h2odiさんのプロフィール詳細

◾️所感
•美食を追い求める生活において、唯一とも言える副作用――それは、味覚が研ぎ澄まされすぎてしまうことにある。一度洗練された味に触れると、素朴で親しみのある味わいに対しても、無意識に比較の物差しが働いてしまう。
•自炊が続くと、「誰かの手によって丁寧に仕立てられた一皿を味わいたい」という欲求がふと湧いてくる。そうして、自然と外食という選択肢に心が傾く。
•外食には、自分の手ではなかなか到達できないレベルの技術や工夫が込められており、それを享受することはある種の芸術鑑賞にも似ている。素材の選定から火加減、盛り付けに至るまで、そこには食に対する哲学が宿っている。
•結局のところ、料理を最も引き立てるのは「空腹」という完璧な下地である。適度な運動で空腹感を引き出すことが、食を最も豊かに感じるための近道だ。


◾️日々の食にまつわる意思決定プロセス
•一日の中で最もクリエイティブな問い――それは、「今日の食事を、自らの手で作るか、他者の手に委ねるか」。この判断は、その日の身体的・心理的コンディションを総合的に勘案して下される。
① 自炊を選択した場合
　献立を構想し、それに必要な食材を洗い出す。あるいは、手元にある限られた食材から最適なレシピを逆算的に導き出す、という知的遊戯に興じることもある。

② 外食に舵を切った場合
　未訪の名店を開拓する探求心が湧くか、あるいは「今日は肉だ」とテーマを掲げて、少し足を伸ばしてでも目的に叶う店を探し出す。地理的・時間的コストと満足度のバランスを見極めるのも、また一興。

なお、初めは自炊の方向で思考を進めていても、冷蔵庫を開けた瞬間にモチベーションが消散し、外食に切り替えることもある。逆のパターンも然りであり、選択肢は常に可逆的であるべきだ。
こうした意思決定の過程において、また外食の精度を高めるためにも、食べログの存在は極めて有用である。アルゴリズムと人の声を通じて最適解にたどり着くその過程は、ある種の美学すら感じさせる。