6回
2025/11 訪問
晩秋から初冬へ。季節の変化、旬の変化を味わうために、またまた帰って参りました
11月終わりに近い平日の夜、この日の二軒目になりますが、築地しんばさん定期訪問です。
築地しんば、築地駅から徒歩5分くらい。
晴海通りから銀座六丁目の交差点を居留地中央通りに入って少しのところにお店があります。
壁面の木の格子を透かせた窓から中をのぞくとカウンターに空席が見えたので、するり店内へ。
平日の20時過ぎ、予約なしでしたが、大将と板前さんがにこにこと迎えて下さって、ほっとします。
カウンターには海外からのご家族四人組が盛り上がっています。二階席には団体さんが三組くらいいらっしゃるようで、話声が階下にも届きますが、内容までは聞こえず不快感はありません。カウンターの空いた席に案内され、生ビールを頂きます。
前回、夏の終わりの訪問はトウモロコシのかき揚げと秋刀魚の梅煮だったなぁ、と思い出しつつ、今の季節のお勧めを伺います。
「幻魚(げんげ)とかどうです?」と言われ、即決。あと、天然ハマグリの酒蒸しもお願いしました。
お通しは、若布の酢の物と玉子焼き、蒟蒻、山芋。カウンター特権での、お店お任せのプレミアム日本酒二種類をお願いします。
出て来たのは「電照菊」と「播州一献」。電照菊はきりっとしていますね。播州一献は独特の後味があります。
簡単な近況など話をしていると、ハマグリ到着。うわ、スープ。
なんですが。
なんですが、その見事な貝出汁のスープ、一口すすると口の中で貝の旨味が上品に爆発するというような味わい。元の出汁がしっかりとられているところに、ハマグリの出汁が溶け出して加わって、身体が芯から温まる濃いスープになっています。
で、このスープ飲んで、日本酒を飲んじゃうワタシ。口の中で出来るのはヒレ酒ならぬ貝酒がごとし。
旨い。
また、もう一口、日本酒で口の中をリセットして、またスープ飲んで。
ハマグリ本体ももちろん旨味の塊り、口の中でぎゅむっとした感触と引き換えに海の滋味を吐き出し、口の中を満たしたあと、静かに胃の中に消えてゆくのです。
で、お酒。旨。
続いて、げんげの天ぷら。げんげは富山湾などで取れる深海魚で、富山市内のお店では出会うことある食材ですが、最近は豊洲まで届くんだそうです。水分が多くて足が早いため、昔は漁師さんに「下の下」と蔑まれて、げんげ、だったらしいですが、その柔らかさが今や料亭や鮨屋でも人気が出ているそうです。で「幻魚(げんげ)」。
出世魚とは違いますが、地位向上ではありますね。
そのげんげ、三枚におろした、身二枚は天ぷら、あと中骨を素揚げにしたものを頂きます。「骨からいってください」とのこと、手で持ち上げて口に入れます。
さくっ、と形容詞が似合うような食感、サクサク、そして香ばしく、何より苦み渋みのないすっきりした骨スナック。
塩をちょんとつけてお酒をくいっ。これ、旨いっす。
続いて、身の方、今度は、げんげの身、ふわっふわ。
天ぷら衣の薄皮一枚で閉じ込められた、中の身が淡泊にして、上品にして、ふわっふわ。ああ、これも塩でいける。天つゆも良いけど。これもうっまい。お酒くいっ。
十人以上いる団体さんへの揚げ物、〆のご飯などを調理する大将の手さばきに見とれながら、軽めの会話を楽しみます。
今年はイクラも不漁なんですね。へぇ。お正月大変な地域とかありそうですよね。
「ボラの白子ってありますけど、これは?」
「汽水域や淡水にいるボラは臭いですけど、海の沖の方で取れるボラは美味しいんですよ。この白子も臭みなくって美味しいですよ」
「頂きます。げんげが天ぷらだったので、こっちは焼きで」
「ボラもねぇ、昔はカラスミがメインで漁獲されて、白子は安かったんですけどね。最近は白子も美味しいことが拡がってそこそこ値段するんですよ…」、と会話が続いてゆきます。
こうして会話のキャッチボールで注文する料理を決めていますが、メニューにはちゃんと値段は書いています。
ただ、こちらもサラリーマンであることも加味して下さって、めちゃくちゃ高い料理を勧めてこられるではないところも、この店で安心できるところです。
焼きあがるに任せて、次はお勧めのスッキリしたお酒、というリクエストをしたところ、飛露喜の特別純米をハーフサイズで頂きました。
ボラ白子ですが、見た目は普通の白子です。塩は振ってあるそうで、レモンと小葱で頂きます。
おお、これはこれは。
ねっとり旨い。心配していた臭みもない。
皮に振った塩加減が丁度よく、中の白子のねっとりした部分が口の中に拡がります。レモンがねっとりさを少しだけ緩和してくれるのも良いですね。
ああ、これは日本酒で流し込まねば、くいくい。ああ、白子も日本酒も旨いねぇ。
さすがに二軒目ということでお腹がくちくなってきましたよ。
ボラ白子を食べ終え、お酒を飲み終えてお勘定です。満足満足です。
年内の営業予定を確認しましたが、年末までにもう一回来られるといいなぁ。
ご馳走様でした。
2025/12/01 更新
2025/09 訪問
初夏から晩夏へ。季節の変化、旬の変化を味わうことを楽しみに、帰って参りました
この日、平日夜の二軒目になりますが、近くに来たので築地のしんばさん訪問です。
外からみたら、カウンターに空きがありそう、ならばということで入店しました。夏前までは通っていましたが、少し自身の環境が変わったこともあって、三カ月ぶりです。
なお、この築地しんば、築地駅から徒歩5分くらい。晴海通りから銀座六丁目の交差点を居留地中央通りに入って少しのところにお店があります。
二階建てで、一階はカウンターが8席、店内から二階に上がると団体用の座席があります。団体用の席も人数ごとにカーテンで仕切られるなど、半個室になりますし、カウンターに座っている限り、団体の騒めきがほとんど聞こえないのも有り難いです。
ご主人の前のカウンターに座り、日本酒を注文。プレミアムで而今があるとのことでそちらを頂きます。うま。
お通しは、小松菜のお浸しの上に桜エビが散らされています。つつきながら、何を頼むか考えますが、こういう時はお店に聞くに限ります。
今の季節のお勧め、ということで、そろそろ終わりが来ているトウモロコシのかき揚げ、そして今年は出来が良いというサンマの梅煮を注文しました。
トウモロコシのかき揚げ、トウモロコシが甘い!季節の移り変わりによって、取り寄せるトウモロコシの産地を変えているそうで、今回は北海道産。この北海道産が手に入らなくなったら、シーズンは終了ということですね。お塩をつけても良しですが、何もつけずに野菜の甘さを感じながら、お酒を飲むと素敵です。
サンマの梅煮。
骨まで食べられるよ、ということで身を持ち上げてそままパクリ。今年のサンマの走りは良いといいますが、そのサンマ自体の旨味が梅と共に口の中に侵入してきます。
危険危険!お酒注意報発令!
梅干しも入っていますが、それ程酸味はきつくないです。むしろサンマの旨味と梅干の酸味が溶け出して、つゆが絶妙な旨味をもっています。本来は筋ではないのかもしれないですが、梅煮のお汁も頂いちゃいました。
危険危険!お酒警報発令!
ということで、鍋島を一合頂きます。
店主と近況など話しながら良い時間を頂きます。
今日はこちらで最後なので、締めに「しんば茶漬け」を頂きました。
初めて注文するのですが、お茶漬けの出汁が、静岡おでんの汁で更に特製の薬味がたっぷり載せられているという魅惑の一杯です。ただでさえ、こちらのおでん美味しいのに、またしゃくしゃくした薬味の風味と食感が堪らないんです。
案の定、ずるずるぱくぱく、あっという間に食べてしまいました。
ということで、本日はお愛想です。多少お値段はかかりますが、その元は完全に取り返している感覚です。
この季節が巡るころにはまたお邪魔したいと思います。
ご馳走様でした。
2025/09/12 更新
2025/06 訪問
築地しんば、使い勝手の良さと料理の素晴らしさと居心地の良さについて
6月になって4度めとなる訪問です(うち宴会が1回)。この日は、仕事の終わる時間の目途がついてから、事前に電話してカウンターの空きを確認してから伺いました。
ご主人からも聞かれたのですが、なぜこの店を利用しはじめたのか、ですが、社員同士の安居酒屋より、少し上の懇親会を急に開催することになり、ネット予約がぎりぎりまでOKだったこと、奇数人数の微妙な人数での予約が出来たことなので、ほぼ飛び込みで利用しました。
続いては、そこで出てきた料理がとても美味しかったこと、お店の対応がきびきびしていて好感が持てたこと、団体ごとでロールスクリーンで区切るなど、ある程度のプライバシー確保もできていたこと、など、まずお店の使い勝手よく、リピーターとなった、というのが経緯です。
今日は今日とて、日本酒は鍋島から。
お通しを頂きながら注文を考え、まずはやっぱりお造り盛り合わせ。続いて、ご主人との静岡話から、黒はんぺんを炙りで頂きます。このあたりで島根の裏月山に切替え。
最後は、以前から気になっていたけれど注文できていなかったクリームグラタン・チキンでお腹が膨らみました。
プレミアム日本酒は今日何かあるか伺うと、飛露喜があったので、締めの一杯で頂きました。
料理自体、それ程奇抜なものはなく、美味しい素材を、より美味しくという感じではないかと思うのです。気を張らない、だけど美味しい、それがまた、居心地の良さに繋がっているのかな、とか思うのです。
ご馳走様でした。
2025/07/18 更新
2025/06 訪問
築地しんば再訪。またまた「旬」が詰まった料理に舌鼓。
この日は、次の週、こちらで職場の懇親会をお願いしようということで、幹事として直接お店に出向いたもの。
平日の夜20時半前。お店は混み合っていて、カウンター席も満席。予約ついでに飲んで帰ろうと思っていたのだが、残念・・・。
レジ近くでお姉さんと予約の交渉だけ終えたところ、「もうすぐ空きそうですよ」と。確かにカップルが帰り支度をしている。入口付近でじっと待って、卓の準備を待って着席。ラッキーです。
最初から日本酒。
ご主人に選んでいただいた、甲子の夏なまと英君の特別純米をセットで。双方辛口ですっきり。
お通しはヒジキと卵焼き、さやいんげんの胡麻和え。こちらをつまみながら、今日のお造りを注文。
蛸の白さと鮪の赤みが間のイサキなど白身魚を挟むかたち。ゆで蛸、味が濃い。歯ごたえを楽しみながら、くぴくぴ。
あと、前回訪問時は売り切れていた、鮎があったので天ぷらで注文。
まるっと一匹丸ごと天ぷらにされている料理を想像していたら、三枚におろして、身2枚と背骨、頭、ひれと別れて供された。
身の方は鮎の香りが薄い衣に包まれて揚げ物なのに中とろ外カリ。うん鮎だ。
また、骨や頭はしっかり揚げてあり、骨せんべい状態。こちらはカリカリした食感が嬉しい。これもまたお酒に合うなぁ。
追加で東洋美人を注文。
メニューを眺めていたら、「義須(ぎす)」という魚が目につく。知らない魚だったので伺うと、キスに似ているけれど違う白身の魚であまり出回っていないとのこと。今日のものは宮城産で、静岡出身のご主人も東京にいなければ知らなかった魚だそう。
メニューではバター焼きだったが、お勧めでフライにして頂く。思ったよりも分厚く、白身に甘さがある。ソースも添えられていたが、そのまま、そして塩で頂くのも良かった。
今日は長居する日ではないので、これにて〆。
外は梅雨入りして蒸し暑くなってきましたが、こちらでまた元気を頂きました。来週の飲み会も楽しみです。
ご馳走様でした。
2025/06/14 更新
2025/06 訪問
旬が凝縮されたような繊細な料理と、日本酒と。至福のひと時
平日19時頃、カウンターが空いていると事前に聞いてから伺いました。
この店自体に来るのは三回目ながら、一人で来るのは初めてです。
スタートから日本酒2種。高千代と巻機。カウンターのみのサービスで5勺ずつ頂けます。
最初はお造り盛り合わせ。鮪かんぱち平目鯛に生サーモン。サーモンは静岡産とのこと。しっかり脂が乗って美味い。
続いてご店主にお勧めを伺い、走りの道産コーンのかき揚げをチョイス。
揚げる時のぱちぱちした音を聞きつつ待ちます。これまたサクサク。玉ねぎ含めて甘くて美味い。
家で揚げ物をする人が少なくなって、お店でも天ぷらがよく出るんですよ、とご店主。
本鮪ネギまの串焼きと、旬の野菜天ぷらをオーダー。
その間に日本酒は作から、プレミアムから自分は初めて見るお酒を頂けることに。
鍋島の隠し酒、裏鍋島。
これがまた繊細でふくよか。
こ、れ、に。
まずネギま串。本鮪の筋(脂)が程よく抜け、鮪のうま味だけが濃縮された身、外カリで中トロの葱。
で、お酒。くぴくぴ。
続いて旬の野菜天ぷら。といいつつ、山うど、こしあぶら、そら豆、牛蒡。
子供の頃は苦い野菜食べたいと思ったことはないのに、今なんでこんなに美味しいのだろう。
ほのかな苦みがさくさくの衣に包まれ、一口食べるとじんわりうま味と苦みが口の中に拡がり、で、お酒。くぴくぴ。
さく、くぴ、を繰り返しているうちに全て食べ終わり。
季節ごとにメニューが変わるということは常に旬が味わえるという幸せです。
至福のひと時をありがとうございました。また来ます。
ご馳走様でした。
2025/06/08 更新
築地しんばさん、築地駅から徒歩5分くらい。
晴海通りから銀座六丁目の交差点を居留地中央通りに入って少しのところにお店があります。
1階がカウンター、2階が団体客向けのスペースになっていて相応にキャパがあり、様々なシーンでの利用が可能です。
前回11月末に訪問した際には、年内に再訪したい、と書きましたが予定が合わず、叶わず、でした。今回は紛れ無しに一軒目として訪問すべく、とある平日の18時半、食べログ予約をして一人で訪問しました。
(後で気付きましたが、食べログでの座席予約は、お造りとおでん盛りが自動注文になるとあり、今回はそのルールが適用されています。電話で予約すれば良いだけなのですが)
さて、年明けてからお初です。冬のさなか、もう少し我慢すると春も感じられるかも?という時期です。
果たして、今日は何が頂けるのか、わくわくしながらカウンターに座ります。
とりあえずのビールを頂きながら、大将にお勧めを伺います。
で、最初に勧められたのが「新物生わかめしゃぶしゃぶ」でした。
今回のメニューにも記載されていましたが、自分の判断だけでは、まず頼まない料理だと思います。
一人用の土鍋にて提供されました。熱々です。器をがんがん火にかけていたので当然ではありますが。
小皿によそって、ふーふーして頂きます。
「うんまっ!」 普通に声出ました。
わかめ、ワカメ、若布。新物のワカメなんですが、ワカメってこんなに良い出汁が出るんですね。鰹出汁がベースですが、それにワカメの旨味がぎゅんぎゅんと溶け込んでいて、複雑に旨味が絡み合ったスープが絶品でした。
また、ワカメ自体にも、そのスープが染みこんでゆくという循環で、本体も美味い。海藻として、口の上でとろける柔らかさ、芯の部分は一方でこりこり感を残す食感も楽しく、でも、このスープがやっぱり絶妙に美味しい。ワカメを主役とするこの料理、初めての体験です。
「お酒、ください」
わかめでお酒の口になる日が来るとは思わなんだ。
最初に頂いたのが、八反錦壱号。新潟の高千代酒造のお酒です。一杯目に相応しくフルーティーで上品な味わい。しかもお酒自体がワカメスープに合うというおまけつき。
続いて、メニューから自分で選んで頼んだのが、同じく新物の竹の子。
焼き、土佐煮、天ぷらと選択肢があるなか、土佐煮を頂きました。鹿児島産で走りだとのことですが、先端部分、竹の子特有の甘い旨味がじんわり。やはり処理が良いのか嫌なえぐみは一切なく、純粋に竹の子の甘さとこりこりの食感を楽しみました。一緒に煮られたほうれん草も良き。(ワカメじゃないのね)
予約でセットされたお造り盛りをつまみながら、次のお酒をリクエストしました。
こちらで頂くのは多分初めてですが、田酒を頂きます。
お酒、片口の酒器に一合ずつ入れて頂き、手酌でお猪口に移します。田酒、さすがのキレ、何にでも合う万能の美味しさですが、魚にもやっぱり合うのです。すいすいいけちゃいます。
続いて、ほぼ毎回頼んでいる旬の野菜の天ぷらを頂きます。メニュー名はいつも「旬の野菜」とだけあって変わりませんが、来る度に中身は変化。全般に茸や山菜系が多く、毎回季節感があって独特の苦みがある、と。これもお酒に合いますよねー。
で、併せて白身魚を天ぷらで揚げてもらおうと「白きすと真はぜ、今ならどちらがお勧めですか?」と大将に聞きました。
「なら、盛り合わせにしましょう」と双方お値段一緒ということもあって、一匹ずつ揚げて頂きました。
きすはきすらしい淡泊で上品な味わい、また、はぜは、キス以上にふっくらしていてこちらも上品なお味でした。
週末ということもあって、厨房が忙しくなり、くるくると大将も板前さんも作業を進めておられます。
会話がなくとも、自分が頂くものでなくとも、調理の様子を見ているだけで料理人の方々の動きは一種のライブを鑑賞させて頂いているかのような楽しさがあります。
最後に頂いたお酒は「彩來」。埼玉のお酒だそうです。埼玉は彩の国といいますから、そのあたりからくるネーミングでしょうか。お米の甘味が結構強い感じがしますが、総合的に上品にまとまったバランスの良いお酒だと思いました。
とまあ、旬のものを中心に、美味しいお酒を頂いて、お腹もくちくなりました。
しんばさん、定番のお料理も勿論美味しいのですが、やはり旬のものをスポットで頂くのは楽しくて良いです。
今回は中途半端に「いつ」とは書きませんが、季節の変化を楽しみに、必ずまた来ます。
ご馳走様でした。