スギナオさんが投稿した鮨 りかく(東京/麻布十番)の口コミ詳細

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スギナオ (20代後半・男性・神奈川県) 認証済

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鮨 りかく麻布十番、赤羽橋、神谷町/寿司、ふぐ、日本料理

1

  • 夜の点数:4.8

    • ¥30,000~¥39,999 / 1人
      • 料理・味 4.8
      • |サービス 4.8
      • |雰囲気 4.8
      • |CP 4.8
      • |酒・ドリンク 4.8
1回目

2025/11 訪問

  • 夜の点数:4.8

    • [ 料理・味4.8
    • | サービス4.8
    • | 雰囲気4.8
    • | CP4.8
    • | 酒・ドリンク4.8
    ¥30,000~¥39,999
    / 1人

会員制の限られた人だけ辿り着ける極上の空間で味わうこだわり溢れるお鮨のおまかせ

『鮨 りかく』さん
オススメ度:★★★★★
訪問日:2025年11月
ジャンル:鮨
場所:麻布十番駅から徒歩5分程度
席数:カウンター8席、個室1部屋
訪問回数:1回目
予約方法:会員制のため紹介経由
支払金額:約40,000円
サービス:素晴らしい
雰囲気:静かで上質
時間:ディナー
イチオシ:白甘鯛の握り
再訪:ぜひしたい
おすすめシーン:大切な接待、記念日デート、特別な会食

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『ここが魅力』
★ 総工費1億2千万円超という空間設計。真鍮使いと9m超の一枚板カウンターがつくる、完全会員制らしい特別な雰囲気。
★ パレスホテル東京などで腕を磨いた大将が、日本料理の技術をベースに「椀物→焼き物→蒸し物→握り」と丁寧につなぐ構成。つまみだけでも十分にコースとして成立するレベル。
★ シャリは横井酒造の赤酢「琥珀」。赤酢らしいコクを持ちながら、すっきりとキレのある味わいで、白身からトロ、雲丹まで幅広く受け止めてくれる設計。
★ やま幸の鮪をはじめ、マグロ・白身・貝・ウニなどはネタごとに専門仲買から仕入れ。熟成と火入れ、温度管理まで含めて、「江戸前の王道」をまっすぐに感じられる。
★ 日本酒・ワイン・お茶のラインナップも豊富。ペアリングコースや高級茶ペアリングも用意されており、お酒好きもノンアル派も楽しめる構成。

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『店舗説明』
鮨 りかく は、麻布十番駅から少し歩いた東麻布の一角にあります。
外から見ても分かりやすい派手さはなく、黒を基調とした外観で、初めてだとそのまま通り過ぎてしまいそうな控えめな佇まいです。会員制らしい静かな雰囲気で、扉を開けて中に入ると、真鍮を使った意匠と、長い一枚板のカウンターがまず目に入ります。

カウンターは8席のみで、その奥に個室が1部屋。照明は明るすぎず暗すぎず、料理の色合いがきちんと見えるくらいの設定で、写真も撮りやすく、それでいて落ち着いて食事に集中できるバランスです。椅子の座り心地も良く、長時間のコースでも腰や足が疲れにくいのは地味ですが大事なポイントだと感じました。

大将は穏やかな雰囲気で、和食経験もあるとのことで、一品料理の構成や味の組み立て方にその下地がしっかり出ています。無駄に盛り上げるようなトークではなく、要所で産地や仕事の説明をしてくれるスタイルで、大人が安心して任せられる空気感です。

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『シャリと鮨のスタイルについて』
こちらのシャリは、横井醸造の琥珀という赤酢をベースに使用。赤酢らしい奥行きや旨味はありつつ、酸が立ちすぎないように設計されている印象でした。色も濃すぎない中間的なトーンで、ネタの見栄えを邪魔しません。

口に入れると、最初に穏やかな酸が来て、その後にゆっくりとコクが広がります。塩味は尖らせず、ネタの味を前に出す設計。温度も一貫していて、握りの途中で温度がぶれることもなく、コースを通して安定感がありました。

握りのサイズは大きすぎず小さすぎず、口に収まりが良い大きさ。握りの力加減はややしっかりめですが、噛み締めたときにほぐれていく感じがあり、シャリの粒立ちもきれいでした。赤酢シャリが主役として前に出るのではなく、ネタの持ち味をきちんとサポートする役割を果たしていると感じました。

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『料理内容』

ここからは、この日にいただいたコースを順番に振り返ります。

●山口県産クエと松茸のお椀
最初の一品は温かいお椀からスタート。クエの身は厚みがあり、ほどよく火が入っていて、噛むとしっかりとした弾力の中から強い旨味が出てきます。そこに松茸の香りが重なり、最初の一口から一気に秋を感じる構成でした。
雲子が加わることで、出汁にまろやかさが出て、口当たりは優しく、飲み進めるほどに体の芯から温まるような感覚になります。柚の香りは控えめに効かせる程度で、出汁とクエの旨味を邪魔せずに、最後にふっと鼻に抜ける仕事をしていて、とてもバランスの良いお椀でした。コースの方向性がここでしっかりと見える、印象的な一杯です。

●天然虎河豚刺し
続いては天然虎河豚の刺身。薄造りの河豚は、見た目からして透明感があり、1枚1枚が丁寧に引かれているのが分かります。口に入れると、最初は淡く感じますが、噛み続けるうちにじわじわと旨味が立ち上がってきて、河豚ならではの心地よい歯ごたえが伝わってきます。
とろろを添えることで舌触りに滑らかさが足され、ふぐ皮の部分は弾力のある食感で、同じ皿の中で食感の変化を楽しめるように組み立てられていました。ポン酢は酸が強すぎず、出汁感がしっかりしたタイプで、ねぎの香りと一緒に食べると、河豚の旨味がさらにはっきりと感じられます。量もほどよく、前半の段階で食べ疲れすることもなく、次の料理へのつなぎとしても優秀でした。

●白皮カジキの照り焼き
ここから火入れの一皿。熟成をかけて脂をまわした白皮カジキは、焼き目が香ばしく、表面はしっかり、中はしっとりと仕上がっています。照り焼きのタレは甘さを抑えめにしてあり、カジキ自体の脂の甘みが前に出るような設計でした。
口に入れると、まず香ばしさ、その後にカジキの脂の旨味、最後にタレの塩味が締めてくれる流れで、白ごはんが欲しくなるような味わいですが、コースの中にうまく組み込まれていて、重たすぎないのが良かったです。熟成のおかげか、身の中まで旨味がしっかり入り込んでおり、単なる照り焼きでは終わらない余韻がありました。

●北海道噴火湾あん肝 奈良漬
このあん肝は、濃厚さとキレの両方を感じる一皿でした。噴火湾産のあん肝は口どけが滑らかで、口に入れるとすぐに広がるコクがありつつ、嫌な重たさが残らないのが印象的です。
そこに奈良漬の香りと食感が加わることで、あん肝の脂の強さに少しアクセントが入り、後味をすっきりと整えてくれます。塩味や甘味のバランスもよく、一口ごとにしっかり満足感がありました。日本酒好きにはたまらない組み合わせだと思います。

●石川芋と山口県産鰆の煮おろし
こちらは和食経験のある大将らしさがよく出た一皿。石川芋はねっとりとした食感で、崩れる一歩手前の柔らかさに煮上げられており、口に入れるとゆっくりとほどけていきます。
鰆は脂が乗りつつも、火入れはやさしく、ふわっとした身質を保ったまま。そこに大根おろしをベースにした煮おろしの出汁がしっかりと絡んでいて、全体としては軽やかなのに、食べ終わった後の満足感が高い一品でした。
味付けは出汁の旨味を中心にしつつも、醤油やみりんの塩味・甘味は控えめで、素材同士がぶつからないように整えられていました。

●ハタの蕪蒸し
蕪蒸しは、寒い時期に嬉しい優しい温かさのある料理。蕪はきめ細かくおろしてあり、蒸し上がったときのふんわりとした食感が心地よいです。その中にハタの身が隠れていて、箸を入れるとふわっと崩れ、出汁を含んだ蕪と一緒に口の中に広がります。
出汁は強すぎない加減で、蕪の甘さとハタの旨味をすっと引き出す役割。とろみもつけすぎておらず、最後まで重たくならないように設計されていました。和食の技術がきちんと生きている一皿で、ここから握りへ進む流れの中で、気持ちを整えてくれる存在でした。

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『握りの流れ』

ここからは握りへ。シャリとネタの相性、順番の構成ともに、非常に整理された流れでした。

●宮城県産真鯛(3日熟成)
最初の握りは真鯛。3日熟成とのことで、身の表面にうっすらと透明感がありつつ、中心には力強さが残っています。噛むと最初は控えめな印象ですが、少し遅れて甘みと旨味が広がり、シャリの酸味と合わさって、すっと喉の奥へ消えていきます。
初手の一貫として、とてもバランスが良く、この後の握りの方向性を示してくれる一貫でした。

●白甘鯛
白甘鯛は、身のやわらかさと上品な旨味が印象的。生でいただくことで、甘鯛特有の香りが素直に感じられます。シャリと合わせたときに、ネタだけが前に出すぎることなく、全体として穏やかな印象にまとまっていました。

●縞鯵
ここで少し力強い青魚へ。縞鯵は歯ごたえがしっかりあり、噛むほどに脂の旨味が出てきます。脂は多すぎず、さっぱりとした後味で、赤酢シャリとの相性も良かったです。塩と煮切り醤油のバランスもよく、青魚らしい香りを楽しみつつ、くどさは残りません。

●白烏賊
白烏賊は見た目にも丁寧な仕事が伝わります。噛み始めはややねっとりとした印象ですが、すぐに甘みが広がり、シャリと混ざることで口の中で一体感が出てきます。歯切れも良く、食べやすい一貫でした。

●カンパチ
カンパチは脂のノリと食感のバランスが非常に良く、さっぱりとした中にも力強さがあります。シャリの酸味が少し前に来ることで、カンパチの脂が重たくならず、何貫でも食べられそうな感覚になります。季節感もあり、前半から中盤への橋渡しになるような一貫でした。

●小肌
小肌は締めの加減がとても良く、酸味と塩味が柔らかくまとまっていました。強く主張しすぎない締め方で、シャリとのなじみが非常に良く、噛むたびに香りと旨味がじわっと広がります。江戸前仕事の代表として、安心感のある完成度でした。

●赤身
まぐろの赤身は、酸味と旨味のバランスが取れていて、やま幸さん仕入れらしい安定感を感じます。シャリの赤酢と合わせることで、まぐろ自体の酸味とシャリの酸がぶつからず、むしろまとまりが良くなる印象でした。香りもきれいで、後に残る感じが心地よいです。

●中トロ
中トロは、脂の乗り方がちょうど良く、口に入れた瞬間にふわっと溶けていきます。脂の甘みがしっかりあるのにしつこさがなく、シャリの酸がそれを程よく引き締めています。まぐろの部位ごとの変化を楽しませながら、コースの中での山場を作ってくれる一貫でした。

●雲丹
雲丹は、雑味のないクリアな甘さが特徴的でした。苦味やえぐみがなく、シャリと海苔と一緒に口に入れたときに、ストレートに甘みが広がります。盛り付けも過度に誇張することなく、食べやすい量で、全体のバランスを考えた構成だと感じました。

●車海老
車海老は、特製の釜で茹で上げているとのことで、提供時の温度がちょうど良い状態に調整されています。身はプリッとした食感で、噛むとしっかりとした甘みが出てきます。茹でたてならではの香りもあり、海老が好きな人にはたまらない一貫でした。

●穴子
最後は穴子で締め。ふわっとした口当たりで、骨の存在を一切感じないほど丁寧に仕込まれています。タレは甘すぎず、穴子の旨味をきちんと感じられる加減。シャリとの一体感も良く、最後の一貫として、余韻をゆっくり味わいたくなる締めでした。

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『お酒の印象』
日本酒を中心にメニュー構成が組まれており、辛口からややふくよかなタイプまで幅広く揃っていました。グラスで色々試すこともできそうで、鮨と一品料理の両方に合わせて楽しめるラインナップだと感じました。ワインも用意があり、ペアリング付きのコースも設定されているので、ワイン派の人でも十分満足できると思います。会員制のお店の中でも、お酒に力を入れている印象です。

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『サービスと雰囲気』
スタッフの所作は落ち着いていて、説明も丁寧。過度に距離を詰めることはなく、程よい距離感を保ちながらサービスしてくれます。お茶やおしぼりのタイミングなども自然で、ストレスを感じる場面はありませんでした。
カウンター席でも、隣との間隔がしっかり取られているため、会話がしやすく、隣の会話が気になりすぎることもありません。会員制ということもあり、客層も落ち着いていて、全体としてとても居心地が良い空間でした。

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『こんな人におすすめ』

・大切な接待や記念日に、間違いのない鮨店を探している人
・静かな空間で、料理と真剣に向き合いたい人
・和食ベースの一品料理と鮨の両方をしっかり楽しみたい人
・赤酢シャリが好きで、ネタとのバランスを重視する人
・会員制の特別感を味わいたい人

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『まとめ』
麻布十番・東麻布エリアに数多くある鮨店の中でも、
鮨 りかくは空間、器、つまみ、握り、そのすべてを高いレベルで揃えた
会員制のお鮨屋さんだと感じました。

和食の経験が長い大将が、一品料理から丁寧に世界観を組み立て、最後の一貫まできれいな流れで完結させてくれるコース構成。赤酢シャリは、派手さよりもバランスを重視した設計で、ネタの良さを素直に引き出してくれます。

「極上の空間で、静かに鮨と向き合いたい」
「和食の一品も含めて、ゆっくりとお任せを楽しみたい」

そんな方には、自信を持っておすすめできる1軒です。
会員制なのでハードルはありますが、機会があればぜひまた伺いたいと思います。

ご馳走さまでした!!!

2025/11/22 更新

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