ふくろう1001さんが投稿したお菓子の松栄堂(鹿児島/加治木)の口コミ詳細

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閉店お菓子の松栄堂加治木/和菓子、かき氷

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  • テイクアウトの点数:5.0

    • ~¥999 / 1人

​100年の歴史に幕、加治木に佇む老舗の集大成(2025年8月30日まで)

2025年8月30日、ひとつの歴史が静かにその幕を降ろします
姶良市加治木の町に根差し、一世紀にわたり人々に愛され続けたお菓子屋さんが、創業100年を目前に暖簾をたたむと聞き、いてもたってもいられず、開店直後のお店へと足を運びました

​加治木の中心地にありながら、店の傍らには2台分の駐車場が用意されています
威風堂々としながらも、町に溶け込むその外観は、この店が重ねてきた時の長さを物語っているようです
カメラのシャッターを切り、店内へ足を踏み入れると、そこには既に閉店を惜しむ常連客の姿が
店の方と交わされる会話の一つひとつに、この店がいかに地域の人々に愛されてきたかが滲み出ていました
これまで使い込まれてきたであろうお菓子の道具たちが、その役目を終え、安価で引き取り手を待っている光景もまた、一抹の寂しさを感じさせます

​今回のお目当ては、この店の看板商品である「和尚さん饅頭」
なんでも、私が訪れたタイミングでちょうど品切れとなり、ご主人が奥で大急ぎで新たなものを作っているとのこと
10数分待てば出来立てが手に入る幸運もあったのですが、実は今朝駄目元で電話をしてみたところ、普段は受け付けていない取り置きを特別にお願いしてました
名前を告げると、すでに包みが用意されており、待つことなく受け取ることができました

​後ろ髪を引かれる思いで店を後にし、自宅でその包みを開きます
1つ70円という、このご時世にはあまりにも良心的な価格の饅頭
そっと口に運ぶと、黒糖と山芋の織りなす優しい甘みが、ふわりと鼻腔をくすぐります
生地は驚くほどにきめ細かく、それでいて、しっとりとした食感
その中に、丁寧に炊かれたであろう小豆の餡が、絶妙な塩梅で包まれていました

​1925年の創業から、幾多の時代を乗り越え、ひたすらにこの味を守り続けてきたであろう職人の姿に、思いを馳せずにはいられません
派手さはない、しかし、どこまでも誠実で、心に染み渡るような味わい
これこそが、100年という長きにわたり、人々を魅了し続けた理由なのでしょう
​あっという間に10個の饅頭は姿を消し、残されたのは、深い感動と、もうこの味に出会えないという一抹の寂しさでした

​この記事が掲載される頃には、もう残された時間は僅かでしょう
もし、2025年8月30日までに加治木を訪れる機会があるのなら、ぜひこの店の暖簾をくぐってみてはいかがでしょうか
そこには、一つの時代の集大成ともいえる、忘れがたい味との出会いが待っているはずです

2025/08/27 更新

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