10回
2021/09 訪問
食材の見せ方に敬意を表します
秋の幸村さんの名物は、松茸を落ち鱧で巻いて、炭火で焼いて供するもの。まだ、落ち鱧とまでは行きませんが、淡路のすっきりした鱧に、松茸の香りを移し、松茸の水分で鱧をしっとり仕上げるやり方には、脱帽としか言いようがありません。
トウモロコシの天ぷらにしても、あれだけ分厚い何列ものトウモロコシの中心まで熱をくらえて、甘みを最大限に引き出すのは、尋常な技とは思えません(トウモロコシを一列にして薄く揚げるのは、そんなに難しくないです)。厚みがあるから噛み締めるので、甘みは口の中に拡がります。
味を足すのではなく、季節の食材の旬の味を引き出して、それを華やかに供することにおいて、当代随一だと思うし、旨い酒を飲みたかっただ、ここに勝る店はないと思っております。
2021/09/08 更新
2021/05 訪問
やはりすごい!
また、花山椒のしゃぶしゃぶの時季になりました。
1年の経つのは早いですね。
今年は、花山椒の収穫時期が、3週間以上早かったので、今日がギリギリのタイミングでした。
最近は、花山椒のしゃぶしゃぶを出す店が増えましたが、幸村さん(前の京都のお店)が元祖といってもよく、
誰もがこれをベンチマークにしているのだと思います。
私も何箇所かで食べました(大徳寺でも)が、やはり幸村さんがぶっちぎりで一番です。
花山椒の強い味に負けないような、おだしの取り方、そして強い味の牛肉の選び方において、幸村さんを追い越すのは難しいのかなと思います。
そもそも、幸村さんほど、季節の味をうまく表現できる料理人は少ないと思います。
天才です。
それは、京味の西さんの目指した「季節が味を呼んでくる」というのとも違う、「季節の味を他にはない方法で表現する」ものだと思います。
そうしようとして失敗して訳わからないものを提供するお店もあるように思いますが、幸村さんは絶対に外しません。
その典型が、最初のお皿。はまぐりを焚いて作ったジュレの中に、春の苦味のお野菜を遊ばせる、という料理。春の苦味って、本当に美味しいんだな、日本に生まれて良かったな、と思える一皿です。
他にも、筍は、今年食べた中で一番でしたし、稚鮎の苦味の出し方も絶妙でした。
降参です。
2021/05/10 更新
2021/03 訪問
天才です
次は、花山椒の時季かな、と思っていたら、そろそろ蟹が最後ですよ、というので、いそいそと伺いました。
京都の蟹が素晴らしいのはもとより、今の和久傳さんの基礎を作ったと言っても過言でない、幸村さんの創り出す料理は、天才の域に達していると思います。
何より、最初に出てきた、ホタテを河豚の白子をクリーム状にしたもので包んだ品などは、びっくりして最初からノックアウトされました。
魚卵系や高級食材をまぶして、値段だけあげて、素材の持つ本来の味を出す手間を忘れているお店が多い中で、ひたすら、季節感を大切にして、しかも食材同士の「出会い」を大切にする幸村さんの料理は、他では味わえないものだと思います。
大変美味しかったです!
2021/03/12 更新
2020/09 訪問
松茸づくし!
幸村さんは、友人に年に何度か連れて行っていただきます。ここは、春の花山椒鍋、秋の松茸づくし、冬のカニが楽しみです。
最初は、太刀魚の炊いたもの。ミョウガが薬味でナイスです。
次は、おなじみの、カラスミをかけた蕎麦。2皿目で出てきたのは、お凌ぎの意味合いでしょうか?美味しいですよね。
それから天ぷら3皿。無論松茸も。今日は、国産ではないです。バチコの先っぽの天ぷらが、ねっとりしていて、ナイスですね。
さらに、鱧と松茸のお吸い物。どさっと松茸入りです。
2皿松茸以外のものが出た後に、松茸の巻き寿司。これは美味しいですね。
そして松茸を焼き鱧で巻いたもの。これは幸村さんならではの大傑作ですね。面白いです!
殻付きウニのゼリー寄せ。ウニもそろそろ仕舞いでしょうか。
さらに八寸のようなものと煮物が出て、最後が、ごぼうと太刀魚の炊き込み。これを松茸ご飯にしないのが良いですね!
どれも幸村さんのアイディアが詰まった料理でした!
2020/09/12 更新
幸村さんと言うと、4月の生花山椒鍋です。これを予約できるのは、ふだん足繁く通い詰める常連さんだけ。大人気だから仕方ないのかもですね。
ということで、師走に引き続き蟹三昧。今日は、間人蟹と香住の両方を堪能しました。個人的には、間人蟹は目の前で焼きガニに、香住産は浜茹でされたものが甘みが強くて好きです。
とにかく、幸村さんのメニュー構成は、絶妙です。焼きガニ、蟹の和え物、甲羅の蟹スープ、蟹ご飯、そんだけ食べても食べ飽きない工夫は天下一でしょう。