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焙煎全粒粉のハニースコーン (270円)
、至高のレーズンバターサンドフランス (370円)
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下田流塩パン (310円)
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下田流ポンデケージョ (260円)、柚子コショウ香る骨付きソーセージフランス (350円)
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下田流バゲット (320円) (3分割したもの)
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栗たっぷり!マロンクリーム雑穀フランス (400円)
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クロワッサン (290円)
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くるみプレーンベーグル (240円)
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パン ド ロデヴ (370円)
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下田流塩パン [2分割]
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焙煎全粒粉のハニースコーン [2分割]、栗とクルミの全粒粉スコーン [2分割] (270円)、下田流ポンデケージョ [2分割]
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栗たっぷり!マロンクリーム雑穀フランス [2分割]
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くるみプレーンベーグル [2分割]
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パン ド ロデヴ [2分割]。高加水のハードパン。バゲットと同じ材料が用いられている。
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店舗外観。左下のガラス越しに見える文字が唯一の表示。
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手前右に “パン ド ロデヴ”。“下田流生食パン” も味わってみたい。
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手前に “下田流ポンデケージョ”、“栗たっぷり!マロンクリーム雑穀フランス“、“柚子コショウ香り骨付きソーセージフランス”。
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左が “至高のレーズンバターサンドフランス”。次回はこれら “至高の3品” はすべて買いたい。
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手前に “クロワッサン” と “下田流塩パン”。奥に “くるみプレーンベーグル”。
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奥に “下田流バゲット”。手前に一度取りかけて断念した “エスカルゴピスタチオ”。
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同行者の大好物 “ずんだあん” を使ったベーグルサンド。次回は絶対買うとのこと。
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東京の北部を歩いてみようかと、マップ上でルートの検討をしている時に見つけたベーカリー。“下田流”、この独特の名前は一度頭に入れたら中々忘れそうにない。パンの製法に関わる流派の名前なのだろうか。これは行ってみて確かめる以外にはないだろうということで、早速翌日の日曜の朝出かけることに。
春日駅で大江戸線から三田線に乗り換え、高島平で下車する。あと2駅行くと三田線の終端駅である西高島平駅である。ここは埼玉県和光市と隣接するエリアで、都心からのアクセスを考えても何かのついでに寄る場所ではない。百名店にランクインしているわけでもない。気に入ってくれるか分からないため、同行者には店名を告げることなく訪れた。
高島平駅から徒歩約5分。店前に到着したが通常あるはずの看板やドアの店名表示が見当たらない。中の様子からすると間違いなくパン屋さんだし、ここまで来ては入るのみとドアを開ける。
入ってパンの並びを見た瞬間、普通のパン屋さんとは明らかに一線を画す何かを感じ取った。パンのラインナップだけでなく、上質さ、力強さ、独創性、こだわり、あらゆる点で魅力的だ。同行者も同じ思いを持ったようで、普段の反応とは明らかに異なっている。口からは「どうしよう」とか「困った」、最後には「もう全部買いたいっ」と言葉が漏れ聞こえてくる。今まで数え切れないほどのパン屋さんを訪れているが、二人が別々のトレイを手にしたことは初めてである。それくらい自分が食べたいと思うパンがたくさんあるということだ。ほぼ途中からは「一回では到底無理。また次に来る前提でこの辺で打ち切っておこう。」という方針に切り替えて、別個に現金で会計をする。現金以外に使えるのは練馬区内共通商品券のみ、地域密着のお店の証だ。
相談することなく完全に別々に買ったのに、トレイを見ると全く一致するものが無い。指向の違いを認識する機会になっておもしろい。それぞれが購入したものを食べて印象的だった順に並べてみると以下となる。
[自分の選択]
□至高のレーズンバターサンドフランス (370円)
□下田流塩パン (310円)
□下田流バゲット (320円)
□焙煎全粒粉のハニースコーン (270円)
□クロワッサン (290円)
□くるみプレーンベーグル (240円)
[同行者の選択]
◇栗たっぷり!マロンクリーム雑穀フランス (400円)
◇柚子コショウ香る骨付きソーセージフランス (350円)
◇下田流ポンデケージョ (260円)
◇パン ド ロデヴ (370円)
◇栗とクルミの全粒粉スコーン (270円)
品数が多いので、食の感想はそれぞれの上位3つを記載することにしよう♪
■至高のレーズンバターサンドフランス
レーズンバター自体を食べたことがないので挑戦的な選択でもあった。溶けるとも思わず、カットした小片をアルミホイル上に置きトースターで温めたところ、当然の如くレーズンバターが溶けてしまった。が、焼いてパリパリになった薄いクラストときめ細かなクラムにバターが染み込むとともに、溶けたバターにぶどうとパンが浸る状態となり、レーズンの甘みとバターの風味が混然一体となった堪らない美味さを味わうことが出来た。レーズンは黒,白,緑、大きさも異なる恐らく4〜5種類のぶどうと思うのだが、それらが惜しみなく入っていて贅沢感一杯。
次は温めずに口の中で再現してみる。バターがゆっくり溶けていく。異なるのはパンの食感と味わい。焼いた方が香ばしさが立って美味しいようだ。ならばレーズンバターを一度取り出して、パンを焼いた後に戻してみるのはどうだろうか。次回が待ち遠しい。
■下田流塩パン
クロワッサンのようにバターを含んだ極薄生地が折り畳まれている。ただしクロワッサンのようにサックリとした感じとは違い、一層ごとにパリッパリである。手で千切ろうと力を加えると、層がパリパリと崩れてしまう。一層ごとに容易に取り外して食べることも出来る。つまり層間がほとんどくっついていない。表層に塩味があってこれが塩パンだと理解出来るが、普通の塩パンとは全くの別ものだ。塩味とともに僅かなスパイシー感が舌に残る気がするのは思い過ごしだろうか。このようなパンは目にするのも初めてだ。これぞ唯一無二の下田流と言える一品ではないだろうか。
■下田流バゲット
説明書きによれば、4,5種類の小麦をブレンドし、“レスペクチュスパニス製法(※)” に近い方法で作っているとのこと。
トースターで3分。カリッとしたクラストは力強い味わい。複数種を使っているという小麦の美味さを直接感じ取ることができる。クラムは弾力がある。熱々を開いてクリームチーズを塗ったり、メープルシロップをそこに加えたり、または若いオリーブオイルに少々の塩を加えそこにたっぷり浸して食べても美味しい。要はどうやって食べても美味しい。開いて食べてみると良く分かるのだが、バゲットは細いのでクラムのみの部分はごく僅かで、ほとんどはクラストとそこに一体で付いているクラムである。よってクラストの味わいで決まると言って良いだろう。このバゲットのクラストは旨味と力強さという点でこれまで食べた中で最高の一つ、即ち最高のバゲットの一つと言えるだろう。
◆栗たっぷり!マロンクリーム雑穀フランス
たっぷりどころではない。中心部に栗のコンポートがぎっしりと入っており、その隙間と周囲をマロンクリームが満たしている。甘くて濃厚。栗は洋酒の風味を感じる。雑穀のフランスパンは少し水を多めにした生地で、皮も柔らか目に仕上げられているので容易に噛み切ることが出来る。クリームパンのクリームがマロンぎっしりの濃厚クリームに、パン生地が雑穀フランスに置き換えられたものと考えると、クリームパンの最高峰と言えよう。
◆柚子コショウ香り骨付きソーセージフランス
骨付きソーセージは脂が少なくスモークされた肉の旨味がギュッと閉じ込められている。塩味の効かせ具合が最適で、旨さ抜群のソーセージだ。質感のあるややもっちりした厚さ5mmほどのパン生地がソーセージを包み込んでいる。パンの内側に柚子こしょうが程良く付けられており、噛んでいるとソーセージの塩味に柚子こしょうの爽やかな塩味が加わってくる。ビールか赤ワインが欲しくなる一品だ。
◆下田流ポンデケージョ
ポンデケージョはブラジルのパン。一般のレシピではチーズ粉を混ぜた生地を捏ねて丸め、発酵無しで直ちに焼いて作るようだ。またグルテンを作り出す発酵の工程が無いので、生地のモチモチ感はタピオカ粉といったようなものを用いて作り出すのが特徴のようだ。
下田流はどうだろうか。説明書きによれば “発酵の力を使って風味を増しています” とのことで、一般のものとは違うようだ。1mm厚さほどの生地を数層畳んで作られている。
トースターでリベイク。中心に配されたチーズが周りに染みていき、内側の層ほどチーズ感とジューシー感がある。全体としては少し固めなモチッとした食感で噛み応えがある。表面にほんのりと黒コショウが効かされていて大人の味わいに。赤ワインが合いそうだ。
実際にパンを食しての結論、「下田流さんに行くためだけに高島平へ行こう」で二人の意見が一致した。(◠‿・)—☆
※ レスペクチュスパニス製法
フランスのアンバサドオル協会から提唱されている新しいパンの製造工程。生地をあまり捏ねず長時間発酵させることで “穀物の持つ自然の甘さを最大限に引き出す” 製法であり、以下の特徴を持つ。
(1)短時間のミキシング (手捏ねでは2分前後)
(2)18℃での発酵
(3)塩1.5%以下
(4)15〜18時間の長時間発酵