2回
2023/12 訪問
料理も雰囲気も外観も私の理想のビストロ。クリスマスディナーまで最高で惚れ直した!
クリスマスディナーコース ⚫️小前菜4種盛り合わせ
クリスマスディナーコース ⚫️小前菜4種盛り合わせ
クリスマスディナーコース ⚫️北海道産ウニとコンソメ、シジミのフラン
クリスマスディナーコース ⚫️ズワイガニのタルタル、ビーツと林檎のアクセント
クリスマスディナーコース ⚫️ズワイガニのタルタル、ビーツと林檎のアクセント
クリスマスディナーコース ⚫️鱈とちりめんキャベツのヴァプール、磯の香り ノイリーソース
クリスマスディナーコース ⚫️黒毛和牛の炭火焼き、フォワグラとトリュフのロッシーニ
クリスマスディナーコース ⚫️ガトーモンブラン
日本のビストロの中で一番好きな外観
2024/02/01 更新
2020/08 訪問
土曜日の夜、2名で利用。
日本橋の駅からの道は暗く店などもほとんどない。こんなところにビストロが?と思った頃に看板が見える。
店前に立つと店名のネオンがまさにパリの雰囲気。周りの街が暗く静かなのもさらにムードを高めていて、入る前から気分が上がる。
メニューは魅力的なものが多く、メニュー決断力には自信がある私も流石に迷わされる。
「そば粉のクレープ 生ハムとクリームチーズ」
オーダーした中で唯一これだけが大外れであった。フラットな形状ではなく、くるくる巻いてカットしたのは可愛らしいアイディアとも思えるが、肝心の味がよろしくない。ギュッと密に巻かれてネッチリ固めで冷たくて、チーズの塊を食べているかのよう。何より蕎麦粉好きの私としては蕎麦粉の味が全くしないのが残念だった。蕎麦粉のクレープは焦がしてナンボ、表面はパリッとが絶対条件、そこから蕎麦粉の香ばしい香りがするからこそ、蕎麦粉で作る意味があるというものだ。
しかしこの感想は「そば粉のクレープ」と銘打ってあるからのものでこれが「クリームチーズと生ハムのロール」のようなメニュー名であれば、そこまで悪くはないとは思う。(そのメニュー名だったら私は頼まないが・・・)
「自家製シャルキュトリー 7種盛り合わせ」
スペシャリテが多そうなこの店だが、この一皿は外せないスペシャリテなのではないだろうか?この店のシャルキュトリーが全て入って、しかも単品では頼めない、この盛り合わせにしか入っていないものもあるのだから!
運ばれてきてその美しさとボリュームに驚いた。見るからにこれは美味しいとわかったが、食べてみて一つ一つの美味しさにいちいち参った。特に豚タン!これは単品では頼めないらしくここにも少しの量しか入っていなかったが忘れられない美味しさであった。他、豚肉のリエット、パテ・ド・カンパーニュも絶品。マダムによると、この盛り合わせとワインだけで延々とやるのが好きな常連もいるとか。聞いただけで羨ましくなるひとりディナーだ。
「砂肝のコンフィ、ベーコン、マッシュルームのサラダ」
先日サラマンジェで食べた絶品サラディエ・リヨネが忘れられずつい頼んだこちら。ボリュームたっぷりで彩りも美しく、とにかく野菜が新鮮そのもので大変美味しい。砂肝コンフィやベーコンも程よいボリューム感でとても良かった。私は点数をつけるのはあまり好きではないが、ほぼ100点満点の大変美味しいサラダ。しかし、サラマンジェのサラディエ・リヨネは、点数を超越した別次元の旨さだったことを思うとやはりあれは凄かった。もちろんあちらの方が素材自体が豪華だったことも大きいが。
「牛ほほ肉の赤ワイン煮込み」
さすがはビストロ、プレートにちんまり、ではなく、STAUBの鍋で肉も野菜もたっぷりと煮込まれてきた。底にはこれまたたっぷりのマッシュポテトが敷かれその上に煮込みソース、巨大な牛ほほ肉がいくつも、プラスたっぷり野菜、ととにかくボリューム満点。しかも一口食べただけで「これは次回もまた食べよう!」と言ってしまったほどの美味しさだった。濃厚で奥深く、甘すぎないソースの味わいが素晴らしく、そこに鍋一杯のマッシュポテトが、プレート盛りと違って他の肉や野菜とたっぷりと混ざりやすいところがますます美味しい。牛ほほ肉も大変美味しく、え、この値段でこんなに?というほどの量が入ってる。
少なめにオーダーしたつもりだったが、二人でこれ以上ムリなほどの満腹となった。
マダムの接客も素朴で温かみがあり、全体にとても感じの良い、センスを感じる店。ここは近日中にまた行ってほかのメニューも是非食べてみなければ!煮込みが美味しかったので特にカスレが気になる。
2020/09/03 更新
(文末の〈結論〉にて要点をまとめているので、お急ぎの方はそちらをどうぞ!)
日本橋の静かな裏通りというなんとも憎いロケーションに、これぞパリのビストロ、と言いたくなる外観。
それだけでも大好きなのに、ここは何を食べてもほぼハズレなく、毎度の2、3発は三尺玉大花火級の感動をくれて、行くたびに「あー!やっぱここ好き!!」と叫びたくなる。まあとにかく私のツボにどストライクなお店なのだ。
近年は毎年クリスマスディナーもココと決めて居るのだが、2023年度は今までのようにアラカルトではなくクリスマスコースのみになってしまった。
クリスマスというどこの店でも割高コースメニューでガンガン大儲けする日に、アラカルトOK、ワインとシャリュキュトリーでチビチビやっても良し、という神がかった存在だったこちらの清い魂にシビれていた身としては、えー!ついにか・・・とは思ったが、9500 円という価格を聞くとつい、さらに愛が増しそうなる笑(クリスマスなのに安い!やっぱり清い!)
でもまあちょっと残念に思いつつ、それでも楽しみに行ったクリスマスディナー。
クリスマスディナーコース
⚫️小前菜4種盛り合わせ
⚫️北海道産ウニとコンソメ、シジミのフラン
⚫️ズワイガニのタルタル、ビーツと林檎のアクセント
⚫️鱈とちりめんキャベツのヴァプール、磯の香り
ノイリーソース
⚫️黒毛和牛の炭火焼き、フォワグラとトリュフのロッシーニ
⚫️ガトーモンブラン
⚫️コーヒーor 紅茶
結論から言うと、どの一皿も美味しすぎて惚れ直した!!
⚫️小前菜4種盛り合わせ
まず右端はシューかなと思ったら豚肉のバーベキューのハンバーガーだと。しかもパッションフルーツのソース?うーん。。と食べたら、おー美味しい!
ほうれん草のシフォンも、猪とごぼうと里芋のパテも実によくできている。こんなに小さいのにちゃんと小さく感動させてくれる。柿の使い方が憎い。
クリームチーズ入りの蕎麦粉のクレープだけは、ここのレギュラーメニューなのだがちょっと理解できない。蕎麦の風味が感じられないのと、冷たくて硬くて、冷蔵庫で保存してましたーって感じが良くないと私は思う。ル・ブルターニュやフルール・ド・サラザンのような蕎麦の風味の味わえる作りたて蕎麦ガレットならいいのだが〜。でもマイナスな印象の料理は本日この小さな一つだけだった。
⚫️北海道産ウニとコンソメ、シジミのフラン
一口食べて自分が打ち上げ花火になった(笑)。旨すぎるだろコレ!!奇を衒わぬストレートな美味しさ。ウニもミョウバン臭くなく旨いし、フランのしみじみとした美味しさにはうっとり。この10倍でも食べたいと思う名品。
⚫️ズワイガニのタルタル、ビーツと林檎のアクセント
なんだか可愛らしい海の森のような盛り付け。シードルとリンゴ酢のジュレも春菊のソースも旨い。私はマヨラーではないのでマヨネーズはない方が洗練度が上がっていいと思ったが、結論としてすごくおいしかったので全然許しちゃうな(笑)
⚫️鱈とちりめんキャベツのヴァプール、磯の香り
ノイリーソース
見た目も大変美しいが、この1皿を食べて、私はこのシェフがやはり天才だと確信した。鱈をこれだけ美味しく食べさせてくれる人ってなかなかいないと思う。ちりめんキャベツの味わいが鱈の美味しさを天国まで持ち上げ、そこにたまらなく美味しい菊芋のソースのきらめきが散りばめられて、もう私は目を開けていられない。ワインを飲みまくるしかない。ああ幸せだ、こんな幸せなクリスマスをシェフありがとう。
⚫️黒毛和牛の炭火焼き、フォワグラとトリュフのロッシーニ
いやいやいや、あのさ・・・
食材の物価が一年で一番高いクリスマスに、9500円のコースで、こんな贅沢な食材使っちゃっていいわけ?(笑)。この店のファンだけに心配になるが一口食べたらもうそれどころではない。この彩りもなにもない、ただただ「旨さ」のカタマリ!!牛肉もフォアグラも火入れが完璧。そしてそれらの美味しさを下から支えつなげるようにあしらわれたパンデピスや、一番下には大根もあってそのセンスには拍手しかない。調理と組み合わせで素材の旨さが頂点に押し上げられた瞬間に私の口に入って来た感じ。押し倒された私は脳内で叫ぶ。トラディシオン大好きだー!
⚫️ガトーモンブラン
私は甘いものの好みの範囲がものすごく狭い大変めんどくさい人間であるが、これはその狭いストライクゾーンを撃ち抜いた名品デザート!
塩ミルクのアイスクリーム、マロンのケーキ、チョコレートクッキー、マロングラッセ、全部旨い。全部旨い!一回じゃ言い足りん笑。
どんな世界でも一流の腕を持つ人ほど、奇を衒いたくなるものらしいが(エスキスのレビュー参照(笑))、こういうストレートな素直なもので、忘れられない位の感動を感じさせてくれるというのは、一流を超えた一流だと私は思う。
強いて言えばこのデザインが、私にはパッと見た瞬間にアマビエの生首にしか見えなくてかなり怖かったです(笑)
〈結論〉
料理も雰囲気も外観も私の理想のビストロ!こんなにおいしい料理がリーズナブルに食べられるのだから、他に行ってもどうしてもこことの比較になってしまい点が辛くなってしまう(笑)
クリスマスディナーもアラカルトで食べられるのが神な店だったが、2023年よりついにここもコースのみとなりその点についてはややがっかり。しかしその内容は本当に素晴らしく、結論としてはただただ惚れ直した!
いつまでもこのままでいてほしい私の大好きな名店だ。