2回
2025/10 訪問
焼肉ではない、「和牛料理」を喰らう
新橋の交差点に佇む「和牛料理 一石三鳥 総本店」。
扉を開けると、照明を落とした落ち着いた空間が広がり、カウンター越しに焼き台の熱気と香りが漂う。
この日は、名物から創作までバランスよく楽しめる和牛尽くしのコースを堪能しました。
最初の一皿は 名物のサーロインユッケ。
肉の繊維が舌にすっとほどけるほど繊細で、脂の甘みと卵黄のまろやかさが一体に。初手から“和牛の真髄”を感じる贅沢なスタートです。
続く 前菜5種盛り合わせ(すずかぼちゃ、茄子ナムル、長芋キムチ、キクラゲナムル、アボカドキムチ) は、それぞれが小さくまとまっていながら印象的。素材の味を引き立てつつ、全体のリズムを整えてくれます。
本日の塩焼肉3種(上タン・うちもも・和牛サガリ) は、塩味のみで素材の力を引き出した構成。上タンの歯切れの良さ、うちもものきめ細かい赤身、サガリの深いコク——それぞれの個性が際立ち、シンプルだからこそ職人の焼きの技が光ります。
合間の チョレギサラダ は、ごま油と酸味のバランスが絶妙で、口を整える役目も心地よい。
タレ焼きの ミスジとイチボ は、しっとりと柔らかく、タレの香ばしさが肉の甘みを包み込むよう。
そして印象的だったのが ぶりすけの出汁しゃぶ。軽く火を通すだけで脂が花開き、出汁の旨みと重なり合って優しい味わいに。湯気の香りまでもご馳走でした。
続く こだわり焼き(鹿児島県産黒毛和牛のサーロインと伝助アナゴの巻物) は、この夜のハイライト。
水分を抜いたきゅうりと大葉で包まれたアナゴは、ふっくらとした甘みとさっぱりとした後味が絶妙で、サーロインの濃厚な旨みと組み合わせると、まるで一皿の中で“海と陸の対話”が生まれるよう。香ばしさの中に清涼感があり、印象に残る一品でした。
後半は トマトキムチ の酸味でリフレッシュし、 味噌焼肉(トロホルモン・ハツ) で香ばしさの余韻をもう一度。
そして締めの 栗と牛テール出汁の土鍋ご飯。炊き立ての香りと優しい甘みが体に染み渡り、ほっと息をつく瞬間。
最後の 鯖出汁冷麺 は出汁の深みがあり、創業当時から変わらない美味しさ。デザートの マンゴーラッシーのかき氷 まで、一貫して満足度の高いコースの流れでした。
和牛の旨みを多彩に表現しつつ、ひと皿ごとに季節感と遊び心を感じる構成。
「焼肉」ではなく「和牛料理」と呼ぶにふさわしい一軒です。
ご馳走様でした。
2025/10/14 更新
新橋のキラー飯屋と言えばここ。
いついかなる時も最高のクオリティーで和牛料理をいただける。
今回は、同世代のバリキャリ友人たちと肉をつつきながら語らいました。
相変わらず、良質な肉とさまざまな肉へのアプローチで喰らえる料理たちに加えて、やはり空間設計が良い。
さまざまな業界で活躍する皆と肉を囲い、いただきながら話しやすい空間。
そして、接客。
皆愛想良くて、受け応えがしっかりしていました。
アルバイト、社員、それぞれのレイヤーで働いている方々がいるわけですが、満遍なく良い接客が根付いているのは素晴らしいの一言です。
外食において「美味しいが当たり前」そんな時代でもあるからこそ、こういった根本の接客まで良い気で溢れていることが付加価値である。また通いたくなりますよね。
また伺います。
ご馳走様でした。