2回
2021/10 訪問
白河ラーメンの決定版
10月中旬の日曜日、お昼に訪問。
妻の実家の白河市。福島はよく知っているものの、県南はこれまであまりなじみがなくこちらは初めての訪問。
午前10時ごろにお店の前に訪れると、さすが数々の番組で取り上げられたラーメン店のレジェンド、すでに20~30人が集まり、入店名簿に名前を書いているではありませんか。
わたしは19番目。これでも入店可能時間は12時以降になるようです。
この日はあいにくの雨。肌寒い気候の中、待つこと2時間。
ようやくお店に入ることができました。店内は天井が高くて開放感はあるものの、それ以外に特筆すべき部分はなし。わたしはチャーシュー麺を注文、15分ほどでラーメンが到着。
やや琥珀がかった澄んだスープに、シコシコ感のある麺。チャーシュー、なると、菜っ葉、のりと面構えは本当にシンプルでオーソドックスなラーメンです。
一口スープをすすると、最初はあまり感じないものの、徐々に鶏ガラのうまみが口の中に広がります。穏やかですが、豚骨や醤油など過剰な味のラーメンとは一線を画す品の良さを感じます。
麺の食感や味もスープに合っていてつるつるもちもち、すすり込む際のリズムがよい。スープと麺のなんともいえない一体感。チャーシューも丁寧に油が落とされているのか、しっとりとしていてスープと絡み、大変よい塩梅。
特筆すべきはスープの味わい深さ! 口と鼻の中に、とてもきれいなうまみの余韻が広がります。そして打ち寄せる波のように、ある瞬間からサーッとうまみが引いていき、後味が素晴らしい。このうまみに引き寄せられながら、次のスープをすすり、次の麺をたぐり寄せ、あっという間に完食。スープの最後の一滴まで、滋味深く至福。最近はやりのくどさを感じる濃い醤油ではなく、味わいの美しい、昔ながらの逸品。ラーメン博物館があれば、殿堂入りの教科書的なラーメンでしょう。
個人的には、味の濃さが好き嫌いの尺度となりがちな豚骨など濃厚なものよりも、こういうラーメンが東京はじめ全国できちんと評価されてほしい。ただこの繊細な味は福島県、そして白河市という地域の水のうまさ、水の良さから来る面もあるので、この味わいをいろいろな地域で出すのは難しいでしょうね。
とはいえ、こうした素材の味わいをストレートに伝えてくれるラーメンはわたし好み。至高のラーメンの一角を味わえました。ごちそうさまでした。
2021/10/29 更新
3年以上前に訪れて以来、長らく再訪したいと思っていたお店でした。
説明不要、白河ラーメンの代名詞とも言えるお店。匠の生きざまを紹介する某番組でもこちらのご店主が紹介され、人気は全国区かつ不動のものになったように思います。改めてその味を確かめたいと、正月に初詣のつもりで訪れました。
店が毎度混雑するため、朝に店の前でいったん入店の受付をするスタイル。8時半ごろに番号札を受け取り、11時半めどの入店と告げられる。11時半前に再び店前に。10分ほど待って入店です。手打ち中華そばの大盛り1250円、それに白ごはん150円もおまけでつけてみます。
オーダーからさらに20分ほど待って、待望の手打ち中華そばが到着。琥珀色の美しいスープ、モモとカブリのチャーシュー、のりにほうれん草、なると、刻みネギ。まだ白河ラーメンを味わい始めたばかりだった当初に比べ、意外とスープの味に対する衝撃は感じません。口中にじんわりと広がってくる上質な鶏の旨味。ウェーブがかって複雑な凹凸が表面に出た麺。口元で暴れながら、チュルっと口内に入ってくる。食べ始めたときは特段何も思わなかったのですが、面白いのは中盤以降ですね。飽きが来ない、と表現すればよいのでしょうか。スープ、麺、それに具材も含めてなぜか次の一口が止められなくなる。絶妙なバランス。気がついたらあっという間に完食。
毎日でも食べたいラーメン、というのが白河ラーメンを表す評の1つだといいます。こちらはまさにそれを体現した偉大な1杯ですね。食べたあとに、また食べたくなってしまう。さまざまな白河ラーメンを食べ歩きましたが、途中からなぜか不思議とうまくなるというのもすごい。常に高みを目指し、改良を重ねているという地道な仕事の賜でしょうね。
現在は店主の竹井さんはメインの作り手を退いて、麺はお弟子さんに任せているとのこと。麺は確かに以前より質が少し落ちた気がしますが、美味で重要なラーメンであることに変わりはない。定期的に味を確かめたくなるお店です。ごちそうさまでした。