lealtaさんが投稿したル サンティモン(埼玉/上尾)の口コミ詳細

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lealta (50代後半・男性・神奈川県)

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ル サンティモン北上尾、上尾、桶川/フレンチ

1

  • 夜の点数:4.1

    • ¥10,000~¥14,999 / 1人
      • 料理・味 4.3
      • |サービス 4.1
      • |雰囲気 3.7
      • |CP 4.3
      • |酒・ドリンク 3.8
1回目

2022/08 訪問

  • 夜の点数:4.1

    • [ 料理・味4.3
    • | サービス4.1
    • | 雰囲気3.7
    • | CP4.3
    • | 酒・ドリンク3.8
    ¥10,000~¥14,999
    / 1人

オーソドックス系の中に創作性が光る本格派

以前から興味はあったものの、なかなか訪問のチャンスがつかめませんでした。
ある意味、満を持しての訪問です。
正直いって場所は不便そのもの。
そもそも上尾駅からバスの終点である車庫まで行かなくてはなりません。所要時間12分くらい。
また、降車後もスマホでの道案内がなければ辿り着くのも容易ではない場所です。
お店の前にフランス国旗がなければ、ここが”お店”であることに気づくことさえ容易ではない、
そんなロケーションです。
ただ。。。この意外性が面白いとも言えますね。
引き戸の扉をくぐると、玄関の雰囲気は民宿の小上がり風。
靴を脱いで右手のお部屋に通されました。
厨房に隣接してダイニングが広がっていますが、大きなダイニングテーブルが一つだけ。
なるほど、ランチ、ディナーともに一日一組というのも分かります。
民宿風の玄関とは対照的に、調度品はイタリアンアンティークと思われるテーブル、食器棚、
飾り棚具が並んでいます。一転してベネチアあたりのレストランに入り込んだ雰囲気です。

さて、本日は8000円(税・サービス込み)のコース。
一品目の冷たいオードブル
いきなり来ました。オードブルですが非常に凝った一品です。
天使の海老(ニューカレドニア産?)をアボガドでクレープで挟み、柑橘系のメレンゲで
いただくのですが、これは本日のお料理全体を通してみても出色でした。
シェフの説明では、伊勢志摩サミットの晩餐会で出品したお皿ということですが、その通り
非常に凝ったお味。ピチピチに張り詰めた海老の身とアボガドがこれ程にも相性が良いとは
全く想像も出来ませんでした。お見事ですという他はありません。
主賓の母は、これだけ食べに来てもよい、と言っていましたが、それも納得です。

二品目が温かいオードブル。
フォアグラとトリフェのリゾット添え。
今回主賓の母(誕生日)以外は全員フォアグラ好き(次女はポワレの時しかフォグラを食べない)。
しかもトリフェソースのリゾットと合わせているので、たまりません。
これはあまりに贅沢過ぎる一品です。”口の中がパラダイス”というのは、まさにこういう時の表現ですね。
しかし、フォラグラが苦手な母の為に差し替えた帆立もまた美味しかったようです。
10年物の帆立を使っているということで、少し食べさせてもらったのですが、貝柱の身の引き締まり方、
徐々に口に広がる甘味は、ちょっと食べたことのないお味でした。

三品目は桃の冷製スープ。”ヴィシソワーズ風”という感じでしょうか。
フランボワーズで”絵”が描かれていますので、見た目はカプチーノ風です。
これは暑い夏には最適な一皿。この日も暑い一日だったので、本当にホッと一息つきました。
桃の甘味全開というよりは、風味が十分に生かされつつ、やや塩味が効いてたまろやかな味。
フランボワーズのソースを混ぜるとさらに奥行きが増します。

四品目は本日の魚料理。長崎産の鯛のかぶせたチーズをオーブンで焼き上げ、
サフランのソースでいただきます。
長崎に所縁があるわが家では、”長崎産の魚は別格”というのは既に”常識化”しているのですが、
その我々でもこの鯛の身の厚み、綿毛のようにふんわりとした柔らさは印象的でした。
サフランソースが淡泊な鯛に本当によく合います。
メインを前にカシスのソルベでお口直し。

本日のメインは、佐賀牛(A4ランク相当)のフィレ肉。赤ワインソーズです。
軽くナイフを引くだけで切れる程の柔らかさ、そしてサーロインにはない、フィレだけが
持つ肉の旨味が詰まったジューシーな美味しさが印象的でした。

デセールは、フランボワーズのソルベ、オレンジジャム仕立て。
食後はコーヒー。シェフのお母様が毎日ランチとディナーに合わせて焙煎されているそうです。

本日のワインはブルゴーニュの赤です(7500円くらい)
暑かったので、アルザスのリースリング(HUGEL)を選びたかったのですが、
妻の「記念日、しかもコース的に”赤ワインでしょ”」という無言の圧力に抗せず、断念しました。
聞いたところによると、シェフはお酒を飲めないということで、ここのワインは田崎真也氏による
セレクトだそうです。分厚いワインの品揃えではありませんが、確かに産地別、高値品からコスパ
型までバランス良く揃えられていると感じました。確か3000円台のワインからリストにあったと
思いますし、このクラスのお料理を提供するお店としては十分過ぎるコスパだと思います。

全体として、噂に違わず、お料理はどれも一級品だと感じます。
使っている素材、その素材を生かした創作ともに十分で、これでこの価格帯であれば、間違いなく
お得と言えます。予約が絶えないのも納得です。
加えて一皿一皿のポーションが、”本場並み”であることも、嬉しいですね。

以前から思っていることですが、日本のフレンチが”女子会向け料理”の域を出ない理由の一つは、
男性が満足出来るボリュームが一皿にないからだと考えるからです。
お値段からすれば、料理の質が高いのは当然。ある程度の量があってこそ満足感も得られる
と思っています。男性が来るようになれば、アルコールの消費量も増え、結果的にお店も潤うでしょう。
ル サンティモンでは、シェフも本場並みのボリュームは意識しているようで、余った場合には
お持ち帰りを勧めていただきました。これならフードロスの問題も発生させず、サービスという点
でも十分です。

惜しむらくは、デセールかな・・・。
味としては十分ですが、やや独創性に欠ける印象。それまでのお料理が素晴らしかっただけに、
尻すぼみ的な印象を与えてしまいます。
もしここさらに改善できれば、これは押しも押されぬ”グランメゾン級”として自信を持って
勧められますね。都内の星付きレストランと比較してもコスパは断然こちらに軍配があがるでしょう。
とにかく美味しいお料理を十分なボリュームで堪能させていただきました。
またお伺いしたいと思います。

2022/09/07 更新

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