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昼の点数:5.0
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¥1,000~¥1,999 / 1人
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30年憧れた車窓 20年恋焦がれた味
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2025/02/01 更新
昔話を一つ。長くなるのでスルーして頂いて構わない。そもそもこの話自体過ぎ去った過去の話だ。
神奈川にある工場の一角で毎日々々仕事に忙殺されていたが、"北斗星号ラストラン"のニュースを耳にした。子供の頃から30年来乗りたかった上野発の夜行列車、この機を逃すと永遠にその旅情を体験する事はできなくなってしまう。有給休暇も貯まっており、2月は比較的業務が落ち着いている(と無理矢理自分に言い聞かせて)ので、思い切って休みをとって北海道行きを強行する事にした。思い立ったが吉日とばかりに仕事中に(最早時効であるw)チケットの予約を図る。当然ながら大変な人気なので、チケットが取れなかったが、行きは北斗星号、帰りは北海道新幹線のセット販売であればA寝台が取れると分かり、力技でチケットを入手、遂に憧れの北斗星号に乗車を果たしたのである。
北斗星号に乗るだけでも充分満足な旅ではあったが、もう一つ、かなえたい目的があった。大学生の貧乏暮らしの時に、腹を満たす為に買いまくっていたカップラーメン、普段は大安売りのカップヌードルしか買わなかったのだが、バイト代が入った日にコンビニで"ご当地カップラーメン"のシリーズが売っていて、少し高かったが手を伸ばしたカップラーメンを食べるとコレがカップラーメンとは思えない程美味い。食べ終わってラベルを見たら"五丈原"と書いてある。諸葛亮孔明が志半ばにして斃れたその地の名は、三国志マニアの自分にはすぐに記憶に残った。ネットで調べてみると"すすきの"にある。大学の山岳部に所属していた当時は北は利尻富士、南は屋久島まで行ったが、"すすきの"は山男には一番遠い"ヤマ"なので諦めて五丈原のカップヌードルがあればなけなしの金で買い続けたモンである。
前置きが長くなったので旅の件は端折るが、もう山男から程遠い生活をしていたオッサンは、20年目にして初めてススキノの地に立つ。但し昼w夜のススキノに突撃するには予算が足りない、五丈原に入れればそれでいい。
近くには海老風味のラーメンで有名な一幻があるが、東京駅でも食べられるのでスルー。スマホのマップを頼りにススキノの方へ向かうと、遂にあったぞ"五丈原"。興奮を抑えながら赤い暖簾をくぐると典型的なラーメン屋の細長い店。2月の寒い北海道の街路を歩いて冷えた身体には店の温もりも優しく感じる。もう細かい事は覚えていないが、着席してチャーシューおにぎりとラーメンをオーダーした。然程時間もかからず置かれた丼の中に、憧れ続けた味がある。旅情と20年待ち続けたノスタルジックフィルターがかかっていただろうけれども、それを差し引いても泪が出るほど美味かった。カップラーメンでも美味いのだから、本場の味が美味くない訳がない。店員の接客やホスピタリティも実に丁寧で、何一つ嫌な思いをした記憶が無い。
五丈原を出た後、10年振りに札幌で働いてる大学時代の山岳部の仲間と会って酒を酌み交わしたのも良い思い出。だが、何と言っても再びこの時の旅の思い出を遡れるのは今もススキノの入り口に店を構えるこの店の味のみ。いつかまた必ず行くので、それまで末永く店を続けて欲しい、今もそう願っている。