森宮さんさんが投稿したドミニク・ブシェ トーキョー(東京/銀座一丁目)の口コミ詳細

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森宮さんの食べ道楽

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ドミニク・ブシェ トーキョー銀座一丁目、京橋、有楽町/フレンチ

1

  • 昼の点数:4.7

    • ¥15,000~¥19,999 / 1人
      • 料理・味 4.7
      • |サービス 4.7
      • |雰囲気 4.7
      • |CP 4.7
      • |酒・ドリンク -
1回目

2025/07 訪問

  • 昼の点数:4.7

    • [ 料理・味4.7
    • | サービス4.7
    • | 雰囲気4.7
    • | CP4.7
    • | 酒・ドリンク-
    ¥15,000~¥19,999
    / 1人

旬の恵みを、芸術に昇華する一皿、ドミニク・ブシェの世界

陽が真上に差す頃、銀座の歩道には春服を纏った人々が咲きこぼれるように溢れていた。満開の桜が舗道に花びらを落とすたび、風がそれを舞い上げていた。そんな穏やかな喧騒の中、銀座一丁目の裏路地を歩きはじめる。

銀座一丁目駅を出て、銀座レンガ通りを京橋方面に歩くこと1分。
8階建てのビルの2階に入るのがこちらのお店。

銀座の静かな路地に佇む「ドミニク・ブシェ トーキョー」は、パリの気品と和の静謐が調和するレストラン。
店内に入ると、重厚なインテリアと柔らかな照明が織りなす空間は、訪れる者を非日常へと誘う。2025年のミシュランガイド東京で一つ星を獲得し 、その実力は折り紙付き。シェフの伊藤翔氏は、伝統的なフランス料理を現代的な感性で再解釈し、季節の食材を巧みに取り入れた逸品を提供する。ソースの一滴に至るまで妥協なき美学が息づく料理は、まさに芸術品。五感を研ぎ澄ませ、特別な時間を味わいたくなる場所である。

昨年、同じく銀座にある「レ・コパン ドゥ ドミニク・ブシェ」を訪問させていただき、その素晴らさに感銘を受けた。
本日は以下のコースをいただいた。

●Generations<ランチ>

◇プティ・サレ
一皿の序章がこれほど雄弁とは。ニジマスのタルタルは、清流を思わせる清らかな余韻を残し、豚足とフォアグラのコロッケは、濃厚なコクとサクサクの衣で官能を誘う。まるで味覚で綴る三篇の短編小説。プティ・サレという名の、小さくも確かな衝撃だ。

◇アミューズ・ブーシュ
まるで春を層にして掬い上げたようなアミューズ。新玉ねぎのムースは甘く瑞々しく、アスパラガスの緑がその余韻に輪郭を与える。そして炭酸を含んだ泡状のクリームが舌の上で微かに弾け、遊び心と軽やかさを添える。仕上げにイカスミと新玉ねぎのチップスを砕けば、香ばしさが一閃。口内に立体的な春の景色が、音を立てて広がっていく。まさに、五感でほどく前菜の詩。

◇帆立貝とグレープフルーツのタルタル バジルのピューレ
帆立の甘みがグレープフルーツの酸味に優しく抱かれ、静かな対話を交わすようなタルタル。シソの花とレモンバームがその会話に涼風を差し込み、香りの余白まで計算され尽くしている。じゃがいものチップスは花弁のように繊細で、咀嚼のたびに穏やかな音を立てて寄り添う。周囲を彩るバジルとグレープフルーツのピューレは、味覚だけでなく視覚も虜にする。まさに、食卓に咲く初夏の一輪。

◇アイナメのヴァプール ブール・キャビア
ふっくらと蒸し上げられたアイナメは、身に甘みと艶を宿し、ブールブランソースの濃厚な酸味とキャビアの塩気がその輪郭をくっきりと際立たせる。ハナビラタケやスナップエンドウの歯ごたえ、ポワローネギのフリットの香ばしさが、優美な魚料理に奥行きを加える。ブロッコリーのピューレが春の大地を思わせる柔らかな彩りを添え、皿の上にひとつの風景が立ち上がる。味覚が旅する、静謐なる海と畑の物語。

◇プーレジョンヌと海老のムースのトゥルト ジュ・ド・ヴォライユ
しっとりと火入れされたプーレジョンヌは、とうもろこしの甘みを纏った淡いコクを纏い、エビのムースとちりめんキャベツが繊細に包み込む。パイの香ばしさが広がる瞬間、ジュ・ド・ヴォライユの濃厚な旨味が深く染みわたり、口内に贅沢な余韻を描く。モリーユ茸の芳醇さ、ビーツとパースニップのピューレの優しい甘み、ペコロスの中から現れるマッシュルームの香り――すべてが一つの舞台に集い、風味の重奏を奏でる。これは、食べるという行為が祝祭に変わる一皿だ。

◇シェフからの本日のオススメデザート
林檎のタルトタタンは、焦げたキャラメルのほろ苦さと、パリッとしたパートフィローの層が絶妙に絡み合い、濃厚なバニラアイスがその甘さを引き立てる。柚子とバニラのソースは、香り高いコントラストを生み、ひと口ごとに新たな発見がある。続いて、せとかのクレープは、チョコレートの深みとミルクソース、カラメルの香ばしさが心地よく重なり、柑橘のフレッシュな酸味が優しく包み込む。季節感を贅沢に楽しむ、まるで果樹園を訪れたような一皿だ。

◇ハーブティー 小菓子と共に
「ヴェルサイユの夜」と「ノエル ア パリ」のハーブティーは、まるで夢のように華やかな香りが広がり、心を静かに解きほぐす。一口サイズながら、オペラケーキの濃厚なチョコレートといちごタルトの瑞々しさが絶妙に調和し、優雅なひとときを演出する。食事の締めくくりとして、まさに至福のひととき。口に残る余韻が、幸せな満足感を深めていく。

店内を見渡すと、そこはまるでシェフのパリのアパルトマンの一室のようだった。所々に置かれた私物には、訪れる客をまるで自宅に招くかのような温かな気持ちが込められている。すべては「その日、その時」に、客が求めるものを全力で提供しようという、シェフの深い思いが伝わってくる。そんな空間で味わうフランス料理は、まさに一皿一皿が心を打つ素晴らしさだった。

帰りがけにはお土産もいただき、心から充実した時間であった。
是非また伺わせていただきます。
ご馳走様でした。

2025/07/09 更新

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