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昼の点数:5.0
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~¥999 / 1人
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料理・味 5.0
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|サービス -
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|CP 5.0
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|酒・ドリンク -
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[ 料理・味5.0
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| 酒・ドリンク- ]
モダン館ブレンド(By Café des Art Pico)
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2025/12/14 更新
本ブレンドは、いわゆるサードウェーブ的な尖りや個性誇示ではなく、「公共空間で供されるコーヒー」としての完成度を重視した設計である。
第一印象(アロマ・口当たり)
抽出直後の立ち上がりは穏やかで、焙煎香が前に出過ぎない。口当たりは角がなく、厚みのあるボディが最初に伝わる。苦味は抑制され、飲み手を選ばない。
中盤(フレーバー展開)
「かすかな酸」が補助線として入り、味の輪郭を曖昧にしない役割を果たしている。酸は主張せず、構造を支えるための設計酸である。
後半〜余韻
飲み下した後、余韻は短すぎず長すぎない。苦味は最後まで前面に出ず、安心感を伴って収束する。空腹時・散策前後いずれにも適応する設計。
総合評価(位置づけ)
・出発点として:身体を刺激しすぎず、気分を整える
・到着点として:疲労を受け止め、気持ちを緩める
総じて、まちあるき案内所という場所性と用途に最適化されたブレンドである。
モダン館ブレンドは、「記憶に残る強さ」ではなく、「何度でも戻ってこられる安定感」を価値とするコーヒーだと言ってよい。
※旧東京市深川食堂(現・深川東京モダン館)は、関東大震災後の震災復興事業として、東京市が社会事業の一環として建設した市設食堂であり、昭和7年(1932)に竣工した。震災で生活基盤を失った市民に対し、安価で栄養価の高い食事を安定的に供給することを目的とした公共施設で、市内に整備された市設食堂のうち最後に建設されたものである。
建物は鉄筋コンクリート造で、耐震・耐火性能を重視した当時最先端の構造を採用。昭和初期モダニズム建築の特徴である簡潔で合理的な造形を備え、吹き抜けの階段空間、水平連続窓のスチールサッシ、印象的な丸窓など、時代を象徴する意匠が随所に見られる。外壁には防水性に優れた「リソイド」仕上げが施され、震災復興建築に共通する技法として産業技術史的価値も有する。
開設当初は、一般市民向けの嗜好食と、低所得者向けの定食を区別して提供し、明確な社会政策的役割を担った。戦時中の空襲により内部を焼失した後は、職業安定所、内職補導所、障害者福祉施設などへ用途を変えつつ、戦後の東京における社会福祉行政の現場として長く使用された。
平成18年(2006)に施設としての役割を終えた後、建築的・文化的価値が再評価され、保存活用が決定。平成20年(2008)には国登録有形文化財(建造物)に認定され、耐震補強を含む大規模改修を経て、平成21年(2009)に江東区の観光・文化拠点「深川東京モダン館」として再出発した。
本建物は、昭和初期モダニズム建築の貴重な実例であると同時に、震災復興、戦時体制、戦後福祉という激動の昭和史を体現する都市の記憶装置である。