えむふらさんが投稿した出羽屋(山形/西川町その他)の口コミ詳細

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出羽屋西川町その他/郷土料理、そば、料理旅館

1

  • 夜の点数:5.0

    • ¥8,000~¥9,999 / 1人
      • 料理・味 -
      • |サービス -
      • |雰囲気 -
      • |CP -
      • |酒・ドリンク -
1回目

2025/04 訪問

  • 夜の点数:5.0

    • [ 料理・味-
    • | サービス-
    • | 雰囲気-
    • | CP-
    • | 酒・ドリンク-
    ¥8,000~¥9,999
    / 1人

山菜が極まる。人生最高の瞬間。

ずっと気になっていた出羽屋さんに!楽しみすぎてちゃんと事前に予約しておきました。蕎麦カテゴリにも属していますが、珍しい山菜専門料理のお宿です。宿泊せずともお食事はいただけます。蕎麦だけなら予約不要。1日昼夜1組限定シェフズテーブルは女将さん曰くもう年内埋まっているとか。グルメさん達の行動力はハンパないです。

私たちは2Fのお部屋で美味山菜コース(9品)を。ビジュアルは老舗旅館の和室といった感じ。畳の上で椅子に座りハイテーブルでご飯食べるの非日常感あってテンション上がりますよね。
現在4代目のシェフはまだお若く、しかしながら山菜へのアプローチは超一流。東京での修行を経て御実家の出羽屋さんへUターン。修行時代から起算して料理人歴は15年以上です。

地ビールの月山ビールを注文。お部屋の名前も月山(がっさん)だったので何かの運命でしょうか。嬉しい500mLビンです。ピルスナーなので料理の邪魔をしない何にでもあうビールです。
まずは、ふきのとうとむきそばのお吸い物。山奥で昔は米が取れない地域だったのでそばがらを米に見立てて食したんだとか。米のような糖度をわかりやすく感じるものではないですが、視覚と食感から祖先達の努力と継承の道筋がスッとお吸い物と共に身体に流れこんできたようで、とても味わい深かかったです。
次に、山菜9種盛り合わせ。こんなに山菜ってあるんだ!当たり前なんだけど。いざ目の当たりにすると驚きです。視覚的にも楽しめる素晴らしいお仕事。自分の好きな山菜が必ず見つかりそうです。私は「にりん草」が大変気に入りました。当該写真の右上角です。名前の由来は花が2つ咲くから。赤こごみの胡麻和えも私の好みどストレート。なんでもこの胡麻和えのレシピは代々女将から女将のみに伝承され、他の調理スタッフには一切知らされない門外不出の秘伝なんだとか。歴史を感じます。熊が冬眠から目覚めた時デトックスのために食べる山菜もあるよという、なんだかのどかな光景が目に浮かぶご説明もいただきました。この後もうこぎが沢山登場しましたので、今がシーズンのようですね。
山菜豆腐は、ぷるんぷるんなバディを箸で切り分けると外見からは想像できない緑色の内部が露出します。一体どれだけの山菜が練り込まれているんだ、そしてどうやって料理として成立させているんだと、考えれば考えるほど頭から山菜が生えてきそうな勢いです。
桜鱒の山菜味噌焼き。味噌に独活(うど)がご一緒してます。これがもう最高峰に美味しい。こうした白身魚の味噌焼きは日本海側の山あいの地域で郷土料理としてお見かけすることが多いですが、山菜にもしっかりフォーカスをあてつつ料理として一級で勝負する高みにまで昇華させている繊細な仕事っぷりに圧倒されます。この高次元な美味しさを100%形容できる的確な語彙を有していない自らの弱輩さを山菜でデトックスできることを最早至極と感じ始めています。桜鱒の処理と焼きも素晴らしいんですよ。たまらん。
じゃじゃん!名物の山菜鍋がお出まし。なんとびっくり出汁は醤油とお水だけで、油用に少し入っている鶏肉以外は全てキノコ類と山菜です。出羽屋さんは山菜鍋発祥のお店で、2代目からカレコレ80-90年提供している自慢の名物料理とのこと。山菜を収穫した方に申し訳ないので全部残さず食べようと、かといってお浸しは子供は苦手であるから、子供からお年寄りまで楽しめるようにと鍋に落ち着いたんだそうです。素敵ですね。これはもう正直食べていただくのが手っ取り早いかと。丁寧にお椀に盛り付けしていただき、まず出汁を一口飲んでそこで私の中で出羽屋さんに星5をつける決着がつきました。
本当に醤油と水だけなのか…???出汁で感動したのは某広島の水の魔術師が腕をふるう名店以来です。山菜とキノコも一つ一つに役割があるが如く、舌触り、味わい、食感、大きさと、まるで飽きることがありません。もう毎日山菜鍋でいい。ジャンキーな食事なんて要らない。解脱のすゝめはここにありました。申し分ない量がありますので1人あたり計3回くらいお椀一杯に食べれますがそれだけ食べても全く罪悪感がないし実際胃ももたれないのですよ。ビールが身体に親切な化合物に分解浄化されている気分で、良い意味でお酒が進まないです。
驚いている暇はありません。次の山菜の天ぷらも、衣の付け方、揚げ技術、高次元すぎます。都内にあったら余裕で予約困難店の天ぷら専門店になります。衣サクサクで、中の山菜は芯をのこした程よい水分量の調節。巧みすぎます。
小鉢の独活とうるいの梅肉和えはここにきてわかりやすくビールが進むフェイズでした。次の鴨のローストに至る舌の切り替えですね。鴨はやや厚切り。ロースト具合が程よくしつこくない噛み応えなので鴨を普段苦手とする方でもハマりそうです。付け合わせの山菜のサラダとのコンビネーションもまた最高です。一体出羽屋さんはどれだけのメインウェポンを保有しているのでしょうか。
食事はうこぎご飯か冷蕎麦かを選べます。うこぎご飯も食べたいですが、蕎麦好きとしてはやはり後者は外せません。山形のお蕎麦は一般的にやや硬く太いことが大きな特徴、コシの強さが魅力とされますが、まさにお手本のようなお蕎麦が登場しました。というかお蕎麦の量、コースの最後にこんなにいただいてよろしいんでしょうか、まるでアラカルトで単品注文したかのような。残量を気にすることなく豪快に啜っても良いなんて感動です。当然ながらお蕎麦だけ切り取ってもハイレベルでしたが、少し取っておいた山菜鍋とのタッグで幸福度が指数関数で鰻登りです。季節の甘味は、シーズンのイチゴと、これまた嗜好を凝らした、チーズケーキに独活を練り込んだ逸品。かなり好みでした。お土産に欲しい。蕎麦湯で割った蕎麦つゆのウケにも良く合いました。

大凡2時間強の筆舌に尽くしがたい体験。今度は宿泊込みでシェフズテーブルをぜひ楽しみたいと決意し帰路につきました。本当に素晴らしい時間でした。命ある限り今度でも訪れたい真の名店です。
ご馳走様でした。

2025/04/19 更新

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