よしむー310さんが投稿したカンテサンス（東京/北品川）の口コミ詳細

カンテサンス in 北品川

北品川にあるフレンチ
．
〈コース〉
【Dinner おまかせコース】:38500円

〈内容〉
【メイチダイ サブレ】
【栗のスープ】
【山羊のミルクのババロア】
【ムール貝 クスクス】
【フォアグラと焼き茄子のプレッセ】
【穴熊 ラグーソース タルトフランベ】
【鰆 枝豆のラビオリ添え】
【恵鴨のロースト】
【黒イチジクと赤ワインのシャーベット】
【エスプレッソソース ピスタチオオイル ココナッツブランマンジェ】
【チュロス】
【メレンゲのアイスクリーム】
【焼き菓子】

〈ドリンク〉
【Jacquesson Cuvée 745】
【Guffens Heynen Mâcon Pierreclos Tri de Chavigne 2023】

+サービス料:10%

計52570円
．
〈メモ〉
個室席の予約が取れたとお誘い頂いての初訪問
25年10月.火曜日の夜20時半に5名で予約して伺い、店内予約で満席といった状況でした
．
・メイチダイ サブレ
コースの始まりにお出し頂いたフィンガーフード
こちらは小さなサブレの上に完熟した万願寺唐辛子やメイチダイ、ゴボウチップス、芽ネギが乗せられており、小さいながらに色味のコントラストがしっかりしていて目が惹かれます
サブレは口に含んだ瞬間にホロッと崩れ、程よい塩気とバターの香りが口いっぱいに広がる仕立て
メイチダイはしっとりとした身の食感が特徴的で、万願寺唐辛子の微かな辛味が魚の旨味を引き立て、ゴボウチップスの軽やかな香ばしさがアクセントとして口内でリズムを生むイメージです
芽ネギの清涼感ある香りが全体を軽やかにまとめ、たった一口で味の層が次々と展開される贅沢さが感じられる逸品に仕上げられておりとても美味しかったです！

・栗のスープ
グラスの中に栗を主軸にした暖かなスープが入れられての提供
こちらは下層/上層の2層に分かれており、下は刻んだ栗/ほうれん草/豚頬肉のハムであるグアンチャーレのスープ層、上は焼き栗の香りを閉じ込めた泡状の層となっていました
下層は濃厚でありながらも重すぎず、栗の自然な甘みとグアンチャーレのほのかな塩気が絶妙にバランスを取っているとろみが心地良い質感の1杯
上層は焼き栗の香ばしい香りを閉じ込めたまろやかな風味で、下層と混ざることで栗本来の味わいがさらに引き立つ感覚が素晴らしかったです
香りと味、食感のコントラストがしっかりしており、独創性に溢れる「秋の森の中」の様な心地良さが感じられる味わいで非常に美味しかったです！

・山羊のミルクのババロア
京都産の山羊のミルクを使用して作ったというババロア、よくお店の看板として写真で見るものが遂に目の前に、、
こちらはババロアの上にフランス/プロヴァンス地方のオリーブオイル、同じくフランス/ゲランドの塩、スライスマカデミアナッツ、ユリ根が乗せられた仕立てとなっており、全体を混ぜずにスプーンで掬って食べる形式となっていました
ババロアはとろりとした滑らかな舌触りが心地良く、クセの少ないコクの余韻が残る所が印象的
そこにオリーブオイルの芳醇な香りが重なり、お塩が全体の塩気を整える仕立てとなっており、複雑で奥行きのあるテイストが感じられて堪りません、、
スライスマカデミアナッツのカリッとした食感やユリ根のほのかな甘みのアクセントも匠で、混ぜずに層ごとに味わうことで、ババロアの甘み、オリーブオイルのコク、ナッツの香ばしさ、ユリ根の風味がそれぞれ際立ち、食べる順番や組み合わせによって異なる表情を見せる所が素晴らしすぎました、、最高に美味しかったです！

・ムール貝 クスクス
ムール貝とアフリカ発祥の伝統料理であるクスクス、天然の茸等を合わせた逸品料理
こちらの一皿にはフランス/モン・サン・ミシェル産のムール貝がたっぷりと入れ込まれており、口に含んだ瞬間にグッと広がる特有の旨みが堪りません
丁寧に炊かれたクスクスは一般的なもさもさとした食感でなくシャキシャキとした瑞々しさが感じられる仕立てとなっており、こちらも技術の高さに脱帽でした、、
そこに天然茸の旨み成分であるグアニル酸やグルタミン酸が合わさるとなんとも言い難い深みのある旨みの層が形成されて思わずガッと掻き込んでしまう様なテイストに
入れ込まれた緑銀杏のほろ苦さや青みのアクセントも心地良く、こちらの1皿だけでもワインが幾らでも飲めてしまいそうな高度な味わいに仕上がっており非常に美味しかったです！

・フォアグラと焼き茄子のプレッセ
フォアグラ層・焼き茄子層がそれぞれ交互に2層ずつ積み上げられ、カカオを使用して作られたチュイールによってサンドされた逸品
焼き茄子は皮付きの状態で焼いた後にアップルビネガーで締めたものとなっており、茄子由来の甘みとりんご酢の酸味のバランス感覚の良さが秀逸
両層とも質感としては非常に滑らかでチュイールのパリッとした食感とのコントラストも素敵でした
最初にカカオの香ばしい香りが鼻腔を抜け、焼きナスのとろみと甘みが広がり最後にはフォアグラの濃厚なコクとまろやかさの余韻がグッと残り続ける3段構成の仕立てとなっておりとても美味しかったです！

・穴熊 ラグーソース タルトフランベ
薄焼きのピザであるタルトフランベの上に穴熊/水菜をラグーソースで仕上げたものが乗せられての提供でした
下層のタルトフランベはカリカリというよりはもちもちとした水分感をあえて残した仕立てとなっており、口の中で広がるじんわりとした小麦の甘みとバターの香ばしさが心地良いイメージ
上に乗せられた穴熊の肉質はほろっと崩れる柔らかさで脂身もそこそこ多いイメージ、噛むたびに赤ワインと野菜の風味が染み出し深みのある味わいがグッと広がる所が堪りません
水菜のシャキッとした食感がそこに加わることで全体に軽やかなアクセントが生まれ、ラグーソースの濃厚さを程よく和らげていた所も印象的でした
口の中でタルトフランベの甘みや穴熊の旨味、ラグーソースのコク、水菜の爽やかさが一体となる体験は単なるお肉料理の枠を超えた複雑さと満足感が感じられて堪らなく美味しかったです！

・鰆 枝豆のラビオリ添え
訪問時の魚料理には「鰆」が使用されており、横に枝豆を使ったラビオリが添えられ、ローストしたヘーゼルナッツ/カリフラワー等を使用したソースがかけられての提供でした
魚のプレートはカンテサンスオーナーシェフの岸田周三氏が全て火入れを行い提供しているとの事で、どのお料理も食材のベストな味が引き出されていましたがこちらの1皿は特に格別
鰆は皮目がパリッと、身部分はオーブンでしっとりと仕上げられており、ナイフを入れると一切の隔て無くスッと入る所が印象的、技術の高さが光っていて素敵です
味わいとしては比較的淡白ながらにふんわりと広がる上品な鰆の甘みが特徴的で、ソースと合わせるとナッツの香ばしさやコク、カリフラワーの自然な甘みが掛け合わさる所が堪りませんでした
枝豆を使ったラビオリは内側にしっかりと枝豆の食感が残っておりコリコリとした食感が良い感じ
鰆との合間に食べると違うベクトルの甘みで口がリセットできるので最後まで楽しみ切る事が出来る一皿に仕上がっており最高に美味しかったです！

・恵鴨のロースト
愛知県のブランド鴨である恵鴨をローストしたメインの肉料理
こちらは鴨を丸の状態で火入れしてから切り分けているとの事で、胸肉/骨付きもも肉/せせりといった部位での提供でした
恵鴨のもも肉は骨ごと火入れされている事から周りの肉の旨みがより引き立っており、噛むごとに広がる濃厚さが素敵でした
胸肉はしっとりとした柔らかさが印象的で脂のノリ具合も良く、口にふくむとほろりとほどけて広がる優しい甘みが堪りません
せせりはもちっとした弾力が印象的で小振りながら存在感は抜群、こちらも濃厚な脂の甘みがグッと感じられて良きでした
味付けはカシスリキュール/黒胡椒を加えた赤ワインソースとなっており、最初にアタックしてくるのは赤ワインのコクと渋み、続いてくるのがカシス由来の甘みで後味として黒胡椒のピリ辛さが全体を纏めている様なイメージ
横に添えられているのは蓮根のフリットで上にセルバチコが乗せられての提供
こちらは恵鴨と対比的にフリット由来の油の風味とコク、セルバチコの清涼感との掛け合わせが見事で、蓮根の自然な甘みとの調和も完璧すぎました
間違いなく過去に食べた鴨料理の中で1番素材の良さが引き出されていた逸品で非常に美味しかったです！

・黒イチジクと赤ワインのシャーベット
赤ワインを煮詰めて作ったシャーベットの上に黒イチジクが乗せられての提供
こちらの黒イチジクは新潟県/佐渡産のものが使用されており非常に糖度が高い所が印象的でした
シャーベットは赤ワインのコクと深みが残るじんわりと甘い味わいで、こちらにもイチジクをペースト状にしたものが入れ込まれており組み合わせの妙が感じられて素敵
デザート1品目でひんやりとした温度感という所もメインを食べた後だったので嬉しく、あっという間に食べ終えてしまう趣向が凝らされた逸品でとても美味しかったです！

・エスプレッソソース ピスタチオオイル ココナッツブランマンジェ
ココナッツブランマンジェの上に滑らかなピスタチオオイルが敷かれ、その上に濃いめのエスプレッソソースがかけられての提供、こちらも混ぜずに掬う形がおすすめとの事でした
こちらは口に入れるとまずココナッツの香りがふわっと広がり、ピスタチオオイルのナッティーで滑らかな風味が続くイメージ
最後にエスプレッソのほろ苦さが加わることで、甘さと苦味、香ばしさの三層が絶妙に混じりあう所が堪りません
混ぜずに層ごと味わう事で不均率なバランス感覚が楽しめ、1口1口が常に新しく感じられる所が素敵でした
口の中で広がる香りのグラデーションや舌触りの変化が楽しく、最後まで飽きずに食べ進められるデザートで非常に美味しかったです！

・チュロス
揚げたてチュロスの中に南瓜のピューレ/上に冷製メイプルクリームが乗せられたスイーツ
こちらのチュロス自体はサクッとした軽やかな仕立てで軽快さが感じられて素敵です
中に入れられた南瓜のピューレはとろみが強く味としても強めの甘みが印象的でした
メイプルクリームはふんわりとした程よく柔らかな仕立てで、南瓜の甘みに異なるベクトルの甘みが掛け合わさる事で口の中で多層的な甘みが広がる様な味わい
サイズ感的にももたれず最後まで食べきれるものとなっておりとても美味しかったです！

・メレンゲのアイスクリーム
こちらは店舗で焼き上げたメレンゲを1度粉々にして砂糖の代用とし、牛乳と生クリームを合わしたというアイスクリームで、最後に仕上げとして石川県/能登の濃縮した海水を少量吹きかけたものとなっていました
アイスは非常に濃密でふわりとした質感が素敵で、甘みとしてはメレンゲ由来のものが強く感じられる味わい
ほのかに香る磯の塩味がその甘みをより引き立てワンランク上の上質なテイストに昇華されていた所が素敵すぎます、、
軽やかなため幾らでも食べていられそうなスイーツに仕立て上げられており非常に美味しかったです！

・焼き菓子
コースの最後に珈琲と共にお出し頂いた焼き菓子
こちらはアーモンドパウダーを使用した焼き菓子との事でサイズ感としては小振り、一口でつまめるサイズ感が可愛らしくて良きです
口に入れるとナッツの香ばしさと甘みがふわっと広がり、コースの余韻を引き立てる完璧な締め括りが感じられるイメージ
小さなサイズながらも存在感があり、珈琲と共に味わうことで最後まで幸福感を持続させてくれる一品で大満足過ぎました！
．
お店はJR品川駅高輪口から歩いて15分弱の所にあります
高輪口を出て目の前の横断歩道を渡って左折、道沿いを歩き続けると右手側に見えてくるガーデンシティ品川 御殿山1階の一角に位置する店舗様
店内は白/赤茶色を基調とした高級感溢れる内観で、記念日利用や会食利用に適した国内最上級クラスの空間
お席は2名掛けテーブル席3脚 、4名掛けテーブル席4脚、5名〜予約可能な個室席の全体で計30席での構成でした
客層はカップル/ご夫婦/友人同士/取引先同士といった所で、訪問時は記念日利用のカップル層がボリュームゾーンとなっている印象を受けました
お店の名前ともなっている各種食材の「真髄」をしっかりと堪能する事が出来て幸せすぎました！
次回は自分で予約戦争を制して異なる季節に訪問したいなぁと思います！
美味しかったです、ごちそうさまでした(*´◒`*)