3回
2025/07 訪問
【七月の献立】
季節感と遊び心に満ちた、五感で味わう料理。
はじまりは、七夕にちなんだ八寸。
茅の輪を模した涼やかな飾りとともに、彩り豊かな前菜が舟盛りで登場。
器の中には、ひとつひとつ丁寧に仕立てられた小鉢の数々。目でも舌でも楽しめる、夏の幕開けにふさわしい演出でした。
続いて、はまぐりの潮椀。
やさしく白濁した出汁に包まれた蛤は、ぷりぷりとした弾力と柔らかさが共存する絶妙な食感。
海の旨みを凝縮した一椀に、思わず箸が止まりません。
お造りは、涼を感じる氷の舟仕立て。
鮮魚やサザエを、柑橘の器や花々とともに美しく盛り込み、
泡ポン酢・ポン酢・醤油の三種のつけだれで、自分好みに味を楽しめる粋な工夫。
まさに、夏の海と山の恵みを一皿に凝縮したような内容でした。
煮物椀には、鮑と茄子の炊き合わせ。
とろみのある出汁が全体をやさしく包み、鮑の旨みと茄子の柔らかさが心地よい一体感を生み出します。
有田焼の器がその格調をさらに引き立てていました。
続いて、伊勢海老の揚げ出し。
ホタテや夏野菜とともに熱々の餡で煮立てられた一品は、伊勢海老の兜出汁が主役。
香ばしさと旨み、野菜の甘みが一体となった、贅沢な小鍋仕立てでした。
肉料理は、国産牛の炭火焼きとヤングコーン。
しっとり柔らかな赤身肉の旨みに、シャキシャキのヤングコーンが好対照。
深い緑の器が、大地の恵みを感じさせる一皿でした。
〆のご飯は、穴子の押し鮨。
ふっくらと焼かれた穴子の下には、丁寧に炊かれた煮椎茸が潜み、
噛み締めるほどに奥行きのある旨みが広がります。
赤出汁とともに、最後までぬかりのない構成。
甘味は、氷の器に涼やかに盛られたくずきり。
黒蜜・抹茶・ほうじ茶・きな粉・小豆の5種の味比べを楽しみながら、
自分好みの〆をつくるという粋な遊び心に心もほどけます。
そして、帰り際に頂いたのは、五目巾着鮨のお土産。
丁寧に詰められた優しい味わいに、最後の最後まで心が満たされました。
全体を通して、季節感・演出・味わいすべてに一貫した丁寧さがあり、
ただの「食事」ではなく、まるで一冊の物語を読み終えたような余韻が残るひとときでした。
2025/07/08 更新
2025/07 訪問
ウェルカムスイーツの完成度が高すぎて
チェックインしてすぐに出てきたウェルカムのお茶菓子がこちら。
・ブルーチーズ×いぶりがっこ×蜂蜜
・抹茶と豆のしっとりパウンドケーキ
重箱に美しく収められたその佇まいだけで心を掴まれますが、味わいも秀逸。
ブルーチーズのコクに、いぶりがっこのスモーキーさと食感、そこに蜂蜜の甘みが加わる絶妙バランス。クセになる一品。
抹茶のパウンドは甘さ控えめで、豆の自然な風味と一緒にしっとり口どけ。
どちらも思わず「持って帰りたい…!」と本気で思ってしまう完成度。
夜のお食事が楽しみすぎて、早く時間になってほしいと思わせてくれる最高のスタートです。
2025/07/07 更新
朝の静けさの中でいただく、心と身体にやさしい和の朝食。
ホタテ、フカヒレ、しめじの入った土鍋仕立てのスープは、湯気の香りからすでに美味しく、ひと口でじんわりと旨みが広がります。
焼き魚は鯵と鮭の二種。香ばしく焼かれ、脂ののりもほどよく、箸がすすむ一皿。
先付や小鉢には、とろろや和え物、南蛮風の刺身などが丁寧に並び、アボカドと生ハムのサラダも添えられて彩り豊か。
最後は、ヨーグルトにベリーのソースをかけた優しい甘さのデザートと、2種で締めくくり。
ひとつひとつがきちんと調和していて、まるで旅の朝のような贅沢な時間でした。