森宮さんさんが投稿した竹取物語(埼玉/浦山口)の口コミ詳細

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森宮さんの食べ道楽

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竹取物語浦山口/旅館・民宿

1

  • 夜の点数:4.7

      • 料理・味 4.6
      • |サービス 4.7
      • |雰囲気 4.8
      • |CP 4.6
      • |酒・ドリンク -
1回目

2025/10 訪問

  • 夜の点数:4.7

    • [ 料理・味4.6
    • | サービス4.7
    • | 雰囲気4.8
    • | CP4.6
    • | 酒・ドリンク-

秩父の自然と味わう、心解ける大人の隠れ宿

ここでの食卓は、山と川が育んだ地元の素材で紡がれる物語のようだ。夕餉には旬の10品の会席が並び、海のない土地ならではの味わいを静かに伝える。朝には土鍋ごはんと十種の手作りおかず、国際鑑定士が選んだスペシャルティコーヒーが目覚めを彩る。塩も砂糖も精製されない天然のものだけ。安心と優しさが口に広がる、心まで温める料理。秩父だからこそ生まれる、ここだけの味わいが、静かに訪れる者を包む。

●竹取さんちの夕食(グレードアップ会席)

◇前菜 季節の五種盛り盆
・鴨ロース燻製
・希少ヤマメ卵の軍艦
・ドライフルーツクリームチーズ
・竹取流みそポテト
・鶏肉のフルーツソースがけ

稲穂がそっと添えられた籠の中に、五彩の前菜が並ぶ。鴨ロース燻製は芳醇な香りが口内でほどけ、希少ヤマメ卵は濃厚な旨みが軍艦に潜む。ドライフルーツクリームチーズの甘酸っぱさが意表を突き、みそポテトは素朴さの中に奥行き、鶏のフルーツソースは軽やかに余韻を残す。五品が奏でる調和は、目と舌の両方を愉しませる、まさに竹取流の繊細な序章。

◇先附
・名物 くるみ豆腐
くるみの香ばしさと滑らかな舌触りが絶妙に絡む一品。甘さ控えめで奥行きある味わいは、前菜の余韻を引き締め、こちらならではの静かな驚きをもたらす。

◇焼物
・朝採れ虹鱒の塩焼き
身が締まり、塩の余韻がほのかに漂う。竹の器に盛られた姿も美しく、自然の香りと清冽な味わいが口中に静かに広がる逸品。

・自家製 香味味噌のオーブン焼き
香味味噌が野菜と鶏肉に奥深いコクを与え、オーブンで香ばしさが立つ。カボスの爽やかな酸が全体を引き締め、味覚に軽やかな余韻を残す一皿。

◇揚物
・水むらさんちのおだしで食べる揚げ出し豆腐 季節の野菜を添えて
揚げ出し豆腐は外は軽やか、中は滑らか。季節野菜と舞茸が香りを添え、澄んだ出汁が全体を優しく包み、口中で季節の風景が広がる一皿。

◇御凌
・手打ち田舎蕎麦
手打ちの田舎蕎麦は、粗挽きの粒感がしっかりと舌に残り、噛むたびに蕎麦本来の香りと甘みが立ち上がる。つゆに浸すと穏やかな旨味が絡み合い、素朴ながらも奥深い、秩父の風土を映した一口となる。

◇進肴
・和牛あぶり焼き
炙ることで脂の甘みが際立ち、口中でほろりとほどける。行者にんにくの香気とワサビの鮮烈な辛みが絶妙に寄り添い、一口ごとに味覚の緊張と解放を味わわせる、洗練された進肴の極み。

◇香物
・あるじ特製 ぬか漬け
大根、ナス、人参、カブがぬか床の深みで旨味を帯び、あるじ特製ならではの程よい酸味と塩気が舌を覚醒させる。素朴ながらも後を引く、静かに滋味深い香物。

◇御飯物
・旬食材の炊き込みご飯、お吸いもの
きのこの香りがふわりと立ち上る炊き込みご飯は、旬の旨味が米一粒一粒に染み渡り、噛むほどに奥行きが広がる。澄んだお吸いものが口中をすっと整え、豊かな山の恵みを静かに味わわせる、季節感溢れる締めの一膳。

◇甘味
・季節のデザート盛りあわせ
カボチャプリンの濃密な甘み、さつまいもシューのほっくり感、シャインマスカットと巨峰の瑞々しさが一皿で調和。季節を愛でるような、優雅で軽やかな甘味の饗宴。

●竹取さんちの朝食(600)
◇土鍋ご飯
◇汁物
◇自家製味噌に漬け込んだ虹鱒の焼きもの
◇きのこのマリネ
◇ブロッコリーと鶏肉のグラタン
◇だし巻き玉子
◇かぼちゃのサラダ
◇がんもどきの煮物
◇鶏ごぼう
◇小松菜のピーナッツ和え
◇しゃくし菜コロッケ
◇手作りピクルス
◇秩父こんにゃくのピリ辛炒め
◇カスピ海ヨーグルト

竹取物語の朝食は、目覚めた体と心を静かに呼び覚ます、秩父の朝そのもののような一膳だ。土鍋で炊かれたご飯は、粒立ちふっくらでほのかな甘みを帯び、湯気とともに米の香りが部屋に広がる。汁物の澄んだ旨味が口中をすっと整え、焼き虹鱒は自家製味噌の深みと脂の甘みが重なり、噛むたびにほのかな山の香りを漂わせる。きのこのマリネやブロッコリーと鶏のグラタン、かぼちゃのサラダなど、色とりどりの小皿がテーブルに並び、それぞれが控えめながら確かな存在感を放つ。だし巻き玉子はふわりと空気を含み、しゃくし菜コロッケやピリ辛こんにゃくはアクセントとして食欲を引き締める。手作りピクルスや小松菜のピーナッツ和えのさっぱり感が後味を爽やかに整え、カスピ海ヨーグルトが最後に優しく口を満たす。
ひとつひとつの品に宿る丁寧さと素材の息遣いが、秩父の朝の清冽さをそっと映し出す、心に残る朝食である。

・あるじが焼いたパン
・国際鑑定士が選んだスペシャルティコーヒー

食後、あるじが香ばしく焼き上げたパンと、国際コーヒー鑑定士の資格を持つ若女将が厳選し焙煎した深い香りのコーヒーを、大自然を望むテラスで口に運ぶ。朝の光と清冽な風が肌を撫で、ひと口ごとに心が満たされる。この瞬間、秩父の朝は静かに、しかし確かに、幸福で満ちていた。

前日の会席夕飯と言い、こだわりの朝食と言い。非の打ち所が本当にない。素晴らしい!

2025/10/20 更新

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