恵ありてこそさんが投稿した片折(石川/北鉄金沢)の口コミ詳細

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片折北鉄金沢、金沢、七ツ屋/日本料理

1

  • 夜の点数:4.8

    • ¥30,000~¥39,999 / 1人
      • 料理・味 4.9
      • |サービス 5.0
      • |雰囲気 5.0
      • |CP 4.0
      • |酒・ドリンク 4.7
1回目

2019/09 訪問

  • 夜の点数:4.8

    • [ 料理・味4.9
    • | サービス5.0
    • | 雰囲気5.0
    • | CP4.0
    • | 酒・ドリンク4.7
    ¥30,000~¥39,999
    / 1人

清廉で勇気ある引き算料理!  独特の世界観が深く心に刻まれました!

約10400字の、今までで最長レビューとなります。長くてすいません。

最初に私の印象を述べさせていただきます。
点をつけると他店様と比較することになり、正直申し上げて、
点をつけたくありません。点をつけないとどのレベルのお料理かイメージできないと
思いますので、仮に点をつけています。
私がこのお店に通い続ければ、自分の味覚が変わってしまうかもしれません。
自分の味覚を保つために自分で育てた野菜を
食べなければならなくなる、そんな印象を持ちました。
大将様は大変謙虚なお方とお見受けいたしましたが、
ご自身の味覚に絶対的な自信を持っていらっしゃると感じました。

私は料理人ではないですが、仮に料理人でしたら、
頂いたお料理を提供するのはシンプルすぎて、怖くてできません。
私も料理人でしたら、シンプルなものを提供したいと思いますが、
もう少し、生命の強さが出るお料理を提供すると思います。
できるかどうかわかりませんが。。。
味の点数が5点満点でないのは、私の目指す味覚と大将様の味覚が違うだけで、
どっちがいいとかそういうものではなく、そのずれの理由から0.1点
引いているに過ぎないので、このお店より高得点の
お店の方が素晴らしいということは意味しません。他店様とは比較できないお店です。

また、私は今までの人生で一度だけ、「レフェルベソンス」様の近くの
菩薩様と実際にお会いする以前に夢の中でお話しさせていただきましたが、
100回や1000回くらい私が生まれ直しても全く到達できない
完璧な能力と徳と美しさをお持ちで、全くかなわないご心境の持ち主でした。

「あなたは人間だから、しょうがないわね」

と微笑んで好意的にあしらわれてしまいました。
この経験があるので、全く自分自身の味覚も大したことがないと思っております。
片折様からは他店様から感じられない独特の世界観を感じます。
相当、大変な思いをされていると感じました。

お料理を提供するのに、食材の確保に壮絶な努力を陰でなされています。
どれも同じ種の中で特別に高貴な個体を頂いている感があります。
群れの中の単なる一匹とかいう感じではありません。
その個体達の天命を全うできない無念さを治めるのには大変な徳と優しさが
必要だと思います。そういう特別な個体にひどいことをすると、大きな霊障さえ
起こることがあります。私も相当な罪悪感も感じてしまいます。
これだけの食材を調理して毎日提供するのはとてつもなく、大変なことだと思います。

今回は、ただ美味しいとか、美味しくないとかを感じるのではなく、
奥底の生命の輝き、哀しみを感じて、食しました。
食事は本当は儀式です。本来なら、一切、会話も禁止です。
そういうことを感じさせていただけるお料理の数々でした。
素晴らしかったです。
ただ、美味しい、美味しくないでは単なる幸せな人になりかねません。
本当は関西の漫才でよく使う、ある言葉を使いたいのですが、
公の文章なので、「幸せな人」という言葉を使っています。
あるスピリチュリストに倣っています。スピリチュアルなことが
わかならなかったり、無視したりする人はとても幼く感じます。
たとえ、天才であっても。


それでは、いつもの形態でレビューをさせていただきます。


わずか、口コミ件数19件(2019年9月22日時点)で食べログ点数4.53金沢一位のお店です。
以前は完全紹介制だったようで、私の予約の際は、幸運にも
そうではありませんでした。金沢滞在中、3日間のうちの
1日の2回転目(午後8:00~,午後7:50分から入店可能)だけ予約の空きがあり、
滑り込んで予約させていただきました。後から、考えると本当に

「滑り込みセーフ」

だったようです。しかし、紹介制ではありませんが、多くの超有名店と同じシステムなので、
新規での電話予約(2か月先まで受けるそうです)はほぼほぼ不可能です。
現時点で年内はすべて埋まっています。その先はまだ、電話予約は受け付けていませんが、
訪問者がどんどん予約をして帰ります。


店内はカウンター7席のみのお店です。ですので、とても
お客さんを大切にしていただけると思います。
この日は、私以外のお客様は
団体の5名様が地元の方、1名が中国地方のプロのお鮨屋さんでした。

団体5名様は帰るまでにはほぼ全員次の予約を入れていました。
一番先の人は来年の5月に予約を入れてました。
日程は未定ですが、年末に金沢訪問の可能性があるので、
年末の予約をお願いしますと申し上げたら、
「すいません、年内、いっぱいなのです」
とおっしゃられました。心苦しそうにお答えになりました。


今の所、全国ランキング68位ですが、
評価分布が大変素晴らしく(特に4.5~4.9の棒グラフが)、
食べろぐゴールドのお店と比較しても素晴らしいです。
もうちょっと、5があれば、全国トップクラスです。
気合を入れて、お店を選ぶときは私は点数は参考程度で採点分布を
最重要視しています。お店との相性が悪いときは
最低点あるいはその下が妥当と感じることが時々ありますので。
今回は相性が良かったです。

まず、知らないお店の情報を得ようとすると、
食べログの情報として、点数と口コミ件数が目に入りますが、
口コミ件数が少なくて、点数が高いお店は

(1)採点分布が非常に良いこと



(2) ポイントの影響力の強いお方(----->食通---->味覚能力が高いお方)
(最初のimplicationも「食通」の定義により、最後のimplicationも「食通」
の定義によります。)が多く訪問されていること

の二つを意味します。そういうお店がとても好きです。なかなかないですが。
新規店で口コミ件数が少なくて、採点分布が素晴らしいお店があれば、
あるいはそうなりそうなお店があれば、ぜひ、お教えしてくださると大変ありがたいです。
口コミ件数が少なくて、採点分布が素晴らしいお店は例えば、
「新橋 星野」様、広島の「馳走啐啄一十」様等がありますが、
移転していますから、「片折」様と比較して良いかどうかは厳密には
微妙と感じます。


大将様のご出身は閉店しました「T」様で、11年お勤めしたそうです。
私がご出身のお店に伺った際(4,5年前)は
「どうしたんだろう? このお料理の数々は?」と思うほど、
お料理の多くの具材とほぼ全てのお料理自体の質が残念ながら、
とても良くなく、高級店の中で私の印象度はずば抜けてワースト1です
(プロの世界の中でもよくない評判を耳にしたことがあります。
お店の建物からも何か心理的に暗い嫌な印象も受けました。人の気持ちは
よくも悪くも建物に染みつきます)が、それを吹き飛ばすくらいの
レビューアー様のお褒めの言葉と素材重視の姿勢と徹底的に細部まで
こだわる姿勢を感じ取ることができましので、訪問させていただきました。
実際に訪問しましたら、その通りでした。食べログのレビューアー様の
おっしゃる通りでした。感謝申し上げます。


お料理のお値段は正確には時価だそうですが、
「申し訳なさそうな口調で、お料理だけで28000円位を目処にしてください」と
予約の段階でご説明を受けました。この一言からも、ご親切さと同時に
良い素材のものを提供したいお気持ちを同時に感じることができました。
実際にかかった費用はアルコールなしで、33000円くらいでした。

まず、入店すると控え室に通されます。結婚式の控え室のような雰囲気を感じました。
一緒に入店した方々は楽しい方々で部屋の中はこれからの食事を楽しむ
雰囲気で満ちていました。
私はプロの方とすぐに打ち解け、名刺交換をさせていただき、話もとても弾みました。
団体5名様は食べログレビューアー様かもしれないと勘違いしていましたが、
実際には違ったと思います。この控え室の雰囲気は誰が来るかで
気まずくもなったり、楽しくなったりすると思います。

控え室では熱々のタオルを渡されます、なぜ、熱々なのかは理由は
わかりませんが、意図のあることのようです。

控え室では大変香ばしい玄米茶が提供されます。

しばらくすると、食事の部屋に通されます。
席は既に決まっており、お隣にはプロの方が着席してくださり、
「あー、よかった」と思いました。
料理店では「オーラ」を出すのをとても控えていて、気をつけている
と申し上げたら、「十分出ています」と言われてしまいました。
極端な例外を除き、自分では出さないようにしているのですが。。。
修行が足りません。食事中も食後もたくさんお話していただき、
大変感謝しております。

まず、お弟子さんがカツオ節を削ります。
それと前後して、少量の炭酸水をいただきます。
あまりに意外でしたが、一般的な炭酸水固有のレモン感のある味だったと思います。
(実際に、柑橘系の果物が入っているかどうかは未確認。)
その時は、お店の雰囲気からは炭酸水がイメージできなかったので、

?

と思いましたが、胃腸を活発にする意図だと後から納得しました。
少量なので、許容できます。炭酸水は調子が悪い時でも
胃腸を無理に活発にしてしまうので、体に悪い時も
あります。このことで、イタリアで死にそうになりました。
大げさな話ではありません。イタリアの飲食店のオリーブオイルが
一般的に良くないことととスピリチュアルなことが主原因ですが。
炭酸水も一役かっていました。一般的に良いとされることも
localな視点で良いだけであって、いつでも良いとは限りません。

次に飲み物は番茶にしていただきました。大変香ばしいです。

(1) 先付け 氷見ワタリガニ(利尻昆布出汁ジュレのせ)、
キクラゲ、オクラ


ワタリガニが良い意味で、やばいです。カニの臭みが全く
感じることができません。その分、味に強みがないですが。すぐに
こういうお料理の連続だろうなと感じました。
大将様は研ぎ澄ました感覚で味を見分けていると感じました。
ジュレと食べるとこちらの気持ちが優しくなるような味です。
後で確認しましたら、昆布は利尻昆布を使っておりますとおっしゃられました。
キクラゲも品がいいです。オクラもいいのですが、
原型が多少あるので、私は筋をほんの少しですが、
感じることができましたが、お店のオクラとしては最上クラスだと思います。
オクラは有機栽培のオクラだそうです。個人的には今一つ、オクラに関しては、
品質の良さに太鼓判は押せないです。
味がすべて優しいので、人によっては力が少しないと感じるかもしれません。
オクラを完全にすりつぶして、ワタリガニを2つに分けて、
ジュレ部分とオクラ部分に分けても良いかもしれません。
温度もちょうどよく冷えていて、お料理の完璧さを求めていることがわかりました。
お隣の県に日本料理「Y」様がありますが、先付けの段階で、
そのお店とはまるで別次元のお店と感じました。オーラが全然違いました。
片折様の先付けは「清廉」なオーラで、「Y』様はくたびれたオーラでした。
蟹の種類と付け合わせの野菜は違いましたが。「Y」さまの方が良い魚介を
提供できる季節であったのにも関わらず。


途中で一番出汁をとる演出があります。
そのあと、出汁だけが供されます。

「このカツオは一本釣りでストレスがないように」と説明を受けました。
カツオの気持ちになれば、絶命の危機が迫っていますので、カツオのストレスは
計り知れないと思います。「ストレスを永く感じないように」
が正確な言い回しだと思います。
味は確かに非常に雑味がなかったです。水は能登の中島の名水だそうです。

美味しいとは思いますし、
とても優しい味だと思います。若干、私は甘い感じを感じました。
お隣のプロの方に「(丸い)甘い味を感じますか」と尋ねましたら、
無言でしたので、本当に甘く感じるかどうかは人によるのかもしれません。
味的にはこれ以上、印象はありません。舌が鈍感で申し訳ありません。
正直に書きますが、絶叫するような味ではなかったと思います。
次回、もっと真剣に味わいます。次回、訪問できれば。


(2) 加賀れんこんのお椀(と説明を受けました。)

お椀の外側には意図的に水滴をつけているそうです。
(いろいろなこともすべて説明が最初からあるわけではなく、
こちらが気がつくと、快く説明していただけます。)
まだ、9月で暑いので、清涼感を出すためだそうです。
写真をご覧ください。水滴がとても美しいです

れんこんは私には食感がはっきりありすぎて、少々、硬すぎました。
噛むと歯がれんこんの一本、一本の繊維を突き抜けていく感があります。
れんこんの味は品のある、おとなしい味です。
下に冬瓜がありました。出汁を相当吸っていますので、お恥ずかしながら、
一瞬、「なんだろう、この具材は?」と迷いました。
出汁の味はとても薄味ですが、旨味もしっかりあり、食すと、
舌を優しく撫でられるように、私の体に染み込んでいきます。

(3) 氷見のキジハタ

このキジハタは氷見の漁港でこの日、1,2番のキジハタだそうです。
朝8:00にしめ。寝かせなしと説明を受けました。
寝かせていませんが、旨味あり、付け合わせに塩とワサビが
ありましたが、個人的には塩の方が断然美味しいです。
塩で食すと、キジハタのポテンシャルの高さがぐんとわかります。
甘みが際立ちます。身の感触はねっとりしていて、食すと
歯をキジハタの身が包む感じです。非常に上品に感じました。

この料理から、「片折ワールド」が全開になってきたと感じました。

(4) 子供のアオリイカ

氷見のアオリイカだそうです。10本に1,2本のレベルのアオリイカだそうです。
足を切って、身の中に埋め込んでいます。したがって、食べた時に空洞感を感じません。
一瞬、中になんか入っていると感じました。
舌にポン酢がありましたが、少量の出汁が入っているように感じました。
イカが子供であり、品質が良いせいだと思いますが、
「やわい」
感じがすごくしました。本当にまだ、子供のイカで
人間の小さい子供が無警戒で素直であるように「すっと」した味でした。
味がすっとしますので、ポン酢が不可欠です。
これが一番私が罪悪感を感じたお料理です。
生命(いのち)を頂いている印象が強かったです。
上にはみょうがが載っていますが、その印象が消えてしまう
不思議なお料理でした。イカの無念さを感じてしまったかも
しれません。

ここでお隣様の徳利で純銀製のものが出て、驚きました。
中国の皇帝が使うようなものだと感じました。
聞き流してほしいですが、私は2,3千年前中国のある地方の帝でした。血が騒ぎました。
(そのため、時々、態度の大きさが出ると思いますが、どうかお許しください。
ただ、上から目線だけの帝ではなく、民の真剣な訴えには耳を傾けていたと思います。
時代の常識にもとらわれない帝だったと聞いております。今世は一般人です。)
器の風格がすさまじいです。下の写真をご覧ください。これを観れただけでも
本当に良かったです。

(5) 赤ウニとおかゆ

赤ウニは福井小浜でこの時期しか取れないそうです。
器の中のおかゆの上に盛られています。
食感が相当滑らかです。残念ながら、味は甘みも磯の香りも
薄く感じました。品質は良いと思いますが、味が薄すぎると
感じました。私の舌が悪いのかもしれません。

お隣のお鮨屋さんが
「凄い、面白い! 面白い!」
とおしゃっていましたので、寿司宮川様のスタイルを
説明し、九兵衛様式の海苔巻きの欠点を指摘したら、
納得されていました。


(6) 鮎

下に写真がありますが、先ほどまで桶に入っていました、
元気な鮎の焼き物です。
桶に入っている時は体をゆらゆら動かしていました。
まず、蓼酢がおかれました。
お隣のプロの方曰く、
「ここまで鮮やかな緑色を出すのはとても大変です。
ご飯を何度も裏ごししている。」
とのことです。

徹底的に、濁った味の部分はすべて取り除かれています。
良い味の胴体しかありません。日本人的には「えっ」と思うかもしれません。
外国人の方にはこの方が良いのでしょうね。
(昔、「龍吟」様で、鮎が絵の様に盛り付けされて出てきましたら、
隣のテーブルの外国人様がグロテスクに感じられ、しばらく、手をつけませんでした。)

左の方の身を食べて、まず驚きました。あまりに身の量が多いので、
「えっ、これ、鮎か?」
と感じました。今まで、食べてきたものと全然違うと感じました。
口の中が身でいっぱいになります。ふわふわの身がボリューミーに
口の中を埋め尽くします。臭みは全くありません。蓼酢の刺激も
とても良いです。刺激がありながら、マイルドです。相反するものが
うまく共存しています。右の方を食べると、この鮎は子持ちであることが
わかります。卵の部分からは塩味を感じました。

お隣のプロの方曰く、

「卵の量が少ないので、身がたくさんあるのですよね」。

食べ終わる頃には女将さんの解説が続きます。
「これは主人が良いのではなく、釣り師の方が素晴らしいのです。
この方が釣る鮎は他の方と全然違って、元気な鮎を釣るんです」
とのこと。今まで食べてきた鮎が細ーい鮎に感じてしまいます。
この日、一番の迫力のあるお料理でした。しかし、鮎ですので、
迫力のあるといいましても、あくまで控えめのある迫力です。
この説明で、片折様の目指しているお料理がお分かりいただけるでしょうか?
豪快な迫力は全然、目指していない、静かにその良さが
わかるお料理を目指していらっしゃると思います。


(7) 葛きり

氷見の天草だそうです。つゆはカツオ、利尻昆布、酢です。さして、味は覚えていますが、
美味しいことは美味しいですが、文章に起こすほどの感想はあまりありません。すいません。
味付けの傾向は違いますが、京都の「鍵善良房」様の葛きりの喉越しと比較してしまいました。
葛きりをもっとも得意としいているお店と比較するのは酷だと個人的には思います。
すいません。

(8) ナスの椀

ナスは千両なす(の原種)だそうです。
千両は細長い一般的なナスです。椀の出汁とナスの単純なものです。
品がないと、お料理やさんで供して大丈夫だろうか
と思うと思いますが、大丈夫でした。利尻昆布と
2番出汁の品にナスの旨みがお汁に溶け出し、甘く
感じました。ナスの皮がなかったので、ナスの味が染み出ていると
感じました。他の濁った味が入るのをとても嫌っていると
思います。私だったら、お客さんの反応が怖くてとてもm出せません。


(9) ひりょうずの椀(椀だけ写真を撮って、肝心の中身の写真を撮るのを忘れてしまいました。すいません。)

お汁以外、ひりょうずのみです。
ひりょうずに自信があるのと他の味があるのを嫌ってのことだと解釈しました。
ひりょうずは

「なんと具が何も入っていません!」

ので、皮の旨みと中のババロアのように崩れていく食感
が必然的に強調されます。また、外側だけでなく、
中身も優しくうまいです。文章だけだと
本当にこれで大丈夫かと思われるかもしれませんが、
飽きずに最後まで、味わえました。

プロの方曰く、

「(究極の)引き算の料理ですね。普通はできません。」

とおっしゃっていました。華道でも引き算しまくりなのに、
ちゃんと形があるものがあるそうですが、そのお料理板と
感じました。一歩、間違うと全く崩れ去ってしまうので、自分のこととして
感じると怖く感じます。でも、このお料理も崩れていませんで、十二分に美味しかったです!
相当、印象に残っています。


(9.5) ご飯の前にほうじ茶がお客さんの前で女将さんが煎ります。
写真を撮っておけばよかったです。
室内が素晴らしい香りで満たされます。

またもやお隣のプロの方曰く、

「飲まなくても満足。」

とおっしゃっていました。

「すごい、すごい」を
連発していました。


(10) ご飯

この流れだととんでもなく美味しいご飯を求めてしまいますが、
ダメでしょうか?高級店のご飯で普通に美味しい程度でした。
銀座に「左京ひがしやま」というお店がありますが、
20年前くらい前にいただきましたが、
そこのご飯はお米の甘みがとてもよく、感動的でした。
(感動的なのはご飯のみでしたが。。。今と違って、
ネット情報も良いグルメ本も盛んでなかったので、日経おとなのOFFで
「左京ひがしやま」様の情報を仕入れました。)
そのレベルのお米には感じませんでした。
ちなみにお米の種類はコシヒカリでした。
大将様のお父様が作ったお米だそうです。
とてもありがたく感じました。

半熟卵と昆布とキュウリが付いてきました。
卵は「もみじ」というブランド卵だそうです。
白身が極端に薄かったです。黄身は味わい深いですが、
素直というしかないような味で、性格の良い鶏が産んだような卵のように感じました。
「はい、卵、産みましたよ」
という鶏の声が聞こえてくるようでした。

昆布とキュウリは普通の味だったと思います。昆布は
2枚付いていましたが、またもや

お隣のプロの方曰く、

「こんなに完璧に同じ大きさに切るのは難しい」

とおっしゃっていました。
私はとても簡単にそのようなことはできると思いますが、
このコメントのおかげで、片折様が隅々まで気を配っていらっしゃるのを
再確認いたしました。


ここで、また、お隣のプロの方曰く、

「調理の音がしないのがすごい」

とおっしゃっていました。ちなみに
調理はカウンター前では一切しません。奥の部屋に入って、そこで
全て調理します。カウンターの席だと、水道があり、不快に感じること
があります(例えば、京都の「お料理はやし」様など。)。
そういう心配は全然必要ありません。


お味噌汁はなめこの味噌汁でこれは普通に感じました。


(11) ご飯おかわり

上にのどぐろが乗っています。これだけ、今までの
傾向と全く異なりました。味がしっかり付いています。
うなぎの蒲焼のタレがしっかりかかっています。
のどぐろの皮の香ばしさと甘からいタレで美味しいです。
意外なものが出てきて、面食らってしまい、また、
タレの味の印象が強く、のどぐろ自体の印象が
薄く感じますが、口の中で溶けるような味でした。
全体として、美味しかったことは確かです。


(12) 葛饅頭

容姿が大変美しいです。アマガエルの卵を彷彿します。
これを見ると、フレンチの超有名料理人のお料理とかは、
言葉が悪くて、大変申し訳ありませんが、薄っぺらい幾何的な
美意識しか持ち合わせていないのでは?と思ってしまいます。

外側の透明な葛が柔くて、品の良い甘みがあります。
これ一つの商品で和菓子屋がオープンできるであろうレベルです。
中の餡がもう少し、うなってしまうような品を感じる餡だと嬉しいです。

(13) 抹茶

味が濃く、貴族になったような気分になりました。
京都の「US」様でお茶をいただいたときは、
こちらが悪いのかもしれませんが、言い方が心地よくなく、
ゴテゴテ、注文をつけられて、このような気持ちにはなりませんでした。

(14) ほうじ茶と白湯

最後にこの二つの飲み物が提供されました。
最後のほうじ茶は最初のより、全然濃かったです。
白湯は聞きそびれましたが、どこかの山の水だそうです。
私の味覚は鈍感ですので、際立った良さは感じませんでした。
健康のことを考えての最後の飲み物なのでしょうね。


後から、考えると椀物(っぽい)ものが多くて、「八寸がなかったなあ」とは感じます。
素材重視は間違い無いですが、素材重視というありふれた一般的な言葉で
片付けられないお料理でした。

良い食材が手に入るかどうかで供されるお料理がとても左右される
と思いますので、個人的には相当怖い感があります。
大将様と女将様は壮絶な日々を過ごしていると感じました。
お値段がするだけに皆様、最良のものを求めるでしょうが、
とにかく、大将様はいい食材を求めて、奔走しています。
お二人の健康に何かあると大変ですので、暖かく見守ってほしいと思います。
一人お弟子さんがいらっしゃいますが、お若く、強い意志を持って、ひたむきに
お料理に打ち込もうとなされています。もうちょっと、笑顔を持っていただけると
個人的には嬉しいです。

無理なさらないで、長く続いてほしいお店と感じました。
予約できたら、また、再訪させていただきます。
次回はもう少し、正確なレビューができると思います。

私は素人ですので、お料理の知識が欠けていますので、
全体的には驚くほどの感動には包まれませんでしたが、しかし、
どのお料理もとても美味しく、じわじわ良さを感じ、その良さが長続きし、
お店の方々のお人柄も大変良く、訪問して、とてもよかったと思えるお店でした。

おそらく、たかだか4,5時間くらいしか、睡眠時間を取っていられなく、
寝ている時でもお料理のことを考えているかもしれません。
大将様と女将様が体力的にも精神的にも
くれぐれもご無理なさらないように祈っています。

全力で駆け抜けている最中だと思いますが、お店が末長く続いてほしいと感じました。
予約できましたら、また、再訪させていただきます。

  • 外観1

  • 外観2

  • 控え室

  • 控え室の天井

  • 蒸しタオル

  • 玄米茶

  • 内観

  • 品格ある鰹節

  • 炭酸水

  • 番茶

  • 氷見ワタリガニ、キクラゲ、オクラ

  • 出汁のパフォーマンス

  • 出汁、一人づつ

  • 器の佇まいが素晴らしい!

  • レンコンと利尻昆布出汁の椀

  • きじはた

  • 生きている、元気な鮎

  • 爪楊枝、置き方がおしゃれ

  • 子供のアオリイカ

  • お隣の方のお酒の器

  • 銀製の徳利

  • 赤ウニとおかゆ

  • 蓼酢

  • あゆ、こんなに大きい!

  • 葛きり

  • お隣の方の徳利

  • ナスの器

  • 千両なす

  • ひりょうずの器

  • お新香と卵

  • おかゆ

  • お味噌汁

  • のどぐろのご飯、おかわり

  • 葛饅頭、葉に包まれています。

  • 葛饅頭

  • 抹茶

  • 白湯

2019/12/09 更新

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