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2025/07訪問
1回
大正13年(1924年)創業。くねくね小道住宅街に際立つ構え◎広め駐車場完備とあって週末ドライブスポットとしても人気が高い。暖簾を潜り広めの待合を抜け東側中庭のぞむ席に案内される。閑静な和風庭園を前に心落ち着かせます...が、夕陽照らす菊鉢を目の前に高揚シテシマイマス。穏やかな平日15:30を回った辺り入店なのもあって、寛ぎの空間をゆっくり堪能させていただきました。 乾杯をもっと美味しく★サッポロ。 一段と旨い...。 ■上新香 ¥770 丁寧な仕事が伺える盛付け&塩加減。白菜に纏う柚子皮がさり気なく香る。かぶ&キュウリを交互に口へ運びビールを煽る。そして庭を眺める。あっという間にビールおかわりとなる。 ■玉子厚焼 ¥770 時間をかけて火入れしたようでシットリ滑らかでキメ細かい。中心部まで綺麗な黄色。丁寧にカットされた2切れは温かで弾力あり。そのままで美味しい上品な味わいの此れにオロシを乗せ醤油チョン付け◎引き締まる味わいを頬張りビールを煽る。 ■せいろそば ¥840 散りばめられた宝石が乱反射しているような装い。見るからに粗挽き細蕎麦。訪問時は北海道上川産玄蕎麦使用。「さんたて」を強調する此処の醍醐味は粗く挽かれた香る蕎麦の実を目で楽しみ口で味わえることだろう。自社で仕入れ低温保存している国内産玄蕎麦をその日打つ分だけ石臼挽き。季節(天候も)や挽いた蕎麦粉の状態で、つなぎ割合を変えているようだ。粗挽きなだけに加水加減も重要だが打ち手の技量も楽しめる。時間の経過と共に蕎麦同士が多少くっつくが手繰りに支障なく甘みと香りを楽しめる。時より大きめな蕎麦実をガリっと感じる至福...たまらん。返しと出汁との調合よく円みのある辛口の汁との相性も良。むしろ、此の汁そのものも旨い◎蕎麦湯を注げば鰹節の旨味が広がる。 逸品メニューは時間帯によって増減する。ランチタイムならコースで楽しめそう。勿論、夕時(16時回り)には豊富なメニューを見るだけで目移りしてしまいそうな逸品揃い。昼から通し営業なのも重宝する。清楚な少数会合が似合うなぁ~此処は。 おいしかった。 ごちそうさまでした。
2020/11訪問
1回
どどぉ〰️んと東京スカイツリーのお膝元。高いなぁ…青空が良く似合うなぁ…押上駅から本所吾妻橋まで後ろをチラチラ振り返りながら景観を楽しみます。 ■もりそば(小) ¥800 ■カツ煮 ¥900 てやんでぃ、蕎麦食うぜぃ。まずは酒だ酒ぇ。鳥わさ、ぬか漬け…おっと、品切れか…。いやいや、蕎麦あって安堵。ビール頂戴いたします…アテはカツ煮。あ、蕎麦もすぐお願いいたします。 暖簾が出ていてよかった…もちろん並んでいました。が、あと3組後ろだったら蕎麦切れでした…滑り込み入店。 大瓶ビールで喉を潤している最中、すぐに蕎麦到着。美しい。繋がりよく綺麗に切られたニ八は風味香りそれほど目立つわけでもない。実に旨い。正真正銘辛口つゆは、円みある辛かえし。憧れていた藪の味に浸る。そのかえしを使っているカツ煮はキッチリ濃口味。薄肉薄衣で食べやすくカットされている。ビールの肴に申し分なし。 花番の接客がとても自然体。一見なのに待ちの間も席についてからも居心地がいい。もちろんその間も常連様への気配りや日常会話も目にしている。 まだまだ蕎麦のこと何も知らないんだなと思わせてくれた。が、やはり自分は江戸前蕎麦が好みなんだと再確認できた。 とても美味しかった。 また来ます。 ご馳走様でした。
2019/12訪問
1回
江戸前三大暖簾に肩を並べているであろう此処は明治17年(1884年)創業の老舗。その歴史からみても随所に「藪」色が見られる。貴品ある外観は東京都選定歴史的建造物に指定されている木造建築で、暖簾をくぐり店内へ入ればノスタルジックな開放的空間が広がる。 いらっしゃい〰️ぃ まずはビールをお願いします。銘柄訪ねてサッポロをお願いしますっ…と、現れた好物の赤★。事前リサーチ済みだったが何とも嬉しい。練り味噌を口に含みながらチビリ…いや、ゴクりとビールで喉をならす。 ■焼鳥(タレ) ¥850 甘辛たれ纏った ふっくらプリッとした鳥。此のタレはビールを一層旨くするスパイスのようだ。見た目のイイ照り具合からイメージするよりも、サラッとしている。丁寧に焼き目をつけた葱はすき焼きのようにも見える。辛子や七味を乗せていただくが上品な焼鳥に...旨。 ■もり ¥700 石臼挽きぐるみ粉使用の外二並粉蕎麦。そのつなぎは卵を使用とのことだ。蕎麦の産地は時季により国内産を厳選している。運ばれたときに花番様から… 此処は薬味に山葵が付きません… 昔ながら七味唐辛子で味わってみてください… と、説明を受ける(七味ーゆず七味ー山椒がテーブルに置かれている)。自身も、つけセイロ等を食すときには山椒を蕎麦に直がけすることもある。が、現代においても此のスタイルを推奨し続けているところに手繰る前から期待膨らむ。 見るからに輪郭ハッキリした蕎麦の繋がり◎。水洗い良く、水切り具合も絶妙。喉ごし良く、噛めばそのコシを楽しめる。蕎麦の香り風味はさほど感じないが仄かな甘みが感じられる。藪らしい蕎麦の印象を受けた。 汁は もちろん江戸前辛汁。しかし返しの丸みがいいのと甘みの余韻が残るのが印象的。鰹節の華やかさと旨味がバランスよく出ている。辛汁でありながらまとまりがいい。テンポ良く…ズルルっとイクゼ。 寒い日の19時ちょっと前入店。相席覚悟で入店したが70%くらいの客入り。しかしながら客の流れが途切れることはない。微妙に相席にならないような店内は居心地がよいため、粋な蕎麦食いとはならなかった…。もっと此処に留まりたい…。 おいしゅうございました。 ごちそうさまでした。
2020/03訪問
1回
日本橋室町の路地裏に凛とした濃紺暖簾がなびく。風格ある佇まいは昭和49年に建てられた店舗を改装されているとのことだが店内漂う風情に圧倒される。店内窓から覗く坪庭の緑が心を落ち着かせるどころか私にとっては高揚する材料になってしまう。いずれ窓際に席をとり蕎麦前してみたい。行列ができる人気店だがこの日はオヤツタイムちょっと前だったこともあってか直ぐに入店できた。2階には座敷もあり宴席利用のお客様で賑わっていた。案内されたのは1階中央のテーブル席。隣の席が空いていたので1人でゆったりくつろげた。 いらっしゃぁいぃぃ~...この響きこそいい風情 多くのお客様が帰られた後と思いきや、途切れることなくお客様が入店してくる。庭の見える席は常連様にも人気のようだ。羨ましく見えてきた。 さ、蕎麦前☆ ■ビール小瓶 ¥500 小瓶の銘柄を聞くとハートランドとのこと→いいねぇ。地元ススキノの蕎麦屋でもあるなぁ…緑瓶提供。アテに梅海月がついてくる。その酸味が心地よい。 ■かまぼこ¥650 盛付けに酔いしれる◎山葵と海藻の付け合わせ。この醤油(かえし)が気になる→丸みある返しにニンマリ→蕎麦前ではオキマリメニューだが、海藻が添えられたのは自身初めて拝見。塩味ほどよく、磯の香り効いているのがよく合います。定番山葵乗せも無論味良。 ■玉子焼 ¥650 テーブルに運ばれると同時に胡麻油のいい香りが漂う。熱々で湯気が立つ姿。早速端を入れるが弾力ありながらフワっとしている…出汁が染み出る…甘さと旨味が主張する逸品。それにしても焼きに使用されている胡麻油の香りがとにかくイイ。おろしを乗せた一体感が尚イイ。 ■もり ¥650 そろそろ蕎麦お願いしますと伝えると…それでは御蕎麦の準備しますねぇ~と、花番様が猪口&薬味と徳利をセットしてくれる。待ちきれず汁を啜る→旨い。かえしの効いた辛口だが鰹と昆布の旨味で滑らかな口当たりになっている。ほのかなに感じる味醂が余韻となる。入店前からこの汁の期待度が高かった。酔い舌ながらハッキリ旨い。 そこへ、ルックス整ったセイロ蕎麦が登場。水〆洗い良好。水切りも良好だ。舌で角を感じ、噛んでその弾力感を楽しむ。申し分ない茹で加減で仄かな香りもよい。表面の薄っすらザラ感もよく、汁にチョン付けしてズルっと啜る…旨っ。 蕎麦湯は江戸前の基本である釜湯。個人的に粉を足したトロッと蕎麦湯も嫌いではないが、蕎麦つゆを美味しく飲ませるための湯であると考えるならば基本通り釜湯に限る。もちろん蕎麦つゆそのものが旨いことが前提だ。良くも悪くも、ドロドロ蕎麦湯提供のお店は理由あってのことと思うが、蕎麦湯でその蕎麦屋を見極めるのも楽しみの一つとも言えるのではないか。蕎麦湯を継ぎ足した猪口に薬味の葱を浮かべて微睡む。 ※価格は外税。 此処(室町砂場)では「 もり to ざる 」で使い分けされる用語とセイロが違う。 *もり→挽きぐるみ粉(並粉) & 四角セイロ *ざる→更科粉 & 丸セイロ と言った具合。個性際立つ表現にも感じるが、それぞれ異なる魅力を引き立てているように思う。 江戸蕎麦御三家→藪‐砂場‐更科。最も古い歴史を持つのが砂場。大阪城築城の資材置き場(砂利+置き場)の近くで繁盛していた麺屋が暖簾分けで江戸に伝わり広がったといわれる。ここは明治二年、日本橋で営業開始。創業150年の歴史に感謝。 此方こそ、ありがとう存じます。 おいしゅうございました。
2020/02訪問
1回
名店らしくオープン前から入口に並び客あり。一時間もすれば店内カウンター後ろにも列ができる。賑々しい雰囲気でもベテランstaffの対応は流石。大衆店でありながら接客サービスは一流。呑んべえ相手に心使いの連続だから長居したくなる安心感。もちろん焼き物各種が旨いから通い詰める常連様が多数いるのだろう。 *ゴンボ *砂きも *若鶏ねぎま *相鴨 *しそ巻き *ねぎ *オクラ *らっきょうワイン漬 カウンター内は常に大忙しながら役割分担がされており細かな配慮をしてくれるので居心地がいい。店内ぎっしりと込み合っているが串物の提供速度がいい。さほど大きくない焼き台なのになぁ。凄い◎。 どれも焼き加減良好。強火の近火でふっくら焼き上げている。部位によっては仕上げの炙りで焼色を加え香ばしくしている。名物笹身(ささみ)には、すり下ろしたて山葵を乗せられる。とくに旨くて気にいったのが相鴨(合鴨)。ジビエを苦手としている人でもコノ旨さに驚くであろう。 キリンラガーおかわり。しかし待ち客多数なので直ぐにお会計をしてもらう。 とてもおいしかった。 ごちそうさまでした。
2019/11訪問
1回
カッコいい行灯に痺れマス★かんだやぶそば初代(堀田七兵衛氏)の三男(堀田勝三氏)が大正2年(1913年)此処、浅草並木町に開業。歴史的背景を遡ると「藪」の深みにハマりPC画面カジリツケになってしまう。やはり此処に辿り着き江戸風情に触れるオ子チャマの真似事で過ごす休日は有意義でワクワクするぜぃ☆ 出来ることなら普段使いで濃紺暖簾を潜りたい。が、此の日も微量ながら行列末尾(仲良し若カップルと御家族様の後)につく。熟年夫婦の御主人様の装いが何とも渋い…ジェントルハット似合う紳士に憧れる。1年前は国際色豊かな行列だったなぁ…と、時の流れを振り返る。 いらっしゃい〰️ 忙しなく高めな声で接客する花番様の動きに魅了される◎niceレスポンス。どちらの御客様へも温かみのある普通ぅ~対応。やっぱり此れだよなぁ。 マスク入れを受け取り収納。 ■わさび芋 ¥800 着席と同時に注文したビールを煽る。憧れの逸品わさび芋の提供も速やか。重量感ある伸びぃ~る芋。そのままで食らう。返しを垂らして食らう。わさびを乗せて食らう。滑らかな舌触りと弾力。返しの辛さが芋の旨味を開いてくれる。わさびが引き締めてくれる。 よし、そばだ。 ■ざるそば ¥800 綺麗な四角い蕎麦。繋がりや長さも手繰りやすい。香り&甘味は期待通り見えない。喉ごし良好だがコシがほしい。いや、此れでいいのだ。徳利から猪口へ微量の汁を注ぎ、チョンと付けて啜る◎最高に辛い汁を感じ一気に高揚。キンっとくる返し主張だけ浮き彫りのようだが…いやいや、蕎麦湯を注げば鰹節の旨味が咲く。飲み干す。徳利に残る汁を全て猪口へ入れ再び蕎麦湯を注ぐ。薬味の葱と七味唐辛子を振りかけ飲み干す。 お会計ぇ。 おいしかったです。 有り難う存じます。 ごちそうさまでしたぁ。 並び15分。 滞在18分…。
2020/11訪問
1回
江戸の流れを令和になった今もくむ神田藪。140年の歴史を継承し続けているのは伊達じゃない。火災の影響で新築された店舗。庭の雰囲気は格式があり日本のよき風情を感じる。店内から望む景色に癒される。 都営新宿線小川町より此処を目指す。神田まつや前には並び客。先の立ち食い六文そば前は長蛇の列。平日昼時ど真ん中だったのでどこでも待つことは覚悟していた。綺麗な庭の角に「やぶそば」行灯。ここだ。入口に近づくが人がいない…休みか…不安つのりながら進む。と、お帰りのお客様が店から出てくる。安堵。花番様に1名と伝える。空いてる席どちらでもどうぞと笑顔で言われる。広い店内中央に2名掛けテーブルが敷き詰められている。奥の囲われた4人テーブル席は満席のようだが他は…パラパラといったところ。奥のカウンターにします…と伝える。 すると、 いらっしゃい〰️〰️ これかぁ…聞きたかったウェルカムコールに感激。たくさんいる花番様が皆復唱。どの花番様もキビキビとした動き。清潔感ある風情ある制服なところからも老舗を感じる。 席につき辺りを見渡して…ん…お客様のほとんど(ほぼ全て)が酒呑んでるゎね。江戸前で蕎麦前◎素人の我輩にはなんとも至福。 よし! ■ヱビス小瓶(ねり味噌) ¥700 酒類に添えられるオリジナルねり味噌。通いなれた紳士なら酒だけを注文してコレで時を過ごすのだろう。じっくり練り込まれたゴボウと唐辛子の風味が生きる味噌を箸でチョイと摘まみ舐めながらビールをいただく…旨い。菊正宗…いきたい気持ちを抑えてオカワリビール。そこに五菜盛り登場。 ■五菜盛り合わせ ¥1850 *菜の花 *小魚天ぷら *そば寿司 *帆立焼き *味噌きゅうり 季節で内容は変わるとのこと。彩り豊。丁寧な仕事ぶりが伺える蕎麦寿司は実に旨い。中央に巻き込まれている卵焼きー椎茸ー干瓢の味がシッカリしているのでそのままでも美味しいが、藪にきたからには返し醤油を付けずにはいられない。からし味噌で和えられた菜の花は爽やか。サクふわ天ぷらやタレを重ねて焼かれた帆立も美味。キューリにもねり味噌が添えられている。お土産購入したとしたらコノ食べ方が見本になるのね…。 全体の半分程食べているところで蕎麦が運ばれてきた。注文時、花番様に遅らせて出しますかと問われたが、盛り合わせが先であればいつでもいいです…と伝えたことをちょっぴり後悔。窓から見える竹林を目で楽しみ、女将の注文呼び声を耳で楽しめていた。気づけば、入店前の江戸前蕎麦を食らうぞ…という気持ちは薄れ、優雅に酒を嗜んでいた。 ■せいろうそば ¥750 淡い緑がかったビジュアルに微笑む。水〆洗いを手早く施された蕎麦の水切りは良く汁がよく絡む。期待を持って啜った伝統十一(ソトイチ)蕎麦は至ってシンプル。香り、甘味そして風味のどれも控えめに感じる上品さがある。さ、汁だ。その汁のみ啜る…旨い。角のとれた丸みある返しと深みある鰹出汁の調合は返し強めの辛口ながらまろやか。蕎麦数本をチョん付けで啜る…旨い。 ※価格表示は全て税別 伝統の継承とは実に難がある。自由で好み別れる豊な現代日本において、今尚、暖簾を上げ続けていることがブランドの証。いい蕎麦前いただきました。 此方こそ…ありがとう存じます。 おいしゅうございました。
2020/02訪問
1回
暗がりに灯る屋号が渋い。風格ある佇まいから歴史を感じとれると共に、此の地に親しみと安らぎを与えつづける役割を果たしている。のだろぉ…と、勝手な憶測過る。軒先に斜め止めされた自転車は馴染み常連客様所有のようで、晩飯として蕎麦を手繰りにきていた。窓際の一等席にも常連客様が陣取り、季節の逸品から好みの肴まで、髄、髄っと注文し酒を煽っていた。その光景は実にホノボノしており、羨ましい以外の感情がない光景だった。では、こちらも…時間はないが、ビールくらいは頂戴しよぉ~っと。 あまり見かけない瓶ビール「アサヒ熟撰(¥700)」トクトクしてグイっと◎旨っ。突き出しには出汁昆布きんぴら。三種盛合せ(¥970)を注文した後、思ったが…やはり、肴は好みをチョイスすべきだった。イヤな盛合せがあったわけではない。もっと落ち着いてメニューを拝見して注文する…オトナになりたい。願望。 肴の提供が素早い。 此の盛りだけで… じっくり腰を… 据えたくなる。 *めかぶ 季節の逸品は好物。ドゥルンと重たい粘りを感じながら口内にて海原を感じる。いくら口にしても、しても、飽きない…。 *あわびつぶ貝 柔らかくもコツコツ食感。ギュウっと詰まった旨味が噛む毎に姿を見せる。日本酒へシフト。チビりやるには絶好。 *ふぐ南蛮 濃ゆい返し色の通り深い味わい珍味。それでいて軽い酸味のアクセントによりサッパリ。 閉店前ラストオーダーにて、〆もりそば注文。イカシテル職人様が常連客様と日常談話しているところに水を刺したようで幾分、申し訳ない気持ちになった。が、提供速度は実に速い。注文直後に徳利&猪口と薬味提供。当たり前なのだが…江戸前。キリっとした面持ちの蕎麦は長方がかった輪郭でマッドな仕上がり。その角が滑らかで喉ごしよい。軽跳ね返りのコシも心地よい。汁は、もちろん濃厚布恒流。しかしながら、記憶違いしていた…。もっともっと濃厚なものを想定したいたのだが、サラリとした印象。もちろん、まろやかな甘辛返しと本枯&宗田の旨味凝縮がたまらないナイスな味わいなのだが…。もっと、ドロっとしていたよぉなぁ…。あ、それって、築地更科の方だったか…。あ、いや、近頃、北海道厚真町に暖簾を上げた「マルノ」の印象が脳裏に刻まれていて混同しているのだろぉ…俺の脳。なんて、考えながら手繰り終え、カッコいい湯桶から熱々蕎麦湯を猪口へサーブ。ん~旨いわぁ。 常温汁いいねぇ。 丁寧薬味いいわぁ。 釜湯だからいいのよ。 堅っ苦しぃはいらない… 江戸前蕎麦は… ヤンチャがいい。 おいしかった。 ごちそうさまでした。 麻布永坂更科一門である此処は1963年(昭和38年)初代布屋恒次郎氏が此処に創業...翌年は東京オリンピックかぁ。GoogleMap頼りに駅からトボトボ歩き辿り着いた此処は古き良き日本家屋。その凛とした佇まいに引き込まれた。暖簾を潜り店内へ入ると女将がお好きな席にどうぞと案内。景観よい席に着く。すぐに酒を注文してメニューを拝見イタシマス☆ 平日昼営業終了10分前入店とあって先客様1組も席を立つ。御会計を終えた女将が盆に乗せた酒と小鉢(お通し)を提供してくれた。ら、猪口を持ち帰り、猪口を持って戻ってきた。「これ(グラス)の方がいいわよね」と笑顔で提供してくれた。冷酒ではないが常温の酒(岩の井(千葉)山廃辛口 ¥680)だからデスネ。 景観に浸る。 ■三種盛り合わせ ¥880 *たらこからすみ 噛むほどに味わい深いタラコ噛み締め酒chibiri◎ *こはだ酢 酢〆良好コハダ含み酒chibiri◎ *ホッキぬた漬け 酢味噌のような甘酸っぱさ◎若芽&北寄nice 三種盛り提供時にラストオーダー。 もちろん、蕎麦をお願いする。 ■もり ¥920 目に映る淡い緑が清々しい新蕎麦◎茨城県産常陸秋蕎麦+北海道産北早生蕎麦の香り(風味)と甘み十二分堪能。細く切られた角に見えるザラつき薄っすら。コシが立つ茹で加減で手繰りやすい長さなので喉越し良好。啜り上げても、噛み締めても其の旨さを楽しめた。そして濃厚汁が実に旨い。江戸前らしく辛さを残しながらもトロッとした甘みを帯びた見た目の汁は、丸みのある返しと十分に抽出された鰹節の旨味が調合され管理よく寝かされてるようだ。余韻が強く残る汁にチョンとつけて手繰り啜る至福。綺麗な薬味(葱&山葵&辛味大根)は途中、口に含み、残りは蕎麦湯で楽しむ。 今なき有楽町更科を噛み締めるべくして...そばもん読み耽よっかなぁ。 定評ある此処の天ぷら種は毎朝市場仕入れ。ギンポやハモは料亭を思わせる味わい(技量)だとか。酒は地域の酒屋セレクト。旨い肴とペアリングすべくして提供する拘りもサラリ普通のことのようだ...時代流れようとも地域に根深い江戸前蕎麦店。 蕎麦も酒も未熟な若輩ながら... 必ず、また、此処へ、訪れたい。 と、強く思い退店。 おいしかった。 ごちそうさまでした。
2024/03訪問
2回
1907年(明治40年)創業。日本中で見かける暖簾だが其の経営手腕は店主のセンスと風土により様々。東京ド真ん中にある此処は下町老舗。1990年(平成2年)現在のビル地下に暖簾を掲げているが、重厚感ある佇まいはバブルを彷彿させる。蕎麦のみならず接客が実に名店らしい。だからこそ客層が老舗の器を勝る。 平日昼時とあってビシッと背広姿紳士客がほとんど。落ち着いた地下空間は入ってすぐにテーブル席が並ぶ。その奥に個室(ジェントルな商談中)。入口から左手奥には二人掛けが並び、挟んで座敷(椅子席)となっている。うむ...酒を嗜む空間に申し分ない。が、此の立地か...真っ昼間のビジネス街で酒をチビりなめているのは我輩のみ。いささか緊張感も走る…貫禄がつくまでは程遠いか。レジ前で客あしらいする女将の上品さと花番の柔らかな接客を眺め聞きながら柿の種をかじる...石原さとみを空想する。と、ジェントルハットの紳士が相席。座るなり季節蕎麦を注文。ん~、苦しゅうないぞぃ。 ◇菊正宗(一合) ¥700 茶目っ気ありながらも丁寧に案内され席に着く。酒を注文すると夜メニューも取り出してくれる。が、初志貫徹◎やきとりオネガイシマス。少々お時間いただきますが御容赦ください...って、文句がnice◎デカいカキの種をカリっと...店内に響く。併せて季刊誌も差し出してくれた。 ■やきとり ¥850 鮮やかな焼色◎フックラ膨れた大ぶりなモモ肉に甘辛いタレが香ばしく焼き付いている。食べ応え十分。ブリッとした食感を楽しみながら酒を煽る...最高な休日だ。 ■せいろう ¥750 ほぼ満席の中、常連客へは店主が蕎麦を直接提供する粋なはからい。ソレを横目に、やきとり半分ほどで注文した蕎麦は手際よくササっと提供された。丸セイロがイカシテルぜ。冷たく〆られた蕎麦の茹で加減よくコシが立っている。細蕎麦表面に薄っすら見えるザラつきが汁を纏い、蕎麦の角を感じながら喉越しを楽しむ。汁は味醂&砂糖が効いた甘い返しながら本枯の旨味と相乗効果で円やかに纏まっている。手繰り終え、蕎麦湯を注げばその香り一層咲く。季節の温か蕎麦が人気なのも納得だ。 あぁ...石原さとみ。 此処では蕎麦の呼び名にも一工夫されている。 *冷たい蕎麦 → 「寒」 *温かい蕎麦 → 「土用」 冷たい蕎麦を手繰れば寒くなり、夏を連想させ手繰った後の暖かさを土用と表現する。何とも粋だな...てやんでぇ~い◎ 関東に250店舗以上、日本全国には400店舗はあるだろう此の暖簾。元禄15年(1702年)東京駅八重洲口辺り開業とされる長寿庵だが、その暖簾分け「茅場町長寿庵」は令和2年の今でも江戸前風情を残している。 此方こそありがとう存じます。 おいしゅうございました。
2020/11訪問
1回
蕎麦御三家「薮・砂場・『更科』」の流れを組む此処は、麻布永坂更科(現・更科堀井)一門。4代目布屋恒次郎氏(長男伊藤始)が2004年に開業。メニュー見開きに記されている「自家製粉石臼挽き手打ちそば」の拘りを継承している。どっしりとした門構えに掲げられる橙色暖簾をくぐると蕎麦屋らしく(テーブルに椅子、壁や天井、照明etc)奥ゆかしい空間が広がる。 着席する前に…ビールをお願いします。 そして…ふぅ~っと、うまい☆ 壁面黒板にも本日肴メニューがあることをつげられる。先客様はどうやら天ぷら盛りで酒を楽しんでる様子。賑やかで楽しそう。 ■板わさ ¥1000 *盛付け→鶴。 *厚み→いい弾力食感。 *醤油→丸みある返し旨っ。 *山葵→鈴廣わさび漬け。 小田原鈴廣とわかっていても提供する店によって其の色は大きく違う。板わさは提供速度も重要。 ■玉子焼 ¥1000 出汁バァ〰️ンと効いた出汁巻風。ぷるぷるフワフワに焼き上げられており、熱々ハフハフ。甘みや塩味は控えめで鰹の香りと旨味を楽しめる。醤油を少し垂らすと玉子の旨味が顔を出す。 ■もり(外ニ) ¥950 外二並粉蕎麦は田舎蕎麦を思わせる中太だが端正な姿に期待が高まる。角ある蕎麦をそのまま手繰ると、コシが立つ茹で加減で風味が強く噛むと蕎麦の甘みも強く感じる。表面のザラつき良く、汁がよく纏う。絶妙な加水具合。打ち手の技量の高さが伺える。 濃厚辛口の汁が旨い。江戸蕎麦らしい返し使いだが、丸みある辛さを感じた後に鰹節の旨味が口の中で咲く。そしてそして…甘みの余韻が強く残る。確かに辛口だが出汁使いよく効いた甘口よりの辛口だ。手繰り終わり猪口に残る汁を回し動かすとその具合がよくわかる。其処に蕎麦湯を注げば…見事、鰹出汁の香りが花開く。薬味(葱&山葵&辛味大根)良好で、途中、口に含みながら手繰った。 んん~…御膳・生粉打ち(十割)・変わり蕎麦…気になってきたぞぉ。厚切り鴨汁…いいなぁ。。。 此処は木鉢会に所属しており、其の色が随所に伺える。二代目、三代目と暖簾を引き継ぐのは並大抵なことではない。流行り廃りに流されやすい社会において、家伝の技術と伝統を継承しながらも此処でしか、、、この店主でしか味わえない蕎麦の味を堪能させていただけた。 「温故知新を旗印に、基本は重んじるものの旧弊に陥ることなく、新しい時代の流れに対し、精進することに努める」(木鉢会HPより) おいしかった。 ごちそうさまでした。
2020/03訪問
1回
チカチカ明るいネオンがぎっしり。人通りが多く飲食店が立ち並ぶ道をアメ横方面へ歩きます。すると、渋い灯篭が視界に入る。何とも老舗感が漂っている。暖簾くぐり店内へ入ると…バーを思わせる接客…いらっしゃいませ…と姿勢よく会釈。クラシック流れる店内は暖色系照明で落ち着きある雰囲気を演出している。あら、ムーディー…ってか、Sick★ 蕎麦打ちが目の前で見られるカウンター席に着席。平日19時を回ったあたりだが中中の客入り。まずはヱビス頂戴いたします。ねりみそ de チビリ…旨っ。 ■板わさ ¥780 飾り包丁が美しい。鈴廣の上板蒲鉾は弾力といい歯ごたえといい申し分ない。本山葵の辛味が強く効いていて、返しをチョンつけしていただくが…旨い。 ■玉子厚焼き ¥780 有機玉子に生クリームをいれて仕上げられているとあって、ふくらみ豊かで、弾力ありながらも柔らかな口当たり。酒呑みにはイイ塩梅だが、個人的に…やっぱり返しをチョンとつけていただく…旨い。 ■せいろう ¥760 北海道旭川市江丹別産蕎麦粉使用。綺麗に整った蕎麦の水洗い良く、キッチリ水切りされている。蕎麦表面に見える細かなザラつきも良。コシ立つ茹で加減で仄かな風味と甘みを感じた。汁が旨いっ。言わずと知れた江戸前辛口。キーンとくる辛さをイメージしていたものの、丸みのある返し使いなので其の旨味が前面にくる。火入れしない生返し(本醸造醤油使用)に、惜しみなく使用されているであろう本枯&宗田節の出汁との調合は絶妙。 蕎麦を1/3程浸して手繰る。 蕎麦湯は銅製急須で熱々提供される。サラッとした釜湯を猪口に注げば出汁の香りが広がり余韻を楽しむことができる。至福。 1892年(明治25年)創業。火事で焼失した「かんだやぶそば(連雀町藪蕎麦)」の暖簾分け。今尚、江戸流そばが楽しめる由緒正しい老舗はこの先も此処あってほしい。 おいしかった。 ごちそうさまでした。
2020/03訪問
1回
1789年(寛政元年)創業。信濃布の商いから蕎麦屋になっていなければ更科の歴史はどうなっていたのだろう。当時、保科家の江戸屋敷から近い麻布永坂町に店を構えた看板は「信州更科蕎麦処 布屋太兵衛」…ん?。昭和十六年廃業するも、戦後、店は再建された。が、外部会社組織となっていたため「永坂更科」や「布屋太兵衛」の登録商標を使うことができずに時が流れ、昭和五十九年十二月麻布十番に「総本家更科堀井」として開店。創業230年。八代目堀井太兵衛が変わらぬ伝統を継承している。 クラシック流れる店内は現代的でテーブルや椅子を除いた雰囲気は喫茶店のようでもある。若いstaff(花番)様に中央の、お一人様中心利用されるだろう三角テーブルへ案内される。写真付きの分かりやすいメニューに目を通すと…どれも美味しそう。玉子焼きを行くべきだったか…。 ■さらしなそば ¥950 朱色で高さ低めのオリジナルセイロはカッコイイ。さり気なく、かわいらしい猪口&徳利が和ませてくれる。蕎麦の実の芯部分だけの一番粉使用であっても店舗によってその輝き具合は目視で分かるほど違いがある。此処の白蕎麦は艶やかでありながら目で見えるザラつきあるビジュアル。手早い水〆洗い後の水切りがキッチリされている。蕎麦同士がくっつきそうで、つかない具合なので汁が良く絡む。それでいて啜った喉ごしも良い。噛むと白蕎麦の甘みが強く、食感のよい茹で加減。その汁だがイメージしていたものとはまったく違った。更科を注文すると「あま」徳利のみが提供される。その時点では他店であるように「あま」と「から」の両方提供して欲しいな…しか思っていなかった。が、この汁は鰹の旨味がよく効きながら返しの辛さが負けていない辛口よりの甘口だ。もちろん味醂の甘みもしっかり感じる。これは旨い。薬味の葱&山葵の具合良好。途中、薬味の辛み大根で箸休めるもテンポよく蕎麦を啜り続けた。釜湯の蕎麦湯は勿論旨い。となると、温か蕎麦も気になり始めた。「から」汁も気になる…。 更科とは信州そばの集散地だった更級の「級」の音に、保科家から許された「科」の字を当てたそうだ。その当時は大名屋敷や力ある寺院などに定評があったそうで、明治半ばの最盛期には、皇后や宮家などにも出前を届けていたという。勿論、当時も白い更科蕎麦と変わり蕎麦が主力だったそうだ。各地に「更科」が増えたのは永坂の繁栄にあやかろうとしたという説が有力らしい。 奥深い更科の歴史に魅了されています。 おいしかった。 ごちそうさまでした。
2020/02訪問
1回
東京都中央区日本橋人形町に2009年創業。中国厦門(アモイ)出身の店主が和食職人を目指し来日。そして蕎麦に魅了された。居酒屋で和食文化にふれ基礎を身につけ此処に出店。なるほど...屋号の「福」は生まれ馴染んだ母国習わしが由縁なのね…納得。 ■天ぷらそば ¥440 是非に朝食利用で。 券売機ながら惚れあい有。 一本カウンターに座席無し。 そばorうどんchoice。 茹で上がりに天ぷらchoice。 カウンター上に盛られる鮮やかな天ぷら豊富…朝イチ入店の醍醐味は此の揚げたて天ぷらにあり◎店主が油と向き合い、ひたすら揚げ続ける脇で、女将が蕎麦茹でから提供までリズミカルに、そしてニコヤカに振る舞っている。注文を受けてから蕎麦を茹ではじめ、上がった蕎麦を温か丼にサーブし汁を注ぐ。そして... あ、春菊でオネガイシマス。 湯気立ち上る丼に口を近づけ啜る。昆布出汁の旨味を感じ亀節のほのかな酸味が全体を占めている。茹でたて細蕎麦との融合に申し分なく旨い◎が、が、が、徐々に変化する此の一杯に魅了されるのは此処から。春菊天に限らないだろうが、天ぷらの衣が薄めでサックリ(空気をよく含んでいる)と揚がっているので春菊の香り&苦みをしっかり味わえる。油切れが良いからか汁へジックリ馴染んでいく。丁寧な仕事ぶりが良く良く貫まみえるのと同時に、ファーストインプレッションに感じた汁のスッキリ感は此の天ぷらが馴染んだ後の味わいまでを絶妙に計算されている。しつこいようだが天ぷらと蕎麦との融合がベストマッチ。トロみがかった汁飲み干し...ニンマリ旨いっ。 おいしかった。 ごちそうさまでした。
2020/11訪問
1回
築地市場へ来たならコレを食えってぇ~って、言われなくても絶対に立ち寄りましたよ此処は◎。朝食利用ってか、入れ替わり立ち代るお客様のほとんどがビール煽るNICEな光景→もちろん賛同イタシマス。お父様に連れられてやってきた少年は大盛ライスをカッ食らってるのが更にイイ空気感を作ってますわぁ。てやんでぇ~い、ビールおかわりダゼイ☆ ■ビール(中瓶) ¥650 ※酒を注文しない場合は必ずライスを注文するのがルール。 ■肉豆腐 ¥720 ■ホルモン煮 ¥670 ※生玉子 ¥50 カウンター内の店主に注文してスグに用意されます。なんともアジのあるトレーだ。歩道上にセットされた簡易スタンド席まで運びビールをいただく。で、いい~香りがする肉豆腐に箸をつける。クッタクタの柔らか肉と玉葱が甘ぁ~い汁を吸いこんでいて...ウマぁぁぁッ◎プルんとした豆腐を崩しながら汁共々イタダク。確かにコレはライスONだなっ。めっちゃ濃い味の煮込みだって同様です。ドロッと八丁味噌を纏ったホルモンの原型留めながらも噛み切れる柔らか食感◎一味唐辛子ふりかけて葱と共にパクっ→ウマっ→半分残しておいて生玉子in→混ぜ混ぜで円やかになります。こちらもライスONにぴったりだ。 是非また食したい逸品。 おいしかった。 ごちそうさまでした。
2020/03訪問
1回
早朝だというのに、いや、早朝だからこそ混雑している。広々としているがどのソファー席も人で埋まっていた。しかし、その配置に配慮されているので気兼ねなくブレイクできる。カステラをパクっ。トマトジュースのあとは青汁…。自然と欲する二日酔い気味の朝だった。
2025/09訪問
1回
快晴青空早朝5:45。静けさが画になる深川芭蕉通りを歩き進むと現れた蕎麦処。植木と覆うテントから情緒漂う。既に暖簾があがっている。隅田川、小名木川、大横川に囲まれ、辺りには町工場や商店が点在する下町。此処で永らく暖簾を守る店主は福岡県博多出身。大病後に健康的な生活をするために立ち食いそば店起業。なるほど…6時開店とされるが連日5時半に暖簾をあげるのも健康習慣の賜物なのね。店を訪れるほとんどが常連客様で近隣オフィスワーカーや運送ドライバーが主。此のときも近隣タクシー会社のドライバーが朝食利用で訪れていた…何人も。 ■芭蕉そば ¥650 注文からさほど待つことなく着丼。提供してくれたオ母さんから「赤い柚子胡椒いれてみてね」と案内を受ける。雑な盛付けではあるが…ワクワクする。奈良県産蕎麦粉使用の細蕎麦はモチっとしたコシがある。その風味もよく出ているので冷蕎麦が気になった。汁が独創的で勝手に連想する江戸前感ナシ。甘ぁ~いコクを強調している。京都にある蕎麦処の影響を受け此の味わいを造り上げたようだ。しかしながら…ん~…芭蕉ぉ…を連想しかねる具材。甘い玉子焼き、小松菜、かき揚げ、ワカメ。でも、なんだか楽しいからいいゎね。柚子胡椒が想像以上にベストマッチ。結局、春菊天に引かれ…た。 江戸時代に松尾芭蕉が日本橋から移り住み森下に草庵を結んだ。そんな孤高の雰囲気が此処にある。 おいしかった。 ごちそうさまでした。
2023/04訪問
1回
1885年(明治18年)創業。138年経過した今でも受け継がれているレシピにて提供される「コロッケそば(¥1250)」は上品な味わいでジャンク感はない。白葱が散りばめられた丼の中心に真ん丸コロッケが浮かぶ。その正体は…鶏挽肉を長芋と玉子で繋いだ種を軽揚げした「鶏だんご揚げ」で、駅そばのコロッケ食感は皆無。ギュっと詰まった丸つみれの表面は硬く内はシットリ。厚揚げのような…豆腐ハンバーグのような食感。ジャガイモは…使用していない。誕生の歴史を紐解けば…創業当時、海外から入ってきたジャガイモを使ったクロケット(現コロッケ)が話題を呼んでいたが…高級品。でも、クロケットを味わってもらいたいという創業者の一心で類似品を作成。誕生に至ったそうな。汁は昆布の土台に亀節効かした出汁に辛さを生かした返し使い。そこに泳ぐ蕎麦は角の整った四角い細打ち蕎麦。シンプルで質素な味わいなだけに深みにはまっていく。さらし刻み白葱を浮かべ七味唐辛子をふりかけても軽い味わいに変わりはない。 冬季間は圧倒的に「牡蛎そば」と、夜営業時提供の「鍋」が人気とのことだが、客席の構えや花番様の客あしらいから察しても、季節問わず銀座の名店と言えそう。裏名物の「巣ごもり」ってのも気になる逸品。 現在の店主は矢島一代女性主人様。かつて、銀座と日本橋に屋号を掲げ、後に浜町へ。此の「よし田」は戦災で閉店した浜町からの暖簾分けとされている。 130年超にわたり暖簾を守り、銀座7丁目金春通りを閉めたあと、約1年の時を置いて銀座数寄屋通りにある此のビル2階に現屋号を再揚した。屋号の源は元禄時代の茶人・吉田自習軒という説と、夜鷹蕎麦があった吉田町(本所吉田町)からという説があるそうな。 ランチタイムは俵おむすびがサービスされる。 おいしかった。 ごちそうさまでした。
2022/12訪問
1回
雨の西麻布。急遽行きましょうと決まった金曜日。予約が取れたのは22:00。それでも入れてよかった。ラストオーダーが迫る時間帯なので一気に注文を進めようとすると「まだ時間はあります。追加ありましたらお声がけください」とクールに対応してくれたイケメン黒服。映える名物「フィレサンド」はそのビジュアルのみならず。後からサンドする訳は…提供直前に振りかけられるトリュフがあるから。ゴージャスなケースに潜む黒&白から白を取りふんだんに振りかけてくれた。濃ゆいフィレ肉に香るトリュフ効果。オリジナルソースを少し纏わせ、しっとりふわふわ白パンがまとめあげてくれる。確かに絶品。肉はすべて頃合いよく焼き上げてくれる。ジャストなタイミングで皿にのせてくれる。爽やかな肉汁したたる厚切り牛タンもいいが、シンプルな塩サガリも旨かった。パツパツと切れ味よい歯ごたえガツでさえサンチュ巻きで美味しい。ホロホロ牛が濃ゆ~いカレーもまた絶品。優雅に酔いしれた。 やはり接客… サービスあってこそ… 旨さ際立つ☆ おいしかった。 ごちそうさまでした。