3回
2022/08 訪問
唯一無二!さらなる進化を遂げる発酵×イタリアン。
【再訪】
2回目の訪問です。長野県軽井沢にある「Naz」。
発酵料理を得意とする鈴木シェフによって引き出された味わいは唯一無二です。
◻︎千葉県産 内田ザリガニのキッシュ
ザリガニに軽く火を通したものを
卵を使用していないキッシュ生地に乗せ、
ドライフルーツトマトやラズベリーの粉を添えた一品。
キッシュ生地が本当に薄く、ほろっと儚げな食感。
そしてキッシュの中身はとってもクリーミーな味わい。ザリガニの海老のような旨味に、トマトの酸味のアクセントが素晴らしいです。
◻︎茄子とアオリイカなどを使った素麺
アルデンテに仕上げた富山の大門素麺に、焼き茄子のたたき、アオリイカが乗っています。お皿にも拘りがあり、富山のレース店のお皿を使用しているとのこと。可憐なレース柄のお皿の下面を彩るのは2週間発酵させた茄子から取った紫のソース、そしてパセリの緑のソース。さらに素麺の上にはキャビア、紫蘇が散らしてあります。
発酵させた茄子がこんなに素麺に合うのかという、驚き。鱚の魚醤なども使った旨味の出し方が素晴らしすぎます。また茄子とパセリのソースの酸っぱさが、さっぱりと清涼感のある味わいを演出し、夏にぴったり。アオリイカのねっとりとした濃厚な味わいは一種のアクセントのよう。
◻︎佐久の五郎兵衛米のリゾット
珍しい天日干しの五郎兵衛米。
静岡の桜海老と三つ葉を使ったリゾット、その片面をさらに焼いて焼きリゾットの形に。その上にはトマトの梅干し風、2ヶ月間発酵させたきゅうりの皮の付け合わせ。さらにポルチーニの風味が効いたスープを注ぎます。
香ばしさと旨味、そして酸味のアクセントがたまらない逸品。トマトの梅干し風は梅干しほど塩味が強すぎず、酸味とのバランスが本当素晴らしいです。
◻︎ズッキーニの料理
コースの中で旬の野菜を使用した一皿がお決まりなのですが、今回は夏野菜のズッキーニを用いた料理でした。
丸ズッキーニの中身をくりぬいた器に、ズッキーニを様々な形へ料理したものが入っています。
底にはズッキーニのムース。少し粗糖を加えているという甘く柔らかな味わい。ズッキーニの薄切りは食感が良く、さらに雲丹がトロッとコクを増します。表面にはズッキーニを焦がして絞ったジュレが乗せてありますが、これがズッキーニとは思えない、コンソメのような旨みで香ばしい。さらにレモンの皮、エルダーフラワーのつぼみが合わさり良い働きをしてくれています。
◻︎信州サーモンのスペシャリテ
上流の養殖サーモンを使ったシェフのスペシャリテ。
1皿目は20日発酵させたサーモンに薄く切った蕪を添え、トマト、ザクロと青紫蘇のソースをかけたもの。サーモン自体の旨味がパワフルで、そこに酸味のソースが絶妙に絡み合います。
そしてもう1皿は、おつまみのような一口サーモン。右側は、奈良漬を添えた1ヶ月発酵したサーモン。左側はルバーブと金柑をのせたサーモンです。
サーモンのねっとりとした食感、濃厚な旨味、そこにアクセントとして加わる全てがパーフェクト。サーモンの部位によって硬さなどが違い、面白かったです。
◻︎鮎の春巻き
飼っているという鮎を使った春巻き。
パリッとした薄皮の中には、鮎の身に鮎の肝、万願寺唐辛子が入っています。
鮎はフワッとした口溶けが素晴らしいです。歯がいらないくらい柔らか。調理する直前にしめることで鮎の水分が保たれ、こんなにフレッシュな味わいになるみたいです。万願寺の若干の苦味と肝の味わいがよく合いますね。そして赤いスイカのソース、これが甘くて美味しい。
◻︎ダボス牧場の短角牛
11歳の短角牛のサーロインとレバー。オーストラリア産黒トリュフを添えて。サーロインはしっとり柔らかく、赤身のクセのない繊細な味わいが堪能できます。またレバーは超濃厚でコクがあります。ソースが香ばしく、そして甘く複雑な味わいで美味。
レバーにはりんごや巨峰がよく合います。
◻︎タンクロラグーのタリアテッレ
短角牛と黒毛和牛を自家交配させた短黒和牛、タンクロのラグー。
ローズマリーを練り込んだタリアテッレは、ローズマリーがフワッと香るのが心地良く、また厚さが薄いのでツルツルと進んでしまいます。ラグーは濃厚な旨味!先ほどのメインにも負けない主役級の味わいです。
◻︎ジェラート
カシスの葉っぱをミルクで煮出したアイスに、カシスのオイル、葉を添えて。カシスづくしな一品。香りが良く、思わずうっとりとしてしまいます。
◻︎小菓子
ヘーゼルナッツ、卵、バター飲みを使ったフィナンシェ。
小麦粉を使わないため、ヘーゼルナッツの濃縮された味わいが堪能できます。
〜ドリンク〜
◻︎ Gaston Chiquet Rose Brut Premier Cru
ガストン・シケ ロゼ・ブリュット プルミエ・クリュ
ピノノワールのオレンジワインスパークリングワイン。
◻︎ Gradis' Ciutta Friulano Ribolla Gialla
グラディス・チゥッタ フリウラーノ リボッラ ジャッラ
◻︎Moon Drops Suman
ムーン ドロップ シュマン
◻︎Not Paraschos Vol.2 2018
ノット パラスコス
◻︎Churton Marlborough Sauvignon Blanc 2020
チャートン マールボロ ソーヴィニヨン・ブラン
◻︎Funky Château Cabernet Franc 2017
ファンキーシャトー カベルネフラン
2017ビンテージ とてもよいビンテージ
果実みもあり渋みも適度にボディがしっかりしている
◻︎Trinchero Rosso Del Noce Ⅲ
ロッソ・デル・ノーチェ 3
今回さらなる進化を遂げていた「Naz」さん、
次回も楽しみです。
2022/10/23 更新
2021/11 訪問
驚きに満ち溢れた圧巻のコース
2020年9月、軽井沢にオープンしたイタリアン×北欧レストラン「Naz(ナズ)」。
シェフの鈴木さんは長野県出身。
「世界のベストレストラン50」で1位を4回獲得したデンマークにあるNoma、コペンハーゲンのミシュラン2つ星のKadeauにて北欧料理、発酵料理を学び、地元軽井沢にて26歳の若さでこのお店をオープンしました。
既にメディアやテレビでも取り上げられる人気店となっています。
予約日は年に4回でネットでも予約できることになっていますが、もう来夏までの予約は一杯で、今回も次回の予約を取ってから帰りました。
今回は全8皿のランチコース
「季節のおまかせコース」/10000円
を予約していましたが、
今後このコースは無くなり、ランチ、ディナー共に一律16500円のコースになるそうです。
ワインペアリングでいただきました。
なお、ノンアルペアリングも用意されており、こちらもエディブルフラワーなどを使用した非常にお洒落なドリンクとなっていました。
◻︎前菜1皿目
サラダ
フレッシュな野菜と熟したフルーツの合計40〜50種類の食材を使用したサラダ。
発酵したホワイトアスパラガスのムースや紫蘇の香り付けがされています。
◻︎前菜2皿目
信州サーモンのスペシャリテ
塩漬けにした後2週間熟成した信州サーモンに、同じく2週間熟成したカブを美しく被せたお料理に、発酵したトマトのソース、ザクロと紫蘇の香りのオイルを注ぎます。
また別皿では、信州サーモンを燻製した後昆布締めしたものが用意されました。
◻︎パン
じゃがいもとローズマリーのフォカッチャ。
フワッと弾力のある生地です。
◻︎前菜3皿目
鈴木シェフによると、一種類の野菜を主役にした一皿をコースの中に組み込むことにしているのだそう。
今回は、軽井沢のビーツをメインに使った一皿をいただきました。
底面の土台にビーツ、その上に胡桃と塩のムース、またその上に花の形に彩ったビーツを添えた一品です。
底面のビーツはローストし燻製にかけて焦がしを入れたもの。ムースはアイスクリームのようなクリーミーでひんやりとした食感。花の形のビーツは燻製にかけて乾燥させたものを乾燥チップにし、発酵させたビーツの液につけて戻したというもの。
◻︎魚料理
長野県佐久の井戸の湧き水で育てた川魚「ハヤ」。
この苦い胆嚢を取り、時間をかけて揚げたもの。
紅玉りんご、発酵させたキャベツのソースに揚げたケールの葉を合わせています。
◻︎パスタ
ローズマリーを練り込んだ、きしめんのように薄いパスタ。これに、2ヶ月半熟成した牛の脛肉のラグーソースを絡めていただきます。
◻︎肉料理
2週間寝かせた北海道の蝦夷鹿を、発酵させたブルーベリーを使ったソースで。
蝦夷鹿はローストした後、最後に蒸して香り付けをしてあります。
◻︎デザート
無花果のデザート。
無花果の葉のアイスクリーム。
赤いソースは茹でた黒無花果をたたいて赤紫蘇で味をつけたもの。乾燥させた無花果のチップに、無花果の茎を用いたオイルを添えて。
◻︎小菓子&コーヒー
ヘーゼルナッツのケーキ。
小麦粉は使用せず、牛乳、卵のみで作られています。
〜ワインペアリング〜
◻︎Champagne Thienot
<シャンパーニュ ティエノー> 2008
サラダに。
◻︎Quinto Quarto Bianco
<クイント・クアルト ビアンコ>
果実味のあるオレンジワイン。信州サーモンのスペシャリテに。
◻︎ Scheuermann Rose 2019
<ショイァマン>ロゼ 2019
ピノノワール90%、メルロー10%の自然派ロゼ。
寒い地域の酸味に自然派の香りを加えることでヨーグルトのような乳酸菌のような香りになっています。
ビーツの一品に。
◻︎Podere Il Saliceto Bi Fri
<ポデレ・イル・サリチェート ビ・フリ>
微発泡のワイン。オリを全体的に混ぜることでいただくそう。香りが独特ですが、川魚によく合います。
◻︎Ronco Severo
<ロンコ・セヴェロ>
パスタに。
◻︎La première fois Cabernet Franc 2018
Funky Chateau
<カベルネ・フラン2018 ファンキー・シャトー>
長野県の最高峰の自然派ワイン、ファンキーシャトー。赤ワインの方が少なく、カベルネ・フランは入手しにくいとのことで、相当貴重なワインだったみたいです。
香りが良く良い意味で日本っぽくない、ボルドーのような飲みごたえのあるワインでした。
蝦夷鹿のメインに。
ワインの管理はアルゴンガスを用い、一回約100円程かかる保存器を使用しているとのことで、とことん気を遣われていますね。
シェフの豊かな知識、表現力には心を動かされました。プロフェッショナルのなせる技とはこういう事ですね。才能と、料理に対する姿勢は素晴らしいと思います。
これからも応援していきたいレストランです。
ごちそうさまでした。
2022/03/11 更新
【再訪】
中軽井沢にあるイノベーティブ・イタリアンの「Naz」。今回は3回目の訪問でした。
コースはおまかせで、事前にアルコールペアリングかノンアルコールペアリングかを聞かれます。
私はアルコールペアリングでお願いしました。
◻︎アミューズ
一皿目は、菜の花畑をイメージしたキッシュ。
生地には小麦は使わず、菜の花オイルの搾りカスをひいて粉にし、バターと合わせて作っているそう。中身は、当日採れたての菜の花の茎の部分だけをゆがいたものを北海道産からしで和えたもの。上の透明のソースは菜の花だけから作られた蜂蜜で、菜の花の生のオイルや、1年発酵させた金柑の皮をたたいたものも添えられています。
茎のシャキシャキとした食感、菜の花の新鮮で濃厚な風味に目が覚めます。生地の細部まで菜の花を感じられる、まさに春の一品。蜂蜜の甘い香りや、金柑の酸味がアクセントとして感じられます。
◼︎ Berry Bros. & Rudd Champagne Grand Cru Brut
ピノノワール 75%、シャルドネ 25%
◻︎山菜のスープ
冬から春への移り変わりをイメージした一品で、鰹と昆布の一番出汁に熊の赤身を煮出し、発酵させた生の蕗のとうを刻んだものや、ウォータークレソン、タラの芽などの春の山菜を添えたもの。
ツキノワグマの赤身肉は脂がまろやかで臭みも全くなく美味。様々な山菜による複雑な香りは、まるで熊が冬眠から目覚めて春の新緑の森を歩きている風景が思い浮かぶようでした。
◼︎ Cornarea Enritard Roero Arneis Riserva
イタリア ピアモンテ州
品種はアルネイスのリゼルバ
爽やかというよりは白桃のような柔らかなまろみがあり優しい。出汁と合わせても出汁が壊れない。
◻︎バターと蛤、ホワイトアスパラのパスタ
ホワイトアスパラを1〜2香月発酵し、酸味と旨みが出たところで絞ってジュースにし蛤やバターと合わせたソースは、とっても濃厚で慈悲深いお味。
タリオリーニのような薄く細いパスタも良くソースに絡み美味でした。
◼︎ Domaine D'Ardhuy Hautes-Côtes de Beaune les Perrières Blanc 2022
フランス ブルゴーニュ地方
シャルドネ
バターのソースに合わせて、樽熟したイメージ。
甘い果実味が感じられます。
◻︎信州サーモンのスペシャリテ
信州サーモンを20日以上熟成させ、水分が抜けて飴色になったところで、丸ごと火を入れて、中の柔らかい部分だけを取り出してきたと。
小さなお皿に乗った2種類のサーモンは、
右が生サーモン、奈良漬。
左がサーモンの表面の乾いた部分を用いて、柔らかい鮭とばのようなイメージで、金柑の皮の発酵とすぐりの塩漬けを合わせたもの。
個人的には、金柑の酸味とサーモンの旨味の掛け合いが絶妙でした。
また、サーモンに発酵蕪を合わせた定番スペシャリテ。こちらは発酵トマトにざくろ、いちじくを混ぜた酸味のあるソースで、さっぱりといただけます。
◼︎ Quinto Quarto Bianco Sivi 2022 Venezia Giulia IGT
燻製した香りや発酵の酸味に合わせて
ピノ・グリージョ
酸の感じとタンニン的な部分を併せ持つ
◻︎野菜再構築料理「にんじん再構築」
シーズによって変わる、鈴木シェフの野菜再構築料理。今回は「雪の下にんじん」を使った料理でした。雪の下にんじんは、秋に収穫するはずの人参をそのまま土の下で冬を越させ糖度を高くした人参で、その年の降雪量により出荷時期や生産量が大きく左右されるため希少価値の高い人参です。
一番下のにんじんは、オーブンでローストした人参を燻製にかけて寝かせ香りと旨みをなじませた後、4時間茹で、表面だけ焼いてキャラメリゼにしたもの。甘みが強く驚きました。
その上には発酵した人参ののアイスクリーム。発酵した酸味が感じられます。
一番上、にんじんが芸術的に巻かれていますが、こちらは人参に火を入れて燻製したものを輪切りにしたもので、独特な食感。
その他、人参ととバターを一緒に乾燥させたクランブルや、人参の葉の緑色のソース等、風味食感、色彩鮮やかに豊かな味わいをもたらしてくれます。
◼︎ Rkatsiteli unfiltered amber dry wine 2022
ジョージアワイン
タンニンの渋みと凝縮したニンジンの甘味で料理が完成するとのこと。
◻︎イワナ
川で採れ立てのものをしめたというイワナを、高温で一気に焼き上げパリパリに。クロワッサンを連想させるような軽やかな衣で、イワナは水分もたっぷり閉じ込められていて身もふわふわでした。
こんなに美味しいイワナがあるのか、という驚き。
◼︎ Podere Il Saliceto Bi Fri
Bianco Dell'Emilia Vino Frizzante Secco
◻︎信州 短黒牛
今回のステーキは部位がザブトンでした。
前回とはまた違った、脂身の甘さを強く感じる印象です。またそこに桑の実、ブラックベリーを使った甘味とコクが濃厚なソースが良く合います。
また今回は貴重というレバーを添えられ提供されましたが、こちらも表面は香ばしく、プリプリとした食感が味わえ美味でした。
◼︎ Funky Château La Première Fois Cabernet Franc
Naz定番のファンキーシャトー。エレガントな味わいで程よくタンニンも味わえる。
◻︎ローズマリーのフォカッチャ
モチモチ、ふわふわの風味の良いフォカッチャ。
◻︎蕎麦
Nazオリジナルの蕎麦。
直前から打ち始めたという蕎麦は、蕎麦粉の風味が驚くほど濃厚です。そしてつけ汁は、大根を煮出した出汁を使用したもので、オイルなどが加わり洋風な香りが特徴的。濃厚で旨みが強く、蕎麦粉の風味にも負けない風味です。これに浸していただく蕎麦は、喉越しもツルッと良く、たまらない味わいでした。
◼︎ Tsitska Nakhshirgele 2021 Ramaz Nikoladze
果実の酸味が感じられる味わい。
◻︎赤米のアイスクリーム
赤米をミルクで炊いたアイスクリーム。もっちりとした粘度と弾力が特徴的で、桜餅のような優しい風味が美味でした。
◻︎フィナンシェ
Naz定番の最後の小菓子。
小麦を使わず、濃厚なナッツの風味が堪能できます。
毎回感動させられていますが、今回も改めて感動しました。春の情景が思い浮かぶような素晴らしいコースで、本当に楽しくいただきました。
次訪問する際は移転されているかもしれませんが、今後も訪問し続けたいレストランです。
ごちそうさまでした。