森宮さんさんが投稿した和匠 八仙(東京/新橋)の口コミ詳細

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森宮グルメ

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和匠 八仙新橋、内幸町、虎ノ門/日本料理、海鮮、居酒屋

1

  • 夜の点数:4.5

      • 料理・味 4.5
      • |サービス 4.5
      • |雰囲気 4.4
      • |CP 4.6
      • |酒・ドリンク -
1回目

2026/01 訪問

  • 夜の点数:4.5

    • [ 料理・味4.5
    • | サービス4.5
    • | 雰囲気4.4
    • | CP4.6
    • | 酒・ドリンク-

時間と組数を削ってまで届けたい、和食の真価!

成人式の日は、決まって空が澄む。祝日だというのに、新橋の夕方はいつも通りの顔を装っていた。ガラス張りのビルに冬の光が反射し、駅前を行き交う人波の中に、ときおり晴れ着の鮮やかな色が紛れ込む。その一瞬だけ、街が祝われていることを思い出す。

新橋の雑踏を背に、GEMS新橋のエレベーターを上がった先に「和匠 八仙」はある。そこは音を抑えた静かな世界。
料理を司るのは、銀座で研鑽を積んだ東山仙秋氏。新潟・糸魚川から届くのど黒をはじめ、旬の素材は過不足なく手を入れられ、輪郭のはっきりした味として皿に現れる。完全個室で供される一皿一皿に、料理人の矜持が滲む。選び抜かれた日本酒と向き合いながら、言葉少なに夜を過ごす。そんな使い方が自然と似合う店だった。

本日は以下のコースをいただいた。

●-響 KYOU -コース

このコースは、11月に静かに始まった。
銀座「日本料理むとう」で十年腕を磨いた東山氏とオーナーが、本格懐石をより手の届く範囲で味わってもらえないかと辿り着いた一つの答えだ。
本来二万円相当の内容を一万円に抑え、和食の奥行きをまず体験してほしい。その想いゆえ、提供は1日3組、16:30~または20:30~のみ。限られた時間にだけ結ばれる、慎ましい約束である。

◇先附
・蛸潮煮
やわらかく潮煮にされた蛸は、噛むほどに静かな旨みを解き放つ。その上に添えられたXO醤が、干し貝柱や香味の厚みを重ね、味わいに奥行きを与える。海の記憶と発酵のコクが交差し、この先の料理への期待を確かに底上げしてくれる。

・羽二重豆腐 生うに 
羽二重豆腐のなめらかな白に、生ウニの黄金色が静かに重なる。舌に触れた瞬間、豆腐の柔らかさがほどけ、続いてウニの甘みと海の気配が広がる。添えられたワサビが輪郭を引き締め、一皿を上質な会話へと導く。

◇椀
・清汁仕立 のどぐろ
澄んだ清汁に、のどぐろの旨みだけが静かに溶け込む。口に含めば脂の甘さは主張せず、上品なコクとして広がり、出汁の輪郭をそっと太くする。派手な演出を排した一椀だが、素材の格と仕事の確かさが、自然と伝わってくる。

◇造里
・伊勢海老姿盛りと本鮪(伊勢海老御一人様1尾づつ)
伊勢海老は姿のまま供され、その艶やかな身に箸を入れると、張りのある食感とともに甘みが立ち上がる。ひとり一尾という贅沢が、味覚より先に気持ちを解き放つ。一方の本鮪は、脂と赤身の均衡が見事で、口中で静かにほどけていく。豪奢でありながら騒がしくない盛り込みは、素材への自信の表れ。

◇八寸~豪華四季の宴~
・鰤の味噌幽庵焼き
・白子ポン酢
・たたみいわしのチーズ焼きと銀杏
・栗の甘煮
・自家製の明太カラスミ
・ズワイガニのカニ味噌和え

八寸は、供された瞬間から視線を奪う。顔ほどもある柚子の蓋を外すと、湯気とともに現れる鰤の味噌幽庵焼き。柚子の香がほのかに移り、脂の乗った身を軽やかに仕立てている。白子ポン酢は艶やかで、酸が輪郭を与え、たたみいわしのチーズ焼きと銀杏が香ばしさで場を和ませる。栗の甘煮で緩急をつけ、自家製の明太カラスミが旨みの密度を高める。締めはズワイガニの身に絡む濃いカニ味噌。豪奢さの裏に計算が行き届いた、完成度の高い八寸。

◇食事
・すっぽん雑炊玉地蒸し
すっぽんの旨みを余すことなく引き出した雑炊に、玉地蒸しのなめらかさが重なる。ひと匙ごとに、滋養の深さではなく、澄んだコクが静かに広がり、身体の内側へと染み渡っていく感覚がある。強さで押すのではなく、時間をかけて整えられた味。食事の締めにふさわしい、落ち着いた説得力を備えた一椀。

◇香物
・三種盛り
ごぼうの歯切れと白菜の瑞々しさが、すっぽん雑炊の旨みを静かに受け止める。主張は控えめだが、口中を整え、最後の一口まで流れを崩さない名脇役だ。

◇水菓子
・水菓子 季節の果実
最後の甘味の潔さが印象に残る。苺は手を加えず、噛めば果汁と酸味が素直に弾ける。嶺岡豆腐と餡子を挟んだ最中は、乳のコクと小豆の甘みが重なり、香ばしい皮が全体をまとめる。温かいお茶を含めば甘みは穏やかにほどけ、食事の幕引きとして申し分ない余韻を残す。

店を出ると、祝日の新橋は拍子抜けするほど静かだった。昼の名残を引きずる街灯が、舗道に淡い影を落とす。腹の奥に残る料理の記憶が、歩幅を自然と整えていく。シャッターの下りた店先を抜け、駅とは反対の路地へ曲がると、街はもう何も語らない。ただ足音だけが、夜に溶けていった。
是非また伺わせていただきます。ご馳走様でした。

2026/02/09 更新

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