3回
2024/05 訪問
オムライスの最高峰
現状では年に8回、8・12・1・2月を除いた各月に1回行われる、紅亭さんの「特別営業日」。
提供されるメニューは、紅亭さんの名代たる「ドレス・ド・オムライス」!
予約の受付は電話のみ。
予約枠は11時30分から30分刻みで13時までの4コマ。
オムライスの調理は要する時間は、2人前に凡そ15分と見ました。
故に、予約の最大値は恐らくひとコマにつき2組4名まで。
1日トータルでも十数皿の提供と思われます。
予約は特別営業日の3〜4日前の朝10時から開始されますが、数分で売り切れ御免となるタイトさです。
そら、関東中からファンが押し寄せますからね。
尚、今回の営業日及び予約日の公開は5月12日。
予約開始は17日、特別営業日は20日でした。
もっさんは5月の10日にも紅亭さんへお邪魔したばかりですが、ドレス・ド・オムライスとなれば見過ごせませぬ。
5月20日が偶々もっさんのお休みと重なり、また運良く予約を取る事が出来ました。
もっさんは過去に4度予約にチャレンジして2回失敗。
2回は実食出来ておりますので、打率は5割となります。
高いんだか低いんだか分かりません。
◯ ドレス・ド・オムライス
特別営業日のメニューはドレス・ド・オムライスの一品のみ。
この日もカウンターへの着席をお願いし、調理の様子を具に拝見しました。
ややあって、登場のオムライス。
タイプ:のせ型
ソース:ドミグラスソース
ライス:チキンライス
約11ヶ月ぶりのご対面。
相変わらず美しい。
そのデザインについて、紅亭さんの公式サイトより河邉シェフのお言葉を引用します。
『舞台の上を黄色いドレスを纏った少女が回転しながら踊る姿を、白いお皿をキャンパスに見たて立体的に絵を描いた。
黄色い玉子は回転するスカート「ドレープ」、赤いトマトは少女の胴体、緑のスナップは高く上げた右腕、ドミグラスソースはスポットライトを浴びてできたスカートの影を表現しました。 』
どこから見ても嘆息を禁じ得ないひと皿なのですが、もっさんは正面を真横から見たこの角度に、極まった造形美を感じます。
ドレープを描くオムレツのドレス。
もっさんの拙い写真からでも、オムレツの艶、全体のシズルを感じ取って頂けるかと思います。
卵は全体を七分程度に抑えた火通し。
フライパンによる加熱は30秒足らずです。
半熟というよりも、半生という表現が近いでしょうか。
この半生加減がドレープに流れるような躍動感、メリハリの効いた立体感を齎しています。
口へ含めば、文字通り蕩ける食感。
舌触りの滑らかさは、堪能的ですらあります。
包み型のオムライスに於いて、オムレツの内側を半熟に留めたものを良く見掛けますよね。
もっさん的にこの手法は
「みんな大好き卵かけご飯」
へのオマージュだと認識しています。
紅亭さんのドレス・ド・オムライスは盛り付けの仕上げにドミグラスソースを半周。
もう半周には、溶き卵から作る卵液を掛けています。
このひと工夫は
「オムライスを、より卵かけご飯へ近づける為の手段」
のように思えます。
西洋料理的なデザイン・造形へのアプローチと、日本人好みな味わいと食感へのアプローチ。
両者を如何に破綻なく交差させるか。
日本生まれの「洋食」とは、先人達があたかもピラミッドのように積み上げ続けてきた努力と工夫の成果であり、未だまだ進歩の余地を残していると考えます。
紅亭さんのドレス・ド・オムライスは、そうした洋食の世界に於ける最高峰にして最先端のひとつ。
言わんや、極点に至ったひと皿です。
ご馳走様でした。
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2024/08/02 更新
2024/05 訪問
癒しの空間
大宮が誇る老舗洋食店、紅亭さん。
以前の店舗はJR大宮駅西口より目と鼻の先にあったようですが、現在は駅より徒歩15分くらいの場所へ移転。
原則金曜土曜のランチのみと、時間も絞っての営業スタイルへ変更されました。
訪問のハードルはやや高くなったとは言え、その人気は変わらず。
この日、もっさんの現着は11時15分。
開店の定刻11時半ですが、この時点でオープン済み。
並びが出た為に、開店を早められたようです。
店内は既に満席。
廊下の待ち席にて25分程待機し、入室は11時40分でした。
回転の都合良く、着席はカウンターへ。
シェフの調理は勿論、奥様はじめスタッフの皆様の動きが拝見できるカウンター席は、オープンキッチンならではの特等席です。
結果オーライでしたね。
◯ ロース生姜焼き定食
紅亭さんのベーシックなランチメニューは、先ずお店の代名詞とも言える「おまかせランチ」。
次いで、カレーライス。
そして定食or単品と出来るお料理が6種類。
計8品のラインナップです。
おまかせランチは最後へ回す予定であり、単品のうち「若鶏のかつ」は既に頂きました。
毎回2品ずつオーダーしておりますので、コンプリート迄あと4回ですね。
先のことは一旦置きまして、今回はロース生姜焼き、メンチカツをオーダーしております。
20分ほど待って、登場のロース生姜焼き。
見ただけでもう美味い。
ロースは大ぶりなポーションで、スライスも結構な厚みです。
直様にも齧り付きたいところですが、素数を数えつつ一旦落ち着きましょう。
ナイフ&フォークが用意されていますので、ひと口大にカットして、と。
オンザライスにて頂きます。
お肉がメッッッッチャ柔らかい!
表面ではタレを良い塩梅に焦がしつつ、内側は柔らかでジューシィ。
寸毫も硬さを出さない、完璧な火通しです。
ひと噛み毎にお肉の旨み・脂の甘みが口中に広がって来ます。
紅亭さんのお料理は全体的に「やや、甘め」のデザインで統一されているように感じますが、生姜焼きの付けダレも御多分に洩れず。
生姜の風味・塩っぱさ・甘さ。
それらの何も尖る事なく、豚肉本来のポテンシャルを引き出しています。
かつ、ご飯がモリモリと進む味わい。
素晴らしい調味です。
すいませんご飯お代わり下さい。
◯ メンチカツレツ
間をおいて登場の、ふた品目はメンチカツレツ。
思てた以上にデカーーーい!
長辺でどれくらいの長さじゃろう?
大きさも厚みもある為、揚げ調理は12〜13分をかけてゆっくりと行われます。
更にバットで休ませつつ、余熱を4〜5分。
結果、この美しい揚げ上がり。
この大きさをして、割れや焦げは何処にもありません。
もっと小さなコロッケだって、ここまで完璧に揚がるか? と言う話ですよ。
河邉シェフの卓越した技術には、感嘆を禁じ得ません。
早速、真ん中でカット。
煌めくジュースがジュワワ〜〜っとお皿へ流れていきます。
更に8分の1へカットして、オンザライス。
頂きます!
ミンチはやや細かめの挽き。
肉だねはしっかりと練られており、ツナギは最低限だと思われます。
お肉の旨みと甘みがピチッと閉じ込められており、それが口内でボムッ!と弾けるかのよう。
はらりと解ける肉だねの舌触りと、カッチリ付けられた衣のサクサクとした歯触りが、食感のインパクトを齎しています。
こちらのソースも甘めで優しい味わい。
ミンチの味わいをストレートに伝え、また旨みを引き立てています。
すいません、ご飯もうひとつ下さい。
〆はメンチカツ・生姜焼きのダブルオンザライス。
前門のメンチカツ、後門の生姜焼き。
お米のひと粒たりとて逃さぬ、ライス包囲網!
食後にはアイスコーヒーとお菓子のサービス。
この一手がまた、お食事全体の満足感を高めてくれます。
お料理の美味しさは勿論なのですが、それに並ぶ紅亭さんの美点は「癒しの空間」であるように思います。
美味しいご飯を頂いて、ほっこりとしたええ気分でお店を出る。
休日のお昼に、これ以上の贅沢がありましょうか。
さあ次回はハンバーグか、チキンステーキか?
またお邪魔します。
ご馳走様でした。
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2024/08/02 更新
大宮が誇る洋食の老舗「洋食 紅亭」さん。
お店はシェフのご自宅を兼ねており、住宅街の真ん中にあります。
大宮駅からは徒歩で約15分というところです。
その紅亭さんに於ける冬季の名物が、即ち「天下逸品かきフライ」。
例年ならば12月初旬から提供されるメニューですが、昨夏に高温が続いた事が牡蠣の成長に影響。
店舗公式Xやブログにて、2024年は年内の提供が無い旨が告知されていました。
年が明けた2025年1月23日。
1月24日より、天下逸品かきフライの販売開始のアナウンス。
もっさんは丁度お休みでしたので、勇んで初日にお邪魔して参りました。
この日、もっさんの現着は9時14分。
既に2組がお待ちであり、3番手に付けました。
通常の紅亭さんの開店時刻は11時30分ですが、この日は9時半ちょい過ぎにお店をオープン。
もっさんは例によって、河邉シェフの調理の様子が見られるカウンター席端っこを確保。
まだ寒い時期でしたので、店内にて待たせて貰えるのは有難いですね。
定刻の約45分前には、店内の待ち席まで満席。
調理開始も通常より30分早めた11時でした。
◯ 天下逸品かきフライ定食(大)
お先に配膳はタルタルソース。
通常はフライに掛かった形で配膳されるのですが、奥様のお計らいで別添えにして頂きました。
ややあって、ご飯、お味噌汁、お新香の三種の神器が配膳。
続け様に登場のカキフライ。
天下逸品かきフライ定食セットの完成です!
カキフライは大のオーダーで8〜9個。
この日は9個盛りでした。
積み上げ方も美しいんじゃ。
では頂きます。
先ずはそのままオンザライスにて。
……あれ?
シェフ、今年の牡蠣、なんか随分と大きくないですか??
「開けてみたら、大きさにビックリしました」
ああ、やっぱり!
食後に昨年の写真を掘り出し、ご飯茶碗のスケールを合わせて並べてみました。
2割以上大きな事が、お分かり頂けると思います。
大きくとも、味は全く大味ではございませんぞ。
牡蠣は河邉シェフ曰く
「広島県産牡蠣の最上級品の中で、さらに最上のもの」
を仕入れているそう。
天下逸品を謳うだけあり、この牡蠣がまあ流石に美味しい!
牡蠣の良さを最大限に引き出しているのは、勿論河邉シェフの調理技術です。
揚げ油は恐らくラードを100%、これをやや低温にキープし、ゆっくりと揚げています。
故に揚げ上がりの色味はやや薄め。
丁寧に付けられた衣が、牡蠣の旨みを寸毫たりとも外へ逃しません。
ガブリと噛み付けば、口内から鼻へ抜ける牡蠣の香りと、ラードの香ばしさ。
じゅわりと広がるジュースの旨さよ!
是即ち、天下逸品也!!!
自家製のタルタルは玉子の甘さを活かした優しい口当たり。
それでいて、しっかりとご飯の進む味付けです。
奥様すいませんご飯お代わりで。
後半はレモン果汁を絞り掛け、タルタルと中濃のダブルソースにて。
ハラペーニョソースで味変をキメるのも乙ですぞ!
すいません、ご飯もうひとつ下さい。
もっさんがイチ推しする、人生最高のカキフライ。
基本金曜日土曜日のみの営業、かつ行列も必至とハードルは高いのですが、それを超えるだけの価値はあるお店です。
ご馳走様でした。
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