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[左] Baguette Oryzae (360円),[中央] Baguette (360円),[右] α Baguette (280円)
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[左] Baguette Oryzae (バゲット オリゼー),[中央] Baguette (バゲット),[右] α Baguette (アルファ バゲット)
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[左] Baguette Oryzae,[中央] Baguette,[右] α Baguette
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“Faire du pain avec fierté” の意味は「誇りを持ってパンを作る」。パン職人の心意気が感じられる。
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Baguette 外観 (端部から2カット分)
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Baguette Oryzae 外観 (端部と中央付近)
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α Baguette 外観 (端部から2カット分)
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バゲット表側外観比較 (左から Baguette Oryzae, Baguette, α Baguette)
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バゲット断面外観比較 (左から Baguette Oryzae, Baguette, α Baguette)
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バゲット端部表側外観比較 (左から Baguette Oryzae, Baguette, α Baguette)
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バゲット端部裏側外観比較 (左から Baguette Oryzae, Baguette, α Baguette)
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店舗外観 (入口右側の表札周り)
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神楽坂にあるベーカリーの名店、“パン・デ・フィロゾフ” さん。美味しいパンを求め、相生坂の下方に向かって連日長い列が出来ている。これまで何度並んだかは覚えていないが、今回は今までと違う目的を持って列に加わった。
パン・デ・フィロゾフさんと言えば何と言っても出色のバゲットである。これほど香り高いバゲットはまだ他では出会っていない。こちらではバゲットと名の付くパンを4種類作っており、それぞれ材料や作り方に特徴がある。ただし4種類が同時に並んでいることはあまり無く、置いてあるものから1〜2本を選ぶのが常だったので、実はそれらの差異をあまり考えたことが無い。そこで違いをきちんと把握しておこうと、今回食べ比べを行うことにしたものである。
◆バゲットの購入
15人待ちで30分ほどで入店。バゲットはいつものように店の一番奥の籠に立てられている。今日の並びは3種類。やはり全種類は揃っていなかったが、3種類あれば食べ比べには十分だ。迷わず1本ずつを購入した。(『 』内は店頭の商品説明)
□Baguette (バゲット) (360円)
『フランス産小麦の甘み、当店で1番シンプルなバゲット』
□Baguette Oryzae (バゲット オリゼー) (360円)
『コシヒカリ米麹を使用したバゲット、クラストの香ばしさ、アミノ酸の旨み』(Oryzaeは、オリゼという会社の米麹を使用しているところからと思われる。)
□α Baguette (アルファ バゲット) (280円)
『湯種を使用したバゲット、もちもち食感、でんぷんの甘み』(αは、湯種がデンプンをα化(糊化)させたものであるところからと思われる。)
なお今回並んでいなかったもう一つのバゲットは下記だが、全粒粉なので食感や味の違いは明確だろう。
◇Baguette・J・Complete (バゲット・ジ・コンプレット) (420円)
『北海道産キタノカオリ全粒粉100%』(全粒粉を意味するfarine complèteから名付けられているようだが、Jの意味は分からず。)
◆バゲットの食べ比べ
一度に多くは食べられないためカットした後に一旦冷凍し、レンジで50℃弱に温めてからトースターで焼く手順とした。熱源にクラストが正対するようにトースター内に置き、クラストの水分を飛ばすことを目的として焼き加減は焼き色が進まない程度、即ちお店での焼き立てに近い状態を目標とした。なおトースター内の予熱と霧吹きは毎回実施した。
上記における注意点は以下の2点。
・クラムを熱源に向けると水分が飛んでぱさついてしまうので、クラストを熱源に向けて置く。横置きのバゲットをそのまま置けば良い。
・保存している間にクラストはクラム中の水分を徐々に吸収してしっとりしてくる。トースターは焼きが目的ではなく、クラストが吸収した水分を飛ばすことにある。それを超えると焼きが進んで本来の風味が変わってしまうので、焼き過ぎは厳禁とする。
食べ方は、始めにそのまま食べて生地自体の味わいを確認した後、緑果オリーブオイル+岩塩、カルピスバター、柿ジャム、クリームチーズの順で試してみた。何れも家に置いてあったもので、特別に準備したものではない。
▩Baguette
とても香ばしい小麦の香り。すべてのバゲットは長時間発酵で作られているそうなので、天然酵母による柔らかい香りだ。クラストはやや硬めでクラムは程良い弾力があり、他の2品よりも噛み応えがある。
Baguetteに一番合ったのはカルピスバター。噛む時間が長くなるのでその間に溶けたバターが全体に染み渡り、元からある小麦の旨味とパンから出てきた甘みが加わってそれらが一体になる。たっぷり塗ったバターのジューシー感を纏い、Baguetteの美味しさが存分に引き出される。
▩Baguette Oryzae
米麹は小麦のデンプンを糖に、たんぱく質をアミノ酸に分解する。米麹を用いない場合に比べ生地中の糖はデンプンから作られた分だけ増えるから、酵母が糖を分解して作る炭酸ガスも増えるだろう。そのためかパンの膨らみを助けるようにクープの長さはBaguetteのそれよりも長いものとなっている。米麹が作り出すアミノ酸は旨味成分であるから、生地全体の旨味は増しているはず。また糖とアミノ酸が生成されるため、メイラード反応が進みクラストの焼き色がBaguetteよりも濃く、少し焼きが進んだ重めの香りがする。この香りが米麹を用いた効果であろう。焼き色の割にクラストは柔らかく、クープが開いたところは薄皮がパリパリと割れるような感じ。なお細く尖った両端は、クラムがほとんど無いので見た目通りのカチカチ状だ。
Baguette Oryzaeに一番合ったのは緑果オリーブオイル+岩塩と柿ジャム。全体的に重厚感と旨味を持つパンなので、塩気や甘みにかかわらずそれに負けないはっきりした味がバランス的に良いようだ。
▩α Baguette
湯種はパン生地に使用する小麦粉の一部に熱湯を加えて捏ね、一晩寝かせてお餅のようにした生地のこと。小麦粉中のデンプンを水と熱により糊化したもので、これをパン生地中に加えて作るので、加水率が高くもちもちとした食感になり、甘みや旨味が増すことになる。香りはBaguetteに近いが、簡単にちぎれるほど柔らかい。甘みのある生地がとても美味しい。日本人の好みに合うフランスパンと言えるだろう。
α Baguetteに一番合ったのはクリームチーズ。柔らかさと旨味の質が近いためだろうか。味の強弱というよりもソフトな具材が合う印象。想像では餡バターやハムとチーズ、サーモンのマリネなども合いそうだ。
◆バゲットを食べ終えて
今回の食べ比べを通して分かったことは、どれが良いとかということではなく、それぞれの特徴に合った美味しい食べ方があること。ただしパン職人さんのこだわりや製法の奥深さは相当なものであるだろうから、この程度の食べ比べではほんの表面的なところしか理解出来ていないはず。それでも関心を持つところから理解は始まるのだし、何よりも漫然とではなくあれこれと考えて食べること自体が楽しいもの。楽しく食べることは美味しさの原点。今後も食べ比べを取り入れながら食を楽しんでいきたいと思う。(^ ^*)/
◆あとがき
ふと、列に並んでいた時の風景を思い出す。
今日もパン・デ・フィロゾフさんを訪れた多くの人がバゲットの入った長い紙袋を手提げ袋から覗かせて相生坂を上っていく。東京日仏学院が近い神楽坂はフランス人も多く住み、フレンチの店もそこかしこにあるフランス色の漂う街である。バゲットのある風景が神楽坂という地にとてもしっくりと馴染んでいる。(˘⌣˘ )