あさくさぴとさんが投稿したこへると(東京/浅草)の口コミ詳細

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こへると浅草(つくばEXP)、浅草(東武・都営・メトロ)、田原町/日本料理、海鮮、ワインバー

2

  • 夜の点数:3.9

      • 料理・味 -
      • |サービス -
      • |雰囲気 -
      • |CP -
      • |酒・ドリンク -
2回目

2025/03 訪問

  • 夜の点数:3.9

    • [ 料理・味-
    • | サービス-
    • | 雰囲気-
    • | CP-
    • | 酒・ドリンク-

春の宵の小さな物語

扉をくぐると、そこは和食の店とは思えぬほど洗練された空間だった。間接照明、グラス越しに揺れる琥珀色の液体。まるで都会の隠れ家和テイストバーのような雰囲気に、一瞬、ここが本当に和食料理屋なのかと戸惑う。

テーブル席へと案内され、静かにコースが始まる。

先付 蛤と春野菜のジュレ掛け。
淡い桜色の器に、陽の光を抱えたようなジュレが揺れる。蛤の滋味深さが、春野菜の瑞々しさと絡み合い、まるで朝露を纏った庭先の景色を閉じ込めたかのよう。

前八寸 六つの小さな驚き。
天豆のムースは舌の上で儚く溶け、螺貝のめた和えは潮の香りを優しく残す。パプリカの金平はしゃきりと歯ごたえが楽しく、長芋そうめんは春風のように喉をすべる。トマトとチーズの春巻きは意外な組み合わせながら、絶妙な調和を生み出し、アスパラの炭焼きはほのかな苦みと甘みが香ばしい。そして、金柑の白和えがそっと後味を締めくくる。

向付 鮮魚のお造り。(写真撮り忘れ)
艶めく身のひと切れを口に運べば、舌の上で花が咲くような甘みと旨みが広がる。

焼物 鱒の蕗味噌焼き、酒粕そうす。
山の幸と川の幸が交差する一皿。蕗味噌のほろ苦さが鱒の甘みを際立たせ、酒粕そうすがまるで春の霧のように全体を包み込む。

揚物 蛍烏賊と山菜の天ぷら。
熱々の衣を噛めば、蛍烏賊がはじけ、中から潮の香りがあふれ出る。山菜は春のほろ苦さを秘め、どこか懐かしい郷愁を誘う。

強者 旬魚と新若布の生姜の薄葛仕立て。
透き通るような出汁の中に、ふわりと泳ぐ若布と魚。生姜の香りがじんわりと広がり、ほっと胸が温まる。

食事 筍の土鍋御飯、香物、味噌汁。
炊きたての土鍋御飯の蓋を開けた瞬間、ふわりと立ち上る春の香り。筍の甘みとほのかな苦みが、季節の移ろいを感じさせる。

甘味 苺のソルベ。
最後の一口は、春の名残を閉じ込めた苺のソルベ。酸味と甘みが舌の上でほどけ、春の終わりを優しく告げる。

こうして、六千六百円の物語は幕を閉じた。春の宵にふさわしい、ひとときの夢のような食事だった。

  • 前八寸 天豆のムース・螺貝のめた和え・パプリカの金平・長芋そうめん トマトとチーズの春巻き・アスパラの炭焼き・金柑の白和え

  • 先付 蛤と春野菜のジュレ掛け

  • 焼物 鱒の蕗味噌焼き酒粕そうす

  • 揚物 蛍鳥賊と山菜の天ぷら

  • 強者 旬魚と新若布の生姜の薄葛仕立て

  • 食事 筍の土鍋御飯・香物・味噌汁

  • 甘味 苺のソルベ

2025/03/22 更新

1回目

2025/02 訪問

  • 夜の点数:3.6

    • [ 料理・味-
    • | サービス-
    • | 雰囲気-
    • | CP-
    • | 酒・ドリンク-

酔いの宵①三点盛りより、鯛茶漬けがヤバかったな

浅草の喧騒を一歩離れた路地裏、風情ある木造の扉をくぐると、そこはひっそりと佇む和食の隠れ家「こへると」。あの日、千円のトライアルセット『せんトラセット』を手に、期待とほんの少しの不安を胸に入店した。

まるで時がゆっくりと流れるかのような、上質なひとときを予感させた。テーブルに並んだ季節の旬菜もまた、目にも美しく、一皿一皿に店主のこだわりが感じられる。しかし、その夜の真の主役は、何と言っても妻が注文した一品――『鯛茶漬け』であった。

皿に盛られた鯛茶漬けは、まず目に飛び込むのは艶々と光る白米。まるで磨かれた真珠のように美しく、淡い光を放っている。その上から、出汁の効いた澄んだおすましが静かに注がれると、白米は次第に柔らかく、そして一層輝きを増していく。ぶ厚く切り分けられた鯛の刺身は、思わず二度見するほどの存在感を放ち、胡麻の風味が効いた特製タレと絡み合いながら、口の中に広がる。

私は一口、白米を頬張った瞬間、「これこそ、絶対美味い」と確信した。その後、ふと口にした一切れのお刺身は、まるで幸福の旋律を奏でるかのように心に染み渡り、至福の笑みが自然とこぼれた。ご飯の上に美しく配置された鯛と、丁寧に注がれたおすましが、まさに極上の茶漬けへと昇華していた。

また、料理に合わせて供された鍋島の日本酒は、その淡い香りと柔らかな味わいで、各皿の魅力を一層引き立て、口中に広がる余韻を贅沢に演出していた。

一方、私はビールとともに、三点盛りの一皿に舌鼓を打ちながらも、季節の旬菜がいくら美味しくとも、あの一皿の鯛茶漬けの輝きに比べれば、どこか影が薄く感じられるほどだった。

「こへると」は、単なる和食屋ではなく、訪れる人々に一瞬の夢と感動を届ける、時間さえも忘れさせる場所。浅草の片隅で、日常の喧騒を離れ、食を通して心の奥深くに触れる体験をしたいなら、ぜひこの店でしか味わえない『絶対美味い』鯛茶漬けを堪能してほしい。

まさに、伝統と革新が織りなす、洗練された一皿の物語――その一瞬の幸福は、きっとあなたの記憶に、永遠の煌めきとして刻まれるだろう。

2025/02/09 更新

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