2回
2020/01 訪問
14年目の三谷
10年前から通っている数少ないお店。10年前は、次の予約、というと、3か月後だったのが、だんだんと、予約がとりにくくなって、半年、1年、と次の予約までの間隔が長くなり、もう次の予約は、2年後、3年後、という、超人気店になってしまった。
6席のカウンター1回転のみ、で、こんなに人気になってしまうと、残念だがしょうがない。
人気の秘密は、ずばり、店主の三谷さんのセンス。寿司、和食の常識にとらわれること無く、常にイノベーションを起こしまくっている。例えば、あん肝は酒蒸しにするもの、という常識を破壊して、揚げ物にして出てくる。「あん肝の美味しさは、油。だから、あえて、油と合わせるのが美味しいと思うんですよ」と言う三谷さん。また、今日の酢飯は、今までと全然違っていて、すごくおいしくなっていたので、酢飯、変えました?と聞いたら、「がらっと変えました」とのこと。酢飯にブルゴーニュのビンテージワインを使い、まろやかな酸味と絶妙なバランス感を実現しているらしい。なんて常識破りな発想。
4、5年前までは、あれ?完成されてしまってマンネリ化して来たかな?と思う時期もあったが、完成されたものを自らぶっ壊して挑戦を続ける凄さ。「イノベーションって、伝統を守るところから生まれてくるんだと思うんです」という名言を呟き続ける求道者的な姿は、まさにカリスマ。とら屋の社長さんも同じこと言っていた。伝統的なものって、時代、環境が変わって来ると、どうしても、時代遅れになりがちなところ、変化し続ける、自らの常識をぶっ壊し続ける人達のみが、伝統の担い手になれるという、何たる矛盾。「50年前の魚と、今の魚は、明らかに違う。それを同じやり方で握っていたのでは、伝統は守れない」とのこと。うーむ、深い。
さて、三谷と言えば、料理とお酒のマリアージュ。一品ごとに、それに合う絢爛豪華なお酒と一緒に食べ合わせるのが一番の本質なのだが、今回は、初めて、マリアージュ無し(最初のシャンパーニュと日本酒x1杯のみ)で、料理だけを楽しみました。
最初に出て来たのは、九十九里浜のハマグリのムース(!) ハマグリをフードプロセッサーでムース状にして、ハマグリのスープに浸して頂く。これはこれで無茶苦茶美味しいが、もしかしたら、ハマグリをもっと粗挽きにしたら、もっと美味しいかも、という改善を思いつく。今度、自分でやってみよう。
次は、ブリブリのイワシのお刺身を、とろみをつけた出汁白醤油に浸したもの。うーん、ちょっと他では食べたことの無い食感。
三品目は、旬の松葉がに。素材の味を引き立てまくっている、完成された絶品。
四品目は、車海老と油がたっぷりのった、のどぐろの焼き物。どちらも、火の入れ方が名人過ぎる。車海老は、天ぷら風の調理なんだけど、外の衣はさっくり、中の海老はレア。のどくろもそう。
五品目、ふぐの白子を十四代の酒粕と白みそのスープで。自家製カラスミをたっぷりかけて。見た目はまるでフランス料理! フォンドヴォーの上にミモザチーズがかかっているような見た目。見た目もイノベーション。
ここで、今回はお酒は控えよう、という我慢も限界。十四代の荒走りを頂く。1/22の搾りたてとのこと。やばい、美味しい。白子に合いすぎる。ここで、十四代の今の店主が、全国の酵母をどんなに研究し、イノベーションを起こしまくっているか、お話しをうかがう。うーん、日本食の未来の担い手たちってすごいなぁ。
六品目、あん肝のフライ。はい、確実に美味しいです。これも外はかりっと、中はレア。
ここからは寿司を握ってもらうが、今までは、手渡しだった寿司が、なんと、クリスタルの寿司下駄に置かれて出てくるようになった。焼きたての穴子とか、手渡しだと熱すぎるのを気を使って始めたのだが、ビジュアル的にも、ちょっと宙に浮いている感じに見えて、まさに、未来の寿司! 詳しくは、言葉で語るより、写真を見て下さい。
ご馳走様でした。また二年後、よろしくお願いします。
2020/01/29 更新
経験したことのない組み合わせ。うにと緑茶、まぐろとシャンボールミュジニー、等々、三谷さんの本質を追求する姿勢はまさに求道者。数年ぶりに伺わせてもらってその進化に驚きました。こんな経験ができるなんて、全てに感謝の気持ちがあふれました。