塚越桜五郎さんが投稿したふかたべ(京都/峰山)の口コミ詳細

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塚越桜五郎のほろ酔い紀行

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塚越桜五郎 (60代前半・男性・東京都)

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ふかたべ峰山/居酒屋

1

  • 夜の点数:4.9

    • ¥6,000~¥7,999 / 1人
      • 料理・味 4.9
      • |サービス 4.9
      • |雰囲気 4.9
      • |CP 4.5
      • |酒・ドリンク 4.8
1回目

2025/07 訪問

  • 夜の点数:4.9

    • [ 料理・味4.9
    • | サービス4.9
    • | 雰囲気4.9
    • | CP4.5
    • | 酒・ドリンク4.8
    ¥6,000~¥7,999
    / 1人

素材から調味料まで、自家製の料理を提供するガチの孤高のワンオペ居酒屋に涙する夜

心のダーツの旅…。

関西とは全く縁のない東京人で足立区民、酒都 赤羽生まれの初老が未知の世界、
京都府の京丹後市峰山にふらりと訪れた。町の中心はそこそこ栄えてるが、
峰山駅辺りは本当に良い静かな田舎町だ。だが、何となく古い住宅など瓦を使い、
他の地方には無い良い趣きがある。
これの空気感を「はんなり」とでも言うのだろうか…?

地元から遠く離れた田舎街だ。(すいません。)
店の選択肢が少ない。だから、お目当ての店が満員でフラれるような失敗は許されない。
よって保険をかけ、数日前に電話予約を入れておいた。
その際のマスターのノリが大阪テイストをソフトにしたような感じで、
よそ者にも慣れてる印象だった。
で、そこで「何か、お料理作っときましょか?」と聞かれる。
一応、刺盛りだけお願いしておいた。

ホテルから灼熱の夕日を浴びながら、汗だくで徒歩15分。
サンロードエイトとか言うコの字型の商業ビルの1番右手前、
煉瓦風のビルを和風に装飾した角に「ふかたべ」さんはあった。

店前に懐かしい黒板が置かれ、何やらメッセージがマスターのライトなノリで書かれている。
今日は満席だそうで、やはり電話予約して正解。

ドアを開けると、店内はログハウス調で正面にカウンター2席。
左手壁際テーブル席2人掛け1卓。右手に4人掛け1卓と非常にコンパクト。
その割には厨房が広い。一見雑多に見えるが、多くの種類の調理器具が
使いやすいように置かれていた。
そして、SNSの情報通り、マスターのワンオペであった。

「6時半から予約した者ですが。」「ああ、いらっしゃい。東京の方でしたよね?
そちらのカウンター席どうぞ〜。」

黒板に自虐的に書いてあった通り、指をケガしたマスターは、
ピンクのキャップを後ろ向きに被り、下半身はワークマンで売ってそうな
カーゴパンツって作業服の半ズボンにサンダル履きに、割烹着を上半身に羽織り、
ワイルド?な風貌。
しかし、大阪程、前へ前へとトークの主導権を握ろうとする訳でもなく、
はんなり?とした自然体でライトなノリで距離を縮めて来る陽と陰の両方あるキャラだ。

先ずは生ビールと行きたいところだが、生のサーバーが無い。
ビールは種類は豊富だが瓶ビールのみ。だが、各メーカーが揃い踏みなのは凄い。
で、大好物サッポロ赤星を見つけたが、マスターが京丹後の与謝野町の
クラフトビール「ASOBI」をゴリ推し?して来たので、
ご祝儀で応じた。
かなりフルーティー…。オレンジっぽい香りの女性が好みそうなライトなビールだ。
美味いが、オジサンにはオサレで軽過ぎる。すぐ飲み干し、赤星へチェンジ。

関西では「お通し」ではなく「つき出し」と言うのかな、それが出て来た。
「カマとオクラの茹でたもの」だ。
飲み歩くと、見た目で材料が良いのが分かるようになる。
いただきます…。「んっ!」カマの美味みと優しい煮汁が一体となって美味い!
あと酸味も感じる。梅だろうか?そして、青々としたイクラが活き活きして、無農薬だと分かる。
もう、これだけで間違えない店でわざわざ来て良かった。と感じる。
すると、空かさずマスターが「酸っぱいでしょ?だけどそれ、腐ってませんよ〜。
梅肉を入れてるんです。」と言う。(因みにギャグらしく、客全員に言ってた。)

そして、電話予約に出て来た「刺身盛り」(1人前2,500円位らしい)が登場。
「あと2ヶ月後に、来て欲しかったですわ。ここいら辺、夏は魚、海水が温かくなって、
捕れなくなるんです。真夏より秋冬です。でも、充分美味いんで食べてみてください。」だそうだが、
写真の通り、魚はピカピカで活きが良いのが見えて取れる。

また丹後半島を模した下駄と言うか板を使用しているのも、地元をマスターが愛してるのがわかる。
更に、この後、京丹半島の地酒を堪能するのだが、この板を地図代わりに使用して、
「この酒は、ここいら辺の蔵です〜。」と説明してくれるのもユニーク且つ親切だ。

白イカと宮津のタコ、アカニシ貝は通常は旨味はあっさりなのだが、
甘味が噛む度に口の中に広がり、誠に美味…。
もちろん、他の魚も旨味が濃く、やはり、日本海側の魚は夏でも繊細な旨味が素晴らしい。
マスターの目利きも良いのだろう。

醤油も関西風の甘いタイプではなく、塩辛さとコクがありつつも関東風で
シャープでキレもあり、非常に上質。
故に後から来る客に「うちの醤油辛いんで、着け過ぎないように。」と関西人には塩っぱいのか、
マスターがいちいち注意喚起している。

ポン酢も水が滑らかで酸味と醤油感のバランスが良くやはりキレがある。
山葵は香り良く甘味もあり、生姜も香りも辛さも強くモノが良い。

そして、通常なら大根のツマであろうポジションに、玉ねぎと生オクラ、
トマトを入れて来てるのも予想外。
しかも、この野菜類が活き活きとして、野菜単品としても味が突出している!

思わず「ピークじゃないって魚も活きが良いし、文句無しに全部美味い。
あと、このツマ代わりの野菜、全部めちゃめちゃ美味い。野菜が活き活きしてるよ!」と
感動を伝えると辛気臭い?顔がちょい笑顔になり、
「実は、その野菜、全部ボクが作ってるんですよ〜。それだけじゃないです。
醤油もポン酢も梅干しとかの漬物も、米もボクの自家製です。
だから、野菜を美味いって褒められる方がうれしいですね~。
魚は海から獲ってくるだけですからね。」

「醤油まで全部自家製!ガチのワンオペだね!すげーな!」と思わず称賛してしまった。

その後も自家製らしき、赤トウモロコシ(大和ルージュ?)を見せてくれ、
白トウモロコシをチビッと食べさせてくれたが(サービス?)
身がぷりぷり、歯を弾き返す弾力に甘い甘い旨味がたまらなく美味い。
こんな活き活きしたトウモロコシ食べた事ない!赤は更に甘いのかも?

そして、日本酒は「色々、地酒飲みたいから」とわがまま言うと
4種類をお猪口で出して来てくれた。

酒呑童子の夏酒から始まり、吉野山 ヨサムスメ等、刺身の板を地図代わりに、
味と蔵の説明を聞きながら堪能した。(長すぎるので個々の味に関しては割愛)
個人的な意見だが、丹後半島の酒はライトな感じで、呑みやすくクセがない。
だから、チビチビチビチビ行ってしまい、キリがない。

気が付けば、ジモティーのジイサン1人が2軒目でベロベロで現れたり、
近所の大人女子2人、観光で来た学生4人組で現れ満員御礼。
空気を読みマスターに「焼サバ寿司できる?」
「できますよ。但し、米から研ぐんで1時間近くかかります。」
そうか、うっかりしていた。出来たてを提供するのに、
そこから、やるのか…。地方ならではの究極のこだわりだ。
「待ちます!オネシャス!」

繋ぎに昔ながら自家製梅干しを肴に飲み続ける。
塩梅も良く、 自然の酸味が非常に強いが、
白飯で食べたい程、美味い。紫蘇も酸味もたまらない。
これぞホントの梅干しだ。

で、途中マスターが炊き立ての白米を少しだけくれた。(多分、サービス)
硬めの炊き具合、甘さ、コク…。美味い…。これだけでエンドレスで食えそう。

そして待ちに待った「焼サバ寿司」が分厚い板に乗せられ登場!
うっ!今まで福井を始め色んな地方で見てきたビジュアルと違う。
無骨かつ複雑な薬味の自然な色合い…。
4切れに見えるが包丁が入っており、実際は8切れである。
「米酢もボクの自家製です。」

凄い…、どこまでもワンオペ。ハンドメイド。
私ゃ今までここまで自家製に徹した居酒屋さんなんて出会った事が無い!

では、「いただきます……。」

がぶり!ぐあぁぁぁ~っ!焼サバの脂、旨味、野菜、薬味の香り、調味料の
旨味、活き活きとした味、米甘酢の優しい甘さ、そして米の甘さ、硬めの炊き具合…。
まさに三位一体となって、口の中に広がるぅ〜…!
もはや、焼サバ寿司と言うジャンルを超えた別の創作料理だ!
たまらん〜っ!私は20年程前、福井の小浜で初めて焼サバ寿司を食べ、
えらく感動した美味さだったのだが、それ以来食べた焼サバ寿司の中では断トツの最高峰だ…。

時間と金かけて、来る価値あるのか、不安だったけど、
いや、本当に来て良かった。

そりゃ、田舎だから、そこまでやれんだろとか言う
捻くれ者も居るだろうが、畑も田んぼも持ってたって、
凡人じゃ使いこなせないだろ?何もかも作れるなんて天才ぢゃないか?

マスター、マジで美味すぎ。感動モンだよ。
あ〜、マンゾクしました…。いくらでも払うよ。いくら?
えっ?こんだけ?間違ってない?
「あんま食べてないからですよ~。儲からへんて〜。」

すいません。確かに途中、マスターと話して飲んでばかりだったわ。
酒もそれなりに金取ってたのかと思ったら、
お猪口4種類で、1合の値段だったのね。
よそ者なんやから、ぼったくれば良かったのに〜。

しかし、久しぶりに感動した店だったなぁ~。
お陰で更に長文になっちゃったよ。

ん?評価が満点じゃなく、マイナス0,1の理由は何だって?
ワンオペだから仕方ないけど…、客観的には時間かかり過ぎだから。
そんだけ!だから、実質五つ星で〜す。
何で、こんなに食べログの評価が低いのか、
私にはわかりません。

死ぬ前に、もう一度は来たい店。
京丹後で見付けた「孤高のワンオペの居酒屋 ふかたべ」
支払いはキャッシュオンリー。
改めてごちそうさまでした。


  • 自家製調味料、自家製野菜、自家製薬味、自家製米が新鮮な魚が三位一体となって、もはや鯖寿司の次元を超えた創作料理に変貌

  • カウンターに自家製の梅干しやら色々並べてある。

  • この広い調理場でワンオペのマスター

  • 自家製の梅干しは本当の酸味とコクを教えてくれる一品

  • 地酒もマスターに身を任せて堪能したい

  • 寂れた商店街?の一角にある

  • 寂れた商店街?らしき右角にある

  • ひょうひょうとしたマスターの性格が出てる黒板

  • 生はないが、酒以外も引き出しが多く感動

  • 京丹後 与謝野町のクラフトビール ASOBI オレンジビールとでも言うべき柑橘系の味

  • つき出し(関東ではお通し)のカマとオクラを梅肉で似たもの

  • 刺身盛り合わせ 下駄が丹後半島を模している

  • 魚は間違えない

  • 白トウモロコシも美味

  • ご飯物もメニュー豊富だが、米から炊くので最初にオーダーが必要

  • にんにくも自家製

  • 自家製の野菜は究極の新鮮さ

  • 野菜も必食!

  • 府外からの学生も料理の美味さに感動しきり

  • 右角に佇む

  • 地酒豊富

  • 酒は単品ではなく、お猪口で4種類ずつ出してもらえた。

  • 酒呑みにはたまらない

  • 最後はレモンサワーでさっぱり〆ます

  • 旅行者の大人女子の2人

2025/08/05 更新

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