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1回
夜の点数:4.0
2025/05 訪問
夜の点数:4.0
祝いの宴は、記憶も吹き飛ぶ肉の暴力。アメリカン・ビーフの洗礼を受ける。
2026/01/20 更新
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丸の内、二重橋スクエア。
今日はここにある「モートンズ」で、私のための祝いの席が設けられた。
普段の独り飯とは違う、少し背筋が伸びるようなハイソな空間。窓の外には東京の夜景。
なるほど、こういう場所で祝ってもらうというのは、いくつになっても悪い気はしないものだ。
乾杯を済ませ、前菜が運ばれてくる。
正直に白状しよう。
何を食べたか、よく覚えていないのだ。
いや、不味かったわけじゃない。むしろ美味かったはずだ。
確か、人の顔ほどもある巨大なオニオンブレッドに度肝を抜かれた記憶はある。あのホイップバターも罪な味がした。
だが、その後の「彼ら」の登場が、すべての記憶を彼方へ追いやってしまった。
ドーン、ドーン、ドーン!
テーブルに鎮座した、3つの皿。
主役の登場だ。
網目のついた焼き色。溢れ出る肉汁。
その圧倒的な質量に、私は言葉を失い、ただ喉を鳴らす。
「取り分けますね」なんて言葉も上の空、私の目はすでに肉をロックオンしている。
まずは手前のフィレらしき部位から。
トングで掴むと、その柔らかさが指先に伝わってくる。
口に入れる。
おおっ、柔らかい。
しかし、ただ柔らかいだけじゃない。赤身の旨味がギュッと詰まっている。
噛むごとに、「私は今、肉を食っている!」という歓喜が脳内を駆け巡る。
次は、奥のリブアイか、あるいはサーロインか。
こちらは一転、脂の甘みと肉の野性味がガツンとくる。
これだ。これぞアメリカン・ステーキ。
繊細な霜降りもいいが、こういう力強い肉をナイフで切り裂き、大口を開けて放り込む。
これこそが、生きる力になるんだ。
ソース? いや、いらない。
下味がしっかりついているし、何より肉そのもののポテンシャルが凄まじい。
ただひたすらに、肉、肉、肉。
噛みしめるたびに、身体中の細胞が「おめでとう!」と叫んでいるようだ。
気づけば、皿の上は空っぽになっていた。
前菜の記憶がないのも無理はない。
このステーキのインパクトは、まさに「記憶喪失級」だ。
ふぅ、食った。
胃袋がアメリカ国歌を歌っている。
最高の祝い飯だった。
ごちそうさまでした。
そして、ありがとう。