16回
2023/01 訪問
香港からのゲストを連れて、笹田さんに。1月7日は、毎年笹田さんのところで、七草粥を食べることにしています。
何を隠そう、唯一の苦手の食べ物がお粥なんですが、笹田さんの七草粥だけは、滋味深いその味わいに、苦手なんて言っていられません。七草の苦味は、日本料理にしかない味覚であり、お粥のご飯の甘味とのバランスは、正月にふさわしい有り難いものです。
笹田さんの1月の名物であるおでんとともに、真冬の寒さで旨さが頂点に達する京野菜を堪能させていただきました。
来年の1月7日は日曜日…
どう成ることやら、いまからドキドキしてます。
笹田さんの料理、美味しすぎます!
2023/01/07 更新
2021/10 訪問
味は極上。しかも、コスパ的には都内で一番では
京味の大将だった西さんの一番のお気に入りだった、笹田さん。
本当に実直な「引き算」の味を守っています。
今日もびっくりしたのは
厚岸のししゃもの唐揚げ。なんという発想なのでしょうか。ししゃもの旨味をさっくりとした食感で出してくれます。びっくりしました。
イワシ鯨の尾の身の刺身。癖のない赤身の部分で、鯨ならではの、旨味が口の中に広がるのが、この大きな鯨が、イワシを食べて大きくなったなのでしょうか。
とにかく、これだけ手間のかかる料理を、この値段で出せるのは信じられません。京味の他のお弟子さんも見習って欲しいです。大将も麻布十番のお墓から応援してると思います。
2021/10/27 更新
2021/06 訪問
外連味
久しぶりの笹田さんです。
大学時代の同期が、名古屋から駆けつけてくれました。
入り口からスッキリしっとりしていて、梅雨時の重い気分をスッキリさせてくれる心遣いが嬉しいです。
世に外連味のない、という言葉がありますが、笹田さんの料理は、まさにそれ。外連味とは、くどくどとした余計なもの、というような感じですが、そんなものはなく、とにかく季節のものを手間をかけて仕上げて旬の味を出します。まさに、京味の大将の言っていた「面白いもんと美味いもんは違う」「季節が味を運んでくる」という言葉どりで、こちらの背筋が伸びる思います。
最初はウニを鯛の骨で炊いたジュレで包むもの。笹田さんの工夫は、下に湯葉が忍ばせてあること。これが旨い!
そして鱧寿司。これは手間のかかる料理。どこかの祇園あたりの名店のそれよりもずっと美味しいです。
そして、何故か今日は早めに十八番の油揚げと水菜。しみじみ美味しい。
鱧の湯どうししたものも、今季初めてでした。明石の鱧はスッキリ旨い。
牛蒡の穴子巻の後に鮎。
今年何度も鮎の塩焼きを食べましたが、笹田さんは、鮎10本から選ばせてくれました。僕は、しっかり熱を入れる笹田さんのやり方が一番好きです。しかも2本でなく、1本。粋ですね!
蛸の炊いたのもしみじみ旨い。大将と同じ甘めの味付けが沁みました。
最後のご飯まで、「旨い」しか出ませんが、それが極上なんだと思いました。
頑張ってください!
2021/06/26 更新
2021/01 訪問
ご飯までこだわる!
今年最初の笹田さんです。コロナのため、スタートの時間が早まりました。
最初の山利の白味噌を使った雑煮。今まで食べたどれよりも、味噌の味が濃厚で、かつ滑らかでびっくりしました。おなじ味噌を大抵の名店が使っているわけですが、こんなに美味しさに差が出ることに驚きます。
津居山の蟹とふくの白子。どちらも、あっさりとした中に甘みがあり、笹田さんのお人柄のような味でした。
鯨の刺身。尾の身です。尾の身は、良いものを仕入れるのが、東京では本当に難しいと聞きます。取引先を大事にする笹田さんだからこその名品です。
そして、シグニチャーの皿は、青野菜の炊いたもの。何度も言いますが、年々美味しくなります。精進の塊ですね。
鮟肝の吸い物。極上の味ですが、何より、輪島のお椀が素晴らしい。福寿雀の柄が正月らしくて見事で見とれました。すいません、料理褒めないで。
白甘鯛。高級品です。最近これを出す店が増えましたね。すごくしっとりしていて、美味しいですが、僕は、グジが好きです。
そしておでん。焚き物に、これは笹田さんだから出せるのだと思います。
ご飯が売り、とおっしゃる笹田さんですが、米の選定、水の選定などなど、いつも研究していからこそ、こんなに美味しいご飯になるのだと今日知りました。
大変美味しゅうございました!
2021/01/27 更新
2020/12 訪問
年を追うごとに旨くなります
京味の亡き大将の大のお気に入りの笹田さん。
実直なご性格そのものの、後味の素晴らしい料理を提供してくださいます。
本当に年を追うごとに美味しくなり、大将の味を想起するような料理になってくるので、ほとほと感心してます。
今日も、
最初は、フクの白子の茶碗蒸し。ちょっとまだ季節的にはフクの白子の濃厚さが足りないかな。でもバランスは完璧です。
カニは、せこガニを、香住産と津居山産の2つを、別の皿にして出します。同じ兵庫の港でも、水深の高いところのズワイと、そうではないが後処理が極めて丁寧な港では、味わいがそれぞれ違い、2皿ならではの楽しみがあり完璧なメニューです。
次は、鯨の尾の身。一番美味しい部分を選りすぐって出してくださいます。
そして琵琶湖の小鮎。ちょっと季節が早いですが、川魚の良さがたっぷり出ています。
水菜のおひたし。10年前に出していたやつと比べると、何倍も美味しいです。本当につくづく美味しくて、「どうしてこういう普通の食材で、こんなに旨いものを作れるのか」、感心しながら食べました。偉い!
刺身盛りわせ。バフンウニが、濃厚で、びっくりしました。今年一番のバフンです。「高かったの?」と聞いたら、「いえ、値段は普段通りで、食べてみてこれだと思うのを買ってきました。」とのこと。
鯛の骨で出汁をとったにゅうめん。大将が大好きで、亡くなった年もご自分で出していました。。。
穴子の醤油焼き。香ばしくて酒が進む味ですね。そして最後が、海老芋の炊いたの。
〆のご飯が、ものすごく美味しかったです。明後日、星野さんに伺いますが、今回は、笹田さんに軍配が上がりますね。
本当に有難い料理でした!
本当に大将も喜んでいると思います(大将の建物、壊されちゃいましたね。。。)
2020/12/16 更新
2020/10 訪問
しみじみと季節の味を愉しむことができる名店です。
1ヶ月ぶりに来店。すっかり寒くなって秋の気配が濃厚です。
まずは、岩手の松茸と青物のおひたし。おひたしは、笹田さんの得意料理の1つなので、しみじみ美味しいです。
そして、金沢のきぬかつぎ。これを、ここまで丁寧に塩で掃除して、炊いて味を含め、火を入れて出せるお店はそうそうありません。埋まっていた金沢の土の香りがたっぷりして、なんとも言えない滋味深い味です。
そしてクジラの尾の身。一番美味しい部分を厳選して出すので、クジラの美味しさが溢れ、口福です。
口直しと焼き物の後は、鱧松茸の土瓶蒸し風。ここまでクリアーに土瓶蒸しを作られると、参りました、と言いたくなります。
そして揚げ物は、松茸と鱧のパン粉揚げ。笹田さんの好物でもある鱧のパン粉揚げは絶品です。きぬかつぎとおち鱧が今日のびっくり感動です。
そして松茸ご飯。
大将の「季節が味を呼んでくる。」「素材が自然に教えてくれる」をきっちり守り、引き算の料理の頂点に輝く名店だと思いました。
ありがとうございました!
2020/10/10 更新
2020/08 訪問
大将も喜んでいるでしょう
閉店してしまった京味のお弟子さんのお店。すでにその中でも兄貴分の存在になっている笹田さんは、亡くなった京味の大将の大のお気に入り。その理由は、彼の誠実なお人柄に尽きると思います。
西さんの教えを頑なに守り、そのために日々研鑽されているお姿は、清々しいものがあると思います。
大将の命日も過ぎた頃に伺いました。
今日は、
最初から、
鯨の尾の身のお刺身(ベストな温度を狙って出していただきました。流石です)
で、びっくり。
近江牛のローストビーフ(大将も近江牛がお好きでした。大将を偲びながら楽しませていただきました。あまりに美味しいのでおかわりもしました。)
鴨肉(これも丁寧な仕事で、完璧でした)
という、変化球で、しかも夏らしい精のつくメニューで楽しませていただきました。
定番のお揚げさんと京野菜の炊いたのも美味しく、
1つ残念だったのは、淡路さんの鱧が、まだ脂がのりきってないことくらいでした(これで仕方ないですね)。
最後まで、すべての料理を丁寧に仕上げ、外連味のない最高峰の料理を味わうことができました。
魂のこもった味だと思います。
本当に有難うございました。
2020/08/16 更新
伝説の和食店、京味さんは、季節の素材の味を最大限に引き出す、「引き算の料理」の最高峰でしたが、数あるお弟子さんの中でも、素材の素晴らしさは、笹田さんがピカイチです。
毎朝、豊洲に通い、他の和食店の大将よりも少し早めに入り、旬の味を吟味して提供される料理の数々は、ウ~ンと唸りたくなる素晴らしさ。
今日も、紫雲丹、鯨の尾の身、鱧素麺、万願寺唐辛子、アラ、五島の穴子とクエ、などなど夏の味を堪能させていただきました。
有難うございます。