烈光さんが投稿した手打 神代そば（島根/松江しんじ湖温泉）の口コミ詳細

1、①当方にとって「料理」とは、
「『食事』の内に存在し、単独では其の存在意義を持ちません」。
又、「食事」は、
「其れ単独では存立はせずに、『人生の1つのページ』を彩る脇役としての輝きを放ちます」。
況してや、商業偏重主義的な発想や営利に糊着した施策とは無縁であり、無辜の民であるが故に相応の評価と成ります。
②「料理」は、
「『科学』でもあり、作り手と賞味する双方の『知識』と『技術』と『経験』と『継承(伝承)』と『創造力』と『文化』との真剣勝負」であると思っています。
又、「料理」の
「『発祥や由来』と其の後の『歴史』と『文化』と『地域性(風土や風習)』も重要」であると思っています。
③「作り手」や「店舗」の、
「『歩み』である『功績』と『持続性(経験年数と営業年数)』と『食文化』への貢献度」を顕彰したいとも思っています。
④ついては、以上の趣旨での「投稿」と「お店の『紹介』と『評価』」に成ります。
2、①毎年11月上旬には、「蒜山大根」と「ヤマノイモ『銀沫(ぎんしぶき)』」を求めて、岡山県真庭市を訪れます。
②伯耆大山の山頂は冠雪はしていましたが、紅葉は６割程度でしょうか。
「蒜山大根」と「ヤマノイモ『銀沫(ぎんしぶき)』」にとっては、冷え込みが不足しているのではないかと心配です。
③真庭市蒜山は「西日本有数の『大根』の産地」です。
(ア)「肌理が細かく」て「ジューシー」で、其の儘で齧ると丸で「梨」の様な「甘味」があります。
(イ)今年は、「肌理が細かく」も「ジューシーさ」と「甘味」が欠けて、稍々「辛さ」もしました。
④「ヤマノイモ『銀沫(ぎんしぶき)』」は真庭市勝山の冬の名物です。
(ア)舌触りが「肌理細やか」で「粘りが強く」て「上品な風味」があります。
(イ)「灰汁が少ない」ので、時間が経過しても「変色は無し」です。
⑤(ア)「蒜山大根」を購入して帰路に着く場合には、
昼が蕎麦なら、真庭市蒜山の「蒜山手打ち　そば　叉来(またぎ)」(当日は定休日)さんか、真庭市三田の「一心庵」さんの後に、JR中国勝山駅の近くの販売所で購入をします。
(イ)当日は島根県松江市方面へと向かいます。
その為に、中国横断自動車道・米子自動車道の蒜山ICを降りて右折し直ぐの「とりたて野菜市(道の駅『風の家』)」さんで、「蒜山大根」と「ヤマノイモ『銀沫(ぎんしぶき)』」とを併せて購入しました。
3、①山陰地方(鳥取県・島根県)での食事と云えば、どうしても新鮮な「魚介」か「蕎麦」になってしまいます。
②妻は「蕎麦」は好物です。
今日は妻との2人連れです。
田舎蕎麦の『出雲そば』はお気に召されず、今日も何かと注文と評価が厳しくて大変です。
4、①其処で、今日は当方が1番にお気に入りの出雲蕎麦屋さんである、1952年創業の島根県松江市奥谷町の『手打　神代(かみよ)そば』さんへと即断し、「とりたて野菜市(道の駅『風の家』)」さんを10時に出立します。
②所要時間は1時間と算定します。当然にカーナビゲーションの案内は不要です。
③中国横断自動車道・米子自動車道の米子JCTで西進→松江東ICで降車→国道432号線→くにびき道路を北進し、只管に松江城の大手門を目指します。
④正面に松江城の大手門が見えて来ました。
北堀橋を渡り直ぐに左折し、減速して観光の人や地元の高校生の交通に気を付けます。
右手に「武家屋敷」、そして「小泉八雲記念館」。
『手打　神代そば』さんは目前です。
⑤10時55分に到着しました。
(ア)店舗裏側の駐車場に目を遣り、其の儘に駐車可能な駐車場へと。
待機している方達の列の最後尾へ並びます。
(イ)駐車可能台数は6～7台程度です。
(ウ)午前中の市内観光が無しに、直接に『手打　神代そば』さんを目指す方達は少なく、
11時直前ならば駐車は出来るとの思惑通りでした。
⑥時刻は10時57分です。
(ア)『手打　神代そば』さんの開店は11時ですが、今日は11時5分でした。
何時も乍ら、「天才」と自画自賛しました。
所が、平日と云えども観光シーズンですね。
第一陣の入店とはいかずに、3組目の待ちと成りました。
(イ)心配は、ご無用です。
玄関を潜った待合室に、着座が出来ました。
第一陣での入店のお客さんへの、お茶の提供と注文聞きが済めば、空席への案内がある筈です。
(ウ)案の定に、約10分程で案内をして頂きました。
料理が配膳されるのは、注文の15分程後になるでしょう。
(エ)蕎麦屋さんで待つのは、当たり前で愉しいものです。
5、「三大蕎麦」について。
①『岩手　わんこ　そば』は、岩手県の盛岡市と花巻市を中心とした郷土料理です。
漆塗りの椀に、一口大づつ給仕さんが投入されます。
「わんこ」とは、「(木地)椀」のことです。
(ア)「細く」て「コシがあり」そして「喉越しが良い」麺です。
(イ)たくさん食べれる様にと、「癖が無く」て「サッパリ」とした、香りと風味です。
(ウ)具材は、「とろろ」・「なめこ」・「山菜」・「刺身」・「天麩羅」でしょうか。
(エ)薬味は、「葱」・「海苔」・「鰹節」・「大根」でしょうか。
②『長野の　戸隠　そば』は、長野県の戸隠地区で作られる「信州そば」です。
(ア)何と云っても特徴は、「蕎麦の盛り付け方」です。
茹でた後に水で締めて「殆ど水を切らず」に、5～6束の麺を楕円形を描く様に、「円形の笊」に盛り付ける「ぼっち盛り」です。
「ぼっち」とは、「蕎麦の束」のことです。
(イ)高低差と厳寒により成育する、良質な「蕎麦の実」の産地です。
(ウ)「甘味が強く」て「風味が濃厚」な麺です。
(エ)「つなぎ」は小麦粉を使用した、「つるり」とした良い「喉越し」です。
(オ)薬味は、辛味大根である「戸隠大根」が特徴です。
「海苔」は無ったと思います。
6、そして『島根の　出雲そば』です。
①蕎麦好きで趣味に生きた文化人の大名茶人で、徳川家康の孫に当たる「松平　直政(不昧「ふまい」)」公が、信州松本から蕎麦職人を連れて来たのが発祥と成ります。
②島根県の出雲地方の郷土料理です。
③「石臼」で挽く昔乍らの製法であり、「至高の郷土蕎麦」と云えるかもしれなせんね。
④何と云っても特徴は、「殻の付いた玄蕎麦の実を、(石臼で)其の儘に挽いた『挽きぐるみ』」です。
⑤「蕎麦独特」の「香り」と「風味」が濃厚です。
⑥色は黒くて、高い栄養価があります。
⑦調理方法は2種類です。
『割子(わりご)そば』と呼ばれる「冷たい蕎麦」について。
(ア)円く平たい赤色をした漆器の「割子」の由来は、「江戸時代の使い捨て弁当箱である『割篭(わりかご)』です。
(イ)其の「割篭」に蕎麦を盛り付けたのが、「割子　そば」の由来と成ります。
⑧もう1つの、『釜揚げ　そば』と呼ばれる「温かい蕎麦」について。
(ア)器に「蕎麦」と「蕎麦湯」が一緒に入ったものに、「蕎麦つゆ」と「薬味」を入れて食べます。
(イ)出雲地方の神社での祭事の屋台で、振舞われて広まりました。
7、「三大蕎麦」以外で、『江戸(前)蕎麦』を除く有名な蕎麦について。
①福井県を挙げて推奨・奨励している希少な「在来種」を使用する、『福井　そば』でしょうか。
(ア)「在来種」ならではの、「強い香り」と「濃厚な風味」と「弾力のある食感」を味わえます。
(イ)「素材其のものの『美味しさ』」と云えるのかもしれませんね。
②次は、「つなぎ」に海藻である『布海苔(ふのり)』を使用した、「新潟県の『へぎ　そば』」でしょうか。
(ア)『片木(へぎ)』と呼ばれる杉製の四角い器に、「一口大」づつに分けて束ねて、盛り付けされるのも、独特です。
(イ)「布海苔」を用いている為に、「ツルツル」とした良い「喉越し」と「歯応えがある」食感が特徴です。
(ウ)薬味は、「葱」・「胡麻」でしょうか。
魚沼市十日町では、「山葵」の採取・栽培が無かったので、替りに「辛子」が、薬味として用いられたとも聞いています。
8、最後は、ある意味では別格とも思われる、「江戸三味」の1つである『江戸前　蕎麦』です。
①余りに有名で当方にとっては奥深く過ぎて、『江戸前　三大蕎麦』の名称だけの紹介に止めます。
②『更科』と『藪』と『砂場』です。
9、①時間的余裕があれば当方的には、仁多郡奥出雲の『純そば　一風庵』さんも行きたいお店です。
②出雲市内に限定すれば有名店さんと云えば、
「献上そば　羽根屋　本店」さんと、
神門通りの「砂屋(旧「出雲蕎麦　砂」)」さんと、
大鳥居近くの「そば処　田中屋」さんと、
松江杵築往還の「ブラタモリ」にも登場した「そば　荒木屋」さんと
松江杵築往還と御家通りとの交差点の「出雲そば　かねや」さん
辺りでしょうか。
10、蕎麦について語り出すと際限がありませんね。
本当に経験と知識と技術と文化への造詣は未熟で、時間と金も無い何とも情けない新参者でしょうか。
愈々、以下が『手打 神代そば』さんの紹介となります。
①今日も、明朗で闊達な若奥さんらしき方に、接客をして頂きました。
②即決で私は『三彩割子』￥1,480をお願いしようと。
(ア)具材は、「うずら卵」と「とろろ(山芋)」と「なめこ」です。
(イ)薬味は、「葱の小口切」と「刻み海苔」と「削り鰹節」と「大根おろし」です。
(ウ)如何に濃厚な蕎麦の香りと風味があるとは云え、上品かつ繊細なので、
『手打 神代そば』さんでも「擦り下ろし山葵」はありません。
③早く注文を済ませたいのに、妻が考え込んでいます。
「ねぇねぇ。此の『ミニ親子丼　三彩割子　セット』って・・・。」と。
(ア)妻を『手打 神代そば』さんに連れて来たのは、今日が初めてとなります。
如何やら、『(ミニ)親子丼』が気になっている様子です。
「(蕎麦屋さんで)親子丼って・・・」と独り言。
(イ)遂に「パパ。此の親子丼って。(何？)」と質問が飛んで来ました。
「『手打 神代そば』さんの冷蕎麦には「山葵」は付いていないけど、親子丼には「山葵」が付いていて。」
続けて「冷蕎麦用の『蕎麦つゆ』を注ぎ入れて、食べるの」と。
④納得し満足気な顔を確認して、
妻には『ミニ親子丼　三彩割子　セット』￥2,000を、そして私は『三彩割子』￥1,480を、先程のお店の方にお願いしました。
⑤(ア)当然に、一口目は「何も加えず、何も浸けずに「出雲そば」のみ」を頂戴しました。
(イ)「旨ぁ～」。
何時もと変わらぬ『手打 神代そば』さん。
⑥(ア)何時もの様に「うずら卵」→「とろろ(山芋)」→「なめこ」の順番で、
先ずは「薬味は無し」→「薬味を加え」て頂きました。
(イ)個人的には、美味しいのは「蕎麦つゆ」のみです。
然しながら、好みは「なめこ」＋「薬味」です。
11、『手打 神代そば』さんの「蕎麦(麺)」について。
①当日使用の蕎麦は、「松江市産の『在来種』」でした。
多分に『玄丹蕎麦』であろうと思いました。
②3台の「石臼」を用いた、出雲蕎麦の伝統的な『挽きぐるみ』製粉法です。
③(ア)『手打 神代そば』さんでは、「出雲蕎麦」の中に在っては「玄蕎麦」の「殻」は取り除き「甘皮」を適度に混ぜ込んでいる為に、「出雲蕎麦の黒味が掛かった麺」では無くて、「緑色を帯びた灰色の麺」をしています。
(イ)新蕎麦の甘皮は緑色をしています。
『藪そば』の緑色は、甘皮の緑です。
④「在来種」を使用しているとは云っても、「殻」は取り除いているので、強い香りと風味の「山葵」は薬味として提供はされません。
⑤技術的には最高難度の「生粉打ち」、所謂「十割蕎麦」で打ち込みます。
(ア)その為に、「滑らか」で「つるり」とした「喉越し」の良さはありません。
(イ)何方かと云えば、「ぼそぼそ」とした、短く切れた麺と成ります。
(ウ)ついては、江戸前風の「啜り込む」食べ方では無く、
「確りと咀嚼」して、其の「強い弾力の食感」を堪能する様になります。
12、『手打 神代そば』さんの「つゆ」について。
①鰹節は「本枯れ節」です。
②(ア)調味料には、1896年創業の松江市東本町の「米田酒造株式会社」さんの調理酒『(出雲)地伝酒』￥2,035/1,800mlを使用しています。
(イ)『(出雲)地伝酒』は一時期には途絶えていました。
濃厚な旨味と甘味がある、出雲の食文化には欠かせない調味料です。
③上記の通り「つゆ」も又、伝統的な「出雲蕎麦」の「つゆ」の製法を伝承しています。
④「つゆの掛け方」について。
(ア)塩味は強めです。
其れに因りても、3つの器其々に適量を注ぎ入れるのでは無く。
(イ)少な目な加減で1つ目の器へ注入→「つゆ」が残れば、捨てず→次の器に移して替え→足りないと思えば、「つゆ」を足す。
と云う手順をお薦めします。
此の手順で、「蕎麦の旨味」をより一層に堪能が出来ると思います。
13、『手打 神代そば』さんの「評価」について。
①未熟者かつ新参者の如き、当方が評価できる仕上がりではありません。
②「日本の三大蕎麦」である「出雲蕎麦」の一翼を担って来た『手打 神代そば』さん。
そして今後も、伝承し牽引し続ける可き、全国水準の「蕎麦屋」さんとして、「評価点」は『4.30点』としました。
③全国レベルである事は疑う余地は無いとは思いますが、当方如きでは、
『4.30点』自体が高いのか低いのかは、正直な処は判断が出来兼ねます。
14、最初に戻りますが、今回の探訪の目的は「野菜・鮮魚・肉」と「其の加工品」と「調味料」でした。
そして妻には内緒の、忘れてはならない「酒」です。
毎度の事なので、内緒事には成らずに、口には出さないだけなのかもしれません。
と云う訳で、地元のスーパーマーケットさんと酒屋さんで、以下の産品も買い求めました。
①松江市矢田町の「有限会社土江商店」さんの
(ア)「津田　かぶら漬　浅漬け」賞味期間は8日間。
「津田　かぶら漬　糠漬け」賞味期間は10日間。
(イ)松江市津田地区で栽培される、上部は紫色で下部は白色をした、肉質は柔らかい甘味がある「蕪」です。
(ウ)島根県松江地方の欠かせぬ「漬物」と成っています。
(エ)天然と風土と食文化を上品に堪能が出来ますよ。
②今回の最大のお目当てともなる、明治15年創業の松江市石橋町の世界各国でも高評価の『李白　酒造有限会社』さんの
「日本酒」と「味醂」です。
(ア)「李白」は、当然に盛唐の詩人、「詩仙」の李白に由来します。
(イ)ラベル等に印字の「李白　一斗　詩　百編」は、「詩聖」と称された同じく盛唐の杜甫が、李白を評したものです。
(ウ)代表銘柄である「李白　純米吟醸　WANDERING POET」￥3,850／1,800mlを我が手中に収めました。
酒造適合米は「山田錦」で、「コクとキレ」がある「落ち着いた」酒質です。
(エ)「李白　純米　本みりん」￥2,420／1,800mlは台所用に購入しました。
因みに、全国の有名銘柄の味醂を利用し、愛飲もしています。
今は、愛知県碧南市の「九重味淋」さんの「本みりん　九重櫻」を使用しています。
15、①今回も、大自然の恵みと風土と食文化を満喫し、大変に満足な買い出しが出来ました。
②妻も魅惑の「出雲蕎麦」に邂逅しました。
③最後になりました。
今日も「人生のページに美味しくて愉しい食事と思い出」を追記しました。
④立役者を務めて頂きました、『手打 神代そば』さんには、重ね重ねに厚く感謝を申し上げます。
⑤何度でもお邪魔したいと思っています。
次回も変わる事無く、宜しくお願い致します。