2回
2024/09 訪問
日本酒とフレンチの至高のマリアージュ
我が国を代表する歓楽街、北新地のビルの3F。
華美すぎない、上品な佇まい。
席数は8席。席間は程よい広さで、落ち着いて食事が楽しめる。
料理の種類はフレンチ。一皿ごとに一種類(時折飲み比べで複数出てくることもあるが)日本酒が提供される。
その品質は、私が知りうる他の店とは明らかに一線を画した、極めて高レベルなもの。
料理は、旬のとりわけ上質な食材を調達し、ワンオペながら巧みに調理しており、大変美味い。
特に素晴らしいのが、それらの料理と共に供される日本酒の選択だ。
個々の日本酒の違いは、作り手や米の影響が大きいのは当然だが、提供する温度の微妙な違い、熟成度と、こだわればこだわるほどに、選択肢は膨大になる。
そうした中から、長年の経験で磨き抜かれた鋭い感性と蓄積された豊かな知識で、一皿の料理ごとに提供するべき酒の種類と状態を選んでいる。
そのマリアージュは、「素晴らしい」としか言いようがない。時に「美味い」と声に出さずにはいられないことすらある。
なかでも、何年か前に出された、二左衛門の4年熟成と鰻の組み合わせは、至高のマリアージュで、その味は今も舌に残る。(もちろん「美味い!」と絶叫した)
そもそも、銘酒・二左衛門を熟成させるという発想を持つ人がいるだろうか。
今回は予算の都合で、初めて最も安いコースを注文したが、それでも心に残るマリアージュが多かった。
特に、フォアグラとボルチーニソースにヨーグルト風味の日本酒のマリアージュはさすがであった。
酒の点数は、いつもの超プレミアムで5点とすると、今回は最安値コースなので、まあ、この程度かな、という点とした。それでも5点評価をしたくなるのだが。
なお、会員制なので、何かと面倒な店と想像する方がおられるかもしれないが、それは全くの杞憂である。
極めて居心地が良い。
2024/12/05 更新
我が国最大の繁華街の一つ、大阪北新地・堂島上通沿いのビルの三階にある。
今回は、久々に超プレミアムコースを注文。
素材を最高に生かした料理、そしてそれに呼応する最高級の日本酒を飲める日本酒好きにはたまらないコースだ。
この店の夏の料理の特筆すべきは、「酸」。
これが軸を作り、オクラ、とうもろこし、蕪、金目鯛、ズッキーニ、等々、食材の旨味を最大限に引き出している。
料理も素晴らしいが、この日何より驚嘆したのは、酒のラインナップ。
十四代中取り超極に始まり、手取川万華鏡、仙禽醸、作大智、而今特等雄町、ソガペールエフィスRIZ A SAKE NATURAL、菊姫菊理娘、黒龍二左衛門、黒龍石田屋、新政紫八咫、作コンセントレーション。最後の酒を除き、軽く一万円超えているものばかり。
無論、料理と酒が美味いだけではない。
果物のジュレに、十四代中取り超極といったペアリングの技術も筆舌に尽くし難い。
これ以上に素晴らしい店があるだろうか。
また伺います。