5回
2023/06 訪問
祝!百名店!
という食べログで勉強した言い方、ようやく使えるシチュエーションになりました(欣喜)
東京で最もなつくこいしいイタリアン。
――私はよく溢美の詞を書きますが(…)大好きと高い評価は別々のことで、後者は料理人の技法や店のアイデアとかを評価する客観視が多く、前者が何回も心地よく行かば行かむ気持を持っている店です。そして、「大好き」の最高級が、懐かしく、恋しく、といったことばに当たります。
――そして、今でも、一人の予約ができますし、値段は三年前とほゞ変わりません。それが先ず感動ですね…!
独りで寂しくも十分に楽しめる。今回は我流のイタリアン料亭「食べ方」: 米料理にパスタ(
リゾットの焼きおにぎりが随所あるが(アランチアという、オレンジの意味のあれです)、フォンダンショコラの様な形で、しかもラグーやサフランを仕込んだのは、こゝだけでしょう。その精巧や技法は言うまでもなく、食感も完璧なfestiveな一皿。
そして、前回で味わった最高の鮟鱇のsecondiにhomageをつくかのように、新メニューの鮟鱇の詰めの水餃子を!贅言要らず、海の幸が浸透しているたっぷりの盛り合わせ、麺類というより魚料理として注文するが間違い無し。
東京で週末を過ごすとき、さほどグルメ旅ではなかろうが、ルート沿いの多くの店に立ち寄りたい気持はいつものとおり。八分の満足まで、期待を今度に託し、念願の縁を結ぶが良い。
2023/06/14 更新
コスパが今では殊更高い。おもてなしと料理の品質は一度でも落とさない、安定感の有る本場味の店。
百名店になるうえで、今年も国際的に認められましたね。東京に来る機会は私にとって希ですが、本当にコロナ前からこの店の努力と成功を見届けました…
今回はずっと気になっている二品をようやく味わえました!一つは、この緑をはさむ黄色の、小さい魚のようなニョッキーー正式の名はニョッキではないね。「ソルチェッティ」です。ほうれん草入りのじゃが芋の団子、ソースは贅沢にサフランのチーズ・クリーム、そして上の青い葉もほうれん草です。
バター・セージかと思えば(食べログでの公式写真では確かセージに見えますよね…)パリパリの、油煎りのほうれん草ですよ~歯ごたえは繊維があまり無いからcrispyなだけ、香りもやさしくおっとりしている。(喜)何らかのハーブより頼もしいよ、素朴なほうれん草!普通の野菜のかたちを避けて、クリスプか団子に練りこんだかにするのが、巧みの心なのでしょう。
もう一つは、羊の内臓の煮込み!発酵無しのパン(焼き麦餅といったほうが良いが…)と合わせて、、なんと、中国の北西の郷土料理に似ていますねww ヘブライ人には発酵を経ていないflatbreadを食べる宗教的な習俗がありますが、抑々古代では酵母という物質が分離され抽出されておらず、発酵が成功しうるかどうか、ほゞ神様に委ねるから、発酵の出来ない麦粉製品をどうしようもなく食べてばかりいるだけ。シルクロード関係の地域では、麦粉に関する技術が成熟し普及したおかげで、麦粉の餅=パンまたは麵類を食べることになるが、インダストリアルな酵母の普及が遅れる地域では、発酵せずに置くだけの生地を焼いたりするのが、むしろ当たり前でしょう。
今は発酵しない麦餅と、自然酵母が珍しくなるのが、このコラテッラが代表する内臓料理がお肉よりも高くなり、あるいは玄米・雑穀は精米・精麵より貴重に扱われるのと、同じ歴史と文化のながれであるといえよう。
豆知識は以上で、要は、この麦餅には色々懐かしみも有り、そして特別な美味が感じられます。羊の強烈な匂いはーーもちろん、あるある!(安心)羊のもつ煮もまた私の馴れた料理です、が、その羊自体の匂い以外は、まったく似ていない。香味料とりわけこしょうが、マイルドで、トマトソースの一部を築いており、内臓の臭みを消すためのパースリも、あまり強くない。本当に羊の内臓にこめられるミルキィーで、やゝ舌を焼くような風味を最大限に表した。内臓の部位ごとに、異なるそれなりの風味が感じられるのが、とても楽しいところです。調味は、むしろこのように地味に感じさせるのがシェフの腕でしょう。
ちなみにあの麦餅は、素直にうまかった。
欠点は…お酒が、今は判断できるから敢えて云うけれど、普通ですね。高くはないけど、確かに風格とかにならない、リカーマウンテンとかでも買えるようなお酒でした。
あとは最近メニューに消されたものがよくあります。新しいのを入れ替えるでしょうけれど、そのまゝでも相変わらず安定感があります。たゞ満足感は、少し落としてしまうかもね。
サービス料無し、コペルトはゼロ、ワンドリンク要求されない、アラカルト自由。セットやOMAKASEばかりの世の中には、それ以上はなにを言おうか。最高にして最大の感謝。