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鹿のコンソメ ラサ
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看板
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階段を上がって2階へ
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本日のメニュー
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KIUS BRUT
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アレパ ペリコ
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根セロリ 雲丹
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アボカド 生ハムのブルスケッタ
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5種類のパン
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蛸 ジャガ①
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蛸 ジャガ②
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MINAIA GAVI 2022
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白子 ウイキョウ ポレンタ
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白子 ウイキョウ ポレンタ
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SAGONA
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鹿のコンソメ ラサ
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リングイネ ムール貝 グアサカカ
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アニョロッティ ダル プリン
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プチパン
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Schiopetto Collio
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キアニーナ牛のロースト バナナの葉の香り
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キアニーナ牛のロースト
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チョコレートテリーヌ パッションフルーツ チェリモヤのブリュレ
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小菓子 ブリデガイロ
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【unito/東京 中目黒】¥17,600
@unito_tokyo
@okano2025
日曜日の夜に訪問。
中目黒駅から目黒川沿いを歩くこと約5分、階段を上がった2階にある。店内は白を基調としており、芸術的な曲線と大きな窓が縁取る風景はまるで壁画のよう。春には満開のソメイヨシノを望む。都会の喧騒から離れ、静謐な空間で優雅なひとときを楽しむことができる。
シェフ岡野健介氏は南米ベネズエラ出身、神奈川育ちという珍しいご略歴の持ち主。
2001年に調理師専門学校を卒業後、三軒茶屋「ペペロッソ」で6年半、2007年東銀座「バッフォ」で4年修行。2011年からイタリアに渡り、トリノの一つ星「Ristorante La Barrique」で4年半、2013年から同店でスーシェフを務め上げた。2016年に帰国してから、中目黒「Ristorante Cascina Canamilla」でシェフを務め、2017年同店の経営譲渡を受けてオーナーシェフに。
2024年3月中目黒で長きに渡り愛されてきた同店の名を「unito」にリニューアル。ベネズエラで幼少期を過ごした岡野シェフが南米の食材をエッセンスに、卓越した技術とアイデアで新たな皿を創り上げる。
[unito]とは「つなぐ」という意味。
イタリアの郷土料理を地盤とし、伝統的な技法を用いて日本の旬な食材を扱い、南米の遊び心を加えた、非常に独創的な美食を楽しむことができる。
岡野シェフは雑誌「料理王国」の取材でこう語っている。
向き合っていることは「イタリアにしかない美味しさ」と「今までにない美味しさ」の両軸。自分らしいバランスの取れた料理を追い求め、人の心に突き刺さる料理とは何かを掘り下げていきたい。雑誌ではイタリアで入手したトリュフケースとスライサーを手にしており、日本に帰国したら白トリュフを削れるようなレストランで仕事をする、と決意して購入したものだそう。まさに『伝統』と『創造』の融合を追求する食の探究者だ。
~総評~
今まで味わったどのイタリアンとも一線を画す、斬新で唯一無二、素晴らしい料理の数々であった。スタッフの方々がとても丁寧でホスピタリティに溢れ、一つ一つの料理に対して深い知識と理解をお持ちであることがよく伝わってきて、大変心地よいサービスであった。身体中の全細胞が旨いと騒ぎ、全身に気が巡り、心が満たされ、感動した。この店、この味、この瞬間に出会うことができて本当に良かった。食材の背景や調理のストーリーが料理に感じられ、一皿ごとにシェフの創造力と情熱、感情が込められていることが強く伝わってきた。最後に岡野シェフ自らご挨拶にお越しくださり、その点も含めて非常に満足度が高い。ごちそうさまでした。
~本日いただいたもの~
◆Inizio
・アレパ ペリコ
→「アレパ」とはすり潰したトウモロコシから作る伝統的な薄焼きパンのことで、ベネズエラの国民食だそう。日本でいうところの“おにぎり”のような立ち位置。中に挟むものを変えて、昼食や夕方のおやつなど様々な時間帯に食されている。焼いたり揚げたりと調理方法も様々。
また「ペリコ」とはカラフルなオウムの目元にちなんで黄色い黄身と赤いパプリカなどで作ったスクランブルエッグのようなものらしい。今回はペリコをアレパで包み、カラッと揚げたサクサクな春巻きのようなフィンガーフードをいただいた。丸太のようなお皿の中には炒られたトウモロコシの粒がたくさん入っていて面白かった。美味。
・根セロリ 雲丹
→根セロリのムースが雲丹に被せられている。口溶けは滑らかに、味は濃密に、風味は爽やかに。ムースと雲丹のそれぞれ異なる滑らかな食感、濃厚な旨みが相乗効果を生んでいる。美味。
・アボカド 生ハムのブルスケッタ
アボカド、トマト、キュウリを細かく角切りにしてオリーブオイルで和えたものを、カリッと焼き上げたパンに乗せ、生ハムで蓋をする。野菜たちと生ハムが持つそれぞれの食感と味覚、香りがうまく纏まり、口の中で踊り出す。美味。
・様々なパン
→5種類の様々なパンを楽しめる。各種料理に合わせるもよし、そのまま小麦の風味と味覚を楽しむもよし。
◆Antipasti
・蛸 ジャガ①
→サッと炒めた水蛸とプンタレッラ(イタリア発チコリーの仲間)、ジャガイモのピューレ。レッドオニオンのピクルス、セロリ、エディブルフラワーなどがお皿を飾る。水だこはプリプリして歯切れがよく、ローズマリーで香り付けすることでスッキリとした印象に。ジャガイモの滑らかなピューレの甘さと濃厚な食感が絶妙。美味。
・蛸 ジャガ②
→蛸とジャガイモのローストをマリネ。蛸はボイル、ジャガイモはじっくりと蒸し焼きにしており、噛むと旨みが溢れてくる。ジャガイモはホクホクで甘みを感じる。外を軽くローストしており、焼き目が香ばしい。ムースがこれらに繋がりと一体感を生み、スパイスとハーブの香りが鼻に抜ける。本来出会うはずのない海と畑の食材たちが皿の上で出会い、意外なペアが新しい可能性を感じさせる。同じ食材を使い、全く異なるアプローチで調理することにより、食材の持つ魅力を存分に味わうことができる。美味。
・白子 ウイキョウ ポレンタ
→トウモロコシの皮だろうか、に包まれて登場、粽(ちまき)のような印象を受けた。紐を引くと包みが大きく開き、閉じ込められていた香りが一気に広がる。白子は熱々でプリプリ、芳醇で濃厚。茴香(ウイキョウ)のソースは芳香があり、様々なスパイスを組み合わせることで白子の濃厚な旨みに拍車をかける。ポレンタ、とはトウモロコシを乾燥させて挽き割りにしてから煮込み、トロミを出したもので、カリカリになるまでローストしてチップにしている。様々な食感、味、香りが融合し、お互いを高め合い、ゲストに新たな出会いと発見を与えている。まさに[unito]=「つなぐ」が具現化されている。岡野シェフが掲げるイメージを体現した素晴らしい一皿。非常に美味。
・鹿のコンソメ ラサ
→記憶に深く刻み込まれた超逸品。目の前で熱々のコンソメが注がれる。注がれた瞬間、コンソメとトリュフの芳醇な香りが鼻から脳裏まで一気に突き抜けていく。透き通ったコンソメそれ自体が美麗で見るものに感動すら与える。岡野シェフの途方もない努力の結晶を懸命に感じ取る。コンソメを一口喰むと脳裏に野山で鹿が走る情景が浮かび、その血湧き肉躍る野生が数多の人手を経て自らの元に遥々やってきた、その遠い遠い旅路に想いを馳せざるを得ない。料理の背景を強く実感できた。次にほうれん草の包みを開くと中からラサが顔を出す。ラサとは、北イタリアの郷土料理で、ジャガイモを練り込んだ生パスタ生地をチーズの卸金で削り出して作る、手打ちならではの不揃いな粒々感とクニュッとした弾力が特徴的なパスタを指す。不揃い故にコンソメスープとよく絡み、独特の食感を添える。最後の一滴まで飲み干し、余韻に浸る。非常に美味。
この一皿に出会うために訪れる価値がある。骨の髄まで旨さが沁みた。ここまで感動したのは久しぶりで、本当に嬉しかった。あまりの美味しさにスタッフに感謝感激したことを伝えずにはいられなかった。
◆Primi piatti
・リングイネ ムール貝(モンサンミッシェル産) グアサカカ
→アルデンテに茹でられたリングイネ(平たく断面が楕円形)とムール貝の旨みがよく絡み、相性が良い。上に添えられているのはグアサカカ(Guasacaca)というベネズエラの郷土料理によく用いられるソースで、アボカドのクリーミーさをベースに、ハーブの風味、ライムの酸味、ビネガーとニンニクなどを組み合わせたものだ。美味。
・アニョロッティ ダル プリン
→スペシャリテの自家製ラビオリ。鳥のブロードと柔らかくした野菜、鳥のほぐし身など15種類以上の具材を滑らかなペーストにして、極薄の生地で包んでいる。卵黄だけを用いた生地は薄く薄く伸ばし、パスタマシーンの目盛り“0”の向こう側まで薄く伸ばしている。そんな超極薄のため30秒前後で茹で上げるそう。濃厚なバターソースを絡めていただく。とても口溶けがよく、まるで飲み物のような感覚。非常に美味。
イタリア・トリノで修行していた時は、肉と野菜数種を詰めたラビオリを茹でてバターソースに絡め、パルミジャーノを削るものであった。しかし、イタリアで使用していたバターが日本の軟水と相性が悪く、試行錯誤の末に生クリームからバターを手作りして満足に足る味を完成させる。食材だけではなく、日本の軟水に対する茹で時間から全て見直した結果辿り着いた境地である。
◆Secondo piatto
・キアニーナ牛のロースト バナナの葉の香り
→イタリアから仕入れて、熟成肉に仕上げる。完璧な火入れにより断面のきめ細かさが際立ち、見た目がすでに芸術的。バナナの葉を燻製して爽やかでトロピカルな香りを纏わせる。脂肪が少なく軟らかいキアニーナ牛の肉の旨みを楽しむことができた。素材の良さを磨き上げ、存分に活かしている。非常に美味。
イタリア最高峰ブランド牛『La Chianina(キアニーナ)』は太古から存在するイタリア在来種で、全ての牛の祖先と言われる世界最大級の牛である。San Giobbe(サンジョッべ)社から入荷しているテンダーロインヒレ(フィレ)は日本でunitoだけ。ひと月の入荷量が限られているため、なくなり次第その月は終了となってしまうのでお早めに。
余談だが、熱々の圧力鍋を敷く鍋敷きは、前店(Ristrante Cascina Canamilla)のロゴをゲストが作成してプレゼントされたものだそう。どうやらマンホールや特殊な鉄板鍋を作る職人さんだったようで、ゲストに愛されているのが伝わってくるエピソードが聞けた。
◆Dolce
・チョコレートテリーヌ パッションフルーツ チェリモヤのブリュレ
→ねっとりしたテリーヌを、パッションフルーツのソースでいただく。ソースはパッションフルーツの皮を器として用いており、表面がキャラメリゼされ、中には世界三大美果で名高いチェリモヤとパッションフルーツの種。酸味と甘味、芳醇な香りが相乗効果を生む。美味。
◆Caffe e piccola pasticceria
・食後の飲み物 小菓子
→ブリデガイロと呼ばれる南米で誕生日パーティーや結婚式などの祝い事に欠かせないスイーツをメインに添えている。生キャラメルのような濃厚でねっとりした食感と甘さが特徴。ピンでパクッと一口にいただく。
◆Drink
・KIUS BRUT
→スパークリング。フルーティーでドライながら果実味がしっかりあり、爽やかさを感じさせる酸味。
・MINAIA GAVI 2022
→白。輝きのある麦藁色、濃厚かつ繊細でフルーティーな青りんごやトロピカルフルーツ、アカシアの花の香り。しっかりとしたボディで調和の取れた持続性のある味わい。
・SAGONA
→白。ミネラル感と綺麗な酸、そして素朴な旨味が特徴。
・Schipetto Collio Friulano
→ 白。非常に複雑で、凝縮感がある。オイリーさや濃厚さがありながら、重くならず、酸とミネラルのバランスが完璧。ドライなフィニッシュ。