三國朝陽さんが投稿した銀座 炎 田むら(東京/東銀座)の口コミ詳細

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三國朝陽のぼっち飯

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銀座 炎 田むら東銀座、銀座、築地市場/日本料理

1

  • 夜の点数:4.3

    • ¥30,000~¥39,999 / 1人
      • 料理・味 4.2
      • |サービス 4.1
      • |雰囲気 4.1
      • |CP 4.0
      • |酒・ドリンク 4.0
1回目

2026/01 訪問

  • 夜の点数:4.3

    • [ 料理・味4.2
    • | サービス4.1
    • | 雰囲気4.1
    • | CP4.0
    • | 酒・ドリンク4.0
    ¥30,000~¥39,999
    / 1人

ワイングラス越しに揺れる、炎と包丁の太刀筋。多くを語らず、急がず、火と向き合う――現代の日本の侍、その所作は静かに、夜を正確に記憶する。


どうも、ぼっち飯探検隊の三國朝陽です。

銀座の夜は、いつも少しだけ速い。
慌ただしいわけではない。
無駄を削ぎ落とした結果としての速度だ。
その流れに身を任せて歩くと、自然と背筋が伸びる。ここでは、姿勢までが会話の一部になる。

銀座シックスの裏手。人の気配は確かにあるのに、音だけが角を失った通りを抜ける。エレベーターで十階へ。扉が閉まった瞬間、街の輪郭が一枚、静かに外れる。

今夜の目的地は「銀座 炎 田むら」さん。
ご縁があり、こちらのお店に足を運びました。
カウンターの先で揺れる炎を見た瞬間、
この夜の主役は最初から決まっていたと分かる。

席に着いて、まずおしぼり。
強く主張しない、やわらかな香り。
指先から呼吸が深くなり、
身体が「急がなくていい」と理解し始める。
いい店は、説明より先に体温を整えてくる。

今夜はひとりではない。
前職を離れてから、距離が近くなった後輩と並ぶ。
上下でも同僚でもない、少し曖昧で、だからこそ信用できる関係。この席順も、火加減の一部だ。

乾杯は白ワイン。一昨日にカルフォルニアの美味しいワインに出逢うことができ、同じ地のFlowers Sonoma Coast Chardonnay 2023 を選択。
凛とした酸、その奥に丸みのある果実。
炎の前で白を選ぶと、場の温度が不思議と落ち着く。最近は食事量を抑えている分、
一杯の輪郭が以前よりはっきり分かる。
節制は、味覚を鈍らせない。むしろ研ぎ澄ます。

料理長・田村勝宏さんの所作は静かだ。
炭、薪、藁。すべてを使いながら、すべてを主役にしない。香りには強弱と間があり、舌が追いかける余白が残されている。

先附は甘鯛 酒粕。海老芋 海老餡鋳込。
冬の静けさを、そのまま皿に落としたような味だ。
派手さはないが、身体が正直に「うまい」と言う。

薪炙りの鮪。香りは一瞬立ち上がり、すぐに消える。消えるから、記憶に残る。
藁の香りのお造り、聖護院蕪の御椀。
火は前に出ず、料理の輪郭だけを整えている。

後輩との会話は自然と仕事の話になる。
「戻ってきてほしい」という言葉が、
軽く投げられたようで、実は重い。
本心かどうかは分からない。
それでも、胸の奥に確かな熱が残る。
炎だけが、その重さを黙って受け止めている。

请正人参 唐墨で、舌に緊張が走り、
黒毛和牛サーロインの焼きしゃぶで、それがほどける。火を入れ、休ませ、また火を入れる。
急がないという選択が、そのまま味になる。
食を抑えている今だからこそ、
脂の甘さが必要以上に響かない。

後半は陸のハイボール。炭酸が、言葉の角を少しだけ丸くする。

雪椿釜炊き御飯。蓋を開けた瞬間、湯気と温かな薫りとともに、今日という一日が静かに着地する。

締めはかき氷。
その前に、もう一度おしぼりが出てくる。
ばれないようにそっと匂いを確かめる。うん、改めて落ち着く匂い。最後まで気を抜かないという意思表示。このコースの結びを感じさせる。
自分は色々ベリーに練乳。
後輩は濃厚なほうじ茶マスカルポーネ。
迷いのない選択に、その人らしさが滲む。
少し分け合うと、距離も自然と縮まる。

小さな包みを渡される。
オーディション合格のお祝いだという。
派手な言葉はない。ただ、覚えていてくれたという事実だけが、静かに胸に残る。

炎は、相変わらず揺れている。
拍手も祝杯もない。
それでも、この夜は確かに特別だった。

焼き藁の香ばしさだけで押し切らず、
緩急と余白を残す。
だからこそ、接待でも、特別な会食でも、
この店は場の意味を裏切らない。

久々のようで、久々ではない新年会。
午年の始まりに、
炎の前で、名前を呼ばれた夜だった。

ぼっちで食べる時間もいいが、たまに仲間と食べる食事も最近は楽しいものと感じてきた。
誰かと火を囲む夜は、自分がどこに立っているのかを静かに教えてくれる。
食べ過ぎない今だからこそ、
一口一口の意味が、以前より深い。
今日もまた、食の冒険は続く。

祝福は、静かなほど深い。
炎は、証人になる。
夜は、前へ進んでいく。

◾️献立 (睦月三十一日)
○ 先附(二種)
 • 甘鯛の酒粕仕立て
 • 海老芋の海老餡鋳込み
○ お凌ぎ
 • 鮪の薪炙り
○ お造り
 • 本日のおすすめ(藁の香り)
○ 御椀
 • 聖護院蕪
○焼物
 • 鰆の柚子焼き
○中皿
 • 人参と唐墨
○ 強肴
 • 黒毛和牛サーロインの焼きしゃぶ仕立て
  (自家製ブリオッシュ添え)
○食事
 • 雪椿釜炊き御飯
 • おばんざい二種
 • 留椀、香の物
○甘味
 • 水菓子
 • かき氷
ディナー【33,000円コース】

○飲み物
 ・Flowers Sonoma Coast Chardonnay 2023
 ・陸ハイボール

Googleで“三國朝陽”で検索すると、その他のオススメも出てきます^^

2026/02/01 更新

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