1回
2022/07 訪問
異常なぐらい費用対効果が見合ってない店 ／ 本場で習ったジェノベーゼの味は？／「古典」と名付けらた店の宿命
2022/07/28 更新
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ジェノベーゼ103皿目。
「リグーリア 修行」なんていうワードで検索をかけていたら、当店がヒット。
ぜんぜん知らない店だし、食べログのレビュー数も０件。
パッと見の雰囲気は「安曇野の森の中の、別荘地にたたずむイタリアン」といった感じである。
しかし当店のサイトを見ると、なかなか興味深い惹句が並んでいる。
・シェフの両親が安曇野で育てている野菜や果物をたっぷり使う。
・自家菜園で採れるハーブ。地物のフキノトウや山菜、キノコも。
・信州で獲れたジビエもあり、鹿のローストが人気メニュー。
との事だ。
とはいえ、地元完結を目指しているわけでも無く、
イタリアからも良いものを取り寄せているようだ。
シェフはピエモンテ州で長く修行されていて、近隣州への出稽古などもしていたとの事。
その中で、リグーリア州の星付きホテルの厨房で「直接ジェノベーゼの作り方を教えてもらった」
といったような一文を発見。
私は自家製ペストのジェノベーゼなんていうmatomeを作ってしまうくらい、ジェノベーゼが大好き。
実は東京から安曇野へ行くのはけっこう不便なのだが、居ても立ってもいられず訪問～。
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近辺のホテルに宿を取り、予約時間にこちらに向かう。
静寂な森を進んでいくと、明るく浮かび上がるこちらの建物が見えた。
扉を開けると、物腰やわらかい給仕さん(シェフ夫人?)に迎えられた。
■ディナーコースBを注文。その他スプマンテやワインなど
おそらく日本でもトップクラスの、費用対効果が見合ってないレストランである。
コースの料金が税込4,290円で「安いな～」と思ったのだが、
実際に食事をしてみると「安すぎる！」に変わった(笑)。
パリッ、シャキッの朝採れ野菜が美味い。ビーツや果物もいい。
……そして冷製トウモロコシスープの滋味深さ。
親が栽培しているという事で、シェフはかなりワガママに発注しているのではなかろうか(笑)。
パスタは三種類の中から、もちろん「フレッシュバジルのジェノヴェーゼ リーグリア風」を選択。
摘みたてのバジリコの風味に、うっとり。
残念ながらモルタイオ(乳鉢)調理ではないのだが、バジリコのすり潰されかたを見ると、
わりと大き目の粒子で残っており、エッジの状態などモルタイオに近いものを感じる。
具はジャガイモにインゲン、使用パスタはトレネッテと伝統的。
フォークでくるくるし、一口パクり……。
私は動きを止め、ガクりと撃沈。そのまましばらく固まる(笑)。
ペストの食材バランスが理想的な比率だから、この味を発揮するのだろう。
本場のシェフに習ったというこの皿は、やはり伊達じゃない。
しみじみ「来てよかった」と思った。
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店名となっているclassicoは「古典」という意味だが、
「品質や技術などが極めて優れているさま」「模範」という意味も含む。
バジリコの調味料であるペストは、九世紀のジェノバで生まれたとされていて、千年以上も磨かれてきた。
実は美味しさという点では、バジリコのパスタはインスピレーションや創作が入り込む余地はあまりない。
伝統的であればあるほど、美味であると言って差しつかえない。
その意味で「古典」と名付けられたこの店で、
美味いジェノベーゼの皿が出てくるのは、宿命と名付けられる。
matomeの自家製ペストのジェノべーゼへの追加を行った。
https://tabelog.com/matome/13366/