この口コミは、味の哲人 東西を行くさんが訪問した当時の主観的なご意見・ご感想です。
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米増福島(JR西日本)、大阪、福島(阪神)/日本料理
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昼の点数:4.5
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¥2,000~¥2,999 / 1人
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料理・味 -
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| 酒・ドリンク- ]
日本料理(店)はかくあるべし!
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予約困難店ですが、一生に一度!は行くべきお店です。
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なにわ筋沿い、JR福島駅から直進で10分弱。
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画像をSNS にUPが出来ないのですが、拙文にあるように素晴らしいお店なのでした。
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お店の脇に小公園があります。しばし食後の小休止に最適ですよ。
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2025/09/02 更新
大阪はJR福島駅で降りる。
なにわ筋を横切り、あとはひたすら左へと進む。
10分弱歩くと、「大淀中学校南」の交差点だ。
その右手に『米増』はあった。
完全予約制。
年内いっぱいは、夜の部が全て予約済みだった。
昼の部は1人客ということもあって、どうにか押さえられた。14時スタート、16時30分に店を出た。
料理長みずからが振舞ってくれたお点前の抹茶まで入れると、全15品目になります。
お料理の写真を撮るのはOKですが、「SNSへのアップは控えて欲しい」とのことでしたので、誠に残念ですが、ここには載せられません。
「いやぁ、惜しいなぁ」としみじみ思うのは、素晴らしく完璧なお料理だったからです!いまだ舌の記憶が、喉の記憶が、胃袋の記憶が鮮明です。
これから、以下、記させて戴きますね。
清潔感のある、端正な佇まいの内装だ。凛とした気配が心地良い、そんな、こじんまりとした店内でした。6席のみのカウンター席。
お客さんはこの日、全員が男性でした。
席に着くと冷たいおしぼりを渡され、ひと息着くと、竹の器に入った、いかにも涼しげな飲み物を供されました。
○1品目 梅のソーダ割り
細かく砕かれた氷に微炭酸。甘さ控えめが嬉しい。胃の中がゆっくりと冷やされていくー。まさに、暑気払い。これから供されるご馳走の邪魔にならぬよう配慮された、それは素敵なおもてなしだ。
○2品目 胡麻豆腐オクラ載せ
香川産の胡麻を練り込んだ、ねっとりした味わいのお豆腐です。芳醇な味わい。胡麻の練り方が絶妙だ。
オクラはサッと湯掻いた、みずみずしい味わい。
この一品で期待値がグンと膨らんできました。
○3品目 煮炊いたタコの下に酢飯のシャリ
ワサビと山椒を効かせている。タコの旨みが口いっぱいに溢れた。兵庫の林崎産だそうだ。
私がタコに舌鼓を打っている目の前で、大きく丸々とした鮎を一尾づつ串刺ししている。
島根県高津川で採れた天然鮎。
それにしても身が福々と詰まった立派な鮎!
○4品目冬瓜(とうがん)の温かい汁物 茗荷とカラシ添え
煮立てた冬瓜から染み出したお汁がとても滋味深い。短冊状に細かく切った茗荷と合わさり、ピリッとしたアクセントが混じる。そこにカラシを絡め、これは大人たちにしかわからない、味わいですね。
○5品目 淡路島産ウニのワサビ添えにゼリー載せ
ウニの自然な甘みがゼリーと混じり合って、絶妙な味わいです。
赤ウニだそうです。
淡路島の由良で採れたとの話しでした。
ゼリーと混じり合うと、まるで淡路の海から採ったばかりのウニを食べているような錯覚を覚えました。
○6品目 鱧の湯引き 金沢産もずく添え
梅肉ポン酢とワサビに浸して
こちらも淡路島の由良で採れた鱧。梅肉ポン酢にひたして食します。
湯引きされたばかりの鱧はまだ温かく、ぷりぷりした食べ応え。
最前まで、客の目の前で鮮やかな包丁捌きで切り分けられていたものです。
鱧を切り分けていく包丁の音が、いつ聴いても心地良いですね。
米増の、自然の恵みを最大限に活かして調理する姿勢に、感服。
○7品目 鰹の藁焼き 鱧の卵を添えて
冬瓜を炊いた上に鰹を載せ、大根おろしとカラシも鰹に載せられていました。
藁焼きで焼かれた鰹は、大根おろしとカラシも混ざり、強く甘みが引き立っています。
小鉢に添えられた鱧の卵(初めて食べました)と、刻みきゅうりの相性が良く、旨さが格別に引き立ちます。
いやはや極楽!鰹は、宮城気仙沼で採れた天然モノ。
○8品目 鮎の塩焼き お酢と蓼(たで)の葉付け
高津川で採れた、大きな、大きな鮎。その身を、蓼の葉をすりこぎでこした汁(お酢入り)に浸しながら食べます。
本日のハイライト。
「鮎の塩焼きには、蓼酢」ということらしいのですが、私は初めて食べました。
ともかく丸々とした鮎。その身はぷりぷりとふくよかで味わいは格別!
「絶品!」以外に言葉はいらない!
○9品目 蜂蜜とレモンで炊いた無花果(イチジク)
箸休めです。
ハチミツとレモンで炊いたのに、しっかりと無花果の味わいがあります。今年食べた無花果の中でも最高の味わいでした。ちなみに、羽曳野(はびきの)産。
大阪の、この季節の無花果は、誠に美味い。
○10品目 お蕎麦
福井県産のそば粉。先ほどの、高津川の鮎の尾頭と骨で出汁をとった、お汁が、なんとも滋味深い味わいでした。蕎麦もしっかりとした喉越し。
○11品目 鰻の白焼きと湯葉のあんかけ
むちゃくちゃ美味しい!鰻は、茨城の霞ヶ浦で採れた天然モノだ。
あんかけは、瓜科のユウガオという、干瓢(かんぴょう)の材料になる瓜を使ったものだそうです。
あんかけ好きな私には、おかわりしたくなる、素晴らしさ。湯葉と鰻を一緒に食べるとたまらなく、ウマウマなのです。
○12品目 ご飯物 鯵の干物を焼いてほぐした身に、きゅうりを混ぜた、炊き込みご飯 お漬物 赤だし
さっぱりとしていながらも、鯵の美味しさが、だから際立ちますね。
おかわりして 冷や汁でも食べました。
大分の冷や汁を参考にした一品だそうです。
焼いた鯵の干物から小骨を丁寧に抜き出して、さらに細かくほぐした下拵えを、先ほど、目の前で見せられていたので、私も含め、お客さんは感心しきりでした。
食べ終わって、みなさん、冷や汁や温かい汁で「お代わり」を繰り返していました。たしかに食欲増進です。
○13品目 桃のかき氷
さっぱりとしたデザート。桃のシロップは使わず、桃だけのかき氷。桃の自然な甘さが引き立ちます。
○14品目 どら焼き あんこ+胡桃入り
こちらも、目の前で、どら焼きの皮を拵えてくれたので、出来立てホヤホヤ、熱々のどら焼きです!程よい甘さです。それにしても本当に手が込んでいますね。
○15品目 入れたてのお抹茶
料理長が一杯づつ、立ててくれました。これでお口の中はさっぱり!
少し渋みを抑えたお抹茶なので、これまた店の心遣いが伝わりました。
最後にどうしても記しておきたい事柄を。
おもてなしの心遣い、お客さんとの距離感が素晴らしいのです。出しゃばらず、馴れ合いはせず、驕らず、押し付けがましさもありません。
この“ほど“の良い接客がとても気持ちの良いお店なのです。
客前から厨房に退く際には、料理長もスタッフの方々も、お客さんに背を向けることなく、必ず、仕切りの暖簾を、後ずさりするように背中から厨房へと出入りしていました。
出来そうで、なかなか出来ない、ことではないでしょうか。
支払いは現金のみです。この日は、¥27,900(ノンアル+税+サービス料込み)でした。
長文にもかかわらず最後までお読みいただき、心より感謝いたします。