新潟のとかげさんさんが投稿したレスピラシオン(石川/北鉄金沢)の口コミ詳細

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レスピラシオン北鉄金沢、金沢、七ツ屋/スペイン料理、イノベーティブ、創作料理

1

  • 夜の点数:4.7

    • ¥20,000~¥29,999 / 1人
      • 料理・味 -
      • |サービス -
      • |雰囲気 -
      • |CP -
      • |酒・ドリンク -
1回目

2025/08 訪問

  • 夜の点数:4.7

    • [ 料理・味-
    • | サービス-
    • | 雰囲気-
    • | CP-
    • | 酒・ドリンク-
    ¥20,000~¥29,999
    / 1人

映画のエンドロールのような余韻

【全体レビュー】

ミシュラン二つ星、食べログシルバー、ゴ・エ・ミヨ3トック。

スペインの星付きレストランで腕を磨いたシェフが核にありつつ、和・伊・仏の要素を自在に織り込むイノベーティブ。スペイン料理の枠で括るより、「金沢でわざわざ食べたい“オリジナル」として受け止めるのが正解でした。品数も多く、満腹と発見が同時に訪れます。

コースは 27,500 円にサービス料 10%別。価格に見合う体験設計で、供出テンポも終始安定していました。

【個別レビュー】
甘エビ(impact shrimp)
殻で仕立てたタルト、塩麹でマリネした身、味噌シートを重ねる三段構え。甘エビの魅力を圧縮して打席に送り込んだ、いわば先頭打者ホームラン。店の矜持がいきなり決まります。

牡蠣
牡蠣を球体に包んで揚げ、自家製イノシシの生ハムをのせる。大豆のソースには大量のキャビアが沈んでおり、映えではなく“味のために使う”というメッセージが明快。牡蠣×猪×キャビアという強者同士を、大豆がきれいに束ねます。

ズッキーニ①
ズッキーニのフランに、ワカメ出汁と潤菜。続いた2皿の濃いインパクトから一転、清涼感でリフレッシュ。こんがり焼かねば青さが残るという先入観を覆す処理が見事。

ズッキーニ②
枝豆のソース、花ズッキーニにはチーズではなく能登の七面鳥を詰める力強さ。一方で本体にはゴルゴンゾーラを塗り、伝統への視線も忘れず。同じ素材で二景、飽きるどころか感心が積み上がります。

赤いか
内部はイカソーメン状の赤いか。上にカボチャのソースと白エビ、途中でガスパチョを注いで味変。単体ではよく出来ていますが、impact shrimp と見た目が似ており、比較で分が悪い。殻・海老味噌の重ねや素材の濃度の差で、過去の自分に阻まれた印象。

へた紫茄子
糖度2倍の甘みに、ツキノワグマと牛肉の塩味を合わせるコントラスト。力の出し入れが巧い。

パン
十五種雑穀のパンがまず登場。腹具合と相談でぶどうのパンも追加可能。

白そい
ピルピルで。炭化させた柚が、パリッと仕上げた皮目と同方向の香ばしさで、通常の柚子よりも馴染みが良い。

トマト(口直し)
メニュー外。生姜や塩漬けの薔薇を使い、トマトとビネガーの酸で魚から肉への橋渡しを担当。

鹿
端材を使ったSDGsソースでトレンドの風を取り込みつつ、とうもろこし・新じゃが・きゅうりの糠漬け・ビーツを添える。最近端材を食べる機会が増えた気はしますが、味はきちんと王道。

岩牡蠣(パエリア)
地中海の風を連れてくる一皿。アイオリで味変も可。おかわりにも牡蠣が付くのは嬉しい心遣い。なお、鹿の皿の最中に牡蠣を見せられる演出は、香りが干渉するので食後に見せる方がベター。

スッポン(カルドソ)
こちらもメニュー外。穏やかな旨味で、体に静かに染み込む一杯。


ミルクの泡と葛餅。カルドソの流れをやわらかく踏襲してグランデセールへ。

能登杉
能登杉オイル、昆布茶、サワークリーム、抹茶を合わせたブランマンジェ。美味杉でした。極薄のチュイルが音もなく消え、食感だけを置いていく設計が巧緻。写真は撮り逃しました。

ハーブティー
食後はこれ一本。多様なハーブのブレンドとプレゼンが秀逸で、他の飲み物は不要に思える説得力。

お茶菓子
総じてレベル高し。アフターヌーンティーのイベントがあれば参加したいと思わせる完成度。

【まとめ】
非常に満足度の高いディナーでした。最後に器・食材・空間に関わる人々の名前が列挙された紙が手渡され、映画のエンドロールのような余韻。

空間設計も秀逸で、黒で統一されたサービス陣が背景に溶け、2〜3名が常駐しながらも視界のノイズにならない。英語堪能なスタッフが複数名おり、リスニング教材のような発音でした。

十数品の長丁場でも供出のリズムが崩れないため、集中が途切れません。金沢で“食の体験”を更新したいなら、強く推せる一軒です。ごちそうさまでした。

2025/09/17 更新

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