★4.00 絶対行きたい。身近な人に絶対に食べさせたい
★4.10 金銭的な負担を無視した場合、行きつけにする

  • シストロン産仔羊のグリル

  • 能登牛プレミアムイチボのグリル

  • 能登さわらのポワレ

  • フォアグラのフレンチトースト

  • 秘密のハート

  • SECRETO風昆布巻き

  • 能登牛のコロッケ風とイワシの酢漬けとNOTO 高農園のトマトのピンチョス

  • イカ飯イエローカレー風味

  • 能登阿岸の七面鳥のワンタンメン

  • タケノコご飯

  • 鯛の胡麻和え

  • パン&トリュフバター

  • 能登紅茶&鯛の胡麻和え&香の物

  • シャキシャキしていた料理

  • シャーベット

  • シガーの形をしたお菓子

  • タケノコご飯

  • 鯛茶漬け

  • ウェイティングルームで飲むスパークリングワイン

  • ジントニック

  • ジンバック

  • 満寿泉

  • 満寿泉

  • San Jacopo Toscana Bianco

  • San Jacopo Toscana Bianco

  • シェイク・エルダーフラワー

  • MARIO

  • MARIO

  • 能登紅茶

  • 梅酒

  • フレッシュハーブティー

  • フォアグラフレンチトースト 断面

  • シストロン産仔羊のグリル アップ

  • 能登牛プレミアムイチボ 横アングル

  • シガータイム

  • センターキッチンでジントニックを作っている

  • 液体窒素を使ったパフォーマンス

  • オープニング

  • ダイニングルームに手前の花

  • ウェイティングルーム

2025/03/26 更新

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