n_u_guideさんが投稿したd'ici(東京/広尾)の口コミ詳細

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横浜・東京の美食めぐり日記

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d'ici広尾/フレンチ、ビストロ

1

  • 夜の点数:4.7

    • ¥15,000~¥19,999 / 1人
      • 料理・味 4.7
      • |サービス 4.5
      • |雰囲気 4.5
      • |CP 4.5
      • |酒・ドリンク 5.0
1回目

2025/08 訪問

  • 夜の点数:4.7

    • [ 料理・味4.7
    • | サービス4.5
    • | 雰囲気4.5
    • | CP4.5
    • | 酒・ドリンク5.0
    ¥15,000~¥19,999
    / 1人

【ロブション出身・藤原シェフの新章が紡ぐクラシカルな感動】

南麻布の外苑西通り沿いに佇む「d'ici(ディシ)」さんは、
まさに「ここから」という店名の通り、
新たな美食の旅路を始めさせてくれる特別な場所。

2025年6月にリニューアルを果たしたレストランで
10年以上親しくしている友人と女子会をしました。

――――――――――

✅ガストロノミー ジョエル・ロブション出身シェフの確かな技術力
三つ星レストランでスーシェフを務めた藤原裕太シェフによる、伝統的なフランス料理への深い理解と洗練された技法が光る

✅文学的空間演出の美学 
フランス文学の名言を配したウォールアートと2つの異なる空間設計で、五感すべてでフランス文化を体感できる知的で美しい環境

✅ 選び抜かれたワインをペアリングorプリフィックスで
シャンパーニュからソーテルヌまで、各皿の特性を最大限に引き出すワインセレクションで、料理とワインの調和を存分に堪能

――――――――――


2025年6月にリニューアルを果たし、
藤原裕太シェフを迎えた新生d'ici。

フランス料理の真髄を現代的な感性で表現した
珠玉の体験を提供しています。


店内に足を踏み入れると、まず目を奪われるのは
フランス文学の名言が美しく描かれたウォールアートです。

『レ・ミゼラブル』の作者であるヴィクトル・ユーゴーや
ココ・シャネルの言葉が優雅な筆致で壁面を彩ります。

フランスの書物が美しくディスプレイされた本棚と相まって、視覚的にもフランス文化への深いリスペクトを感じられる空間演出でした✨

洗練され、広々とした空間の「メゾン」エリアでいただいたのは
・デギュスタシオンコース
・ワインペアリング(4杯)
で、まさに藤原シェフの料理哲学が体現された素晴らしい構成でした。


豚のリエット から始まる一品目は、
E.ジャマール&Cieのシャンパーニュとの組み合わせが秀逸でした。
シャンパーニュの繊細な泡立ちが豚肉の濃厚な旨味を包み込んでくれます。

天使エビのサラダ ココナッツ風味 は見た目からして芸術作品そのものです。
エビの甘さとプリッとした食感を楽しみつつ、
パパイヤとココナッツの南国的な香りが夏の訪れを感じます。

マルサネ・ブラン「プランテル」
ドメーヌ・ミシェル・マニアン2019の
黄金色の美しい白ワインと一緒にいただきました。


フォアグラと鰻ととうもろこしのミルフィーユ仕立て ソースペリグー は、
お料理とペアリングのどちらも、この日一番記憶に残る大満足の一皿でした。

フォアグラの濃厚さと鰻の上品な脂、
とうもろこしの甘さが層を成し、
ペリグーソースのトリュフの香りが全体を格調高く纏め上げています。

鰻とフォアグラという主役級のものが
ひとまとまりになっており、
添えられるのがとうもろこしという意外な組み合わせ。

友人にも
「鰻、フォアグラ、とうもろこしがこうやって美味しく組み合わさることを知ったけど、
自分で真似しようとしたら食材を無駄にしてしまいそうなくらいプロの技がすごいよね」
と話したほど、驚きと感動がありました。


さらにペアリングでおすすめをしていただいたのは、
ソムリエさんの粋なお心遣いで
ペアリングのセレクトメニューにないけれど
ぴったりだというデザートワイン。

デザートワインはあまりに美味しさに
ワイン会でたくさん飲んでしまったものですが
レストランでコースと合わせたことがなく
私はデザートワイン一つで完結するものだと思っていたのです。

しかし、いざシャトー・カンテガル ソーテルヌ2016年の
貴腐ワインをいただいてみると蜜のような甘さが、
この複雑な味わいに絶妙な対比をもたらしました。


言語化が難しいのですが、
デザートワインの甘さが
とうもろこしの甘さとは違う種類の甘さなので
〝複雑〟ですが格別に美味しいのです。

この美味しさを語るには
まだまだワインや美食に詳しくならないと
上手く自分の言葉で伝えられないけれど、
記憶に残る新しい体験をさせていただきました。


長崎県・イサキのポワレとピサラディエール ニース風 は、
魚の焼き加減が完璧で、皮はパリッと香ばしく、
身はしっとりと仕上がっています。

鶏のお出汁で濾したラタトゥイユのソースと
イサキがピッタリでした。

付け合わせのピサラディエール ニース風は
ひよこ豆の生地に
オリーブやアンチョビを美しく盛り付けたもので
この一品もとても気に入りました✨


北海道の特選牛モモ肉のロティ アーティチョークとジロール茸 では、
ワインのプリフィックスで2択に絞り、
ソムリエさんにご意見をお聞きして決めた
コトー・ブルギニョン2022年の
果実味豊かな赤ワインが肉の旨味を一層引き立てます。

盛り付けが絵画のように美しく
インゲンやアーティチョークの付け合わせ以外にも
ソースまで計算されて描かれており
見た目がシンプルになりやすい
お肉料理ですが、華やかさが素晴らしいです✨


アーティチョークの繊細な苦味と
ジロール茸の大地の香りが、
牛肉の力強さに上品なアクセントを加えています。


ペッシュメルバ でコースの締めくくります。
桃の甘さとラズベリーの酸味、
アーモンドの香ばしさが絶妙なバランスで調和し、
食事の余韻を美しく演出してくれました。


・ワインの紹介
ワインはプリフィックススタイルを
楽しませていただく新しい体験でした。

E.ジャマール&Cieのシャンパーニュは泡立ちの繊細さが印象的で、
マルサネ・ブランの2019年は白ワインの持つミネラル感と果実味のバランスが秀逸。

シャトー・カンテガル ソーテルヌ2016年は
貴腐ワイン特有の複雑性と甘美さが料理との対話を生み出し、
コトー・ブルギニョン2022年は
赤ワインらしい力強さの中に上品さを感じられる逸品でした。

藤原シェフは中学生の頃からお父様の影響で厨房に立ち、
五反田の一つ星レストラン「おはらス・レストラン」での8年間の修業、
パリとブルターニュでの研鑽、
そしてあのジョエル・ロブションでの経験。(しかもスーシェフ)

その全てが一皿一皿に込められており、
料理を通してシェフの物語を感じることができました。

「d'ici」という店名はチームのみなさんの
初心を忘れない気持ちだそうですが、
ゲストにも「ここから」という意味の通り、
新たな美食体験の出発点として、
私たちに素晴らしい時間を提供してくれると感じました。

フランス料理がお好きな方、
美しい空間で心豊かな時間を過ごしたい方に、
心からお勧めしたいレストランです。

素晴らしい美食をありがとうございました。


【DINNER】デギュスタシオンコース
6品 12,500円 (税込)

・豚のリエット
・天使エビのサラダ ココナッツ風味
・フォアグラと鰻ととうもろこしのミルフィーユ仕立て ソースペリグー 
・鮮魚のポワレとピサラディエール ニース風
・特選牛モモ肉のロティ アーティチョークとジロール茸
・ペッシュメルバ
・食後のお飲み物

お店からの返信

d'ici

2025/09/19

この度はご来店いただきありがとうございました。
また、丁寧にご感想もご記載いただき誠にありがとうございます。
お料理やワインの組み合わせを一皿ごとに楽しんでいただけたこと、そして「ここから」という店名の想いまで感じ取ってくださったこと、スタッフ一同とても嬉しく拝見いたしました。
9月から新しい季節のお料理をご用意してお待ちしておりますので、ぜひご友人とご一緒にお越しくださいませ。

2025/08/13 更新

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