野良パンダムさんが投稿したNK(東京/飯田橋)の口コミ詳細

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人の味覚は十人十色

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NK牛込神楽坂、神楽坂、飯田橋/日本料理、創作料理

1

  • 夜の点数:4.5

    • ¥50,000~¥59,999 / 1人
      • 料理・味 -
      • |サービス -
      • |雰囲気 -
      • |CP -
      • |酒・ドリンク -
1回目

2024/04 訪問

  • 夜の点数:4.5

    • [ 料理・味-
    • | サービス-
    • | 雰囲気-
    • | CP-
    • | 酒・ドリンク-
    ¥50,000~¥59,999
    / 1人

和×仏フュージョン

初訪問。 神楽坂 毘沙門天 善國寺の裏にある和食ベースのイノベーティブフュージョン料理店。 すぐ隣にあるミシュランガイド三ツ星和食「石かわ」の系列店で運営は㈱I1Companyホールディングス(アイワンカンパニー)。
予約困難店が多いアイワンカンパニーの店鋪のなかでも屈指の予約困難っぷりでありまして、なんと現在は予約1年以上待ち&新規はほぼ予約不可能。系列の「石かわ」や「虎白」以上の狭き門となっています。
そのためか食べログのシルバー(予約困難店や高額店しかノミネートしない&忖度食事会で結果の決まるクソ出来レース賞)を受賞。


店主は角谷 建人(カクタニタケヒト)さん。通称「カクランド」。
アイワンカンパニー総大将の石川氏に(虎白の)小泉に次ぐ天才…と称されるほどの才気溢れる料理人のお料理の味はどのようなものなのか。


縁あってNKさんに行くことができました。
にしても、予約してから10ヶ月待ち(去年の話ね)とは噂に聞く以上の人気っぷりですわ。
店内は横一列8席のカウンター席に4人卓が一つという席配置。
カウンター内側には焼き台が設置されており、客の目の前で焼物を仕上げるのでライブ感に関しては「石かわ」や「虎白」より上だ。これは明確な強み。


一斉スタートでわなく時間差で客を入れていくスタイルはアイワンカンパニー他店鋪と同様。
我々(二人で行きました)はカウンター席に着陸。店主の角谷さんに挨拶をしたらドリンクを決めて晩飯開始。
カトラリーは基本的には箸のみ。ソースたっぷりの料理やデザートの時にはサッと匙を出してくれます。
ナプキンありだがナプキンの布地はあまり見ないサテン生地のよなタイプ。


感想:こりゃ予約困難になるのも当然だわ……と、我々二人は呟きながらの食事となりました。
基本的な食材のチョイスは春の和食屋と大差ない(筍、蛤、花山椒、蛍烏賊、桜海老、金柑など)のだが、その仕上げは和食屋では見ることのないモノばかり。

筍は出汁だけ使う
蛤はビネグレットソースで
花山椒と牛肉には甘めのソースを
車海老にはブールブランソースを
桜海老はリゾット風に
と日本人には馴染みの深い食材に西洋料理の技法をかけ合わせたいわば
日×仏のフュージョンとでも言うべきお料理の数々でした。
食べログの店鋪区分では日本料理に区分されているが、断じて日本料理では無いね。椀もお造りも出ないし、飯の炊き方も違うもんな。


全く味わった事の無いタイプのお料理でしたが、これがなんの違和感もなく舌に馴染むから凄い。かなり足し算構成なんですが味がゴチャゴチャすることなく、ズバンと食材の旨さが伝わる非常にわかりやすい美味しさ。
難解な構成の料理がやや苦手な私ですが、角谷さんのお料理は好みド真ん中でした。


にしても、かなり奇抜な構成に見えながらス〜っと舌に馴染むのは……出汁やソースのベースがしっかりしているからなんでしょうね。
この辺の厨房力の高さは、さすがのアイワンカンパニーという印象。 
また接客レベルの高さもさすがです。アイワンカンパニーの店鋪はどこも素晴らしい接客でしたが、NKさんも系列他店に負けぬ素晴らしい接客。
ドリンクオーダーや匙を持ってくるタイミングもドンピシャですし、お料理や食材に関する質問なんかにも詳しくスラスラ答えてくれます。 そっから少し会話が弾んだりもして食事の時間がとても楽しく過ごせました。
お料理バツグンに美味しいし、楽しく食事できる雰囲気&接客なので予約さえ取れれば我々も再訪したい店ですが……
なかなか厳しいようですね(苦笑)


唯一、お料理がかなり独特なんで初訪だと酒を合わせづらいのが難点といえば難点かな。
食材を聞いて酒を頼んでいたんだが、まさか車海老しんじょがブールブランソースで来るなんて予想すらせんわ(笑)


おまかせコース(知らん円)×2
お酒色々(私。知らん円)
お茶色々(同行者。知らん円)
会計10万円程度(二人分)。

コース内容
筍出汁:筍で取った出汁に木の芽。

コロッケ:じゃがいもコロッケに山盛りのオシェトラキャビア

蛤と山菜:炒り酒で煮た蛤を山菜と一緒にビネグレットソースで。


フカヒレ:鰹出汁で炊いてから表面カリカリに火入れしたフカヒレに真鯛白子の餡掛けをからめて


トマトそうめん:トマトの冷製カッペリーニのようだが麺はそうめん。

牛肉と花山椒:炭と薪を併用してじっくり焼いた牛ヒレ肉にたっぷりの花山椒。ソースはマデラのよな甘いソース。

車海老しんじょ:車海老のしんじょにブールブランソースとアメリケーヌソース。

蛍烏賊タンタン麺:挽肉ではなく生の蛍烏賊を使ったタンタン麺。

桜海老とクレソンのご飯:土鍋ご飯だが飯表面に乳化させたソースが絡む仕上がりなんでリゾットに近い。とはいえ、アルデンテのよに芯が残ってるワケではないのでリゾットとも違う。


魚介カレー:たっぷりの魚から抽出した出汁を使った魚介の旨味が爆発するよなカレー。スープドポワソンカレー。


ブランマンジェ:ブランマンジェに金柑コンポートと紅茶ジュレ。


アイスクリーム:マダガスカルのバニラを使ったバニラアイスクリームに焙煎したカカオニブを散らして。

  • 筍出汁。めっちゃ筍の香り! 筍って出汁取れるんですね。最初に温かいスープってのも胃袋を活性化させてくれて良いね。 酒はグラス泡からスタート。

  • じゃがいもコロッケにオシェトラキャビア。芋のテクスチャは洋食屋のコロッケのよなホクホクではなく、ロブションの芋ピューレのよなトロっと滑らかタイプでビックリ。キャビアとの相性も良くめっちゃ旨い。

  • 蛤と山菜をビネグレットソースで。胡椒も効かせてある。蛤の状態もバツグンだが、少し辛味あるビネグレットソースで蛤を食べるってのもオツですね。

  • 蛤の肉厚っぷりが凄い。山菜の中にはチコリなんかも入ってます。このほろ苦さと歯ごたえが口の中を爽やかにしてくれるんだよな。

  • 鰹出汁で炊いてからカリッと火入れしたフカヒレを鯛の白子の餡掛けで。フカヒレにすごく良い味が入ってるのに加えて、コクのある白子餡掛けで更に足し算。これで崩壊しないどころかバチクソ旨いんだから凄い。

  • トマトソースそうめん。トマトの風味の鮮やかな事!! 思わず皿まで舐めたくなります。そこでサッと匙を出してくれる接客もナイス♪

  • 牛ヒレ肉に花山椒。王道と思いきやソースは洋(笑) でも甘めソースと牛肉って相性良いので当然この料理もバッチリ美味しい。牛ヒレへの火の入れ方も独特。かなり柔らかな火入れです。

  • 海老しんじょにアメリケーヌソースとブールブランソース。これは強烈に印象に残りました。椀に使う海老しんじょをブールブランで食ってこんなに美味しくなるとは思いもせなんだ。

  • 生蛍烏賊のタンタン麺。辛味痺れは控えめで、蛍烏賊のワタの風味とゴマのコクで濃厚な味わいに。麺は細いストレート麺。もちろん臭みエグみなんか皆無です。 これは丼サイズで食いたかったなぁ。

  • 桜海老とクレソンの炊き込みご飯。リゾットに近い状態だがリゾットほど芯を残していない。このご飯も良かった。

  • 魚介出汁のカレーにサフランライス。魚介出汁というか、ほとんどスープドポワソン。このカレーはとても気に入りました。ので おかわりした(笑) おかわりは桜海老リゾットにカレーかけるという反則技。

  • 金柑コンポートにブランマンジェ。かけてあるのは紅茶のジュレ。紅茶ジュレの香りが爽やか。

  • バニラアイスクリームにカカオニブ。カカオニブは香ばしく焙煎してある。

  • お酒は日本酒主体で攻めてみた

  • 肉には赤。って、アマローネかよ(笑)

  • 海老しんじょって事で日本酒にしたが、これは失敗。アメリケーヌソース&ブールブランソースだったので樽のきいた白ワインとかのが良かったな。まあ日本酒選択したの私だが。

2024/07/13 更新

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