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昼の点数:3.7
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¥1,000~¥1,999 / 1人
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料理・味 3.1
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|サービス 3.6
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|雰囲気 -
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|CP 3.8
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|酒・ドリンク -
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[ 料理・味3.1
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| サービス3.6
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『みかわ 是山居』さんの『早乙女 哲哉』氏に師事した、岡山県下では数少ない江戸前『天麩羅』の人気専門店さん。
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2024/11/22 更新
1、①2024年11月5日に妻と一緒に、岡山県倉敷市に在る実家を訪ね墓参もしました。
②一部の人々の間では話題沸騰の、安田淳一監督のインディーズ作品「侍タイムスリッパー」を是非とも観賞したいとの、妻からの強引なリクエストがありました。
主演は岡山県出身で県立総社高校卒業の実力派俳優である「山口 馬木也(やまぐち まきや)」さんで、初の長編映画の主演役ともなります。
妻も岡山県の出身で、興味をそそられ応援もしたいとの気持ちが有ったと思います。
③用事を済ませて、平日でもあり高速道路を利用して岡山ICで降りて、イオンモール岡山店さんの館内のイオンシネマさんで、チケットを購入しました。
④上映は「13時15分」の1日1回限りです。嘗ての様なポップコーンやドリンクの無料サービスは受けられ無くは成りましたが、オーナーズカードを利用したので2人で¥2,000と安く済みました。
2、①時刻は10時45分を過ぎていました。
昼食に、岡山ラーメンは妻が首を縦には振りそうもないので、岡山では珍しい「江戸の三味」(他は「鮨」と「蕎麦」)の1つである、「天麩羅」の専門店を目指すことにしました。
②先ずは、岡山市北区京町の「天麩羅 たかはし」さんを思い浮かべました。
然しながら、開店が12時では無かったかと思い直して、岡山市北区野田屋町(柳川交差点の付近)の『てんぷら 千の種』さんへと徒歩で向かう事にしました。
3、①『てんぷら 千の種』さんの開店時刻は11時30分です。
然しながら、店内はカウンター席の7席のみで、¥1,500で『天ぷら定食』か『天丼』が食べられると云う事で、人気の天麩羅の専門店さんです。
その為に、開店約30分前の11時を過ぎると人が並び出し、11時20分頃には第1陣の7人以上が待機をしています。
②今日も、いの一番で到着し、他の待機していたお客さんと一緒に第1陣の7人として、開店約10分前に入店の案内をして頂けました。
今日はお母さんが手伝をされていました。
③客席側の通路も狭くて、椅子を前に移動させても後方の通路を人が交通することは出来ません。
脱いだ上着を壁面のハンガーに吊るして、約15分間の歩きと20分程の間の立ち尽くした少しばかりの疲れを癒していました。
④今回が初入店の性急な妻が、中身の入って無い湯呑椀を手に取り飲もうとしていました。
此方のお店では、ランチタイムでは湯呑椀は使用せずに、グラスに入った水のみが提供されます。
因みに、此の「湯呑椀」には「作家や窯元の名」が刻まれて無く、鑑賞眼の無い当方は「此れは、ご主人さんが製作されたのですか」とお尋ねをした事があります。「買い求めた」品だそうです。
4、①『てんぷら 千の種』さんに入店して最初に目を引くのは、額に入った『免許皆伝 現代の名工に等しく 皆伝と致します。 高取 正芳 殿 みかわ 早乙女 哲哉』の「許し状」です。
②次は、額に入った「陶磁器の貼花」で作製された『relief(レリーフ)』です。
③「レリーフ」は我が家にも飾り置きをしたい出来栄えの作品です。
独立や新規開店に際して、師匠(又は師匠と親交がある作家)から贈答されたと思われるので、ご主人にはお尋ねをしたことはありません。
④「許し状」については、皆さんも良くご存じの東京都江東区福住の『みかわ 是山居』さんのご主人である『早乙女哲哉(そうとめ てつや)』氏からの許し状です。
ついては、その気になったこともありません。
5、『てんぷら 千の種』さんの天麩羅料理をより深く賞味し堪能して頂く上からも、「早乙女 哲哉」氏と「みかわ 是山居」さんについて、ご紹介をして措きます。
周知の方は多いかと思います。必要が無い場合は読み飛ばしてください。
①店の入り口の頭上に掲げられているのが「是山居(ぜ さん きょ)」と書かれた文字です。
「是」を「これ・ここ(代名詞)」や「~である(英語のbe動詞)」や「正しい(動詞)」の何れで解釈しても釈然とはしません。博識の方が居られましたらご教授ください。
書字は故・人間国宝の染色工芸家の「芹澤 けい介」(偏が「金」で旁が「圭」の文字が漢字変換できなかったので、平仮名表記としています)氏だそうです。
②「揚げ油の温度は200℃以上」・「素材の水分を出し切る」・「油で焼く」・「旨味が頂点に到達する其の瞬間に、油から引き揚げる」・「(世界で1番の)食材を用いても、(世界で1番の)食材についての知識と其れに合った調理技術が無ければ、何にもならない」との趣旨を耳にします。
③「早乙女 哲哉」氏は、雑誌やテレビやSNSにも取り上げられる人物です。
巷では、「稀代の天麩羅職人」とか「天麩羅の巨匠」とか「天麩羅の神様」と呼ばれています。
④「料理人は、科学者で数学者で、尚且つ感性が優れていて、高いテクニックを持っておかないと、一流の料理人にはなれない。」と常々に言われています。
「偶々に上手に揚ったのでは無く、同じ素材を同じ処から仕入れても、其の時々で違いがあるので、全身全霊を傾けて其の日では世界で1番に美味しく揚げて提供する事が出来なければ、此の場に立つ資格は無い」とも言われています。
⑤芸術や文芸・歴史などの文化についての造詣が深く、作家や演者や学者の先生方との親交も広いと聞き及んでいます。
待合室他の店舗の内外に陳列・装飾された作品の数々は其の一端を顕しているのでしょうか。
⑥ついては、カウンター席を指定で予約し食事をされる場合には、食べる側にも「文化」への知識と理解が備わっている必要があるかもしれませんね。
6、そんな師匠が「免許皆伝」と云う「許し状」を出された、天麩羅職人のお店が『てんぷら 千の種』さんです。
①「免許皆伝」は、「剣道・茶道・華道・書道・能・日本舞踊などの我が国の伝統武術や芸能」に由来します。
直接的な意味は、「師が弟子に、その道の奥義(極意)の全てを伝授する」ことです。
②意図する処は、「腕前の評価」・「『一人前・(組織からの)独立・(組織内での)自立』と云った『プロ意識』」・「誉め言葉」・「自己満足」・「ネガティブな批判」でしょうか。
師匠である「早乙女哲哉」氏が、どの様な意味を込められたかは、残念乍ら、窺い知ることはできません。
③因みに、類似で「衣鉢相伝」と云う四字熟語があります。
是は立場が逆で「弟子が師の教えを受け継ぐ(そして伝える)」との意味です。
もしかしたら、「衣鉢相伝」するべく日々の弛まぬ研鑽をして欲しいとの、願いかも知れませんね。
7、以下が、今日の『てんぷら 千の種』さんの『昼の天ぷら定食』の紹介となります。
①・「小鉢に盛られた、野菜の炊き合わせ」(「小豆・牛蒡・人参・蒟蒻・昆布の1cm台」)と
・「なめこ・豆腐の味噌汁」(味噌は「熟成度が高い麦味噌」)と
・「香の物」(「大根の麹漬け」・「柚木風味の白菜の浅漬け」)と
・「白米」(粘りと旨みと香りは少なく淡白で小粒・稍々柔らか目な炊飯具合)と
・「グラスに注がれた水」です。
②(ア)天麩羅を付けて頂く「塩」は、品質は別として、「みかわ 是山居」さんと同じく1種類のみです。
例えばよく目にする、「抹茶塩」・「山椒塩」・「柚木塩」・「山葵塩」・「カレー塩」はありません。
(イ)「塩」は、「苦み」が無く「塩味」が少なく、「旨味」が少ないものでした。
当方は家庭では、瀬戸内の塩では無く、「能登の塩」か「沖縄の塩」を用います。
(ウ)塩は、塩味が偏るので其のまま付けずに、指で摘まんで「パラパラと振り掛ける」べきであると云われる方があります。
当方は、一々するのは面倒臭く、一刻も早く口中に入れたいので、その様な事はしません。
皿に、山状に盛るのでは無くて、均して盛ります。
③「天つゆ」について。
(ア)色は淡く。
煮切っている筈なのに、私にとっては、「酒」の「匂い」と「味」が強く、「塩味」も強いものでした。
「出汁」の香りと風味は殆ど賞味できませんでした。
(イ)夏季に、「枝豆」と「蓼」で香りと味と色付がされた『夏つゆ』が、提供されるかは知りません。
8、「揚げ油」について。
①当然に「江戸前」ですから「胡麻油」が入っています。
後は、「サラダ油」だと思います。
②(ア)因みに、「サラダ油」とは、材料に「サラダ」と云われるものが用いられいるのでは無く、精製方法を指します。
(イ)主な材料は、「油菜」・「大豆」・「紅花」・「綿実」・「向日葵」・「玉蜀黍」・「胡麻」です。
③当方の席からは揚げ鍋の位置が遠く、配合された揚げ油の状態や色は解りませんでした。
特等席から強く嗅ぐ事の出来る筈の『胡麻の香り』は、余り立ってはいませんでした。
④我が家では、オメガ3脂肪酸を多く含む「亜麻仁油」と「菜種油」と「太白胡麻油」そして「太香胡麻油」を用いるので、香りは素材自体を邪魔せずに芳醇です。
9、「衣」と「揚げ具合い」について。
①「江戸前」なので、「全卵」が入っています。
②流石に、免許皆伝のプロの方の腕前です、揚げ上がりの衣は薄く、一切の油による胃凭れ感はありません。
③(ア)「江戸前」かつ「早乙女哲哉」氏の下で修業されたので、「こんがり」とした「きつね色」で「香ばしい食感」に仕上がるのは、理解が出来ます。
(イ)然しながら、大変に烏滸がましくはありますが、中迄も火が通り過ぎて、恰も「揚げ煎餅」の如くに感じられる食材も在りました。
(ウ)例えば、「松茸の1本揚げ」に「酢橘」を絞り掛けた時に、「穴子」を「天つゆ」で頂く時に、衣が「べとつく」様ではいけませんが、揚げ過ぎると食感が悪く成るだけでは無く、一気に甘味と旨味が失せてしまう様に成ると、素人乍らも思います。
(エ)大皿に、味の薄い物が手前で濃い物が奥に盛られて、一度に提供されるのではありません。
¥1,500のランチと云えども、1品(1種類)毎に揚げ立てが給仕されます。
是には、感嘆そして感動します。
10、「天種」について。
①本日は、「海老」(2匹)→「ワカサギ」(2匹)→「紋甲烏賊」→「穴子」→「南瓜」→「茄子」→「ピーマン」でした。
②(ア)「江戸前」かつ「早乙女哲哉」氏の下で修業されたとは云えど、¥1,500で魚介の4種類は大満足です。
(イ)関西では、「精進揚げ」とも謂われる野菜も多く提供されます。
③「魚介」は「己が地元が1番」と云う声も聞かれます。
然しながら一般的には、入り口が狭く・水深があり・波は穏やかで・流れ込む河川の数が多い為に植物プランクトンが豊富な「江戸前」(東京湾)は小型魚が美味しい筈です。
中型では「瀬戸内海」産で、大型なら動物プランクトンが豊富な外洋である「日本海」産ではないでしょうか。
④(ア)「海老」は「車海老」(クルマエビ科クルマエビ属)の代替品である「ブラックタイガー」(「ウシエビ」の養殖品・クルマエビ科ウシエビ属)と思います。
(イ)「車海老」の流通量の80%は養殖です。また我が国の「車海老」の養殖業は、養殖されている魚介の中で最も長い歴史があります。
(ウ)「生」か「茹で上げ」されていれば、食せば天然の方が、「身が引き締まり」・「プリプリ食感」・「肌理が細かい」・「上品で濃い甘味」・「豊かな香り」で区別はつきます。
然しながら、当方の味覚と嗅覚と歯応覚では、「天麩羅」は区別がつきません。
「天然車海老の頭」の天麩羅に態と、揚げ難いのに「髭」の部分を残すのは、「是は、『天然』ですよ」と誰にでも解る様にアピールしていると思っています。
(エ)天麩羅でよく用いられるのは、「巻き」(日本刀の「柄巻」部位が由来)と呼ばれる、大きさが「1束半」(14cm前後)の「天然の車海老」であろうと思います。
⑤「紋甲烏賊」について。
(ア)正式名称は「スミイカ」です。
貝殻の名残である「甲」を持つ、大型の「コウイカ」で、背中の丸い文様が特徴です。
「紋甲烏賊(モンゴウ イカ)」は其の標準和名です。
「モンゴ イカ」・「モンゴウ」・「マルイチ(丸一)」等は其の地方名です。
(イ)身は、「稍々硬く」・「厚く」・「ねっとりとした甘味」があります。
(ウ)旬は、沿岸での産卵時期に当たる「春から初夏」です。
(エ)「紋甲烏賊(モンゴウ イカ)」は、西日本ではよく知られています。
関東地方では、未だに馴染みが薄いのでは無いでしょうか。
関東地方での、此の時期の天麩羅用の烏賊としては、「弾力性に富み」そして「(国産烏賊では最高水準の)強い甘味」がある「アオリイカ」(ヤリイカ科)が一般的でしょうか。
(オ)「地粉」を付けていたか如何かは見落としてしまいました。
『てんぷら 千の種』さんの「紋甲烏賊(モンゴウ イカ)」は、特有の「モチモチとした歯応え」はありましたが、「甘味」がありませんでした。
⑥「穴子」は、「下身(皮)」の特有の「臭み」は無いものの、「上身のフワフワ感」と「旨味」がありませんでした。
10、『てんぷら 千の種』さんの『昼の天ぷら定食』の「評価点」について。
基礎点は「3.10点」+価格面の加点は「0.40点」+給仕(揚げ立て毎の提供)面の加点「0.20点」=「最終評価点」は『3.70点』としました。
11、①「徒歩が約15分」で「道端での待機が約20分」に加えて「消化器官が万全では無い」との自己主張の妻は、最初は「天麩羅」に二の足を踏んでいました。
②「揚げ立てが其の都度に、1品(種類)毎に提供」され、尚且つランチと云えども「専門店の天麩羅」を「¥1,500」と云う安価で食べれた事には、「大満足」な様子でした。
③天麩羅専門店さんにお邪魔が出来たのは、2024年7月13日の広島市中区中町の「天富良 天甲」さん以来となります。
④天麩羅なので、お喋りは出来ませんが(「天富良 天甲」さんでは、写真さえも撮りませんでした)、美味しく愉しい一時を、今日も過ごさせて頂きました。
⑤最後とは成りましたが、『てんぷら 千の種』さんに厚く感謝を申し上げます。