この口コミは、味の哲人 東西を行くさんが訪問した当時の主観的なご意見・ご感想です。
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昼の点数:4.0
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¥1,000~¥1,999 / 1人
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料理・味 -
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この辛味 この刺激 人生最高のおろしそば。
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これが素晴らしいおろしそばの全貌なのだ(二八の大盛り)
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白葱の横にあるのは辛味大根のかたまり。可愛らしいネ
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つゆをつけずに蕎麦とおろしだけでまずは食べます。
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他のお客さんは冷や汁そばを食べていました。
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そば湯の容器は今時珍しい正統派。嬉しくなる。
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そば湯をたっぷり2杯呑みました。美味しいよ。
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なにわ翁の店内。居心地良し!混雑時を外して大正解。
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店先です。ここから老松通りが1キロほどありますね。
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二八そばが1番だと思いますが、十割もやはり食べたい。
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2025/10/22 更新
京阪電車「なにわ橋」駅の改札を抜けて、1番出口から地上へと出る。
目の前には赤煉瓦造りの、大阪市公会堂がある。
さらに右手奥に見える、鉾流橋(ほこながし ばし)に沿って、土佐堀川を渡る。
橋を渡れば、すぐ右手には、天満警察署、左手には裁判所の大きな建物が見えてくる。
あとはこの通りを真っ直ぐ進むだけだ。
西天満四丁目の交差路に辿り着く。
左角を曲がれば、そこが、『なにわ翁(なにわおきな)』だ。なにわ橋駅から歩いて、7分ほどで辿り着く。
『なにわ翁』のある、北区西天満のこの界隈は、
「老松通り」(おいまつどおり)とも呼ばれ、古美術商や画廊などが軒を連ねるが、また個性豊かな飲食店の数が多いことでも知られている。
あまた新旧の店がある中でも、『なにわ翁』は、最古参と呼んでいいだろう。
難波からココ、西天満へと移転してからでも、75年は経っている。創業から数えれば、100年近くだ。
店構えは、しかし、決して入りにくくは無い。
やや高めのお値段を除けば(しかし、東京の名店と呼ばれる蕎麦屋に比べれば、とても良心的な価格)である。平日のお昼には土地柄もあってか、法曹関係の人達が、普段使いで集っていたりもするのだ。
店内に入った。
お昼の混雑どきを避けてやって来たので、席は空いていた。
「お好きな席へどうぞ」と女性店員の方に招じられ、それでもひとり客らしく、隅のほうへと座る、控えめな性分の私。
お品書きをみた。
「おろしそば(辛味大根)」(¥1,300)を、大盛り(1枚半)(+¥400)で頼んだ。シメて、¥1,700。
二八そばである。
十割へも変更できるのだが、ここは、二八にした。
そして、これが大正解なのでした。
しばしのち、運ばれてきた。
おしゃれで深い器に蕎麦が盛られている。
器の中を覗き見た。
瑞々しいツヤがある。茹で上げた蕎麦を冷水でキュッとシメて、いま供されたばかりの気配がある。
いわゆる更科系の、その系譜だとは思うのだが、とはいえ、それほど白くはない。「蕎麦色」も混じっている、独特の色つやなのだ。
別皿で添えられている、大根おろしは、雪玉のようにこんもりと盛られていた。刻んだ白葱も添えられている。
辛味大根のおろしが、これだけたっぷりと供されたのは、初めてだ。
なんだか、嬉しくなった。
まずは何もつけずに蕎麦を手繰る。
口中に入れる寸前に、蕎麦の香りが鼻をくすぐった。
噛み締めた。味わった。
喉を抜けて、胃袋へと蕎麦が達した。
(美味い!)胃袋から反射的に声が聞こえた。
辛味大根を掬って蕎麦に混ぜ、そのまま手繰った。
じゅうぶんに辛い。
思っていたよりも、はるかにピリッと辛口なのだ。
食べる前は少し油断していたのです、実は。
これだけのおろしの量を供されたので、案外、甘さも混じった大根ではないかと、たかを括っていたのだった。いやあ、実に、真っ当に、ちゃんと辛いのである。
で、いよいよ、そばつゆをどんぶりの中に少々注ぎ込む。いわゆるぶっかけそばの按配なのだ。
その独自の「おろしそば」の流儀が、斬新である。
このようなぶっかけスタイルで、おろしそばを戴くのは、ひょっとして、初めてかもしれない。
つゆは、しかし、少しずつ、入れて、蕎麦を浸し、また繰り返し入れ…そのようにして、食べ続けた。
蕎麦つゆは控えめな甘さと、ちょうど良い按配の、薄口なのである。“ほど良い“味わいだ。品格を感じさせるつゆ。
名残惜しくも、蕎麦はすべて消えてしまった。
そのタイミングをまるで計ったかのように、お姉さんがそば湯を持って来てくれた。
つゆだけではなく、
おろしを少量だけ残しておいたのだ。
このそば湯に入れたいがために。
蕎麦の器につゆを足して、さらにおろしを入れた。
そこへそば湯を注ぎ込んだ。
いいぞ。いいぞ。
ウマウマだ。口当たりヨシ。
毎度思うのだが、このそば湯を呑むために、私は蕎麦を食べ続けているのではないか、と。
『なにわ翁』のそば湯は、いわゆるトロリ系のそば湯ではありません。やや濁りのある、こちらもまた上品なそば湯なのでした。
午後の遅い時間のお昼ご飯でしたが、
大変、大変、美味しゅうございました。
長文にもかかわらず最後までお読みいただき、心より感謝いたします。