2回
2023/10 訪問
男一匹京都ぶらり旅 丸太町編
せっかくの京都旅行なので、京都らしい和食を食べたいと思って選んだ店。今回の京都旅行でのトリプルメインイベントのひとつです。
京都No.1フレンチと言われるステファンパンテルの近くにあります。
店主の木山氏は和久傳で料理長を勤めたのちに独立。
自店用に掘削した井戸のやわらかな清水を用いた出汁が持ち味。
2023年ミシュランガイド京都で1つ星獲得。
以前は食べログアワードゴールドだった事も。 2019年のG20での配偶者プログラムの際に各国の要人の配偶者に料理を提供した事でも有名ですね。
店内&お料理の写真撮影禁止。
実は計画当初では京都和食の大御所とも言える和久傳を狙っていました私。
行くならもちろん【高台寺 和久傳】狙いなんだが、どうもココは個室が主体らしくソロ活の私には厳しそう。
仕方ないので【室町 和久傳】かな…と調べていたら、なんと木山の予約が取れるっぽい。
マジか!? 絶対ムリだとハナから諦めていた店だったんだが、だうやら昨年秋に改装&増席したらしく以前ほどは予約困難ではない模様。
ここんちはネット予約も可能だが、ちょっと聞きたい事があったので電話で予約しました。1人旅なのでとーぜんソロ凸ですよ。
ここんち予約する時、開始時間が18時〜と19時〜のどちらかを選択するのだが時間による席の差異があるかが気になってね。
店側の返答は「18時〜だと一階のカウンター席、19時〜だと二階のカウンター席」との事。 幸いどちらも空きありだったので一階で予約しました。二階カウンターは改装後に設けられたいわばサブカウンター的な席らしいので、一階の予約が取れるなら一階を選ぶっしょ!
この選択が今回の分水嶺でしたね。
訪問日、お店に到着してビックリ。
スッゲー普通のマンションの一階部分がお店なのねココ。いやコレで2階席ってムリがないか?(以前は法律事務所だったトコを改装したんだと)
私は予約時に言われたように一階のカウンター席へ案内される。
一階カウンターは横1列9席という配置。マンション一階部分という事もあり空間的にはあまりゆとりが無い設計。客の背後にはほとんどスペースが無い状態なのは明確なマイナス点。お手洗い行くだけでチョイと大変なんよね。
カウンター内側にはお弟子さんを従えた店主の木山さんの姿。
この日は常連らしきお客さんが二組いらしたので木山さんは彼らにかかりっきりに……
なるかと思いきや、ソロ凸の私を気遣ってくれたらしくチョイチョイ話しかけてくださいました。それだけでなく、私が食材とかに興味を示すとソレに関する詳しい話を聞かせてくれたりと気さくに応じてくれました。
ので、一部先行レビューとかで言われているよなアウェイの風は全く感じませんでしたね。
どころか、途中からは常連のお客さんと私とで会話が弾んだりする謎展開もあり非常に楽しい食事の時間となりました。
たぶん2階のサブカウンターで予約していたらこうはならなかったでしょうから、一階で予約したのは正解でした。
カウンター席とはいえ、調理工程のほとんどは奥の厨房で行われていて、客の眼前で行う調理はお造りをひくのと鰹出汁を抽出するぐらい。ので、カウンター席特有のライブ感なんかは希薄。また、店主の木山さんは2階と1階を行ったり来たりしているらしく、カウンター内に不在の時間がけっこうある。
これもマイナス点と言えなくもないが、2階席増築したから私みたいな一般客でも予約可能な状況になっているのも明白なんで単純にそれがマイナスとは言い切れない。
定刻になり客全員揃ったトコでコース開始。客の半分はインバウンドな事にも驚く。もちろん店側も英語で対応している。
ここんちはしっかりしたソムリエさんがいる店なのでワインやシャンパンも色々と用意されてるが、やはり和食屋なんで日本酒で攻めるとする。
日本酒は店主おまかせで半合づつ色々と出してもらう。コースラストの牛肉のトコで赤ワインを2杯。
ソムリエさんがオススメ上手だったもんだからけっこう飲んでしまったが、普通にしていればも少し安い会計額になると思われる。
まっ、蟹の時期はすんごく高くなるみたいだが。
おまかせコース(知らん円)
日本酒半合×4種(知らん円)
グラス赤(知らん円)
グラス赤(知らん円)
会計39000円程度。
例によって明細なんざ無いので内訳は不明です。
白湯:まずは白湯を1杯。木山さん自慢の井戸水を使った白湯だ。木山さんの厨房では蛇口を捻ればこの井戸水が出るよになっている。そんぐらい重要視されている水の味を見て貰う…という趣向。
スッゲー軟水。ぶっちゃけ水だけで飲むならエビアンのが遥かに美味しいが、この水の真価は椀の時に思い知らされる。
7種キノコ出汁にムカゴニョッキ:ニョッキ!?と我が耳を疑うが、木山さんはホントにニョッキと言っている。
出汁は塩とキノコだけで炊いているそうだが、キノコの香りや旨味が驚くぐらいクリアかつ鮮明に抽出されていて驚く。塩分はかなり抑えめで、ホントにキノコのお味と香りを楽しむ品。ムカゴニョッキもキノコ出汁をたっぷり吸い込んで美味。
一献:天縁という日本酒を盃で1杯。まあ良くある趣向だが、一品出た後に…ってのは珍しい。木山さんいわく、軽くお腹を温めてからのほうが良いので…との事。
イクラ飯蒸し:飯には干し貝柱も入っている。このイクラはかなり旨いね。イクラにとても力があるので貝柱は無くても良かったかな。
お造り:アオリイカ大葉マリネに紫蘇の実。千枚カブラを添えて。
物凄く肉厚のアオリイカに両面から細かく包丁入れてあるので、口に入れてからの甘みの拡がりがハンパない。
イカは大葉醤油(だったかな?)でマリネされてるので醤油とかにはつけずにそのまま食べる。この状態だけでもかなり良い味なのだが、上に乗せた紫蘇の実のプチっとしたテクスチャと爽やかな香りが、ねっとり食感の甘いイカと良い対比になっている。大葉と紫蘇の実で少し香りが異なるのもポイント。
これはめちゃくちゃ旨いお造りだなぁ。
鰹節食べ比べ:客の目の前で削った2種の鰹節の食べ比べ。荒節と本枯節だったが、時期によっては鮪節も使うようだ。
それにしても白飯が欲しくなるなコレ。
この鰹節を使って椀を仕上げていく。
目の前でひいた一番出汁:奥の厨房でひいた昆布出汁の入った鍋が登場。この鍋に先ほど削った鰹節を入れて一番出汁にするのだが……
鍋の下に火が無いぞ?
木山さんいわく、椀に使う鰹出汁は80〜85℃でサッと濾す程度の抽出なので火は不要なんだとか。もちろん煮物椀なんかの時は別の抽出方法になるそうですが。
てか、木山さんがけっこう色々と教えてくれるのでカウンターでの食事が楽しくてしょうがない。
抽出された一番出汁を一切の調味無しでお猪口1杯分頂きます。
鰹がふわっと柔らかに香るのだが、その下には黒幕的に昆布出汁がドンっと構えているのがわかる。鰹節のパフォーマンスに気を取られそうになるが、コレって昆布出汁が凄いんだな。そして昆布出汁をひくために最初に飲んだ水の力が必要になるワケか。
椀:太刀魚 胡麻豆腐 焼き茄子の椀
椀の構成自体は非常にオーソドックスなモノ。 なんだが、このオーソドックスな椀がメタクソ旨い(灬º‿º灬)♡
吸い地はあくまで穏やかで塩気もギリギリまで淡く抑えてある。飲み始めは「薄い?」と思ってしまいがちなぐらい抑えた吸い地だが、この吸い地が椀種の味を見事なまでに昇華させている。
香ばしく炙った太刀魚もねっとり濃厚な胡麻豆腐も旨いのだが、それよりなにより茄子が泣きたくなるぐらい旨い!!
茄子はたぶん焼いて皮を剥いだだけのハズ。ただソレだけの茄子が人生最高レベルの茄子の味になっているのだ。
これは間違いなく吸い地の力。
これぞ和食の椀。 素晴らしい!!
お造り:もいっちょお造り。煎酒に浸した白甘鯛 醤油塗った鯵 蓮根わさび漬け添え。
アオリイカもだったが、ここんちはお造りは普通の醤油では食わせない流儀みたいだね。甘鯛は煎酒でマリネする前に軽く塩をあてている。
甘鯛も鯵もそうとう旨いなコレ。甘鯛は塩して軽く脱水かけたせいか旨味と甘みが凝縮したかのよう。
鯵は脂のノリで勝負するタイプではなく、筋肉部分にしっかり旨味が乗っているヤツ。味が良いから鯵の名がついたって説に頷きたくなる旨さだ。
甘鯛も鯵も駿河湾産。なんでも桜えびを食べているからこんなに味が乗るんだとか。やっぱり魚はエサなんやねぇ。にしても駿河湾の魚って事は、仕入れ先は「温石」とかと同じかな?
焼物:キンキ炭火焼き 赤万願寺すり流しであえた丘わかめ 別皿で梨と大黒シメジとほうれん草のおろしあえ。
お造りとは一転、たっぷり脂の乗ったキンキをシンプルに塩焼きで。 ストレートに美味しいのだが、先ほどのお造りや椀ほどのインパクトは無かったかな。
焼物に関しては「まる富」や「明寂」のが好き。
冷やし物:無花果とワタリガニを落花生ペーストで和え物に。上にはキャビアではなくトンブリが。 しれっとワタリガニの味が濃いな。落花生ペーストがしっかり香るのだが、それに蟹が負けていない。無花果も落花生ペーストと良く合っている。こゆ地味な料理がしっかり美味しいのは良い店の共通事項。
揚物:鰹天ぷら 枝豆かき揚げ 土佐醤油と昆布のソース
鰹の天ぷらとは珍しい。でも旨いなコレ。脂の乗った鰹を揚げてクドくなりそなモノだが巧く処理している。 土佐醤油を使ったソースがまた良い出来。
肉料理:牛サーロイン鍬焼 タマネギと醤油のソース 焼栗
見事なサシの入った和牛サーロインが登場。肉塊を見せつけるパフォーマンスの後に焼いていきます。
このお肉も良いですね。 タマネギと醤油のソースは牛肉にはド鉄板。
またソムリエさんが肉に合わせて出してくれたヴェネトの赤が肉との相性ドンピシャでカウンターに並んだ客一同大盛りあがり(笑)
食事:〆は5種あるんですと。しかも全種オーダー可能かつお代わりもOKという嬉しい仕様。
こゆ時、男は黙って全種類!!
まずは ちりめんじゃこを乗せた白飯。卵黄も乗せてもらいました。
あぁ〜、白飯が旨いなぁ( ꈍᴗꈍ) そこにたっぷりのちりめんじゃこだなんてサイコーやん。飯とじゃこだけでメチャ旨いので卵黄は無くても良かったかな。まあ欲張って乗せて貰う私が悪い。
お次は、京都らしい鱧の漬け焼きを混ぜたご飯。鱧の骨切りはバッチリ。漬け焼きっても醤油感は控えめなで、鱧の品のよい旨さと白飯本来の柔らかな甘みが良くわかります。
3発目は鰊蕎麦。ここまで淡い味付けのお料理が並んだ木山さんですが、さすがに鰊蕎麦の鰊は甘めで醤油もしっかり効かせて炊いてあります。この蕎麦も旨いね。 鰊蕎麦ってのも京都らしくて良いな……と思ったのだが、たまたまこの日が鰊蕎麦だったというだけで普段は素麺とかラーメンなんかも出すそうです。
木山さんのラーメンは気になるが、残念ながら現在はラーメンはやめてしまった(麺を提供してくれてたラーメン屋の経営が変わってしまったから)そうな。残念。
4発目はカンパチ漬け丼。飯は白飯。漬けと言ってもホントにサッと漬け込む程度で、あくまでも魚の味と飯の旨さで勝負ってのは先ほどの鱧ご飯同様ね。
これも悪くないんだが、関東人の私からするとコレ系はも少し漬け込んだヤツを酢飯に乗せるほが好きかな。
ご飯ものラストは穴子の玉締め(穴子の卵とじ)。 穴子もかなり旨いんだが、卵とじのトロトロ加減や味具合がサイコーですね。トロトロ卵なんだけどTKGのよなユルユルではないし、卵の黄身の味の濃さを殺さぬ塩加減も絶妙。
それにツヤピカ白飯なんだからそりゃ旨いわな(笑)
〆5種を完食した後はお代わりをすすめられるが………
さすがにもう食えねぇ┐(´д`)┌
もっともっとお腹空かせて来れば良かったぜ。じゃこご飯と玉締めご飯はお代わりしたかったなぁ。
甘味:お腹いっぱいでも甘味は別腹。ピオーネのジュレにシャインマスカットを乗せたグラスデザートですね。
美味しいけど、これ完全に洋だ!
お薄&お茶菓子:オーラスはお薄ね。きちんと店主の木山さんが点ててくれます。
お茶菓子は餅入りブリュレスイートポテト(名前は私が勝手につけました)。洋菓子屋のスイートポテトよりすっきりした甘みの芋菓子ね。表面軽く炙ってあるので香ばしさも。中のお餅も良いアクセント。
お薄も美味しい。木山さんは茶道だけでなく華道や書道も習われているんだとか。お勉強熱心な方ですね。
そんな会話をしつつゆっくりと食後の余韻に浸ります。
とても良かったです。
中でも椀 お造り 食事は感動レベルの旨さ。私は和食だと椀と食事を特に重要視していますのでソコが感動レベルだった木山さんは当然のよに高評価になります。ご飯大好き星人の私にとって、〆のご飯が美味しいうえに多種あるのも嬉しいな。
コース内容的には高級食材にガン振りすることなく出汁や素材そのものが持つ力を素直に全面に出したお料理ですね。かといって決して王道構成だけってワケでもなく、ところどころで独創的な構成のお料理を差し込んでコース構成に抑揚を設けてあるのも良かった。その辺のサジ加減がけっこう難しいんだが、木山さんはそうしたセンスが優れている印象。
京料理らしい伝統を感じさせつつ、新しい料理 木山さんだけの料理を味わえる良い店でした。
木山さん同様に和久傳出身の「おかもと」とは全く異なる味構成&コース構成な事にも驚きましたわ。やっぱ同じ修行先でもその後の道が関東か関西かでだいぶ違ってくるモノなんですねぇ。 それを知る事が出来たのも大きな収穫。
木山の店内には これまた和久傳出身の「鎌倉 北じま」のショップカードが置かれいたが、ソチラはどのような道を歩んできたのか興味がわいた夜でもありました。
接客面も好印象。
店主の木山さんは気さくに話しかけてくれるだけでなく、食材やお料理について詳しく教えてくれました。
お弟子さん達のスキルレベルも高いようでして、木山さんが別フロアに行ってる時間でも客は全くストレスを感じる事はなく。この辺の教育もお見事ですねー。とりま、日本酒は手酌させてくれません(笑) チェイサーの水もサッと出してくれるし、お手洗いへの誘導なんかもすぐに察してくれます。もちろん、お手洗いに行ってる客の料理はきちんとストップ。 無人の卓上に温菜を置いてく「伯雲」とは違うのだよ。
ソムリエさんも巧みなトークでワインを美味しく楽しく飲ませてくれます。これならワインで通すのも面白そうね。
店を出る時には店主の木山さんがしっかりとお見送りに出てきてくれますし。
平日夜であればそこまで予約困難ってワケでもないので、次回の京都旅行でも木山さんの椀を食べに寄りたいですねー。もちろんその時は一階カウンター席よ(笑)
てか、木山さんとステファンパンテルさんと末廣さんのために京都にまた行きたーーい‼
外観。店内撮影禁止なので外観画像だけね。
金閣寺に行ってみたかったのよ。現物はけっこうオモチャっぽいな。
銀閣寺も行った。金閣寺より銀閣寺のが好きね。
銀閣寺の庭園。見事な枯山水。
お山から見下ろす銀閣寺。
2024/07/13 更新
再訪。 京都裁判所の近くにある日本料理店。京都の日本料理というと必ず名前が出てくる有名店「和久傳」で料理長を任されていた木山氏が独立して開いたお店です。2024年ミシュランガイドで1つ星獲得。
店の敷地内にある井戸から汲んだ水を用いてひいた出汁が秀逸。その出汁を使ったお料理も当然のよに美味。素材本来の味を控えめな調味と秀逸な出汁の味わいで引き出します。
店内及びお料理の写真撮影は禁止となっています。
前回訪問時の印象がかなり良かった(特に椀とお造りと飯)木山さん。とーぜん今回の旅行でも候補にあがってました。もう一つの候補店だった○方が予約二名〜で断念した事もあり、木山さんへの再訪が決定しました。
予約は訪問日の2ヶ月ほど前に電話で。
ちな、某お坊さんサイトからのネット予約も可能な店だが、ソッチからだと2階のサブカウンター席になる事には要注意です。
訪問日、一斉スタート店なので遅刻せぬよに早めに店到着。開始時間前でも迎え入れてくれるお弟子さん達の温かみある対応は前回同様。
私は一階のカウンター席へ。しかも店主の木山さんの目の前という特等席。 ここんちは客と店主さんの距離が近いため、私のポジションからだと店主さんがお造りひくのを超間近で眺められるんですよ。 これだけでもう楽しい♪
木山さんも食材や料理の事を色々と教えてくれますので、このポジションはマジ特等席。
この日のコース内容は以下のとおり。
井戸水のテイスティング
筍飯蒸し
一献(日本酒)
アスパラすり流し新じゃが胡麻豆腐
茹でた雌の毛ガニにモズク酢
鰹節2種食べ比べ
引きたての一番出汁
平貝春キャベツキクラゲの椀
お造りアオリイカに半生カラスミ
お造り甘鯛に赤ウニ島らっきょう麹味噌漬け
焼物サクラマスたれ焼きに葉カタクリと根ミツバ
スナップエンドウと一寸豆(そら豆)とアサリの白あえ
シラウオ天ぷらアオサ海苔フキ胡麻和え
牛肉花山椒鍋(メイン変更)
シメ炭水化物は…
桜海老かき揚げ天バラ
貝出汁ラーメン
鯛白子たまじめ丼
イシダイづけ丼
じゃこご飯
の中から好きな品を好きなだけ。
河内晩柑ソルベ
桜大福
お薄
酒はグラス泡やグラス白やグラス赤を5杯ほど。
会計48000円程度。
今回も素晴らしいお料理でした。
やはり椀の良さと、お造りの美味しさに関してはバツグンですね♪
椀は構成的にはごく普通のモノなんですが、実際に口にすると春キャベツの美味しさに驚きます。これは間違いなく出汁の力。炙ってから入れたタイラガイもこの繊細な出汁に良くあっています。アタリは抑えめなんですが全く物足りなくは感じません。
やっぱ日本料理は椀だなぁ(灬º‿º灬)♡
お造りも素晴らしい。
イカはカラスミと合わせてあるのですが、このカラスミは酒でマリネして半生状態ぐらいに戻してある。 そのためテクスチャがイカに近くなりイカの味わいを邪魔しない。塩気も適度に抜けて、それがイカの甘さを引き立てます。
イカそのものも肉厚で包丁の入れ方もお見事でめちゃくちゃ美味しいです。
甘鯛は白甘鯛。これだけでも極上なんですが、更に極上の赤雲丹を合わせるという贅沢極まりない仕立て。
インチキ臭いがウメぇなぁ(笑)
焼物のサクラマスは小細工一切無しのタレ焼き。これがまた日本料理の王道とでも言いたくなるよな絶妙な火入れ&味付けで素晴らしい旨さ。
煮物は本来なら魚だったそうですが、この日はオプション(追課金)で牛肉花山椒鍋に変更可能。んな言われたら変更しちゃうよねぇ(笑) 他のお客さんも花山椒コールする方が多数。
非常に提供期間の短い花山椒を食えたのは幸運でした。
シメのご飯も圧巻。
5種あるシメの中からお好きなモノをお好きなだけ。
男ならこーゆー時は迷うことなく全種類(笑)
桜海老の天バラ丼と鯛白子のたまじめ丼が特に美味しかったです。
おかわりも進められましたが……
もう食えねぇ┐(´ー`)┌
途中で店主の木山さんが不在の時間が長めにある(二階に行ってる)のが欠点と言えば欠点だが、二階席あるおかげで私みたいなソロの一見客でも予約可能なワケなんでソコは容認できます。
奇を衒うことなく素材と出汁と包丁技術で勝負する木山さんのお料理はとても私の舌に合います。
シメがたくさんあるのもご飯大好き星人の私には嬉しい。日本料理の良さをしみじみ味わえる名店だと思います。
出身の和久傳も猛烈に気になりますね。