2回
2022/03 訪問
とみ田という体験
初訪問。
松戸にある超絶大人気なラーメン屋。ラーメン屋なんだけど、予約必須店でもある。評判になっている商品はつけ麺。食べログラーメンランキング全国3位という超高評価店でもある。
ちょっと前に、丸の内にある とみ田の支店でつけ麺を食べたんだけどさ、その時に抱いたのが「本店だと どのぐらい旨いんだらう?」という疑問。
気になるならまずは食うべし。食えばわかるさ!
て事で行ってみる事に。ちゅうてもフラっと行って食えるよな簡単な店でわないんだよね。食べるためには予約か整理券か どちらかが必要になる。
まず整理券だが、これは訪問日の早朝に店に行って整理券を貰えば良いので時間はかかるがお金はかからない。だが、整理券入手後は 案内される時間まで見知らぬ街に放り出されるという難点あり。
次に予約だが、これは予約サイト経由での予約のみとなっているために予約サイトに支払う手数料390円が飲食代とは別に必要というのが難点。また希望日の予約をゲットするには 予約受付日に気合い入れて挑む必要がある。反面、予約さえゲットしてしまえば指定された時間に店へ行くだけで良いので必要な労力は整理券に比べて少ない。
どちらの方法を選択するかは人により意見が異なるだらうが、都内在住の私としては、早朝に見知らぬ街へ行くのも 整理券入手後に見知らぬ街へ放り出されるのも怖いので予約サイトを利用した。確かに予約サイトへの390円という支払いはムカつく(他の予約サイトなら 手数料不要どころか予約する事でポイントまで貰えるのに、この予約サイトの何と高飛車な事か)が、早朝から並ぶ時間と 案内されるまで街をうろつく不毛な時間を無くせるのであれば390円を支払うほうが安上がりだ。
予約受付開始日、運良く 都合の良い日時の枠をゲットできた。また予約時に注文を確定させる必要があるので
つけめん (TOKYO-X豚骨魚介) の大 350g:1,400円
特選全部乗せトッピング 1,000円
(幻の豚 TOKYO-X チャーシュー4種とプレミアム心の味焼売付き)
を発注。
ちな話は脱線するが、予約受付開始時間が12時30分~というトコを個人的には高く評価したい。
会社勤めをしている人間にとっては、予約受付開始時間が10時だの15時だのってのは非常に困るんだよね。仕事中にパソコンやスマホに張り付くワケにもいかんからねぇ。
一般的な昼休み時間中が予約受付開始時間というトコに とみ田という店の優しさみたいなのが見えると思ってしまうのは私だけだらうか?
訪問日、自宅から一時間ちょいの小旅行。以前 「とんかつ割烹とみた」に行った時に店の場所は確認していたので迷うことなく到着。
店の前には店員さんが待機されてるので予約名を告げてから券売機で事前発注した品の食券購入。事前発注した品とは別に追加したい品があればこの時点で購入可能。
私は
塩とスダチ(50円)
を追加購入。
予約時間を少し過ぎた頃に店内へ案内される。店内はオープンキッチンを囲むよに配置されたL字カウンター席×9席。
驚くべきは この9席が完全入れ替え制の一斉スタートな事。近頃は人気の焼鳥屋や寿司屋で こうした一斉スタート×複数回転という営業スタイルが主流になりつつあるが、ラーメン屋での一斉スタートというのは私は初体験だ。
カウンターの内側には三人の男性。その中で一人だけ 藍色の調理服に袖を通している方が店主さんで間違いないだらう。
だらう……という断言を避ける言い回しをするにはもちろん理由がある。店主さんらしき人の胸元にはネーム刺繍が入っているのだが、その名前がカズオ ヤマギシ(正確にはローマ字表記)となっていたので断言を避けた。
まあ お弟子さんの緊張した面持ちからして藍色調理服の人が店主さんで間違いないとは思うけど。
店内に漂う空気は一般的なラーメン屋とは全くの異質。店主さんを中心にしてピンと張りつめたよな空気が店全体に漂う。あたかも武道の試合会場に漂う 軽い殺気にも似た緊張感のようだ。仕事にうるさいタイプの店主がいる寿司屋や和食屋で こうした空気を感じた事はあるが、ラーメン屋でこの空気を感じた事は無かったなぁ。
とはいえ、店主さんは馴染みらしきお客さんに気軽に声をかけたり、初見の客にも柔らかな口調&笑顔で対応してくれてるので 決して店主さんが怖いというワケでわない。
緊張感が漂う要因は店主さんの調理への向き合い方。調理工程のひとつひとつを 物凄く真剣に行っているのが素人の私でも理解できるぐらいなのだ。
あたかも調理中は周囲にATフィールドが展開されてるかのように周囲を遮断して調理に向き合う店主さん。事実、お弟子さん二人は調理中の店主さんの半径1メートル(推定)以内には入ろうとしないし、言葉を発する事すらない。
スゲー、なんだこの空間❗️
成蔵 燕楽 キノシタ といった店の店主さん達も 調理中は自らを中心に独自の空気を紡ぎだしていたが、ソレと同じよな光景が私の目の前で繰り広げられている。
ラーメン屋に来ているという事を忘れてしまいさうだ。
調理工程のひとつひとつを恐ろしく真剣かつ丁寧に行っているため、料理提供まではしっかり時間がかかるのだが 店主さんの動きを眺めるだけでも面白いので退屈する事は無かった。
まず提供されたのは特製トッピング。
少し遅れて麺、続けてつけ汁がサーブされる。
ん?
丸の内の支店とは外観から既にまるで違うぢゃあないか。
茶色っぽい麺だった丸の内に対し、本店の麺はクリーム色をしている。麺のエッジも明らかに立っている。
つけ汁も 魚粉が大量に浮いてた丸の内に対し、本店では魚粉の姿は無い。ネギの切り方も違うし、ネギが二種入っていたり ナルトが無かったりと 違うトコだらけだ。
まずは麺をそのまま食べてみる。キリっと冷やされ弾力のある麺なのが箸の手応えから理解できる。
いや、これは美味しい麺だ。しなやかな弾力と心地好い喉ごし。それでいて 小麦の風味も豊かに立ち上がる。丸の内支店の麺も良く出来ていたよに思ったが、これと比べたら雲泥の差があるぞ。
次は塩とスダチを麺にかけて食べてみる。
お♪この方が小麦の風味がより立つな。とても美味しい。というか、これだけで ひとつの料理として完結してしまいそうなぐらい完成度が高い。
さて つけ汁も使ってみよう。かなりドロっとした濃度のあるつけ汁なのは丸の内支店同様。なんだが、提供時点で汁が ぬるかった丸の内支店と異なり、本店のつけ汁はアッツアツだ。というか、つけ汁の器をしっかり熱してあるのだ。
つけ汁の味のベースは確かに似たようなモノを感じるのだが、これまた味の仕上がり具合は雲泥の差があった。
本店のほうが 圧倒的に旨味がクリアなのだ。確かに濃厚ではあるが、塩気自体はさほど強くはないし、魚粉が舌にザラつくよな事もないし、油脂のベタつくよな重さや、魚介類のアクのよなエグ味も無い。
お店のオススメの食べ方は麺に少しだけ汁を浸けて……との事だったが、汁の味に雑味が無いうえに 麺の味そのものがぶっといため 汁を多く浸けても麺が汁に負けるよな事は無かった。というか、私は汁多めに浸けるほが旨いよに感じた。まあ 単にこの汁の味が気に入った……というのもあるが。
特製トッピングは全て東京Xを用いた品。丸の内支店では柏幻霜ポークだったので、これまたまるで違う品になっている。
各トッピングについては画像の説明文を見てもらうとして、味についての感想を。
4種のチャーシューは全て異なる部位 異なる調理法で仕上げられているのだが、部位ごとの味の違いをしっかり感じられるのは超好印象。ちゃんと部位ごとに適した調理をしている証だ。なんでもかんでも低温調理…なんてヘボぢゃあないって事か。
中でもバラの煮豚と 肩ロース吊し焼きは むっちゃ好みの味でした。
焼売だけ よく理解できず。味は良いんだが、つけ麺との親和性は??だし、食べるタイミングにも困ってしまった。醤油とかも用意されてないしな。 つけ汁に浸して食えば良かったのかしら?
半分ぐらい食べたトコでお弟子さんが味変用のぶどう山椒が入ったミルを持ってきてくれたので使ってみる。
ん♪
爽やかな薫りと 鮮やかな辛味が舌と鼻をリフレッシュさせてくれて、食べ飽きる事なく食べ進めていける。こりゃあ良い味変だし、持ってきてくれたタイミングもドンピシャ過ぎて憎らしいぐらいだ。
茹で前350㌘と聞いて量にビビったが、いざ食べ始めたら あっさり完食してしまった。麺の出来の良さもあるが、つけ汁が必要以上に重くないのも サラッと食えた要因だらう。
麺を完食したトコで店主さんがスープ割りを勧めてくれたので頂くとする。
が……
つけ汁入った器を厨房へ戻して 店主さんが色々と作業されてるんだが(´・ω・`)?
しかも割りスープ用のスープは 小鍋で新しくスープを取っているっぽい。
卓上のポットに入ったスープを注いだ丸の内支店とはまるで違うぞ。
割りスープは 先ほどまでとは一転して軽くすっきり爽やかな味。柚子がたっぷり効いてるというのもあるが、出汁そのものも まるで違うなこりゃ。
普通の店のスープ割りは あくまでつけ麺の延長戦といった立ち位置だったが、この割りスープは どちらかといえばフレンチのコースで出てくる口直し的な存在だな。
濃厚つけ麺のシメにこの割りスープを持ってくるコース構成は とても良いと思う。
美味しいつけ麺でした。
確かに予約は面倒臭いし、料理の値段もつけ麺として見れば高いよに思うかもしれないが、とても貴重な体験ができたので 支払い額に対する納得感はある。
にしても、回転が命のラーメン屋で たった9席の入れ替え制で、ベテラン店員(店主含む)を三人&案内係一名と潤沢に人使って、食材にも徹底的にこだわった料理を提供していたら あまり儲けは出ていないんぢゃあ?
つけ麺が美味しかったのはもちろんだけど、店主さんを筆頭に店全体がストイックなまでに料理に向き合う姿を見る事ができる貴重な場所。私がいつもレビュー中で書いてる事だけど
良いレストランってのは皿の上だけで完結するモノではない。
そうした意味でわ とみ田さんは間違いなく良いレストラン。
予約が面倒臭いとか、つけ麺にしては高い…と思うのは当然の事だが、そこは思いきって一度 飛び込んでみて欲しい。
そこでは「とみ田」という貴重な体験が貴方を待っている。
2022/03/18 更新
再訪。 超有名店なんで(面倒臭いので)店ディテールは省略。
久しぶりにとみ田のつけ麺を食べたくなったので行くことにした。
ちゅうても、食べログラーメンランキング全国 御坂美琴という人気店なんで行けば食える…というワケにはいかない。
ここで食事するための方法は2つ。
これについては画像参照で。
地元の方なら当日券を選ぶのだらうが、私みたいな遠征組は予約手数料(390円)支払ってもネット予約するほうを選びます。
また予約は文字通り瞬殺なのでそれなりに気合い入れて挑む必要アリ。
予約受付日に気合い入れた成果か無事に希望の日の予約をゲット。
予約時に食べる品を決定する必要あるので
つけめん TOKYO-X豚骨魚介
(大) 350g:1650円
特選全部乗せトッピング 味玉バージョン 1100円
で決定。
あとは予約日時に店に行くだけ。
店到着したら食券購入するのだが、そのへんの細かい事は店員さんが詳しく教えてくれます。
サイドメニューとかで追加したい食券あれば追加購入も可能。
私は塩とスダチ(忘れた円)を追加。
ラーメン屋にしては珍しい一斉スタート方式でして、店内の準備が整いしだい予約客が一斉に店内へ。
L字カウンター内側の厨房には三人の男性の姿。そのうちの1人が店主さん。他2名は調理サポート。
前回訪問時にも思った事だが、この厨房がかなり独特の緊張感が漂う空間。店主さんの表情こそにこやかですが、その仕事の丁寧さ几帳面さは素人目にもハッキリわかるほど。
てか、店主さんからなんかオーラ出てるぞ!!
サポート役男性2人はキビキビと仕事されてますが店主さんに声をかけたり、調理中の店主さんに近寄ったりする事は無し。
その光景、あたかも店主さんの周囲にATフィールドでも張り巡らされてるかのごとし。
ここまでストイックに調理に携わるラーメン屋もそうはないのでわ? この空間を体験するだけでも来る価値があると言って良いです。
つけ汁はいわばテンプレとも言える濃厚豚骨魚介のドロドロ汁系。 どこにでもあるタイプのハズなんだが、食べると他店とは違うんだよねぇ。
濃度はあれど、その濃度は塩分濃度や油脂の濃度ではなく旨味の濃度。 濃いけどショッパーではないので麺にたっぷり汁をつけても美味しく頂けます。
どこにでもあるタイプのつけ汁をこのレベルにまで磨きあげてるのはシンプルに凄い。
麺は饂飩のよな極太麺。
この麺がまた良いんだわ。 塩とスダチをかけて食うのも旨いが、せっかく美味しいつけ汁があるんだから使うですよ。
大盛りにしたので麺を思う存分楽しめて幸せやぁ(灬º‿º灬)♡
麺やつけ汁の温度管理なんかもバッチリでした。
特製トッピングは東京Xの焼豚。
部位により調理方を変えるというこれまた変態的なまでのこだわりで作られています。
どれも旨いが、厚切りの煮豚が特に気に入りました。 濃いめに煮しめた軟骨も良い味。これはビールのアテにも良さそうですね。てか、ビール頼めば良かったなぁ……
麺を完食したら割りスープをお願いします。
割りスープ用に新たにひいた出汁と柑橘の皮のすりおろしで仕上げた割りスープは、さきほどまでの濃厚つけ汁とは異なりスッキリした味覚。 ニュアンス的になお口直しのよな存在です。
濃厚つけ麺のあとにこのスッキリ割りスープは気が利いてますね。
今回も美味しかったです。
松戸まで行くのは大変だし予約を取るのも面倒ではあるが、ストイックに味を磨き続けてきた店ならではの凄みのよなモノを持ってる店なので一度は体験しておく価値はあるかと思います。
東京にある支店とは別物ですよ。