2回
2021/04 訪問
これぞ料理人
佐倉の郊外にひっそりお店を構える。店内は決して大きくなく昨今のコロナの影響もあり3-4テーブル程度。ご夫婦で営まれており、1皿ずつ丁寧にシェフからご説明いただくなど、きめ細やかなサービスを考えるとあのくらいの箱が限界なのだろう。
正直、儲けようと思えばいくらでも箱を大きくしても満席になるくらいのクオリティなのだから。
メニューは地産地消を意識されており、決して高級高価なものばかりではなく、その季節にあった、そしてその食材にあった調理で、そのものの味を最大限引き出している。
1皿1皿、シェフの考えをお伺いでき、本当にこのシェフがいいと思ったこと、おいしいと信じていることを皿の上で体現しているのだと感じられる。
先述のように食材自体は決して高級なものばかりを並べているわけではない。
たとえば、マグロのお寿司が出てくるが、それは「本マグロの大トロです!」ではなく、「バチの中トロ」だ。
それをガストロバックを使って最大限に旨さを引き出し、また米、作り方などに繊細の工夫をしてそのへんの「本マグロの大トロです!」をはるかに凌駕するクオリティとなっている。
ステーキも、神戸牛の、とか、A5ランクの、などという記載は一切ない。シェフの確かに経験と腕により、そんなものははるかに凌駕した、完成した1皿が出てきている。
裏の山で取れた、浜辺に生えている、海でとってきた、、などだれでもその気になれば手配できる食材を人の力量(知識、発想、技術、道具)で「料理している」ことが感じられる。私の知る限り唯一無二のお店だ。
2021/04/02 更新
前回、4月にお邪魔した際に「次回最短で予約できる日」ということでようやく7月。
そして本日はランチで。
先に簡単にランチとディナーの違いですが、金額は倍くらい違います。ランチの方が品数は若干少なくボリュームも少し抑え気味(例えば鰹がディナーは2切れ、ランチは1切れなど)ですが、杉寿司やステーキ、gv鰹などメインどころはランチでも出現するので、まったく見劣りせず、むしろコスパという観点ではディナーを凌駕するまであります。
全ての料理で高いクオリティで感動させられるのですが、今回特に驚いたのは桃のニョッキ。(割と桃の時期が限られるそうなのであんまり参考にならないかも、ですが)
ジャガイモの澱粉を抽出したわらび餅風のゼリーに桃のソースがかかっており、それにセロリのソースが合わさっているのですが、このセロリのソース、それだけで食べるとしっかりセロリで相当癖があり、また桃のソースもそれ単体では桃の甘さがしつこく、あれ?と思うのですが、この2つが混ざると恐ろしく絶妙なソースに変身します。これがスギだ、と思い知らされる逸品です。
そしてもう一つは安定の杉寿司。
たぶんどの寿司屋で食べるマグロよりもうまい。
マグロがうまいのではなく、うまくされたマグロを食べていると感じる唯一無二の料理だ。
多分、そう遠くない未来には食べログゴールドになっちゃうだろうなぁ。