4回
2021/09 訪問
秋味満喫
再訪。
曙橋にある和食屋。このエリア、実はかなり飲食店が充実していたりする。特に和食屋に関してはかなりの激戦区。その和食激戦区の中の一軒だ。
近頃流行りの 一斉スタート&全客にお料理同時提供&劇場型&ピンネタ勢揃い……のような店でわありません。そういうのがお好きな方は他店へ行かれたほうがよろしいでしょう。
ですが、小柴さんのお料理の味はたいへん好感の持てる仕上がり。おそらくは技術が高いのでしょう。旬の素材に少し手を加えて 見た目にも楽しく かつ食べて美味しいお料理を次々と繰り出してきます。
コース価格が近年の和食の中でわ控えめ(税 サ込みで18500円)という事もあり、食材的には やや不利のハズなのですが、コースの中のここぞ❗️というトコには凄く良い食材を用いるため コース完食後の満足度はすこぶる高い。この日であれば 松茸がまさにそうした使い方をされてました。 こういったコース構成の巧みさも小柴さんの魅力のひとつ。
味付けに関しても私の好み。出汁にしてもそうですが、一口目は「薄い?」と勘違いしさうになりますが 一つのお料理を食べ終わる頃には「美味しい♪」と思わず言葉が漏れるよな塩梅に仕上げてあります。特に椀は その特徴が明確に現れています。この 飲み終わりの余韻が徐々に消えていくよな味の椀、大好きだなぁ。
お料理は全て ご主人である小柴さんがお一人で作ってるとか。マジすか? 人件費を極力抑えてるから このコース価格で あれだけ満足度の高いお料理を提供できているのですね。小柴さんの こうした努力にはホント 頭が下がりますm(_ _)m
配膳担当女性が一人いるとはいえ、たった二人での営業ですので席数はおのずと少ない。テーブル席も設置されてはいますが、現在は使っていないとか。カウンター席は僅か6席。ですが、席数少ないからこそ ご主人の目が隅々まで行き届いているやうで お客さん一人一人をきちんと見た丁寧な対応をしてくださいます。料理提供も客の食べるペースを見切って それに合わせてくれてます。全てのお料理を一人で作りながらの このカウンター内での客捌き。まさに手練。おかげで とてもリラックスして食事できます。この雰囲気も小柴さんの魅力ですね。
コース内に選択制の品があるのも楽しい。今回も 焼き物と食事の選択肢に頭を抱えました(笑) 選ぶのたいへんだから2つ頼む!とか いつかやってやろうかしら?
食後は小柴さん自らが一階までおりてきてのお見送り。 今回も とても良い食事の時間を過ごせました。また違う季節のお料理を食べに寄らせてもらいます。
お料理の内容に関しては画像を参照してください。
小原木:新イクラ カマス 松茸 茄子 菊菜。これだけ色々と重ねてあるのに 味が散漫にならないあたりは技術なのかセンスなのか… しょっぱなから秋の味覚てんこ盛り(^_^)
白ダツ 海老しんじょ 葛餡かけ。海老しんじょはつなぎまで海老を用いていて むっちゃ海老味。ダツは小柴さんの 穏やかな出汁をじっくり吸わせてあり、しみじみ旨い。やっぱ小柴さんの出汁は大好きだわ。
変わった形の椀は だるま椀と言うさうです。
青森のヒラメ。正直、これは凡庸でした。
鰆の燻製。辛子醤油で食べるのですが、これは相当 旨かった♪ 前回のイサキもだが、小柴さんのお造りは 少し手を加えた品のほうが好きかも。
黒ムツと松茸の椀。 出汁そのものは今回も淡くひいてはあるのだが、具材と合わせる事でその真価を発揮する。出汁を飲み終わったあとの、余韻が 徐々に消えていく感じがたまらなく好き。松茸も良い品を使ってます
天然(!)舞茸天ぷら&メヒカリ豊年揚げ。メヒカリの衣の食感が なんとも心地好い。 舞茸の香りの良さは天然ならでわ。
中秋の名月が近いという事で、揚げた里芋を月に見立てたお月見モチーフの八寸。ウサギの器が可愛い❤️ 一品一品、丁寧に作られていて派手さはありませんが なんとも美味。 てかホウズキ、凄いな(笑)
ウサギの中は 湯葉 甘エビ キャビア
選択制の焼き物は クエの味噌漬け。これ……ズルいぐらい旨いわ。きっちり脱水して クエの旨味をしっかり凝縮させてます。これで白飯 食いてぇ。
甘鯛と すりおろした蓮根の蒸し物。
選択制の食事は 秋鮭の炊き込み御飯をチョイス。たっぷりのイクラを乗せてくれるのはお約束ですが、そりゃあ旨いよね(о´∀`о)
見ただけで旨い
無花果&シャインマスカットのプルーン寄せ。美味しいけど、これは完全に洋だな。
2021/12/04 更新
2021/06 訪問
通います
再訪。
2021年食べログアワードシルバー受賞。
何の変哲もないマンションの二階という立地からは 平凡な店のように思ってしまいがちだが、実は凄い実力の和食屋だったりする。料理の写真を撮るのはOKだが撮影に関するローカルルールあり(撮影許可をもらってから。無音撮影で料理のみ撮影可。人物 店内撮影不可)。
前回訪問時、帰りの電車内で「次回の小柴はいつにする?」なんて会話をしていたぐらい お料理の味がストライクだったので、さっそく次の月に予約を入れた。予約は二名縛りのようなので、今回も二人での訪問となった。
訪問日、この日はカウンターに空席あり。また開始時間が早めだったこともあり途中までは我々の貸し切り状態。そのためか店主さんと料理について いくつか話が出来たのは非常に勉強になった。わりと寡黙な人かと思っていたが、料理の話になるとけっこう色々と聞かせてくれるのですね。
お料理は前回同様に18500円のコース。
品数は前回と同じだが、夏が近くなり私の好きな食材達(鱧 茄子 鮎 玉蜀黍 鮑 マンゴー)が並んだため 食後の満足感は前回を上回った。もちろん、いかに好物食材といえど単に並べただけでは あれほどの満足感は得られない。
好物食材達に小柴さん流の仕事を施す事で極上の夏の味覚へと仕立てあげていた。
店主おまかせコース(18500円×2)
澤屋まつもと 一合(私)
ゆるやか 一合(私)
水出し玉露(同行者)
会計41000円ほど。
一品目:蒸し鮑 生雲丹 出汁ジュレ 肝ソース。鮑の蒸し加減がちょうど良く、適度な食感と香りが楽しめる。雲丹や肝ソースと合わせると 最初っから酒が進んで困ります。
二品目:鱧押し寿司。つけ焼きにした鱧は それだけでもエース級の旨さですが 更に酢飯が合わさった旨さたるや♪ この季節に小柴さんへ来て良かったと思える一品です。
三品目:金目鯛 原木椎茸 茄子 冬瓜の椀。最初に出汁を一口飲むと 淡く感じるが、金目鯛の脂や椎茸の出汁が滲み出てくるとちょうど良くなる塩梅は先月同様。この味構成は 個人的に超絶好み。金目鯛の脂と出汁を吸った茄子の旨さには思わず笑ってしまう。
四品目:マコガレイお造り。あん肝も添えてあります。ポン酢か 梅醤油 お好きな方で。このカレイは正直 イマイチだったかな。
五品目:イサキお造り。先月 感激したイサキ登場。やはり抜群に旨い!つい先日、近くの某店で食べたイサキとはまるで別の魚のようだ。また調味料が先月とは異なる 黄身入り胡麻だれになってましたが、この胡麻だれとイサキが呆れるぐらいに良く合ってました。
六品目:鮎揚げ焼き。天竜川の天然鮎を焼いてから揚げるという独特の調理法で。この鮎がまた凄く旨い。ワタのところの風味の豊かさは天然だからかと思っていたのだが、実はそれだけでわなかった。
骨まで食べれるよに焼くスタイルだと香ばしさは楽しめるが 身のしなやかな食感やワタの香りは失われてしまう。そこで小柴さんでわ 焼き時間を少なくしてワタの香りや身の食感も楽しめるように。だが そのままだと骨が固くて食えないので骨を柔らかくするため油で揚げる。油が骨に当たるように鮎の口を開いているのだとか。
添えてあるのは蓼酢と思いきや、クレソン酢。これが意外な事に鮎と合うのだよ。
七品目:トリガイ石焼き。かなり立派なトリガイを石焼きにして 肝醤油で。あかん❗️酒を飲むペースが狂いまくりだwww
八品目:八寸。やはり派手さはないが しみじみ旨い奴ら。海老黒糖煮や卵黄醤油漬けといった何でもなさそな品が妙に旨いのは仕事の丁寧さの現れだらう。
九品目:スッポン炭火焼き。焼き物は選択制。この日の選択肢は スッポン マナガツオ 太刀魚 鰻という非常に難しい四択問題……って先月より選択肢ふえてやがるし。
頑張って選んだスッポンが これまた素晴らしい旨さ。特にゼラチン質の部分にタレが絡んで香ばしくなったトコの旨さたるや……ヤバい、夢に出てきそう(苦笑)
骨から身がスルッと取れるあたり、これも何か一仕事してあるんだらうな。ぶっちゃけこのスッポンは 銀座某店よりずっと旨かったです。
10品目:鱧 タマネギ餡かけ。蒸し物で鱧再登場。鱧そのものの味も かなりしっかりしてる上物だが、合わせるタマネギ餡がまた秀逸。タマネギ本来の柔らかな甘さの餡は鱧の旨味を一切邪魔せずに引き立てる名女房役。
食事:玉蜀黍ご飯。食事も選択制。この日の選択肢は 親子丼 白飯&おかず 玉蜀黍ご飯 の三択問題。玉蜀黍は大好きな食材なので今回は即決だった。
で、この玉蜀黍ご飯が また絶品だった。
飯と炊いたハズなのに玉蜀黍の食感や甘い香りがイキイキしているのだ。これも何か一仕事してあるな……と思い、聞いてみた。
玉蜀黍は飯と一緒には炊かない。
玉蜀黍は焼き玉蜀黍にして、昆布&塩で炊いたご飯に後から投入してるんだとか。なるほど、だうりで玉蜀黍の香りがやたらと良かったワケだ。
玉蜀黍の他には何も入っていない糞シンプルな炊き込み御飯なんだが、これがメチャクチャ旨い!塩と昆布は言われないとわからないぐらい淡いのだが、その僅かな味が玉蜀黍の甘さを引き立てているのだらう。これだけ玉蜀黍が旨いと 他の具材なぞ邪魔なだけだ。旬の玉蜀黍の旨さをとことん楽しめる極上ご飯でこの日の気分も最高潮に♪
もちろん土鍋は空っぽにしましたよ(^_^)
甘味:宮崎マンゴー ヨーグルトソース パッションフルーツ。これまた旬の果実、マンゴー登場。甘~~い(о´∀`о)
マンゴーて美味しいけど、食べた後に青臭さが残りがち。その青臭さをパッションフルーツとヨーグルトで消してるのは巧みですね。
今回も素晴らしかったです。前回訪問から僅か1ヶ月後に再訪したのに これだけ感激できるってのは本当に凄い事。お料理の味が私の好みにドンピシャってだけでも嬉しいのに、店の雰囲気も良いし、感染対策はバッチリだし、お値段もさほど高くない。
こうゆう店には通うしかないわな。次回、秋の食材が出始めた頃にまた訪問させてもらいます。
前回以上にお料理が良かったので評価少し上げました。一人予約が難しいのだけが難点ね。
鮑 雲丹。出汁ジュレの味がなんとも穏やかなのが特徴。美味しいなぁ。
鱧押し寿司。
金目鯛 椎茸 茄子 冬瓜の椀
マコガレイお造り。手前右の小皿が梅醤油。
イサキお造り。皮目を炙ってあります
イサキに合わせる胡麻だれ
鮎揚げ焼き
クレソン酢
トリガイ石焼き。ええ香りや(*´ω`*)
八寸
スッポン炭火焼き。激ウマです。手前にあるのは蕪とピーナッツ味噌。蕪にピーナッツ味噌乗せると、これまた旨し。
鱧 タマネギ餡
極上の玉蜀黍ご飯
甘味
2021/07/05 更新
2021/05 訪問
地味でわなく滋味
初訪問。
2016年オープンの わりと新しい店だが、2021年食べログアワードシルバーの高評価店。
レビュー件数が あまり多くないので食べログ評価に関しては正直 半信半疑なのだが、複数のマイレビさんがコチラのお料理を高く評価している事は見逃せない。
また ここ数年で話題になる和食屋や寿司屋は 兎に角コース価格が高かったり、気が遠くなるほど予約困難だったりして行く前の時点で気分が萎えるのだが、小柴さんのコース価格は そうした予約困難店と比較すると わりと手の届くお値段。つまり高級食材連発でドカンドカンと攻めてくるのではなく、旬の食材に手間をかけて 味を昇華させてる店かと予想できる。個人的には そうした店(菊乃井や賛否両論がまさにそれ。まき村も近いが あそこは組み合わせの妙もある)は好み。
また予約難度も高くないようなので、行ってみる事に。予約は某予約サイト経由で。某マイレビさんは一人で行かれたようだが、予約サイト経由からは一人予約不可だったので二人で行く事に。お料理は予約の時点で18500円(税サ込み)のコースでお願いしておきました。
訪問日、曙橋の駅から歩いて店へ向かう。普通のマンション二階にあるらしいので、店が見つからないのでわ?という不安もあったが、当該マンションに目立つ看板が出ていたので迷う事なく到着。ちな すぐ近くにある和食屋が「曙橋 かず」。ソチラも近いうちに行ってみなくてわ。
マンション前の階段を登ると店前に男性が立っているのが見える。なんと お店の方が 店の外で出迎えてくれました。こゆの嬉しいですよね。
店内は カウンター六席&テーブル1卓だけの こじんまりした空間。店内には うっすらと爽やかな香りが漂う……これ檜か?
聞いてみたら やはり檜。カウンターや内装のほとんどが木造の設えなのだが、その木が檜なのだ。うわぁ、贅沢❗️
カウンターにはアクリル板設置&席ごとにアルコールスプレーが用意されていて感染対策もばっちり。カウンターも広々しているので、くつろいで食事できます。
カウンター内には 二人の男性の姿。ご主人と サポート役男性だ。先ほど 出迎えてくれたのが このサポート役男性。彼が接客全般から 調理補助まで幅広くご主人をサポートしている。
ご主人が カウンター内厨房の中心で腕を振るうのだが、調理のほとんどは奥の厨房で行われていて 客前で披露するのは ほぼ仕上げのみ。このスタイルの店は多いが、個人的には もっとライブ感あるカウンターのが好きかな。
お料理の進行は 静かに進んでいく。ご主人も 寡黙というほどではないが、近頃よくある劇場型店舗で見られるよな 長い口上を述べるとか 食材に関する情報を1から10まで語り尽くしたりするよな事はしない。そうした劇場型店舗がお好きな方には向かない店だらうが、私個人としては料理屋は これぐらいで良い。ぶっちゃけた話、料理を食べる前に やれコイツは凄い食材だ!だとか、コレは凄いこだわりの調理法だ!などと 食べ手を洗脳してくる手法は あまり好きでわないからだ。
そうした意味では コチラのご主人が繰り出すコース進行は 私にとって心地よいものであった。席数が少ないため ご主人の目が隅々まで行き届いているせいもあるのだらう。とにかくコチラのカウンターは とても居心地が良かった。
お料理の味も 私の好みドンピシャでした。高級食材は さほど使われないだらう……という私の予想は まさに的中。
とはいえ 提供される食材達は旬を迎えた いわば食べ頃の子達ばかり。しかも食材そのものを 相当に吟味されている模様。
椀の金目鯛や椎茸、お造りのイサキ、焼物の鮎や穴子。 どれも比較的ありふれた顔ぶれだが、その子達が抱いている旨さは間違いなく一級品。そして 食材が抱いている旨さを余す事なく引き出している調理技術もまた素晴らしい。
確かに 料理のビジュアルだけでいえば しのはら 小十 菊乃井 といった店の華麗な料理達と比べて地味に映る。
だが その味は とても真っ直ぐで滋味溢れるモノ。コース中盤あたりからは 完全に小柴さんの料理に夢中となる私。
また 無理に高額食材を使おうとしないのも好感が持てる。典型がお造り。小柴さんが この日のお造りに選んだのはマコガレイとイサキ。どちらも マグロとかに比べたらずっと安い魚だ。とはいえ安いからといって マコガレイやイサキがマグロに劣るなんて事は これっぽっちもない。特に この日のイサキは 旬を迎え 味が乗りまくった極上品。それに一手間加えて マグロ大トロにも負けない 初夏の美味に仕立て上げていた。
真っ直ぐなだけでなく 少しの遊びを入れてるのも良い。真っ直ぐな料理は旨いが、コース全体で見れば ある程度の抑揚も欲しいからね。
小柴さんの場合、焼物と食事が選択制というのがミソ。フレンチとかだとメインが選択制ってのは珍しくないが、和食の おまかせコースで 選択制の品が含まれているケースは けっこう珍しいのでわ?
だが、やはり選ぶ楽しみもあった方が食事は絶対に楽しい。事実、我々二人は 焼物と食事を選ぶ時に 大いに盛り上がった。
この日の焼物(炭火焼きにしてくれます)は 太刀魚 ノドグロ 穴子という三択問題。悩みに悩んでチョイスした穴子は、選択した自分を誉めたくなるぐらい見事な味。ただ、同行者まで穴子をチョイスしたのは予想外。あわよくば太刀魚をつまみ食いできるか…と期待したのだが(苦笑)
食事も三択問題。 親子丼 白飯&おかず 炊き込み御飯 という、なんともサディスティックな選択肢。てか、決めさせる気……ないでしょ?
苦渋の決断で選んだのは白飯。もち土鍋炊きご飯だ。オカズは 特製ふりかけ おじゃこ お新香 鮎味噌。中でも鮎味噌が凄い。鮎の身をすりつぶしたヤツに 自家製うるか を混ぜこんだ品。ナベノイズムとかで出してる鮎パテのようなモノなんだが、これと白飯が 呆れるぐらい良く合う。 もちろん飯は お代わりした。
既に出ているだけでも充分すぎるほどのオカズなんだが、後からご主人が差し出したのが なんとキンメのアラの煮付け。 先ほど椀で食べて旨かったキンメのアラを煮たら、そりゃあ旨いわな(笑) でも もう腹一杯でギブ~。
と、ここまでは良かったんだが 隣で親子丼をペロッと完食した同行者へ 何故かご主人が白飯を差し出している??? 同行者は満面の笑みで飯に食らいついているが……
ちょっと待て。それ、私の飯や!
嗚呼(。´Д⊂) 残った飯は お土産になるかと思っていたのに……無念。
最後は 別腹に甘味を入れて、お茶を頂いてごちそうさまでした。お茶も美味しいお茶でしたね。玉露かな。
とても気に入りました。わりとマジで し◯はらをキャンセルしたくなったぐらい。評価ですが 店の雰囲気や料理の味は4.5つけたいぐらい好きですが、お料理のテンポがやや遅く感じた事と 予約二人~というのが残念なので少し減点して4点とさせてもらいます。
お料理も雰囲気も 一人で来て 静かにじっくり食べたいと思える内容なんですけどね。あのテンポだと一人は少しキツいかな。まあ お二人だけで あれほどの料理を提供されてるワケだから ある程度の縛りはコチラも受け入れますよ。別の季節にまた誰か連れて訪問させてもらいます。
セッティング
一品目:毛蟹と生雲丹に出汁ジュレ。下にはホワイトアスパラやスナップエンドウ。毛蟹の質は特筆するほどでわないが、出汁ジュレが穏やかな味で野菜とも良く調和している。控え目な味からスタート。
二品目:金目鯛と原木椎茸の椀。下には極細のにゅうめん。出汁は 薄く引いてあるのだが、途中から金目鯛の脂や椎茸の出汁が滲み出てきて そこでちょうど良くなる見事なバランス。金目鯛の脂を吸った麺も美味
三品目:マコガレイお造り。藻塩 自家製ポン酢 梅醤油 で頂きます。身質はそこそこだが、上手に寝かせてあるようで 旨味が滲み出るよな味わいで良し。醤油の色が非常に薄いのも特徴。
四品目:イサキお造り。今が旬のイサキは味も脂のノリも抜群。皮目を炙ってあるため脂の旨さも活性化していて べらぼうに旨い❗️
五品目:ホタルイカ石焼き。生ホタルイカを熱した石で焼いて頂きます。既に味がつけてあるようで 焼いただけで旨い。鮮度が良いからかワタの旨い事♪旨い事♪
良い香りが漂ってきました。
八寸。粽に見立てたヒラメの寿司が旨かった。走りの空豆も良いねぇ。
鮎は なんと天竜川の天然鮎。それを揚げ焼きにしてあります。ハラワタの部分の香りの良さは天然ならでは。これは旨い。まさかのタルタルソースも提供されましたが使う前に食べ終えてしまった…
穴子タレ焼き。 おいおい、鰻より旨くねぇか?
蒸し物は 鮎魚女。上品な白身に葛餡が良く合う。
飯のオカズ達。一番右側が鮎味噌。
食事セット
と、思ったら 後からキンメのアラの煮付けを出してくれました。
甘味。台湾パイナップル 小玉西瓜 柑橘ジュレ。 甘味は ちと弱い印象。
2021/06/09 更新
食べログレビュアの皆様、新年あけましておめでとうございます。今年も皆様のレビューを参考に、良いお店 良いお料理にたくさん出逢える一年にしたいです。
私の2022年最初のレビューは、やはり大好きな店のレビューから。それもお正月らしく、お節料理のレビューになります。まあ 受け取ったのは大晦日だけど、細かいことはスルーするね。
今年のお節料理は 曙橋の和食屋「津の守坂 小柴」さんにお願いしました。前回訪問時 お節料理の案内がありましてね、小柴さんで頂く八寸が毎回とても素晴らしいのでお節料理も間違いないだらうと予想しお願いしておいたのです。
大晦日にお店まで受け取りに行ったら、店内は引取り手を待つお重がズラリと並んで壮観でした。店主の小柴さんに年末の挨拶をして 待望のお節(二段重 48000円)を受け取ります。
お重の重さに少々驚きつつ急いで帰宅します。
明けて元日。
開封の儀。
すまん、嘘です。ホントは大晦日につまみ食いという名のガチ食いしちゃってます(苦笑)
それはさておき、お重の中身の なんとまあ立派な事! 細やかな細工を施した縁起物のお料理がビッチリと並べられています。 いや これは素晴らしいですね。一年の最初の食事で これを拝めるとは まさに眼福。目でも楽しむ日本料理の真骨頂とも言うべき美しさです。
また お節料理というと縁起を重んじるあまり、お味のほうが おざなりになるケースが往々にしてあるのですが、そこは流石の小柴さん。どのお料理も、目で見て美しく、名を聞いてありがたく、口に入れれば舌が喜ぶ極上品ばかり。
食材自体も たいそう吟味されてるようですし、素材への味の含ませ方や、包丁技術、火の入れ方に、細やかな細工なぞからも 一切の手抜き無しなのがどのお料理からも伝わってきます。手間を惜しまず 食材に細やかな仕事を施すのが特徴の小柴さんらしいお節料理だと思います。
小柴さんお得意の焼魚が三種も入っているのも彼のお料理が好きな私には 非常に嬉しいところ。普段 お店で八寸として出してるよなお料理もあれば、普段のお店では決して出さないよなお料理もあったりで お店とは違う美味しさが詰まっているのも また楽しい。
お値段は けっこうしますが、これほど手間のかかったお料理を こんなに詰め込んであるので 決して高過ぎるという事はありません。
むしろ、たった二人しかいない店で この内容のお節料理をけっこうな数 仕込んでいる事が天晴れ過ぎます。小柴さんは、クリスマスからずっとお店の営業を休まれていたようですが それも全て このお節料理を仕込むためだったのでしょう。そう思うと、食べる私も背筋を伸ばして食べなくてわなりませんね。
一年の最初の食事という重大行事のために 見た目 味 心意気の三拍子揃った感動モノのお節料理を作ってくださった小柴さんに感謝を込めて、評価は満点とさせてもらいます。
これは来年もお願いしたいですね。