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昼の点数:3.6
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like a flower petal
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2021/06/20 更新
天候良く日向を歩くと少し汗ばむような平日午前。
わたしは森を歩いている。
横に見える新宿御苑は絶賛臨時閉園中で、中で咲き誇る花の数々は人目につくことなくその花弁が枯れ落ち、そしてまた別の花が開いているのであろう。
美しく咲く花々見たさに人が集まることを危惧して、閉鎖できない土地では草花が刈り取られていると聞く。
「今年は仕方がない」
「また来年」
心では理解するように努めても、咲き誇るのが「今」しかない者があるとしたら、その無念はどこに向かえばよいのであろうか。
事前に営業していると知り訪れたこちらのお店。
この後の予定も考えてごく軽くコーヒーとサンドイッチをと考えていたのだが、店内に立ち込めるオイリーな香りや、同行者の物欲しげな表情にノンアルへの心折れたわたしは赤ワイン、同行者は白ワインを注文する。
先客ゼロ、後にも店内飲食の客はいなかったが、Uber eatsとテイクアウト客が訪れていた。
頼んだものはフィッシュサンドとチキンカツサンド。どちらもオーダーしてから揚げたてのものをサンドしてくれる。サンドイッチ店であるのに店内の油臭さにはじめは意外だなぁと思ったけれど、揚げたてなら当然である。
「シェアしますか?」と聞かれてそうお願いすると、半分にカットされたそれぞれのサンドイッチをひとつずつ皿に乗せて提供してくれたので親切だなぁと思う。
サンドイッチは野菜たっぷりで、ぎぅと潰して大きく口をあけてかじるタイプ。
野菜がシャキシャキして、カツはザクザクして、食べにくいけれどすごくおいしい。
真剣に食べていると唇やそのまわりに色々ついてしまって、汚れた口元を見られるのが恥ずかしいので、目の前で食べている人に
「見ないでね」
と言うと、
「見ていないよ」
と答える。
でも、わたしは心の中で考える。
本当は普段のわたしでも、どんなわたしでも、わたしが貴方の目の前にいる時は、いつもその目で穴が開いてしまうほどわたしを見つめて欲しいと。
わたしの汚れた唇も、それ以外のすべても。
目の前の人は、そんなわたしの思いには全く気が付かない風にして、サンドイッチを食べている。