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確か過去に雑誌で見て、以前から興味があったお店です。
新進気鋭の店主が営んでおり、神田近辺の焼鳥屋さんのなかでも高評価のようです。
週末の夜、18時過ぎに神田駅からお店に電話して空きを確認しました。一人とはいえ、週末だし、半ば無理だろうと思っていましたが、20時迄という条件がつくならお席一席準備頂けるとのこと。
当然、承諾のうえ、いそいそとお店に向かいました。
JRの改札口からは徒歩三分くらいでしょうか。店舗自体もガード下になります。
引き戸の扉を開けるとL字型のカウンター、奥の方に通して頂きます。ガラスを挟んで焼き台の正面の席になりました。店主さんでしょうか、忙しく焼いているのが目の前という特等席です。(ガラスゆえ、会話は出来ませんが)
インバウンドではなく、日本の人が海外のお友達を連れてきているというグループが二組おられました。
YAKITORIは世界共通言語ですかね。
とりあえず生ビールを注文。
ハートランドを大き目のグラスで頂くかたちです。こちらが720円、日本酒も魅力的な品ぞろえで種類はありますが、5勺グラス基準で900円前後なので、アルコールは全般、ちょい高めの価格設定かと思いました。
まずはお通しということで、二品が一皿に載せられて配膳されます。お猪口に入った菜の花と金時人参のスープに、クラッカーが一枚ついた里芋と蓮根のディップです。菜の花の苦み、また里芋のねっとりした感触など、少量ながら一定のインパクトを残す料理です。
お任せの7本盛りと、アラカルトでポテサラ、炙り皮ポン酢を注文しました。
アラカルトは二人前基準ということで「ハーフ」」(半額?)にしてもらえるサービス、これはソロにはとても有り難いです。
先にポテサラですが、てっぺんにうずらの半熟卵が載せられて彩りとなっています。あとピンクペッパーがちらほら。ポテサラそのものの味は普通でしたが、いぶりがっこを食感のアクセントに使っていて、ポリポリとおもしろく頂きました。
で、問題は炙り皮ポン酢。
焼鳥屋でこういう一品を出すお店は珍しくないですが、こちらで頂いた皮ポン酢は、自分史上最高ではないかと思える凝った一品でした。
まず炙り皮ですが、よく見るとちらばって入っている皮の中心に、串を通した痕があります。つまりは串で焼いた(炙った)皮ということ、これが脂が適度に乗り(余分な脂が落ちているともいう)、焦げ目が素晴らしく香ばしい。
で、ベースとなるのは酢の物でなく、大根おろし。またすりおろした大根と、微塵切りにした大根とのミックス(というか鬼おろし)で、大根おろしとしての食感と舌触りがとても良いのです。薄切りにした玉葱も少々。
これらをポン酢で味がまとめられているのですが、まとめて食べるとどえりゃあ旨いんですよ。
あっさりとじんわりのハーモニー。ありそうで、あまり無かったシンプルな料理にしてめちゃ旨。
もしこちら来るのであれば絶対頼むべき逸品かと思います。
で、焼鳥です。
こちらも絶妙な焼き加減と丁寧な調理、工夫された調理方法とが同居する、素晴らしいものでした。
焼いているところをリアルタイムで見ていたこともあって余計にそう思うところもあったかもしれないですが、それにしても。
あと、卓上の山椒。鮮やかな緑で痺れがとても強い。どこにも由来は書いてないけど、多分、紀州のぶどう山椒じゃないでしょうか。
いいやつ使ってます。
一本目、抱き身(胸肉)に雲丹ときんかんのカラスミをソースとして振りかけたもの。
抱き身ってえと、胸肉に皮を巻いているイメージですが、違うのですね。皮無しです。
ソースが独特の風味で柔らかな胸肉の風味を広げているのが良く、一個齧って残った肉を見てみると、串ぎりぎりのところに僅かに赤みが残るというギリギリにして完璧な火加減。素晴らしい。
二本目、膝軟骨 少し脂が強いですが、絶妙な塩加減で中和されていて旨味が勝つように焼かれています。普通肉と軟骨と異なる食感が楽しめる面白さ。
三本目、振袖。希少部位ですね。串に刺さった二つのお肉の上に、赤と緑の小さな薬味が一つずつ載せられています。赤はかんずり、緑は柚子胡椒。隠し味として、ということだと思いますが、一口で行くとあまり薬味は感じられないです。個人的には両方もう少し多めに載せて欲しかったところ。
四本目、ぼんじり。これも店によっては脂ギッシュになりがちなところ、うまく余計な脂を落としてあって、表面パリパリの中じゅわ、をきっちり体現してくれています。基本的には旨味の塊りですよね。
五本目、芽キャベツ。やられた。串カツでは食べたことあるけれど、焼鳥屋の野菜串で芽キャベツは初めて。両面がこんがり焼いてあって表面香ばしく、中は緑野菜特有のじんわりした甘さ。これは野菜串として相当にレベル高い。
六本目、砂肝。材料の砂肝のサイズに比べて串にささっている部分はかなり小さく感じられます。
調理中も店主がぱちんぱちんと不要な箇所をハサミで切り落としているのを見ていたので分かるのですが、砂肝の雑味の部分を丁寧に排除して、美味しいとこだけにすると必然的にこのサイズになっちゃうのか。
七本目最後、正肉。ですが、薪で燻して燻製風に仕上げたもの。余計な脂を落とした腿肉にスモーキーな香りが加わった、大人の焼き鳥です。
燻製とまではいきませんが、焼鳥で薫香を楽しむというのは野外で食べているかのようで、野趣を面白く感じました。
以上で終了。
ビールのあと、お酒は、くどき上手と楽器正宗を一杯ずつ頂いています。
これで支払いは7,000円ほど。
普通の居酒屋系焼鳥屋の価格からするとお高い、となりましょうが、高級焼き鳥屋の価格帯から考えれば、逆にかなりお安いと思います。(お酒の飲む量次第のところもありますね)。
客同士、楽しくお話しながら食べ飲んでというのが焼鳥屋さんの宿命ではありましょうが、それでもこちらでは焼き鳥をしっかり味わって欲しいですよ。それだけの価値あります。
ご馳走様でした。