3回
2022/09 訪問
「私は美味しいカツカレーを食べた」
写真家の仕事は「私はこんなに美しいものを見た」と報告すれば事足りるのである、と誰かが言っていた。
私は今日美味しいカツカレーを食べた。
地元町田の商店街のとても小さな店である。
有名な店なのでご存知の方も多いだろう。いつも行列だし、食べログや他の賞も取っている。
私もずっと以前から知っていたが足が向かなかった。
「どうせ市販のルーか、インドカレー屋のカレーしか食べたことない連中が、少しサラサラした日本風カレーを食べて騒いでるだけちゃうの?」と。
「完全に参りました」と言わなければならない。
「正真正銘のサラサラした日本風カレー」である。
インドカレーのようにスパイスが「際立っている」のではなく、スパイスの香りを維持しながら、あくまで「優美」である。どこかが尖り、突出することがない。
インド人もインドカレー好きの外国人も「日本のカレーは日本のカレーで美味しい」と言うが、まさに「サラサラした日本風カレー」として完成している。日本風カレーの一つの頂点かもしれない。それくらいバランスよく、上品で食べ飽きないカレー。
具は豚肉?人参、ジャガイモ、緑のやつ(名前忘れた)。その全てが変でない。
味も邪魔しない。人参もジャガイモも、もしかしたらその辺のものかもしれない(違ったらごめんなさい)。あるいは良いものだとしても、その味が前面に出てこないことで、全体としての優美さを保っている。肉もきちんと美味しい。
そして「日本一のカツカレー」と言うだけあって、カツと猛烈に合う。
シャバシャバのルーをかけて食べると、フライにするために纏わせた卵の香りまで立ってくる。そしてそれが全く邪魔でない。全体としてまとまりがある。
日本の絵画は二次元であり、楷書ではなく連綿する仮名書であり、ノートルダムではなく伊勢神宮であり、
そう言えば美味しんぼのカレー対決でも「至高のメニューはスパイスを使いこなす重層的な香りで圧勝するかに見えたが、究極側も平屋には平屋の良さがあると審査されて引き分けになったなあ」などと思い出しました。
香りが香りだけで終わらず「香り自体に旨味がある」と思わせる香りですね。
そして具と結びつき、具の旨味も引き出す。
そう言えば「旨味=UMAMI」も日本発信だったなあ。カレー対決でも究極側は「モルディブフィッシュ≒かつおぶし」を入れていたなあ、なんてことも思い出しました。
食べる手が止まりませんでした。
そして17時半頃に食べ終わり、現在帰宅して19時半を過ぎていますが、まだ多幸感が全身を包んでいます。
「カレーを食べるとセロトニンが出て幸せを感じる」と言うが、ここまでボーっとしたのはカレーでは始めてかな?
五感も研ぎ澄まされて虫の音も聞こえてきます。辺りはもう秋ですね。
今まで行かなかったのが勿体なかったです。
我が地元に、こんなに素晴らしい店があるなんて。
さすがに「リッチなカレー」「日本一」と言うだけはあります。
「看板に偽りなし」でしょう。
スパイスを熟知した上で、日本的に仕上げて来る。
まさに日本化されたカレーとして、一つの「オーソドックス=正統」だと思いました。
我が町田の名物であり、誇りですね!
2022/09/21 更新
15分程度待ったかな?
割とスラッと入れました。
100円でご飯大盛り、
200円でさらに大盛り。
カツとカレーがあるので、
200円分大盛りにして私には丁度良いですね。
トッピングはナスとアスパラがありました。
やっぱり非常に美味しいですね。
季節によって微妙に味が変わるんでしょうね。